※この作品はR-18です。

【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】   作:ドン・ドナシアン

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091 溶けゆく矜恃

「……わかったわよ、ロウ。もう逆らえないから……」

 

 そう言葉にしたものの、胸の内には戸惑いが渦巻いていた。だが、後手に嵌められた手錠の重みと、全身を覆う弛緩の感覚が、それでもなお抵抗しようとする気持ちをじわじわと削いでいく。

 湯の中で、ミランダは胡座をかいたロウの膝の上に後ろ向きに座らされていた。厚い胸板が背中に押しつけられ、肩口にかかる吐息がぞくりと肌を撫でる。

 大きな掌が背後から乳房を包み込み、むにりと揉みしだく。もう片方の手は太腿の内側を撫で上げ、熱い指先が柔らかい肉をなぞるたびに、息が荒くなっていった。

 

「く……っ、ああ……」

 

 必死に堪えたが、乳首を擦られると背筋が跳ね、湯面に小さな波が走った。

 それは無造作な仕草に見えて、一擦りごとに的確に弱点を突いてくる。

 神がかりとしか思えないほどの手の動きに、ミランダはあっという間に翻弄されていた。

 

「や、やだ……、こ。こんな……感じる、なんて……」

 

 喘ぎと共に言葉が零れた。ハロンドール王国の冒険者ギルドを差配する者の矜恃として、恥ずかしい声を堪えようとするが、ロウの手がミランダの肌を動くたびに、胸の奥から熱が溢れ、羞恥の声となってこぼれ落ちていく。

 

 ミランダは驚愕していた。

 胸を揉まれ、内腿をなぞられているだけなのに、理性が追い詰められていく。

 冒険者として数えきれない死地を潜り抜けてきた自分が、いまはこの男の愛撫だけで為す術もないのだ。

 

「は、はあっ……はあ、はあ……」

 

 ついに吐息が乱れ、声が零れる。

 拘束され、湯に浸かり、逃げ場を塞がれた身体は、ただ触れられるだけで女としての本能を暴かれていく気がした。

 

「結構、反応がいいね……。百戦錬磨の元シーラも──案外に男女の営みは初心者みたいだな」

 

 耳元に落ちた嘲弄に、ミランダは思わず声を荒げた。

 

「そ、そんなことないわよ……っ。馬鹿にしないで……」

 

「そうか。じゃあ、これは耐えられるか?」

 

 ロウの手が片側の乳首を擦り、股間の付け根の敏感な屹立を優しく撫ぜた。

 

「ひんっ」

 

 股間と胸から同時に貫いた快感の槍に、ミランダが激しく全身を反応させてしまった。

 大きな波紋が湯の上に拡がっていく。

 愛撫が続く。

 反発の言葉とは裏腹に、乳房を鷲づかみにされただけで喉奥が熱く震え、息が乱れる。

 弛緩させられた身体が、敏感さを何倍にも増しているのかもしれない。

 乳首を……股間を……腿をかすめられるたびに、奥底で火花が散るように甘い疼きが広がり、思わず腰を逃がそうとした。

 

「拘束されて、弛緩されて抵抗できないからこそ、快楽は深く沁み込む。女は大なり小なり、被虐の性質がある……。ほら、もう震えてる……」

 

「くっ……」

 

 囁かれて、否定しようと歯を食いしばる。だが、愛撫に合わせて胸が波打ち、喘ぎを押し殺すのがやっとだった。

 

「思った通りだ……。ミランダには被虐の血も流れている。支配されて悦びを感じる血がね……」

 

 ロウがミランダの耳音でくすくすと笑った。

 ミランダはかっとなった。

 

「あ、あたしは、そんなんじゃ──。ひああっ」

 

 搾り出した声は頼りなく揺れ、しかも、途中で遮られた。前側からミランダの股間に触れていたロウの指がすばやく腰の後ろに回り、ミランダのアナルに指を挿入してきたのだ。

 

「ああ、そんなところ、だめよ──」

 

 ミランダがロウの膝の上で全身を突っ張らせた。

 

「なら、本当に無力で犯される体験をしてみようよ」

 

 すると。お尻の穴を悪戯していた指先が抜かれ、そのまま背中側の右手へと滑り、ミランダの指から魔道リングを抜き取ってしまった。

 

「あっ、それは──」

 

 声が裏返る。

 ドワフ族にとって絶対の支えである指輪を失った瞬間、魔道という矜持までも奪われた。

 ドワフ族は例外なく魔道を扱うが、その力は必ず指輪を媒介として発揮する。エルフ族なら杖を媒体とするのが一般的で、熟練の者なら素手でも魔道を扱えることも少なくない。   

 だが、ドワフ族に限っては一人として、指輪なしに魔道を操れる者はいないのだ。

 だからこそ、指輪を奪われた今、ミランダは完全な無力の存在に変じてしまった。

 

「これで完全に無力だな。さあ、もう強がるな。……俺の与える快感に酔えばいい」

 

 外された指輪が浴槽の縁に置かれる。

 言葉と同時に、乳房を蹂躙する掌が強まった。

 身体の奥から、恥ずかしいほどの熱がせり上がってくる。

 

「ああっ、くっ、ああ……」

 

 ミランダは必死に声を噛み殺しながら、しかし、どうしようもなく追い詰められていった。

 指輪を奪われたいま、後手手錠で拘束されているミランダは、確かに完全に無力だ。湯に溶けている弛緩剤もミランダから自慢の怪力を奪っている。

 その無力感に不安が押し寄せる。

 けれども背後から乳房を揉みしだく掌は、そんな不安を打ち消すように熱を生み出し、逃げ場を与えない。

 

「なにも考えず……快感に酔えばいい」

 

 ロウの低い声が耳元に落ちる。

 同時に、乳首を強く潰す指が走った。

 

「あっ、いたっ」

 

 慌てて歯を食いしばる。

 さらに口を開けていれば、女としての恥ずかしい声が零れてしまうと直感したからだ。

 痛みのはずなのに、痺れるような快感……。

 ミランダは自分の身体の反応に混乱してしまった。

 

 戦闘種族の女──それがドワフ族。

 ドワフ族は「穴居族」とも呼ばれるが、実際に地下迷宮の奥深くで暮らせるのはごく一部の上級階級層に限られている。

 ミランダのような下級の階層に属する者は、穴居の奥に足を踏み入れることすら許されず、その周辺の土地で生まれ育ち、生きる糧を求めて外へと旅立っていくしかない。

 

 ミランダもそうして十二歳まで家族と暮らしたのち、ハロンドールへ出て冒険者となり、やがてギルド長にまで上り詰めた。

 両親や兄弟がいまどうしているのかはわからない──。

 それが下級ドワフ族の常でもあった。

 だからこそ、いかなる戦場でも動じず、性愛でも快楽に身を委ねて嬌声をあげるなど恥辱にほかならない。

 

 ミランダもこれまで、絶頂を迎えることはあっても声を上げたことはなかった。愛撫に喘ぎを洩らすなど、考えたこともなかった。

 

 だが、その矜持は、ロウには通用しない。

 無造作に見える手つきで乳房を揉まれ、股間を愛撫されるたび、理性が削られていく。いや、そこだけじゃない。

 なんでもない身体の部位がロウが触ると、たちまちに強い性感帯に変わってしまう。

 肩口をかすめただけの指先が、なぜか芯を直撃したかのような衝撃をもたらす。

 

「ああっ、あはあああっ……」

 

 耐えきれず、ついに大きな声が漏れた。

 胸の奥から甘い熱がせり上がり、息に混じって迸る。背筋には冷たい汗が走った。

 だが、もう止められない。

 

「ううっ、くっ……はあ……、ああっ、あっ、ああっ、ああ──」

 

 声は続いた。必死に噛み殺そうとするのに、次々と甘い吐息がこぼれてしまう。そんな自分に愕然としながらも、身体は正直に反応していた。

 

「こんなところも性感帯か……」

 

 脇下をなぞる手が走り、二の腕を擦る。そのたびにさざ波のような愉悦が広がり、脚の先まで駆け抜ける。

 

「くっ……な、なにを言って……」

 

 精一杯の反論は震え声になり、説得力を持たない。

 ドワフの女は自制を誇りとする──そう自分に言い聞かせるが、胸も脇もじわじわと熱に蝕まれていく。

 

「やっぱり、ここも立派な性感帯だな……。さっきも反応がよかったしな」

 

 またもや、ロウの指が後ろの穴の入口を押し広げた。

 愉快そうに囁きながらお尻の中に入った指先が力を増して膣側の粘膜を押し込む。

 

「くううっ、ううっ、むううっ」

 

 堪え切れず、今度は大きな声をあげていた。

 ほんのわずかな力加減の変化だけで、破壊的な快感が全身を貫いた。

 

「そして……ここだ」

 

 お尻の中を愛撫され、ほかの部位へ注意が逸れた一瞬、乳房にまたもやロウの掌が撫でまわった。

 

「あああっ──」

 

 最初の愛撫もとんでもないと思ったが、今度は次元が違っていた──。

 抑えきれない声が浴場に響き渡る。快感の奔流に呑まれ、意識が霞む。

 

「いい声だ、ミランダ……とても可愛いぞ」

 

 囁く声に、思わずかっとなった。

 

「か、可愛いなんて……ドワフの女への、侮辱よ……」

 

「でも、事実だ……。可愛いものは可愛い」

 

 ロウの指先が乳首をくりくりと弄ぶ。お尻に指を挿入されたまま……。

 

「くあああっ、ああああっ」

 

 突き上げる刺激に、ミランダは顔を反らせて声を噛み殺した。だが、できなかった。

 派手な喘ぎ声が浴室に響き渡る。

 

 これ以上、理性も矜持も保てない──。

 押し寄せる甘美は、ミランダが想像していた限界を軽々と凌駕していた。

 すでに、果てしない官能の波に呑まれ、逃げ場を失っている。

 そしてなによりも──ロウの快楽を求める、もうひとりの自分が心の奥に顔を出していた。

 

「はああっ……あああっ……」

 

 熱い声が洩れた瞬間、ロウの手が下腹部に伸び、豊かな陰毛をかき分ける。

 アナルの中の指と連動するように、肉芽を二度、三度と撫でられ、ミランダは全身を仰け反らせた。

 

「そろそろ……入れるよ、ミランダ」

 

 ロウが身体を抱き起こし、くるりと反転させる。顔と顔が間近に迫り、体臭が鼻腔を満たした。

 それだけで、力が抜けていく……。

 もしかしたら、最初から、この匂いに酔わされていたのかもしれない。

 嗅ぐたびに股間が熱を帯び、いまはもうどうしようもなく昂ぶらされていた。

 

「これはクエストの報酬だ。……受け渡す義務があるだろう?」

 

 腰を持ち上げられ、怒張の先が秘所に触れる。

 

「これは……ミランダの義務だ」

 

 強い声音……。

 

「え、ええ……」

 

 無意識に応じていた。もうどうでもいい。ただ、快楽に身を委ねたい。

 怒張が熱い膣を貫く。

 胡座をかくロウを跨ぎ、股を大きく開かされたまま、女としての深奥を突かれる。

 

「んっ……ああっ……」

 

 一度ごとに激しさが増す。二度目より三度目、三度目より四度目──。

 打ち込まれるたびに快楽が倍加し、腰が自然に揺れた。もはや、動かしているのがロウなのか、自分なのかすら曖昧になる。

 

 魔道の衝撃のような一打一打に、嬌声が止まらない。

 

「あああっ、ああああ──っ」

 

 やがて、とてつもないものがせり上がってきた。圧倒的で、抗えない。

 

「んぐうううっ……」

 

 全身をのけ反らせ、灼熱に震える。ロウの腕に抱かれながら、快感の極みに達していた。

 

 唇が近づき、ロウが口づけを求めてくる。

 抗う余裕などなかった。快感に酔ったまま、ミランダは自ら首を伸ばし、むさぼるようにロウの唇を貪った。

 熱と熱が混じりあい、舌が絡み、溺れるような口づけが続く。

 愛撫の余韻に焼かれた身体が、口腔の奥まで甘く支配されていく。

 

「ミランダ……俺もいく」

 

 低い声に初めて余裕が消える。次の瞬間、熱い奔流が子宮を満たした。

 心まで掴まれるような感覚に、拒絶ではなく、満たされる安堵が広がる。

 身も心も大きなものに抱きしめられ、支配される悦び。

 その巨大さに耐えきれず、ミランダの意識は遠のいていった。

 薄れる中でも、全身が快美に痙攣し続けているのを感じながら──。

 

 頭が真っ白になり、全身を包む奔流に思考が溶けていった。強くて温かなものに抱き締められ、心の奥に見えない刻印が押される。呼ばれれば応じ、抗おうとしても甘美に縛られてしまう──そんな操り糸が結ばれていくのを感じた。

 

 その瞬間、これまでになかった力が血潮のように全身へ漲った。支配と悦びが一体となり、震えるほどの安堵の中で、ミランダはただ甘く身を委ねていった。

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