【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
「に、二十うう──」
エリカは呻きとともに、必死の思いで数をかぞえ終わった。
最初は十発のはずだった。それが二十に増え、しかも数え間違いのたびに一からやり直しを命じられた。結局、百発近くを浴びせられた。
宙吊りになっている身体には全く力が入らず、吊り上げられている両手にかかる体重が激痛をエリカにもたらしている。
背中どころか、太腿から首にかけて、叩かれないところはない程に容赦のない鞭打ちを浴びた。
前からも打たれた。
さすがに、局部や乳房を鞭先が直撃されたときには、悲鳴をあげるだけで数をかぞえることなどできなかったが、そのたびに一発目からやり直しを命じられ、それでこれだけの数になったのである。
「なんだ、エリカ。感じているのか──? だらしなく乳首を勃起させて、恥を知るんだな」
背後にいたロウがエリカの前側に回ってきた。ロウはすっかりと服を整えている。エリカの身体に鞭打ち続けたわりには汗ひとつかいていない
また、いつの間にか持っていた乗馬鞭は消えている。
その代わりに、両手が伸びてきて、エリカの両乳首をそれぞれにこれでもかと抓られた。
「ひぎいいいっ」
脳天を貫くほどの激痛が走り、エリカは宙吊りの身体をのたうたせる。
だが、ロウはなかなかやめてくれない。
しばらくのあいだ、エリカはただただ悲鳴をあげ続けた。
そして、やっとロウが手を離す。
すると、今度は手に小瓶を持っていた。
指を小瓶の中に入れて、どろりとした粘液をすくってエリカに示す。
つんという刺激臭がエリカの鼻を襲った。
エリカは嫌な予感がした。
「エリカの大好きな痒み剤だ。すぐに狂うような痒みが襲うぞ」
「す、好きなんかじゃありません──。大嫌いです──」
「嘘をつくな。エリカは痒み責めで苛められるのが大好きだろう。さっきも随分と乱れていたじゃないか」
ロウがエリカの乳房の裾野から乳首の周囲、さらにロウの指摘のとおりに固く勃起している乳首にも粘液をすり込んでくる。
「う、うう……」
エリカはすぐに襲ってくるに違いない痒みの苦悶の再開を予感して、ぎりぎりと歯を喰いしばった。
それはともかく、エリカはあれだけ乗馬鞭で打たれたはずの鞭痕が身体のどこにもないことに気がついた。
背中側はもちろんわからないが、前側からも激しく鞭打たれている。
だが、目に映る乳房には、一片の痕跡すら残っていない。
どういうことだろうかとは思ったが、すぐに、またロウがあの不思議な「淫魔術」でエリカの傷を癒やしたのだと悟った。
だが、いつの間に……?
そんな感覚なかったのに……。
「さあ、今度はここだ」
ロウがエリカの股間に手を伸ばす。もちろん、その手には小瓶からすくった粘液がたっぷりと載っている。
「あっ、も、もう、そこは許してください」
咄嗟にエリカは片脚を曲げて、股間を守ろうとした。
「じゃまな脚だな」
ロウが笑みを浮かべたのがわかった。
次の瞬間、エリカの両足首に肩幅ほどの金属の棒を挟んで、鉄の環が嵌まった。
「えっ?」
なにがどうなったのかわからないが、一瞬にして足枷を嵌められて、エリカは宙吊りの脚をまったく閉じられなくなった。
エリカは唖然とした。
もしかして、淫魔術というのはそんなこともできるのか──?
いずれにしても、足首の間に棒を挟まれて拘束されてしまったエリカには、今度こそロウの指にある粘液を拒む手段がない。
ロウはエリカの股間の亀裂の表面から内側にまで指で液剤を塗り込んでくる。
「ひああっ、ひん」
無理矢理に指を挿入されて痛みのようなものが走る。
エリカは歯を喰いしばった。
「なんだ、エリカ、びしょびしょじゃないか。なんでこんなに濡らしているんだ? 鞭打ちがそんなに気持ちよかったか」
ロウが粘液を塗り足しながら、揶揄するような言葉をかける。
今夜のロウはいつもに増して意地悪だ。
エリカは羞恥でかっと身体が熱くなる。
「そ、それは……。さ、さっき、犯していいただいたので……」
「馬鹿を言うな。俺がエリカを犯したのはかなり前だぞ。しかも、鞭打ちの前だ。お前は鞭打たれて欲情して感じたんだ。そうだな──?」
「ち、違います──。意地悪を言わないでください」
「意地悪じゃないぞ。叩かれたのに、おまんこはびっしょりだ。お前はマゾだ。苛められて欲情するのがエリカの性癖だ。認めるんだな」
「マゾ……なんかじゃ……」
しかし、エリカは自分が他人よりも感じやすい性質であることは認めているが、そんな性癖だとは思わない。
ただ、ロウのすることなので身体が反応するだけだと思っている。
「いいや、お前はマゾだ」
ロウが新たな粘液をすくって、股間に塗り足してくる。
「う、くうっ」
その刺激にエリカは吊り上げられている鎖を両手で握りしめる。
さらに、ロウは慣れた手つきで太腿やお尻の穴、さらに脇腹や脇にまで粘液を塗りまくってきた。
そして、手を離しエリカから少し離れて、見守る体勢になる。
異変が起きてきたのはすぐだった。
粘液を塗られた場所がじりじりとした感覚に襲われたのだ。
「ぐうっ」
エリカは思わず呻き声を出した。
異様な感覚はすぐに妖しい熱さに変わったのだ。
そして、あっという間に壮絶な痒みに変化した。
「あああ、いやああ」
エリカは悲鳴をあげて体を揺らす。
「ああっ、いやあ、ロウ様──。もうだめです──。なんとかしてください──」
エリカは眉をひそめた。裸身は右に左にとくねくねと踊るように動いている。とてもじゃないがじっとしていられないのだ。
吊られている両手首に痛みが走るがむしろ、それはありがたい。
だが、一瞬ごとに痒みが増大していく。
我慢できない──。
「なにをしてもらいたんだ、エリカ?」
ロウが腕組みをして離れたまま嘲笑う。
本当に今夜のロウは意地悪すぎる。
まるで人が変わったみたいだ。
エリカは必死の視線をロウに向ける。
「か、痒いんです──。な、なんとかしてください──」
「そうだろうな。そりゃあ、痒いだろう。それで、どこが痒い?」
「む、胸です……。こ、股間も……。お、お尻も……:
「贅沢だな。一箇所ずつだ」
ロウがエリカの前に立つと、右の乳房の裾野を丸みに沿って柔らかく撫でた。
指先が当たるかどうかのかすかな接触だ。
「はううっ」
それだけの刺激でエリカは裸身を大きく弾ませた。
耐えられない痒みが乳房を染め尽くしていたのだ。
しかし、ロウはまったく力を入れてくれない。相変わらずに当たるか当たらないかのかすかな刺激しか与えてくれない。
それがずっと続く。
「ああっ、も、もっと……。もっと強く揉んで……ください」
たまらず、エリカは哀願してしまった。
これなら、なにもされない方がましなくらいだ。しかし、まったく癒やされない掻痒感とともに、ロウの繊細な愛撫はエリカの身体から性感という性感を呼び起こし、さらに焦燥感を膨れあげさせる。
それがどんどんと拡大する。
「ほう、もっと強くか……? マゾのエルフ殿はやっぱり、こうやって意地悪されたいんだな?」
だが、ロウは意地の悪い笑みを浮かべたままだ。
「い、意地悪をしないでください──。も、もっと強く揉んでください──。お願いです、ロウ様──」
ついにエリカは泣き声をあげた。
「だったら、マゾだと認めるんだね。マゾの奴隷だったら欲しいものをやろう。そうでないなら、いつまでも腰を振っていればいい」
すると、ロウが反対側の乳房をそろそろとなぞり回してきた。
「はああっ、はあんっ」
エリカは汗を撒き散らすようにしながら、胸を大きく喘がせる。
「マゾだと認めるんだな。エリカは苛められて喜ぶ変態エルフだとね」
ロウが乳房を撫でながら笑う。
もう限界だった。
エリカは観念した。
「ま、まぞです──。エ、エリカは、まぞの変態エルフです──。だから、どうかもっと強く……、あはあああっ」
エリカは悲鳴のような声とともに、身体を大きく仰け反らせた。
ロウがエリカの言葉が終わる前に、力強く揉んでくれたのだ。
激しい喜悦が全身に迸る。
「ふああっ、あんっ、いやあっ、あっ、ああっ、ああっ」
身体をよじりながらエリカは連続で身体を弾ませる。
一転して、強いロウの両乳房への愛撫が始まった。
気持ちがいい──。
もっとも、ロウのいつもの神がかったような愛撫までにはいかないが、それもまた、ロウの意地悪なのかもしれない。
ただ、狂うような掻痒感に襲われている乳房を荒々しく揉まれるのは、四肢に響き渡るような快感だ。
「ははは、確かに意地悪をすればするほどに、淫気が放出されるなあ。すごい力だ。ありがたい」
ロウが笑いながら乳房を揉み、今度は舌をエリカの胸に這わせ、舐め吸ってくる。しかし、やっぱりいつもの愛撫とは違う。
それが焦燥感となって、エリカを狂わせだしてもくる。
「も、もういやあっ」
エリカはロウの舌から逃れようと、必死に身体を捩ると、それを利用するように、今度はロウはエリカの首筋や脇腹、脇などに舌を動かしてきた。
エリカの抵抗にも、ロウには特に慌てる様子もない。むしろ、愉しんでいる感じである。
ロウの意地悪い愛撫を避けようとすると、またもや乳房を口で刺激される。
エリカはいつまでも翻弄され続けた。
「そろそろ、こっちもいいか?」
ロウの手が乳房から離れて、エリカの腰の後ろに回り、エリカのお尻をするりと撫でる。
「ふわっ、ああっ」
ぞっとするほどの異様に熱い感覚が走り抜ける。
「尻の穴も感じるんだな、変態エルフ。ほら、苛めてくださいと口にしろ」
「い、苛めてください──」
思わず口にする。
すると、ロウがエリカのアナルの中に指を押し込んできた。
幾重にも塗り込まれた粘液を潤滑油にして、あっという間に根元まで指を入れられたかと思うと、内癖を残らず擦るように左に右に、右に左にと回転してくる。
「あああん、いやあああ」
エリカは喉元を突き出すようにして高らかな声をあげていた。
乳房への刺激で忘れかけていたが、刺激を受けていないアナルは狂うほどの掻痒感に襲われてずっと放置されていたのだ。それを指の刺激により自覚させられる。
「感じるんだな、マゾエルフ」
反論しようにも、次々に駆け上がるお尻の快感に、エリカはただただ官能を狂わせるしかなかった。
それにしても、今夜のロウはあまりにも意地悪すぎる。
侮蔑的な言葉を繰り返すし、決定的な快感を抑えるようにした愛撫しか与えてくれない。
もうおかしくなりそうだ。
「さて、いよいよ、マゾエルフ殿のおまんこだ。どれだけ淫気を放出してくれるか愉しみだ。たっぷりと搾り取ってやるぞ」
再びロウがエリカの正面に回る。
視界に戻ってきたロウは全裸だった。
股間では怒張がしっかりと隆起している。
「犯して欲しいか、エリカ? だったら、お強請りするんだ。犯してくれとね。心から願えば、かなえてられるぞ。俺は獲物の底にある欲望にしか従えないからな。さあ、口に出せ。犯してくれって」
ロウが指をエリカに股間に這わせて、そっと果唇をくすぐってくる。
「あんっ、ふわあっ」
エリカは大きく息を吸い込んだ。
すると、さらにロウが反対の手をエリカの腰の後ろに回して、またもやアナルに指を挿入してきた。
前後から二穴を責められて、エリカは悶え狂った。
そして、前側の指がクリトリスをぐいと押し回す。
「んふううっ」
エリカは身体を跳ねあげた。
「お漏らししたみたいに濡らしてくるな。さあ、言え。俺に犯してくれってね。それとも、もっと焦らされたいか?」
ロウが笑いながら前後から指を離す。
「ああっ」
エリカは思わず歯を喰いしばった。
痒みに襲われている股間やお尻を放置されるよりも、刺激を受けてから中断される方が苦しいのだ。
あっという間に発狂するような掻痒感がぶり返す。
「ほらほら、犯してくれって言うんだ。俺の精を放って、淫魔術で支配してやる。そして、俺の必要な力の苗床として飼ってやる」
ロウがエリカの前で腕組みをしたまま笑う。
またもや放置の体勢だ。
エリカはもはや耐えることを諦め、不自由な揺すりたてた。
「ああ、もう堪忍してください──。ロウ様、犯して──。犯してください、ロウ様──」
「ロウ様じゃない。“あなた”と言え。あなたに犯して欲しいってね」
「うう、犯して──。犯してください──」
「誰にだ?」
「ロウ様です──。ロウ様、犯して──」
「あなただ。あなたと言え──。それとも、もっと焦らそうか。いや、掻痒剤を重ね塗りしてやろう」
ロウがまたもや、手に粘液の入っていた小瓶を手に持ち、そこから指で新たな粘液をすくう。そして、入り口に近いところと、クリトリスを撫でてくる。
エリカは頭がおかしくなりそうだ。
「ああん、だめえっ──。犯してください、あなたに犯して欲しいいいっ」
自分でもなにを口走っているのかわからない。
「望みを叶えよう。そして、淫魔術で支配してやろう。俺の苗床になれ」
ロウがエリカの宙吊りの脚を両手で抱えて、エリカの腰を持つ。
なぜか、足首の拘束が解けているが、また不思議な術を使ったのだろうかと思った。
それよりも、エリカはついに狂いそうな痒みと疼きを癒やしてしてそうだということしか考えられなかった。
「は、はい、な、苗床に……」
苗床とはなんだとはちょっとだけ頭がよぎる。
だが、両手首を吊られている鎖が少しだけ降りて、エリカの腰の位置と、ロウの腰の位置が重ねるように調整された。
ロウの怒張がエリカの股間に当たる。
そのときだった。
「うわっ」
「きゃああ」
突然にロウが声をあげて後ろにひっくり返り、エリカを手放した。
エリカは脚を地面にぶつけたかたちになる。宙吊りの鎖が少しばかり緩められていたので、両脚が地面に着いたのだ。
「コゼか。どうした──?」
現れたのはコゼだった。
そして、どうやら、ロウを後ろから引っ張って、エリカから離したのは、突然に出現したコゼだったようだ。
コゼは、エリカとロウと同様に全裸だったが、その顔には憤怒の気配がある。
珍しいことだと思った。
最初の時期は暗い顔が多かったコゼだが、数日前のアッピア峠の温泉で休んだとき以降、人が変わったように陽気で明るくなっていたのだ。
それにしても、本当にコゼがロウを後ろから引き倒したのか?
そんな乱暴を彼女が──?
エリカは唖然とした。
「コゼ、どうしたの? ロウ様になにをするのよ……。いえ、そもそも、あ、あんた、どこに?」
そういえば、しばらくのあいだ、コゼはそばにいなかった。
エリカが最初にロウに愛された後に気を失っているあいだに、いつものように責め潰されて隅で休んでいるのかとも思っていたが、考えてみれば、ずっと気配を感じなかった気がする。
「どこにじゃないわよ。あんた、それでもご主人様の奴隷なの──?」
コゼはエリカを一瞥して、吐き捨てるような言葉を吐くと、次いで、まだ倒れたままのロウに視線を向ける。
「コゼ、どういうことだ──。なんで邪魔する──? 俺だぞ──。お前のことだけを愛している俺だぞ」
腰を地面につけたままのロウが当惑したように声をあげた。
「あたしのことだけを愛するね……。でも、ご主人様はそんなことは言わないわ。たとえ、あたしが望んでもね」
コゼはそう呟くと、いきなりロウに掴みかかった。
そして、ロウの頭をコゼが両手で掴む。
次いで、ロウの首があり得ない方向に曲がった。
ゴンと鈍い音が響き、ロウの身体から力が抜けた。絶命したのは一瞬だった。
エリカは驚愕した。