※この作品はR-18です。

【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】   作:ドン・ドナシアン

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5話 ハロンドール王国への入国
031 エリカの猛特訓


「もう一度です。わたしだからといって、遠慮することはありません。敵だと思ってかかってきてください」

 

 棒を落としてうずくまってしまった一郎に、エリカが容赦なく言った。

 

「……別に、遠慮なんてしてないよ……」

 

 一郎は土を払ってから、剣代わりの棒を手に取ると、ゆっくりと構えた。

 無造作に構えていただけのエリカがかすかに揺れた気がした。

 

「いてえっ」

 

 なにが起きたかわからなかった。

 だが、我に返ると、エリカが目の前にいて、一郎は右手首を押さえてうずくまっていた。

 棒は地面に落ちている。

 

「隙だらけです、ロウ様。剣を構えたら……。いえ、構えなくても、常に油断してはだめです。いつ打ちかけられても対応できる。そんな風に構えてください」

 

「やってるよ──」

 

 一郎はさすがにむっとして声をあげてしまう。

 

「いいえ、気が抜けてました。ましてや、稽古の最中に気を抜くなんてことがあってはなりません。限られた時間なのですから、一生懸命にやってください」

 

 エリカが真剣な口調だ。

 

「一生懸命にやってるって、言ってるだろう──。そもそも、いまのお前の剣なんて、まったく見えなかったぞ──。油断なんかしてないけど、見えない剣が避けれるか」

 

 一郎は棒を放り捨てて、その場に胡坐をかいた。

 

「ちょっと、ロウ様、お待ちください」

 

 エリカがやっと焦ったような口調になる。

 

「もういい。やめだ、やめだ──。剣の練習なんて終わりだ。俺には素質がないんだ。それに、必撃の魔剣があるしな。地道に腕をあげる必要なんてまったくないだろう」

 

 一郎は吐き捨てる。

 

「そんなあ……。じゃ、じゃあ、もう少し優しくしますから……。お願いですから、もう少しやりましょうよ……。少しずつ上達していますよ……」

 

「そんなわけない……。俺には素質がない。お前らエルフ族のように、物心ついたときから狩猟民族をして鍛えているわけじゃないんだ。剣なんか博物館でしか見たことがないような平和な世界から来た外界人なんだ」

 

「そんなに拗ねないで……。ああ、じゃあ、素振りをしましょう。正しい姿勢で素振り百回……。それだけでいいです」

 

 エリカが困ったように言った。

 ハロンドールの国境に近いナタルの森の中の岩陰である。

 エリカとの旅もかなりになった。

 一郎とエリカは、あと一日でハロンドール王国の国境の町であるドロボークに到着するというところにやってきていた。

 

 エリカによれば、おそらく、野宿は今夜だけで終わりであり、明日の昼には、ドロボークの国境監視団の検問所に到着するらしい。

 そこで入国料を支払えば、いよいよハロンドール王国に入国できる。

 それ以降は、大陸街道の宿場町の宿に泊まることになるだろうということだった。

 

 一応の目的地は、ハロンドール王国の王都であるハロルドの城郭ということになっている。

 そこで冒険者登録をしようと話し合っていた。

 

 ハロンドールは、移民を大きく受け入れている国であり、移民がすぐに生活が立つように、冒険者制度を最初に作った国だそうだ。

 つまりは、冒険者ギルドという組合に一定の組合費を払って登録すれば、雑用から高額報酬の仕事まで、移民たちの能力に応じて、さまざま難易の雇い仕事を斡旋してくれるのだ。

 無論、難しい依頼ほど報酬も高くなり、実力さえあれば、一攫千金を手に入れるのも夢ではない。

 

 冒険者ギルドは、いまはハロンドール王国だけでなく、三公国やナタル森林内にも拡がっているらしいが、ハロンドール王国の王都内にある冒険者ギルド本部がすべての中心だということだった。

 

 いずれにしても、移民といえば、冒険者か傭兵であり、それでこれからの暮らしを立てていこうとエリカとは相談している。

 また、王都を目指すのは、そこに人が多いからだ。

 すでにアスカ城からは遠いが、あの魔女は、逃亡した一郎と、裏切者のエリカを血眼になって探しているに違いないのだ。

 それから逃れるためには、人の海に紛れてしまうのが一番いい。

 王都のハロルドであれば、冒険者の数も膨大であり、目立たぬようにしていれば、まず見つからないだろうというのが、エリカの意見だった。

 

 ただ、冒険者に依頼される仕事には、大なり小なり危険が伴う。

 だから、少しでも一郎の武術の腕をあげるために、毎日夕方には、稽古をしようということになったのだ。

 それで、野宿の支度を終え、棒で作った木刀を剣代わりにして、今日もエリカに稽古をつけてもらっていたのだ。

だが、生真面目なエリカの稽古はとても厳しく、ついに今日は一郎も音をあげてしまった。

 

「素振り?」

 

 一郎は地面にしゃがみ込んだまま、エリカを見上げる。

 

「はい、素振りをしましょう。百回でいいです。今日はそれで終わりにしますから」

 

「素振り百回って……。なんでもいいから、百回だけやればいいのか?」

 

 一郎は顔をあげた。

 

「それでは駄目ですよ。正しい振りでなければ、数には入れません。姿勢の悪い素振りは却ってよくありません。おかしな癖がついてしまいます」

 

「はああ?」

 

「正確にできたらわたしが、“よし”と声をかけますから、それが百回になれば、終わりにしましょう」

 

「なんだよ──。それだったら、いつ終わるのかわかんないじゃないか。いやだ──。いやだったら、いやだ──。もう疲れたんだ──。やめだよ」

 

「そんなことを言わないで、稽古をしてくださいよ、ロウ様……。冒険者は危険な仕事なんです。腕を磨いておかなければ、ロウ様にもしものことがあるかもしれないし……」

 

「いやだね」

 

 一郎は首を振った。

 エリカが嘆息した。

 

 すると、ずっと稽古を見守っていたクグルスが横で大笑いした。

 魔妖精であるクグルスは、人前で出すにはいろいろと支障がある。

 だから、明日からの旅では、召喚できる時間は限られることになると思うが、このナタルの森を進むあいだは、行き交う者もいないし、ほとんどずっと一郎とエリカの旅に同行をしていた。

 

「エリカが厳しすぎるから、ご主人様が拗ねてしまうんだよ。エリカが悪い──」

 

「あなたは、黙ってて、クグルス」

 

 エリカがクグルスを睨みつけた。

 

「それに、ご主人様には、必撃の剣という魔剣があるんだから、剣を納める練習をたくさんやったらいいんだよ。一度剣を振ったら、すぐにしまう。そして、また剣を抜く。それでいいじゃない」

 

 一郎の周りをふわふわとクグルスが舞う。

 

「口を出さないで、クグルス──。魔剣は確かにすごいけど、ロウ様に地力があれば、もっと魔剣は力を発揮するし、それに、もしも、一の太刀を受けられたら終わる話じゃない──。ロウ様に万が一のことがあれば……」

 

「ご主人様を守るのは、エリカの仕事だろう──。自分の役目を楽にするために、ご主人様を苛めるんじゃないよ」

 

「そうはいかないわよ……。この先はどんな連中が潜んでいるかわからないわ。旅人を狙うような者だっているって話もあるのよ。そういう時に守り切るのは大変なんだから──」

 

「だからこそ、ご主人様は前に出ずに、エリカが全部片付ければいいんだよ。危ないのはエリカのほうで十分じゃないか」

 

 クグルスが鼻で笑う。

 

「もちろん、わたしが前に出るわよ。でも、ロウ様自身も自分を守る力が必要よ」

 

「ほら、楽をしようと思っているじゃないか、エリカ」

 

「思ってないって、言ってるでしょう──。そもそも、口を出すんじゃない──。あんたの出る幕じゃないのよ」

 

 エリカが怒鳴った。

 険悪になりそうだったので、一郎も慌てて立ちあがった。

 

「待て、待て、待て──。やるよ。やる──。もう一度、稽古をつけてくれよ、エリカ──。ただし、今度は俺も本気を出す。だから、本気の稽古で俺が勝ったら、今日はやめだ。それでいいな?」

 

 一郎がそう言って棒を手にすると、エリカがほっとした表情になった。

 

「ありがとうございます、ロウ様──。とにかく、剣の上達には王道はありません。毎日、毎日、こつこつと鍛錬を続けるしかないんです。一生懸命にお教えしますので、とにかく、続けて……」

 

「わかった、わかった……。ただし、さっきも言ったが、俺が勝ったら、今日はやめな。とにかく、本気出すぞ」

 

「はい。では、やりましょう」

 

 エリカは嬉しそうに再び棒を持った。

 それを構える。

 一郎も用心深く距離をとって、ゆっくりと構えた。

 

 無論、思惑がある。

 これ以上に続けたら、いくら“ユグドラの癒し”で傷や痛みがすぐに癒えるといっても、疲れて動けなくなってしまう。

 そうすれば、エリカと「愉しむ」ことができなくなる。

 だから、一郎は「本気を出す」と言ったのだ

 その本気で負けたのなら、エリカも承知するだろう。

 もちろん、本気というのは、一郎の持っている力をすべて遣うということにあるのは間違いない。

 

「いい視線です。ずっとよくなりました」

 

 エリカがじわりと踏み込んでくる。

 それに合わせるように、一郎は同じ距離だけ静かにさがる。

 エリカがさらに前に出てきた。

 ここだ──。

 

「んあっ、ひっ」

 

 突然に、前にいるエリカの体勢が崩れた。

 一郎の淫魔力による遠隔操作で、感度を一気に上昇させながら、エリカの肉芽をゆっくりと擦ってやったのだ。

 

「ちょ、ちょっと、ロ、ロウ様……」

 

 エリカが真っ赤な顔でロウに困惑の視線を向ける。

 

「だから、本気だと言ったろう?」

 

 ロウはエリカの股間に念を送り続けながら、無造作にエリカに近づく。

 

「くうっ」

 

 エリカが悲鳴をあげて、さらに体勢を崩した。

 肉芽だけではなく、膣にも刺激を送った。

 だが、不意に横から棒が飛んできたと思った。

 

「いたああっ」

 

 一郎は悲鳴をあげた。

 エリカが姿勢を崩しながらも、横から一郎の右手を思い切り払ったのだ。

 一郎は思わず、左手で右手を押さえた。

 すると、足と足のあいだに、エリカの片脚がすっと入ってくる。

 そして、気がつくと、身体が宙を舞っていた。

 一郎は背中から地面に投げ飛ばされてしまった。

 

「こ、これで……わ、わたしの……か、勝ちです……。さ、さあ、真面目に稽古を……」

 

 エリカが膝をがくがくと震わせながら腰を引く姿勢で言った。

 本当にしつこい女だ。

 

「まだまだ──」

 

 一郎は今度はエリカの足のあいだに、自分の足を延ばすと、自由に動くことができないでいるエリカの身体をひっくり返してやった。

 

「さあ、体術といくか……。それとも負けを認めるか」

 

 一郎はエリカの全身のもやの部分を主体に、次々に刺激の場所を変化させてやる。

 エリカに覆い被さる。

 

「そ、そんな……そんなの卑怯……。あっ、ああっ……」

 

 エリカが一郎の身体の下で激しく悶え始める。 

 

「だったら、諦めろよ──。もう、こうなったら、抵抗なんてできないだろう……?」

 

 一郎は笑いながら、エリカの乳房に手を伸ばした。

 だが、次の瞬間、みぞおちの付近になにか衝撃が走ったと思った。

 

「ぐうっ」

 

 一郎は息ができなくなって、その場に突っ伏した。

 エリカが這うように一郎の身体の下から出てくる。

 

「はあ、はあ、はあ……。ま、まだですよ……。ちゃんと、真面目に……」

 

 エリカが荒い息をしながら立ちあがった。

 なにをやったかわからないが、息が一瞬止まったせいで、エリカの身体の遠隔操作を解いてしまった。

 エリカのステータスを覗く……。

 

 

 快感値:〈24/100〉↓

 

 

 すでに股間はべっとりと濡れているだろう。

 本当に頑張るやつだ……。

 一郎は息を整えながら、再びエリカに念を送った。

 

「はううっ」

 

 エリカがまたがくりと膝を崩す。

 そして、エリカは股間を両手で押さえて座り込んでしまった。

 エリカが絶頂するのに十分な刺激を遠隔操作で股間に送り込んだのだ。

 

「ああ、あああ、あはああ──」

 

 まるで断末魔のような悲鳴をあげて、エリカは身体を大きく反らせる。

 完全に達している。

 エリカの快感値は、〈0/100〉だ。

 それがしばらく続き、やがてエリカは、がっくりと脱力して横倒しになった。

 

 こうなったら、とことん凌辱してやろうと思った。

 まるでレイプをしているようで、これはこれで風情があっていい。

 一郎は、まだ絶頂の余韻の残っているエリカの身体にのしかかった。

 腿の半分ほどしか覆っていないエリカの短いスカートから、下着を剥ぎ取ってしまう。

 エリカはまだ呆けている。

 ついでに、スカートの腰の留め具を外した。

 

「な、なに……?」

 

 エリカが我に返ったようだ。

 しかし、このときには、すでにエリカの腰からスカートをもぎ取ることにも成功していた。

 すでにエリカは下半身がすっぽんぽんだ。

 

「エリカ──。負けたら罰ゲームだよ。罰ゲーム──」

 

 組み合っている一郎とエリカの周りを舞っているクグルスがからかうように声をあげる。

 一郎もにやりと微笑む。

「そうだな。罰ゲームだな……。俺が勝ったら、俺の淫魔力で尿道をクリトリス並みに敏感な場所に変えてやる。そして、おしっこだ……。小便しながら気をやるという珍しい体験をさせてやろう」

 

「そ、そんな……」

 

 一郎の下にいるエリカが顔を真っ赤にした。

 だが、一郎は思いつきで口にした自分の言葉に大いに興味を抱いた。尿道で気をやらせる……。

 支配下にある性奴隷の身体の性感を自由に操れる淫魔師だからこそできる技だが、やってみたいと思った。

 

 いや、絶対にさせる──。

 そう決めた。

 

「だ、だったら……。わ、わたしが勝ったら、ちゃんと毎日、剣の稽古をしてください」

 

 身体の下のエリカが荒い息をしながら言った。

 

「ああ、約束してやる」

 

 一郎はそう言いながら、エリカの腰付近に身体をずらして、顔をエリカの剥き出しの股間に埋めた。

 淫魔力で支配しているエリカに、一郎が負けるわけがない。

 一郎は、エリカのびしょびしょの秘裂に舌を伸ばそうとした。

 

「約束ですよ……」

 

 そのとき、エリカの太腿が強い力で一郎の顔を挟んだ。

 

「うわっ」

 

 身体がひっくり返る。

 気がつくと、一郎は仰向けになり、下半身裸体のエリカに馬乗りにされてしまっていた。

 

「ほ、本気でいきますからね──。ロウ様のためです……」

 

 エリカが両手を一郎の首の後ろに回した。

 それが強い力で引き寄せられた。

 

「んがあっ」

 

 一郎は白目を剥きかけた。

 首が圧迫されて、呼吸ができなくなったのだ。エリカは一郎を締め落とすつもりだ。

 咄嗟に淫魔力でエリカの脇の下にくすぐりの感覚を送り込む。

 

「ひやっ、ひいいっ」

 

 エリカの手が緩んだ。

 一郎はそのまま力任せにエリカを押し倒す。

 両腿を掴んで胸まで引きあげてやった。

 さっきの失敗をしないように、全身を舐めあげる感覚を送り続けている。さすがに、これではエリカも力が入らないようだ。

 身体を激しく悶えさせている。

 

 一方で一郎は、遠隔操作で責めすぎて、エリカが絶頂しないように刺激を加減している。

 いかせるのは一郎の性器でだ。

 そう決めた。

 

 エリカの快感値は、すでに〈10〉前後だから、その気になれば、あっという間に昇天させられるが、少し遊んでやろうと思った。

 とにかく、一郎は素早くズボンと下着を脱ぐと、一度の絶頂で濡れているエリカの愛液を潤滑油にして、怒張を埋め込んだ。

 

「んあっ、んんんっ、ああっ、あああ──」

 

 膣を押し広げられて、エリカは呻くような声をあげた。

 エリカが強く感じているのは明らかだ。

 快感値が一気に下がっていく。

 

 いかん──。

 

 もう少し長く愉しむつもりだったが、エリカの敏感すぎる身体は、もう歯止めが効かなくなっているらしい。

 ただ挿入するだけで、二度目の絶頂を極めてしまいそうだ。

 エリカは一郎の背中にしがみつき、身体を弓なりにしている。

 

 止まれ──。

 

 エリカの快感値が〈0〉になるのを頭で見守りながら、一郎は一瞬強く念じた。

 

「いやああ、あああ、えっ、なに、なに、なに?」

 

 エリカが狼狽して暴れ出す。

 一郎は挿入したまま、エリカを押さえつつ、同じように当惑していた。

 無理もない。

 一郎は改めて、観察を続けていたエリカのステータスを覗く。

 すると、当然におかしなことになっている

 

 

 “エリカ

 快感値:0.1(凍結)”

 

 

「ああ……な、なにをしたんですか……。ひ、ひどい……。ひどいです、ロウ様……。こ、こんなのない……。こんなのあんまりです……。ゆ、許して、許してください──」

 

 エリカが身体を震わせて泣くような声をあげた。

 一郎はほくそ笑んだ。

 エリカの快感値が、まさに絶頂の極限状態で固定されてしまったのだ。

 一郎の淫魔術による細工だ。

 

 しかし、これは堪らないだろう。

 一郎は女ではないから、それがどんなにもどかしくて、つらい状態なのかはわからないが、その苦しみと快感は想像がつく。

 しかも、凍結したということは、一郎が解除しない限り、その絶頂状態が延々と継続するということだ。

 これは面白い。

 

「降参か、エリカ?」

 

 一郎は言った。

 

「ひいいいいっ、こ、降参です……。ま、参りました……。だ、だから……、あああっ、あああああっ」

 

 エリカに組み伏せられたまま、泣き声をあげた。

 

「わかった……。だが、しばらく、そのままだ。我慢しろ」

 

 一郎は怒張の抽送を再開した。

 エリカが奇声をあげた。

 

 しばらく、狂ったように悶えるエリカを堪能した。

 一郎がエリカに精を放ったのは、エリカの膣を心いくまで愉しんでからだ。

 精を放った後、一郎は、すでにぐったりして虫の息に近いエリカから一物を抜き、エリカの絶頂のストッパーを解放してやった。

 

「ひいいい──ぎいいいいいいい──」

 

 すると、エリカがまるで発狂したかのような声をあげた。

 一郎も思わずたじろいだが、エリカはほとんどブリッジでもするかのように、腰を跳ねあげ、手足をばたつかせて全身をのたうたせる。

 

「ぎゃあああ──があああ──あがあああ──」

 

 エリカが凄まじい嬌声をあげ続けている。

 快感値はどんどんと下がり続けていた。

 〈0〉などとうの昔に通りすぎ、いまは〈-100〉を超して、〈-150〉に達する勢いだ。

 

 あまりの反応に一郎は唖然としてしまったが、すぐにからくりはわかった。

 絶頂を凍結したものの、快感が消失したわけじゃなかったのだ。

  溜まりに溜まって、そのあいだに受けた快楽が、凍結を解除した瞬間に、まるで堰が切れたかのように、一度に相手の女に放流されたらしい。

 それで、本来であれば、〈0〉にしかならない快感値が、どんどんとマイナスまで低下しているのだ。

 

 時間も長い。

 見ているとエリカは、本来であればあり得ないほどの時間を絶頂の状態で維持し続けている。

 

 やがて、エリカが止まった。

 気を失ったようだ。

 口から泡を吹いていて、だらしなく舌を出している。

 一郎はエリカが死んだのではないかと思って、慌てて胸に耳を当てた。

 

 ほっとした。

 エリカの心臓はこれ以上ないと思うくらいに激しく動いてはいるが、停止してはいない。

 

「いいなあ、エリカ……。気持ちよさそう……」

 

 じっと見守っていたクグルスがぽつりと言った。

 一郎は微笑んだ。

 

「おいで……」

 

 一郎は片手を出した。

 クグルスが嬉しそうに飛んでくる。

 手に乗ったクグルスを柔らかく掴んで揉む。

 

「あっ、き、気持ちいい……。気持ちいい、ご主人様……はああ」

 

 クグルスが一郎の手の中で嬉しそうに悶え始める。

 普通に触るとなんでもないのだが、感じさせようと思って触れると、クグルスは特に技巧を使わなくても、一郎の肌が当たるだけでよがり始める。

 クグルスの快感値がどんどん下がる。

 

 それを見守りながら、一郎はさっきの技で、今度は完全に絶頂状態で静止させてみたらどういうことになるだろうかと思った。

 それこそ、エリカ以上にのたうちまわることは間違いない。

 エリカには危険だが、淫魔族のクグルスが悶え死ぬということはないだろう。

 

 一郎は、たったいま封印するつもりだったこの危険な技を、さっそく遣うことに決めて、手の中にいる小さなもうひとりの性奴隷が絶頂の状態に到達するのをいまや遅しと見守り続けた。

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