【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
一郎の耳に、長く尾を引くような呻きが響いていた。
床にうつ伏せに縛りつけられたドルニカの姿を、一郎は冷ややかに見下ろしている。
ドルニカの両脚は胡座を強いるように縛られ、腕は背中で後手に固められていた。腰を高く突き上げた格好のまま、黒犬の怒張に深く貫かれている。
ドラクスの毒入りの油剤を膣に受け入れることを、この女は最後まで拒んだ。
その結果、乾ききった肉を裂かれるように突き込まれ、最初は絶叫と苦痛しかなかった。
だが、黒犬の交尾は際限がない。延々と続く結合に責められるうちに、女の身体は否応なく反応を示しはじめていた。
快楽を認めまいとしているのが、一郎にははっきりとわかった。
苦痛に顔を歪めながらも、快楽に頬は赤く染まり、唇はかすかに震えている。
涙を浮かべ、羞恥と屈辱に身を焼かれながら、震える声を絞り出していた。
エリカとコゼは、ドルニカの両肩と腰を押さえ込み、黒犬の衝撃に揺さぶられぬよう必死に支えている。
視線は恐怖と嫌悪に揺らぎ、正面を見ようとしない。
また、宙を舞うクグルスが黒犬を制御していた。小妖精の魔力が獣を発情させ、ドルニカを逃れられぬ責めに繋ぎとめているのだ。
一郎の足もとにはブルドが正座していた。
かつての主人を見ようとせず、一郎だけを欲情した眼差しで見つめている。
だが、ドラクスの中毒症状が忍び寄っているのか、身体は小刻みに震えていた。
それでも、一郎が与えた「待て」の命令に従い、必死に耐え続けている。
その先、ドルニカが黒犬に責め立てられている光景の向こう、部屋の隅ではニーナとトーイが裸で抱き合っていた。
ニーナの身体には、先ほどまでクグルスが入り込んでいた。
小妖精は一郎の指示を受け、毒を祓おうと懸命に動いた。それにより、痒みだけは癒え、肌の疼きは治まった。
だが、媚薬や発情を操ることを得手とするクグルスにとって、毒そのものを消すことはできなかった。
残されたドラクスの毒の中毒症状の苦しみが、なおニーナの内側を蝕み続けているのだ。
ニーナはトーイにしがみつき、爪を背中に深く食い込ませて震えている。
痙攣が襲うたびに肩が強張り、喉から小さな呻きが洩れる。
呼吸は荒く、胸は小刻みに上下し、唇は紫に乾いていた。
トーイはそれを必死に抱きとめていた。
額を寄せ、頬を擦り、背を何度も撫で続ける。
その動きには無力さも滲んでいたが、ニーナを苦痛から救いたいという一心さが隠されてはいなかった。
彼女が震えるたび、より深く腕を回し、自分の体温を分け与えるように抱きしめていた。
ニーナはその胸に縋りつつ、苦しげに顔を上げた。涙で赤く腫れた瞳の奥には、まだ鋭い光が宿っている。
黒犬に嬲られるドルニカの姿を睨み据え、憎悪に満ちた眼差しを向けていた。
──あれだけの目に遭っても、まだこれだけの顔ができる。
一郎はそう思い、深く息を吐いた。ほっとした、というのが近かった。
「クグルス、そろそろ終わらせろ」
「わかったよ、ご主人様。でも、その前にご褒美ちょうだい」
クグルスがぱっと一郎の手の中に飛び込んできた。
一郎は小さな肌を柔らかく擦ってやる。性交はできないが、クグルスは愛撫を受けるとすぐに快感に溺れる。
「ううっ、うはあっ、あっはあああっ──」
クグルスは一瞬で絶頂に達し、股間から小さな潮を噴き出した。
蜜で濡れた身体をさらに撫でると、悶絶するような声をあげて何度も絶頂を重ねる。
「うわあっ、すっごいい。やっぱり、ご主人様、最高──」
だが、少しぐったりしたかと思うと、淫気を吸ってすぐに元気を取り戻し、黒犬の上を舞った。
その瞬間、黒犬が大きく腰を震わせた。
「ひあああああ──」
ドルニカが絶叫し、全身を硬直させた。
クグルスが黒犬に射精を許したのだ。
黒犬の射精は長い。
抜けないまま結合した怒張から、途切れなく濃い精が流し込まれていく。
ドルニカは苦痛と屈辱に顔を歪め、涙と涎を垂らしながら必死に耐えていた。
やがて結合が解け、黒犬が彼女の腰から離れる。
膣から逆流した白濁がどろりと床に滴り落ち、ぬめる音を立てて広がった。
鼻を刺す獣精の生臭さが、部屋いっぱいに立ち込める。
エリカが駆け寄り、黒犬を部屋の隅へと手綱で引きやった。
クグルスが黒犬の上をもう一度舞うと、犬の興奮は嘘のように消えて、さっきの荒々しさが嘘のように大人しくなった。その場に伏せてしまう。
一郎は長椅子から立ちあがり、放心したままのドルニカに歩み寄った。
顔の前に立ち、ズボンから怒張を取り出し突きつける。
「舐めろ。そして精を飲め。一滴でも零せば、次はもうひとつの穴もあの犬に犯させる」
言葉にドルニカの顔は青ざめ、慌てて怒張に唇を伸ばした。
震える舌で奉仕させ、十分に味わったあとで一郎は口内へと精を注いだ。
ドルニカは必死に喉を動かし、飲み下す。
「また、出すぞ──。飲めよ」
一郎は続けて二度目を注ぎ込む。
さらに三度目も……。
一度でも飲めば支配の呪に堕ちる精液を、三度にわたって受け入れたのだ。
一郎は、女伯爵の心と身体が完全に自分の支配に陥る感覚を、確かに味わっていた。
魔眼でドルニカのステータスを読む。
ドルニカ
人間族、女
伯爵
年齢45歳
ジョブ
治政力:30
生命力:50
攻撃力:1(緊縛状態)
経験人数:男10、女15、犬1
淫乱レベル:A
快感値:15/500”
状態
一郎の性奴隷
完全に支配は終わっている。
改めて、ドルニカを見た。その瞳から光が消えた。
一郎はその変化を確かに感じ取る。女の心と肉体は、完全に自分の支配下に堕ちたのだ。
ゆっくりと背後に回り、尻肉を左右に割って肛門を晒す。
卓上に残されていた例の小瓶を持ってきていた。ドルニカがニーナに使った総痒剤にドラクスの毒を混ぜ込んだ油剤だ。
それをたっぷりと指に取り、容赦なく塗り込んだ。
「やっ……やめ……それは……」
なにを塗られているのに気がついたドルニカが狼狽の要素を示す。
「ひああっ、ああっ」
だが、一郎が指を油剤とともにアナルの中で動かすと、灼けるような熱が広がったのか、女の腰が大きく跳ねた。
一郎はアナルに油剤を塗布しながら、淫魔術で効果を増幅してやる。たちまちに、腸の奥を針で刺されるような痒みが全身に響ったのか、すぐに悲鳴が洩れ始めた。
「いやあああ──っ、痒い……痒いいい……」
身体を捩じらせて暴れ出す。
「わっ、こいつ暴れないで」
「大人しくしなさい──」
エリカが慌てて抑え、コゼも全力で女の肩を押さえた。
「ああああ、痒いいい──」
痒みと熱が肛門から腹にかけて広がり、ドルニカは涙を垂らしながら床を掻きむしる。
「力を抜け。せめてもの情けだ。俺が射精してやる。それとも犬がいいか?」
一郎はドルニカの尻穴に怒張を当てた。
「は、はいっ、ひいっ」
ドルニカが慌てたように息を吐く。
一郎は容赦なく怒張を押し込んだ。
「んんんっ──」
怒張がドルニカの肛門に貫かれる。女の背筋が弓なりに反る。
だが次の瞬間、女の声は苦痛から別の響きへと変わった。
「……っあ、ああああ──」
怒張に締めつけられる腸壁が、ぎりぎりと抵抗を示しているのがわかる。
それでも突き込むたび、ドルニカの背はのけ反り、身体全体が痙攣していた。
衝撃に、ドルニカは白目を剥き、涎を垂らしながら絶叫する。
「いやああっ…………あああっ、だめ……っ、だめぇぇぇ──」
叫び声とは裏腹に、絶頂が幾度も襲っているのが一郎の目にははっきりと映った。
縛られている全身を汗に濡らし、涙に顔を歪めるその姿には、もはや女伯爵の威厳は一片も残っていない。
「んはあああっ、あああああっ」
ドルニカの身体が大きく震え、肛門の括約が一瞬きつく締まった。
絶頂の波が来たのだと一郎にははっきりと伝わった。
だが、一郎は抽送を止めない。
再び突き込むと、女の背は大きく弓なりに反り、痙攣の震えが怒張を通じて一郎の腕へと響く。
二度目の絶頂だ。
さらに腰を打ちつけると、三度目の痙攣が奔り、白目を剥いた顔から涎が滴り落ちる。
喉をひきつらせる悲鳴が耳をつんざき、卓を叩く鈍い衝撃音が部屋に響いた。
一郎は支配の手応えを確かめるように、動きを緩めることはなかった。
「ああ、はあああっ」
白目を剥いたまま、意識を手放しかけている。
一郎はさらに奥へと突き込み、根元で精を吐き出した。
精を受けながら、ドルニカの全身がまたもや激しく跳ねあがる。
連続絶頂に重なる射精を受けて、ドルニカの身体が脱力していく。
一郎はそのまま、ドルニカの尻のなかに放尿を始める。
熱い液体が腸を満たし、内部を押し広げていく。
「ひっ……ひいい……っ、だめ、だめえ、なに……なにを……」
放たれる液にドルニカが混乱しているのが、一郎にはよく見て取れた。
理解が追いつかず、ただ暴れている。
一郎はその様子を冷ややかに眺めながら、さらに淫魔術を重ねた。
下腹を鷲掴みにするような排泄感を送り込み、腸を内側から震わさせる。
ドルニカの腹がぎゅるぎゅると音を立て、耐えきれぬ苦悶に身を折る。
「終わったぞ」
一郎はドルニカの尻から男根を抜く。
すでに、ドルニカは狂うような排泄感に襲われているはずだ。
「ああ……これは……なにをなされたのです……。お腹が……抑えられない……ああ……込み上げる……。どうか……どうか厠を……厠へ行かせてください……」
涙と涎を垂らし、腰を揺すりながら必死に哀願した。
「勝手に出すなよ。許可なく出すな。それと、簡単に許可なんかないからな。必死で苦しめ.お前がいままで、やってきたことだ」
「いや……お願い……出ちゃう……耐えられない……」
「だったら、栓をしろ。自分の指で塞げ」
一郎は冷ややかに命じた
「コゼ、縄を解いてやれ」
「はい……」
コゼが慌てて縄を解きに走る。
拘束が外れても、ドルニカは逃げる素振りを見せず、腰を抜かしたまま床に崩れ落ちる。
だが、すぐに自ら指を自分のアナルに押し込んだ。すでに身体が震えて、全身が粟立っている。
放尿による浣腸効果というよりは、淫魔術で排泄感を送ったためだろう。
どうにも、一郎の淫魔術というのは、加減しなければ支配度合いが強いようだ。
一郎はなお怒張を晒したまま、ドルニカの前に立った。
「舐めろ。お前の尻で汚した道具だ」
「は、はい──」
ドルニカは恐怖に駆られた顔のまま、這い寄って口を開いた。
鼻をつく穢臭に涙を滲ませ、震える舌を這わせて穢れを舐め取っていく。
一郎の眼前で跪くその姿に、かつて女伯爵と呼ばれた面影は微塵も残ってはいなかった。
一郎は、なお震えているドルニカの口から男根を引き抜いた。
涎と穢れに濡れた口元を冷ややかに見下ろすと、すぐ傍らのふたりへ視線を向けた。
「エリカ、コゼ。こいつを見ていてくれ」
ふたりは静かに頷き、縛めを外された女伯爵を押さえ込む。
なお痙攣する腰を支え、逃げぬように見張りを続けた。
一郎は手招きして、宙を舞っていた小妖精を呼び寄せる。
クグルスが嬉しそうに飛び込んできたので、口元に顔を寄せて囁いた。
「……頼むぞ」
「うん、任せてよ、ご主人様」
元気な返事とともに、クグルスは光の尾を残して一直線に突進し、トーイの胸元へと吸い込まれた。
次の瞬間、トーイの身体がびくりと痙攣する。
目を大きく見開いたかと思うと、力なく瞼を閉じ、そのまま前のめりに崩れ落ちた。
「あっ、トーイ──」
ニーナが驚愕の声をあげ、倒れるトーイを慌てて抱きとめた。
腕の中でぐったりとした彼を必死に揺さぶり、額に顔を押し当てて確かめようとする。
その背に影を落とすように、一郎はゆっくりと歩み寄っていった。
一郎は倒れたトーイを横目に見やり、なお苦しむニーナを見つめていた。
呼吸は荒く、胸は小刻みに上下し、爪を立てて背にしがみつく姿は必死そのものだった。
「ニーナさん……ドラクスの毒は、通常の魔道では癒せません。一度侵されれば、酷ければ生涯、苦しみに縛られることになります」
「……はい……」
「ですが……俺の精を受ければ、完全に消し去ることができる。詳しいことは話せません。ただ、これしか方法がないのです。トーイさんには決して知らせないと誓います。どうか、受け入れてください」
言葉を終えた一郎は、ほんのわずかに目を伏せた。自分の声に迷いが滲んだことを自覚していた。
ニーナは、涙に濡れた瞳をゆっくりと上げた。赤く腫れたその奥には、確かな決意の光があった。
「……わたしは、あなたを信じます。そして……助けていただいたこと、心から感謝いたします。ありがとう……。ありがとうございます……」
ニーナは涙に濡れた目を上げ、震える声でそう答えた。
そして、意識を失って横になっているトーイからそっと手を離して、一郎に向かって全裸のまま土下座のような姿勢をした。
一郎は、その場にしゃがみ込み、ニーナを抱きあげる。
ニーナは、そのまま、力尽きたように身を預けてきた。
一郎は静かにニーナを抱き寄せ、その場に横たえた。
身体に触れる。
「あっ」
調教に馴染んでしまった肉体は、指先が触れるだけで痙攣を起こす。
濡れそぼった花弁はわずかな圧に震え、熱を帯びて開いていった。
全身の赤いもやに従って、ニーナの身体に触れていく。なにをどうしても、ニーナは打てば響くように敏感に反応する。
ステータスのなかの「快感値」をすぐに一桁になった。
すでに全身は真っ赤で、汗に濡れていた。痙攣も続いていて、股間からは絶え間なく蜜が垂れている。
「いきますね」
一郎は、素早く自分の下半身を剥き出しにすると、ゆっくりとニーナの奥を貫いていった。
「ん……ああ……あああ……」
ニーナの全身が跳ね上がり、口から甘い声が洩れる。
肉がきつく絡みつき、痙攣の震えが一郎の腕へと伝わる。
女の顔は赤く染まり、涙と涎に濡れながら、悦楽に狂おしく歪んでいった。
「長くはしません……。すぐに終わらせます……」
一郎はそう告げ、動きを重ねた。
「あ、ああっ……ど、どうか……ご、ご存分に……あああっ」
抽送の速さをわずかに増すと、ニーナの身体は大きく弓なりに震えた。
そのまま絶頂に向かって快感を飛翔させていく。
「あっ……ああ……っ」
一郎はそれに合わせて、すぐに射精を試みる。
ニーナが絶頂の波に呑まれた瞬間、一郎は深く腰を沈め、熱いものを注ぎ込んだ。
「ひああああ──っ」
ニーナは白目を剥き、全身を痙攣させながら精を受け入れる。
淫魔術がその瞬間に発動し、女の心身を束縛していくのが一郎にははっきりとわかった。
すぐに、ドラクス中毒の消滅を念じる。
次の瞬間、彼女を苛んでいた毒の気配が薄れていく。
一郎は魔眼を凝らした。
──ドラクス中毒……。その表示が……消滅した……。
胸の奥がふっと軽くなる。
だが、すぐに別の表示に気がついた。
──受胎。
一郎は短く目を閉じ、静かに淫魔術を送り込む。
表示は霧散し、受胎の痕跡は完全に消え去った。
なにごともなかったかのように、ニーナは一郎の胸にぐったりと凭れかかっている。
その安らいだ顔を見下ろしながら、一郎は深く息を吐いた。
ニーナ
人間族、女
年齢20歳
ジョブ
唄歌い(レベル40)
生命力:40
攻撃力:15↑(回復中)
経験人数:男15、女30
淫乱レベル:S
快感値:9/80↑(回復中)
状態
一郎の性奴隷
一郎は魔眼の表示を閉じ、腕の中のニーナを見下ろした。
毒の疼きは完全に消えたようで、彼女の表情には安堵が広がっている。
「……消えました。あの毒が……本当に……」
ニーナは震える声でそう告げ、涙をにじませながら、一郎に心からの感謝を示した。
ただ、その瞳の奥が心なし情熱的な色に染まっているように一郎には見えた。
一郎はわずかに息を呑む。
治療のために淫魔術で支配したが、これからはそれを解かなければならない。
ふと、ルルドの森でアスカの影に襲われたときのことを思い出す。
あのとき、同じようにエリカを支配から外そうとしたが、彼女の心が同意せず叶わなかった。
……あのときのことを忘れていた。解除のことを考えずにニーナを支配したが、大丈夫なのか……。
一抹の不安が胸をよぎる。
「やっほおっ、ご主人様、お疲れ」
そのとき、トーイの身体からクグルスがふわりと飛び出した。
「う、うう……」
すぐにトーイが小さく呻き、意識を戻しはじめる。
「あっ、トーイ?」
ニーナが声を震わせて名を呼ぶ。
その姿を見て、一郎は改めて確信した。
やっぱり、ニーナは、トーイとともにあって幸せになる。
心から祈る……。
ニーナの幸せに必要なものが彼女に与えられるように……と。
だが、それを与えられるのは、一郎ではなく、トーイでしかない……。
「……ニーナの支配を抜く。いいね?」
一郎は、素早く、だが、静かに言葉を洩らした。
「えっ? は、はい」
咄嗟に声を掛けられて、ニーナが反射的に返事をした、
その瞬間、ニーナの支配が外れた感覚が、確かに一郎に襲った。
ニーナの魔眼を覗くと、彼女のステータスから「一郎の性奴隷」の表示が確かに消えていた。
一郎は深く息を吐き、ほっと肩を落とす。
しかし、安堵の直後、なぜか一郎の身体に小さな疲労感が重くのしかかった。
自分のステータスを確認する。
そこには思いがけない変化があった。
──淫魔師のジョブレベルが〈60〉から〈58〉に落ちている。
一郎(ロウ)
……
ジョブ
淫魔師(60→58)↓
……
ドルニカとブルドは支配に加わったまま増えているのに、ニーナを一時的に支配し、それを解除したことでレベルが下がったようだ。
……そういう仕組みなのか?
一郎は小さく苦笑した。
「さて、馬車を準備しろ、ドルニカ。いますぐに出るぞ。ニーナが着る服を持って来い。それと、この屋敷にある金貨と宝石類も馬車に積め。ニーナは歌姫を引退する。その退職金だ」
「な、なんでもいたします……。で、でも……お腹が……」
ドルニカが蒼白な顔で下腹を押さえ、声を震わせた。
一郎の放ったアナル内への放尿と淫魔術により、浣腸にも似た腹痛と排泄欲を呼び覚ましているのだ。
「おっ、なんだ、ドルニカ。俺の命令より、自分の欲を優先するつもりか?」
一郎の冷ややかな言葉に、ドルニカは短く悲鳴を洩らした。
苦悶と羞恥に震えながらも、自らの尻穴へと指を押し込んだまま……。
ドルニカは、肩で荒い息をつきながら、這うように身をよじり、言われた命令を果たすために動き出した
王都ハロルドは別名、不夜城とも称する。
その賑わいは夜になっても終わることはなく、その外門が閉じられることもない。
その中でも噴水広場と呼ばれる市民広場は、貴族と一般市民が入り混じって、たくさん並んでいる屋台で購った酒や食べ物を口にしながら、鳴り止まない音楽で歌やダンスに興じるような場所だ。
身分の隔てなく若者たちが愉しめる場所として、夜ともなればたくさんの男女が集まり、賑やかな時間がやってくる。
彼は数名の仲間とともに、いつものようにそこで愉しい時間を過ごしていた。
そのとき、突然に一台の馬車が広場の隅に停まった。
何気なくそこに目をやっていると、ひとりの女がよろよろと馬車から降りてきた。
歳は四十くらいだろうか。
ただ肌の色が白く、結構美人だ。
そして、なぜか素足だ。
さらに身体を大きな布のようなものでまとっている。
女は助けを求めるような表情で、馬車の下から馬車の中の人間に、なにかを喋ったが、ここからではその声は聞こえない。
馬車から男の手が伸び、女が身体にまとっている布を掴んだ。
そして、引き剥がした。
「うわっ」
彼は思わず声をあげてしまった。
自分だけでなく、周囲からも一斉に声があがった。
その声でさらにほかの者も女に注目して眼をやった。
布を奪われたその女は素っ裸だったのだ。
女は必死になって両手で裸身を隠して立ち尽くしている。
その女を置いて、馬車は立ち去ってしまった。
それにも驚いた。
「な、なにあれ?」
「どうしたの?」
いきなり出現した裸の女に周りが騒然となった。
「あれはドルニカ夫人じゃないの?」
「そ、そうよ──。ドルニカ伯爵夫人よ──」
すると、若い貴族の女の集団から声がした。
ドルニカ夫人──?
無論、彼は貴族には縁がないから顔も知らないが、名くらいは知っている。
芸術家好きで多くの芸術家を世話していることで有名な女貴族であり、しかも気性が激しいことでも知られていた。
だが、なんで、そんな貴族夫人がこんな場所に素裸で──?
驚いている彼の眼に、さらに信じられぬ光景が飛び込んできた。
ドルニカ夫人がよろよろと逃げるように数歩進んだかと思うと、子どものようにその場にしゃがみ込み、両手でお腹を押さえながら、「いやぁ……でちゃう……」と幼子のような声をあげたのだ。
次の瞬間、尻からぶしゅりと音を立てて糞便を垂れ流したのだ。
涙と涎を垂らしながら、「いや、いや……でちゃったの……」と呟く姿は、まるで幼児の言動そのものだった。
王都の広場が大騒ぎになった。
誰もが声をあげ、指を差し、押し合いへし合いしながら群れ集まっていくのが見て取れた。