【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
夕刻前のマイムの宿──マニラとトーイの親子が営む、中心街からやや離れた宿屋の一室である。
一郎たちは町での調査を終え、依頼主ニーナへの報告を待っていた。彼女は夕食の頃に宿を訪れ、毎日のようにその日の成果を聞き取っていくことになっていたが、この数日の調査である程度の調査結果がまとまった。
今夜はそれを報告するつもりだった。
だが、城郭の別の高級宿に宿泊しているニーナがやってくるいつもの刻限まではまだ間がある。
退屈を紛らわせるように、一郎はふたりの女に命令を与えていた。
『絶頂をせずに寸止めを三度繰り返す。ぎりぎりまで追い込み、自分で寸前で止めること。三回終われば抱く。ただし、一郎が認めた寸止めでなければ、一回と認めない』
ただの自慰ではない。
一郎の目には、ふたりの身体から立ちのぼる性感帯の位置と快感の深さを示す「赤いもや」に加え、ステータスとして「快感値」を数値が見える。
それを使って、〈1〉まで、自ら落とせたときに、寸止め成功だと、一郎は判断していた。
だが、女たちはそれを知らない。もちろん自分のステータスも読めない。
与えられた命令はただひとつ──「絶頂寸前の極限で止める。ただし、絶対に絶頂してはならない」──だ。
それだけを頼りに必死に感覚を探り、耐えているのである。
エリカとコゼの腰から下の衣服と下着は、命令で脱ぎ捨てさせられ、もうひとつの寝台に無造作に重ねられていた。そのすぐ上には一郎自身のズボンと下着も並んでいる。
一郎もまた下半身にはなにも身につけず、逞しく欲情した怒張をさらしていた。
ふたりの女はその怒張に飢えた獣のように視線を送り、愛液に濡れた指を止めることができない。
「あっ……あっ……ああ……」
椅子に腰かけたエリカが甘い声をあげる。両膝を手摺りに乗せ、大きく股を開き、指を亀裂へ沈めて肉芽を擦り上げている。
蜜は腿を濡らし、羞恥に耳まで赤く染めながらも、視線はちらちらと一郎の怒張に吸い寄せられていた。
「はあ、はあ……。ご主人様……も、もう……いきそう……」
一方、足元の床に座るコゼも、童顔に似合わぬ卑猥な仕草で指を蜜壺に沈めていた。
透明な雫が寝台の白布に落ち、細い身体は痙攣するように震えている。
「あ、ああっ……こ、これで……どう……ですか……。くううっ」
コゼが声を震わせる。
一郎は目を細め、ステータスを確認した。まだ快感値は〈11〉くらいだ。かなりの余裕がある。
「全然だめだな。もっと自分を追い詰めろ。もっとぎりぎりまでだよ」
「は、はい……」
コゼが自慰の指の速度をあげる。
じわじわと「快感値」が下がりだす。
「うう……は、はい……はあ、はあ……あ、ああ……」
エリカは必死に指を動かし続けた。
亀裂に埋めた指をくちゅくちゅと蠢かせ、肉芽を擦るたびに細い腰が跳ねる。
蜜が糸を引きながら腿に垂れ、乳首は服越しに突き上がり、呼吸のたびに胸全体が震えていた。
頭を仰け反らせ、涙に潤んだ瞳で一郎を見上げながら、甘い声を押し殺しては洩らしている。
「はあ、はあ……あ、ああ……っ……んんっ……」
限界を超えそうな快楽に身体を震わせつつも、命令に縋るように寸止めを繰り返す。自分で引き戻し、また追い込み、ぎりぎりの淵で耐える──。
エリカの身体は敏感すぎるのだ。エリカに限らず、大抵の女は、快感値〈10〉前後から一気に〈0〉へ転落して絶頂する。
エリカは、特にそれが顕著だ。
本来なら一瞬で通り過ぎてしまうはずの〈10〉以下を、意識的に制御して保ち続けなければならない。これはエリカにとって、寸止め以上の苦悶だろう。
絶頂に至らぬまま、烈しい昂ぶりの只中で止め続ける──それは女の心と身体を同時に責め苛む苛烈な調教だと、一郎にははっきり見えていた。
とにかく、ふたりとも、幾度も〈1〉に届く前に自慰を中断してしまい、一郎から「失敗」と判定を受けていた。
そのため、実際の寸止め回数はすでに十回を超えているが、認められた寸止めは、エリカが二回、コゼはまだ一度もない。
だが、命令には従わねばならない。ふたりは涙と汗を滲ませながらも、なお自慰を続けていた。
寸止めに苦悶する女ほど、従順で淫らなものはない──一郎は愉しく観察を続ける。
「い、いまは……まだ……でしょうか──? ご、ご主人様、いまは──?」
コゼが泣きそうな声で言った。
快感値〈9〉──。
自慰を続けながらコゼはぶるぶると身体を痙攣させているが、まだだめだ。
ただ、絶頂ぎりぎりという感覚がわからないので、そこでやめているだけだろ。
一郎はまたもや首を横に振る。
「まだだ……。じゃあ、一度教えてやろう、コゼ……。お前はまだ極限をわかっていない。俺が止めるべきところを指示するから身体で覚えるんだ」
「は、はい……ご主人様……」
一郎の低い声に、コゼは涙目で頷く。
息を荒げながらも従順に膝を立て、上体を震わせる。
「もう一本の指を尻に入れろ。そこは俺がお前に徹底的に仕込んできた場所だろう」
「……は、はい……」
コゼは膝立ちになり、ためらいがちに空いた左手を背後へ回し、ひくつく尻の割れ目へ押し当てる。
すでに蜜で濡れた指先は、わずかな抵抗のあと、コゼ自身のお尻の皺の奥へと沈み込んでいった。
「んっ……ああっ……お尻……入った……入り……ました」
「なら、動かせ。感じるようにな」
コゼの両手の指が同時に動き出す。
前穴をくちゅくちゅと掻き混ぜ、後ろ穴をずぶりと押し広げる。
膝立ちで背を反らせた姿は、一郎からすればまるで獣の発情に等しい。
童顔の娘が必死に従いながら、快楽に喘いでいる。
「ああ、あああっ、もうだめええ、ご主人さまああ──い、いっちゃいそうです……ああああっ」
「いいぞ……そのまま突きあげろ。もっと深くだ──。腰を震わせて──」
「ひっ……あ、ああ……だめ……っ、すご、すごいいいっ……」
一郎の声に導かれ、コゼの快感値は急速に下がっていく。
ステータスの数字が〈5〉から〈3〉へ、さらに〈2〉へ……。そして、絶頂へと転落する寸前で、一郎が言った。
「止めろ──。そこだ──動きを止めろ」
「んんっ……んっ……っ……あ、ああ……っ」
コゼは喉をひきつらせ、全身を硬直させる。
股間と尻に埋まった指は体内を震わせ、熱が爆発しそうに膨れあがっている。
それでも必死に動きを止め、必死に堪えている。
もうすぐだ……。
快感値〈1〉──。
一郎にははっきりと数字が見えていた。
普通なら絶頂に墜ちるしかない極限で、コゼは涙と汗に濡れながら唇を噛み、必死に主人の命令に従っている。
「ご……ご主人様……っ……止めました……。わ、わたし……止められました……っ」
小さな身体が震え、涙が頬を伝う。
ほとんど絶頂の淵で寸止めを成し遂げた従順さに、一郎は唇を歪めて愉しげに笑った。
「……ああ、よくやった。これで一回目だな。だが極限で止められた。十分だ、今回は特別に認めてやろう。ご褒美だ。犯してやる」
一郎はコゼを呼び寄せる。
コゼが嬉しそうに抱きついてきた。小柄な身体が胸に飛び込み、まだ震える指先から蜜の匂いが漂う。
そのとき、椅子に腰かけたままのエリカが、涙目で声を張り上げた。
「そ、そんなの……ずるい……。三回だって言ったじゃない……。わ、わたしは二回も終わらせてます……。なのに、コゼはまだ一回……っ。なのに、どうして許されるの……っ」
涙に濡れた瞳を揺らしながら、必死に抗議をする。だがその手の動きは止まらない。
蜜をすくいながら、羞恥も忘れて膝を開き、指で肉芽を擦りあげていた。訴える声とは裏腹に、蕩ける喘ぎが喉から漏れてしまう。
「はあ、はあ……ずるい……。ご主人様……それは……理不尽です……っ」
一郎はその姿を眺め、唇を吊り上げた。抗議をしながら自慰に耽る矛盾が、なんとも可愛らしく映る。
「なんだかんだ言っても、今回の調査の主役はコゼだったんだからな。その分のご褒美もある。だから一回目で認めたんだ」
「そ、それはそれでしょう……。だ、だったら……わたしだって……」
エリカは涙でぐしゃぐしゃになりながらも、必死に訴える。
腰を震わせ、蜜を滴らせながら、それでも「自分も認めてほしい」と必死に声をあげている。
「はは……いい顔だな、エリカ。抗議してるのに、身体は勝手に従ってて……」
笑い声が部屋に響くと、エリカの頬がさらに真っ赤に染まり、潤んだ瞳が一層切なく揺れた。
「そんなのどうでもいいです。わ、わたしだって……わたしだって……」
涙目で必死に訴え続けるエリカの声に、一郎はとうとう堪えきれず噴き出してしまった。
「はは……わかった、わかった。お前も来い」
一郎に呼ばれた瞬間、エリカの瞳が大きく見開かれ、涙で濡れたまま輝いた。
椅子から立ち上がった彼女の震える指先は、なお蜜で濡れ、膝が力なく揺れている。
だが、懸命に寝台にあがり、一郎にじがみついてきた。
その肩を、先に許されたコゼがそっと支える。
「……ふふ、よかったね、エリカ……ご主人様に認めてもらえて」
コゼがエリカに小声で囁き、指先を重ねる。
「えっ?」
涙でぐしゃぐしゃの顔を上げたエリカは、一瞬きょとんとしたが、やがてかすかに微笑んだ。
「……うん……ありがとう、コゼ……」
一郎はその光景を見て、口元を歪めた。寸止めに苛まれながらも互いを気遣う牝奴隷同士の絆は、支配する者からすればなおさら愛おしい。
「ふたりまとめて抱いてやる。寸止めで焦らされた身体に、いま全部を与えてやる」
一郎の腕の中に、汗と涙と蜜に濡れたふたりが絡み合うように身を寄せてきた。
ふたりをまとめて抱きしめる。
「ひゃん」
「あんっ」
寸止めで焦らされ続けた肉体は、触れられるだけで弓なりに跳ね上がる。
「だが忘れるな──お前たちの寸止めはまだ不十分だったんだからな。簡単にはご褒美はないぞ」
怒張でまずコゼの蜜壺を貫いた。前戯など不要、入り口から奥まで一息に突き上げる。
「ひゃああっ、ああああっ」
甘い悲鳴とともに小さな身体が弓なりに反る。
同時に、エリカには指を突き入れた。二本を一気に沈め、膣壁を内側から擦り上げる。
「ひああっ……ああっ」
そのまま──寸前で静止する。
搾りつくすように膣が指に絡みつき、エリカは涙をこぼしながら絶叫した。
抽送を始めると、今度はコゼの中で寸前に止め、すぐに浅く引き抜く。突き上げ、止める。再び浅く突く──。
交互に、コゼには怒張を、エリカには指を。次の瞬間には入れ替え、また寸止め。
果てそうなところまで引き上げ、寸前で引き戻す。そのたびにふたりの身体が跳ね、声が重なり、快楽は狂気へ変わっていく。
「やっ……あっ……また止めるの……っ」
「ひっ……だめぇ……っ……狂っちゃう……っ」
寸止めを幾度も繰り返された肉体は、もはや一度の抽送で絶頂に直結するほど昂ぶっている。
止められるたびに絶叫を上げ、互いの手を握り締めて耐え続ける。
エリカが震える声で「いっしょに耐えよう」と告げれば、コゼも嗚咽まじりに「うん……エリカも……」と答える。
ライバルであり、同じ苦悶に囚われた仲間でもあるふたり。手を取り合う姿に、一郎の支配欲はさらに昂ぶった。
そして──。
「……もういい。よく耐えたな。今度こそ、いかせてやる」
その一言で、ふたりの瞳が大きく見開かれた。
まずは、エリカ──。
怒張を貫かせて、激しく律動する。
抽送は止めない。寸止めで堰き止められていたエリカの中の奔流が、一気に解き放たれる。
「あああああっ……だ、だめぇええええっ」
あっという間に、エリカが絶頂に達する。
背を反らし、髪を振り乱し、絶叫とともに全身を痙攣させた。
膣が暴れるように怒張を締めつけ、がくがくと身体を痙攣させながら果てていく。
一郎もその爆発に合わせて深く突き込み、精を容赦なく注ぎ込んだ。
次はコゼ──。
素早く、怒張をコゼの中に移した。
「ひっ……あ……あああああっ……ご主人様……ああああ……っ」
激情で暴れるエリカとは対照的に、一郎の抽送に合わせて、コゼは必死に一郎へ縋りつき、泣きじゃくりながら震える。
小さな身体は一郎の背にすがりついたまま、従順に、そして甘えるように絶頂へ溶け落ちていった。
その涙声に応じるように、一郎はさらに奥深くまで突き込み、どくどくと精を注ぎ込んだ。
激情に暴れ果てたエリカと、従順に縋り果てたコゼ──。
対照的な果て方をしながらも、ふたりの手は固く握られたまま。
涙と快楽に濡れた表情は、歓喜と屈服の色に染まり、やがて完全に脱力していく。
一郎は満ち足りた笑みを浮かべ、低く呟いた。
「……可愛いな、ふたりとも」