【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
ドワフの小柄な身体を必死に両手で隠して、ミランダは湯のなかで恥ずかしそうに縮こまっていた。
肩まで湯に沈めているのに、丸みを帯びた胸の谷間はどうしても隠しきれず、露わになった白い肌が湯気に赤く染まっている。
頬も火照っており、視線は落ちつかず、ちらちらと湯面や壁を見ては泳いだ。
一郎は、その姿に一瞬だけ目をとめ、彼女が強がっていながらも羞恥に苛まれているのを悟った。
「それよりも、ミランダ。ゴーストの話だよ」
一郎は言った。
すると、ミランダがびくりと身を震わせ、我に返ったように一郎へ視線を向けた。
「そ、そうだったわ……。なによ、話というのは?」
ミランダが一郎を見た。
両腕で胸を隠したまま、少し距離を置くように湯舟の端に身を寄せている。
羞恥と警戒とがないまぜになった表情だった。
「……お前たちはあがっていろ」
一郎は周りにいる女たちに声をかけた。
エリカとコゼがさっと立ちあがる。
予定の行動だ。
「ちょ、ちょっと、あ、あんたたち、行くの?」
一郎と湯舟でふたりきりにされると悟ったミランダが、思わず声を張り上げた。
その視線は、エリカの後手の拘束に釘づけになっている。本当に腕を拘束されたままなのを目にして、呆気にとられていた。
「はい、行きます。ごゆっくり、ミランダ……。では、ご主人様」
コゼが返した。
「じゃ、じゃあ、ロウ様……」
コゼに腕を掴まれるように湯舟から出されたエリカが小さく頭をさげた。
「と、ところで、ロウ様……。本当に、これ、外していただけないのですか……? このコゼときたら、わたしが動けないのをいいことに、いつも、からかってくるんです……」
エリカが眉を寄せて訴えた。
「罰なんだから我慢しろ、エリカ」
一郎は笑って言った。
「な、な、なんの罰ですか──。罰を受けるようなことなんてないです。だったら、コゼだって……」
エリカが真っ赤な顔で声をあげる。
「なにがあたしもなのよ……。ほら、いくわよ。ちゃんと世話してあげるから……。あっ、ロウ様、今日は一日中、エリカは裸で縛ったままにしましょうね。罰ですから」
「だから、罰なんじゃないってばあ」
さすがに、エリカは不満を叫ぶが、コゼに無理矢理に引っ張られている。
しかも、コゼはさっき一郎がコゼから外した手枷をいつの間にか握っていて、さっとエリカの両足首にも嵌めてしまった。
これで、エリカは両手だけでなく、両足の自由まで奪われたかたちになる。
「うわっ、あんた、いつの間に──」。ちょっと外しなさいよ」
湯漕の外でエリカは怒鳴っている。
だが、コゼはエリカの腕を掴み直してまま素知らぬ顔だ。一郎も、悪戯モードに入ったコゼは、本当にしつこくエリカを苛めるということを知っている。
一郎から見れば、これもまた、コゼのエリカへの愛情表現なのだが、本当に容赦ないのだ。
「なに言ってんのよ、エリカ。嵌めるのはいいけど、これを外すのはは、ご主人様じゃないとできないことは知ってんでしょう。そら、歩いて。うんちも、おしっこも、ちゃんと世話してあげるから言うのよ」
コゼがエリカを引っ張っていく。
「う、うんち? そんな恥ずかしいこと……。うわっ、離して。ね、ねえ……ロウ様、これ外してください。ねえって──」
エリカは必死に振り返って一郎に叫ぶが、コゼはエリカを強引に連れ出していく。
結局エリカは、足首にも枷を嵌められたよちよち歩きで、そのまま浴場の外にエリカに出されてしまった。
浴室の扉がぴしゃりと閉じる。
一郎は、ミランダとふたりきりで湯舟に浸かるかたちになった。
残されたミランダは、顔を真っ赤にして俯いた。湯の中で腿を寄せ合い、膝まで腕を回して身体を縮こませている。
ちらりと一郎のほうへ視線を向けるが、すぐに泳がせて背を向ける。羞恥の色が全身に広がっていた。
一方で、エリカとコゼの騒ぎに、呆気にとられている感じでもある。
「……あ、あんた、いつも、自分の女をあんな風に……?」
ミランダがかすれ声で言った。
「まあね。でも、あんなのは遊びだよ。彼女たちも、別段嫌がっている雰囲気でもなかったろう? エリカだって、本当にいやなら、もっと抵抗するさ」
「ま、まあ……」
ミランダは小さな声で頷き、さらに頬を染めた。
「ところで、ミランダ、ゴーストは浄化させた。この屋敷はすでに安全だ。そして、そのゴーストの遺言により、この屋敷は俺に譲渡された」
一郎はミランダに言った。
すると、ミランダの表情が引き締まり、羞恥の影の奥に真面目な色が浮かんだ。
「えっ……。つまり、あなたたちによる安全化が終わったということ? それは確かなの?」
一郎は簡単に昨日の顛末をミランダに説明した。
話を聞き終わったミランダは、何度か小さく息をのみ、最後に納得したようにうなずいた。
「……わ、わかったわ。それがゴーストの意思であれば、あなたを屋敷の新しい主人として認める……。そのゴーストの手紙というのを実際に確かめてからになるけどね……」
「本当か。助かるよ」
「ええ……。とにかく、それは請け負う。正式に手続きもするから、安心して……。特に問題は生じないと思う。この屋敷そのものは、すでに冒険者ギルドの預かりになっていて、持ち主は消えているのよ……」
「おう、それはよかった。もうすっかりと気に入っていて、取りあげられたらどうしようかと思ってた」
一郎は本心から言った。
「それと、もう一度、あなたたちに謝罪するわ。今回のことは、なにからなにまで、あたしの失策よ。実は、このクエストには依頼者がいない状態になっているのよ……。依頼主はないの」
「ほう……? 依頼主がない……?」
「いえ、誤解しないでね。クエスト報酬は払うわよ、あたしが依頼主になる……。報酬はあたしの個人的な資産から支払う。必ずね……。それにしても、これはシーラ・ランク級の案件だったのに、一日で解決してしまうなんて、さすがね」
ミランダが微笑んだ。
「だったら都合がいいかな。それなんだけど……お願いがある。この幽霊屋敷は未解決のクエストとして扱って欲しい。俺たちがゴーストに代わってこの屋敷の当主になったというのは、対外的には伏せてもらいたいんだ……」
「えっ、どういうこと?」
ミランダは当惑している。
だが、一郎は構わずに続けた。
「……それと今後は、この案件に限らず、俺たちの名は極力、外には出さないで欲しい。クエストはこれまで通りに受けるけど、記録には残さないようにして欲しい……。これを、今回の報酬の要求にする」
一郎の申し出に、ミランダは目を見開いた。
「……理由を教えて欲しいわね……」
怪訝な表情を浮かべるミランダに、一郎は簡潔に事情を説明した。
一郎とエリカは不当な理由で命を狙われており、冒険者として名が売れすぎれば、居場所を突き止められてしまう可能性があると……。
「そういう事情ねえ……」
ミランダはとりあえず理解を示したが、湯舟に出ている首を横に振った。
「……でも、それはギルドの規則に反するの。解決したクエストを未解決のままにすることはできないし、命を狙われているからといって、あなたたちだけを特別扱いにはできないわ……」
ミランダは困ったように言った。
一郎は嘆息する。予想はしていたが、やはり無理か……。
「……わかったよ、ミランダ。だったら、要求する報酬を変更する。別のものをもらうとしよう」
一郎の言葉に、ミランダは安堵の色を浮かべた。
「悪いわね……。でも安心して。さっきも言ったけど、これはあたしの資産で報酬はきちんと支払う。シーラ・ランク級だったし、それなりの代価は準備するわ」
「金はいらない。俺が欲しいのは別のものだ。そのために、ここで話をしている」
一郎はにやりと笑った。
「別のもの?」
ミランダが眉をひそめる。危うい気配を感じたのだろうか。ミランダの顔に不審の色が浮かんだ。
「そう、別のものだ。知っているだろう、俺はいい女に目がなくてね……。報酬はミランダでいい。抱かせてもらうよ。謝罪の代わりの報酬だ。月並みな悪党みたいな言い方で悪いが、身体で払ってもらう」
一郎は笑いながら、湯の中でミランダに近寄った。
「はああ?」
ミランダがびくりと身を震わせ、逃げ腰になる。だが、もう遅い。すでに仕掛けは整っている。
「構わないよね……ミランダ?」
一郎は湯船を移動してミランダとの距離を詰める。
「そんなわけには……」
ミランダは動揺の声を漏らした。
やはり、男の押しには弱い──。一郎はそう確信する。
「いいだろう、ミランダ?」
一郎は彼女の身体へと手を伸ばした。
「あ、あがるわね──」
ミランダは慌てて湯舟から立ちあがろうとした。
だが腰を浮かせただけで、脱力いたようにざぶんとすぐに湯に戻ってしまった。
「な、なんで……? か、身体が……?」
ミランダが慌てている。だが、もう遅い。
実は一郎は、ミランダが湯舟に入り、三人娘が浴槽から出た瞬間から、淫魔術を発動させて、特殊な弛緩剤を湯船に溶かし続けていた。
その術は女の身体にしか作用せず、筋肉から力を抜き、抵抗を奪うというものだ。
男である一郎には一切の影響がない。
エリカやコゼに効き目が及ばなかったのは、一郎が術の流れを制御し、彼女たちを対象から外していたからだ。
魔道遣いでもない一郎がそんなことができるのが、我ながら不思議でもあるが、こと、性愛や性癖の追求のためなら、こうしたら面白いなということは、大抵はできてしまう。
今回も、そう念じるだけでできてしまった、
とにかく、真面目な顔で話を聞いていたミランダだが、すでにしっかりと弛緩剤に冒されてしまったということだ。
一郎はがっしりとミランダの腕を掴み、懐から取り出した手枷をぱちりと嵌めた。
金属音が湯気の中に響く。
「なっ──? なによ、これ……?」
ミランダの瞳が驚愕に見開かれる。
またもや、慌てて立ち上がろうとしたが、やはり脚に力が入らず、腰を浮かせただけで湯に戻ってしまう。
こうなってしまえば、もうどうにでもなる。
「言ったろう……。この屋敷の決まりだって……。女は手錠を掛けて浴場に入る……。心配しなくても、ちゃんと全身をくまなく洗ってやるよ……。俺の手でね」
一郎はわざとらしく、ミランダの前でいやらしく、片手を動かす。
また、もう一方の手は後手に拘束したミランダの肩をしっかりと抱いて、一郎に引きつけている。
「ちょ、ちょっと……」
「嫌なら、強引に突き飛ばすなり、殴るなり、殺すなりすればいい……。できないのなら、俺はミランダを犯すよ」
一郎はそう告げ、手枷を嵌められた腕をさらに強く引き寄せる。
「ふうっ……ちょ、ちょっと……だ、駄目……。は、離して……。ああっ……か、身体が……動かない……」
ミランダは必死に抗おうとするが、湯に溶けた弛緩剤に囚われた身体は言うことをきかない。
一郎の指先は容赦なく性感を探り当て、胸や腰をなぞった。
「ふわっ、あっ、ロ、ロウって……」
小柄な体は簡単に反応し、熱を帯びていく。
呼吸は荒くなり、甘い吐息が漏れはじめた。
「どうした、ミランダ? 逃げないなら、合意したものとみなすからね……」
一郎は後ろから抱きすくめ、豊かな乳房を無遠慮に揉みしだく。
「あんっ、うわっ、なんで、こんなに……」
ミランダが一郎の腕の中で悶える。
ただの愛撫ではない。
淫魔師としての一郎の愛撫だ。
たちまちに、ミランダは追い詰められたように甘い声をあげた。
「いいだろう……ミランダ……。ただのごっこ遊びだ……。奴隷ごっこ……、それで手を打つ……。報酬は不要だ。なあ、いいだろう、ミランダ……」
一郎はミランダの耳元でささやきながら、一方の手で胸を刺激し、もう一方の手はだんだんとお湯のなかでミランダの下腹部に移動させていく。
赤いもやの性感帯の印をしっかりとなぞりながら……。
手枷に拘束された腕は逃げ場を失い、小柄な身体は子供のように軽く、一郎に翻弄されるしかなかった。
それでも必死に身をよじって抗おうとするささやかな抵抗が、かえって一郎の鬼畜心を煽った。
「お願いって……。わっ、ああっ……か、身体が……助け……。ああ、あんっ、ちょ、ちょっと、そんなところは──」
ミランダは激しく悶え、声を詰まらせる。
だが、ミランダは逃げない。
大丈夫……。
いける──。
一郎は、ミランダの全身に刺激を加えながら確信した。
「ただの遊びだよ……。一日だけだ。──それにしても、逃げないね、ミランダ。だったら、合意したと考えるよ」
一郎は笑いながら、手枷で拘束したミランダの乳房を揉みしだいた。
「あ、あああっ、だめえっ、ロウ──」
「ごっこ遊びだよ……。いいね、ミランダ──?」
「ご、ごっこ遊び?」
ミランダの身体から一気に力が抜けた。
そして、諦めたように、切なそうな視線を一郎に向けた。
墜ちた……。
一郎はほくそ笑んだ。