【改訂版】異世界で淫魔師ハレム【コミカライズ作品】 作:ドン・ドナシアン
屋敷の敷地の結界を抜けたとたん、見た目には映っていた廃屋が消滅し、その代わりに二階建ての白い石造りの城館が目の前にそびえた。
だが、シャングリアはその変化に目を見開いたまま理解が追いつかず、ただ荒い息を吐いていた。
「ふふ、お疲れね、シャングリア。それにしてもすごい汗ね」
「とにかく、頑張ったわ」
コゼとエリカだ。
一郎は無言のまま、鞍に繋いでいた鎖を外した。
その瞬間、シャングリアは、辛うじて繋いでいた気力が切れたのか、前庭の通路の上に崩れるように倒れ込んだ。両腕は背中で水平に革枷により拘束されている。シャングリアは膝を砂利につけて完全に脱力してしまっている。
「……もう……いやだ……。頼む……助けて……」
声は震え、嗄れていた。
股間に仕込まれた珠の振動は屋敷の近くでは、意図して刺激を与えないようにしていた。振動を当てなくても珠の突起による刺激はあるが、もはや、そんなものでは、いまのシャングリアには、とてもじゃないが掻痒を癒やす刺激にはなってなかっただろう。
それぐらいに強い掻痒剤を塗ってやったのだ。
むしろ、物足りなさが掻痒を増幅し、内側から焦がされるような空虚が全身を揺さぶっていたと思う。
だが、ちょっとやりすぎたかもしれない。
気丈に振る舞ってきたシャングリアが、常軌を逸したように内腿を擦り合わせ、ぼろぼろと涙をこぼしながら腰をくねらせて喘いでいる。
頬を伝う涙をこらえることもできず、シャングリアの震える睫毛に滴が光っている。
「お願いだ……。もう、耐えられない……犯してくれ……」
シャングリアの取り乱しように、一郎は薄く笑いながら、コゼに目を向けた。
「相当にきているな……。苛めすぎだろう」
シャングリアに身につけさせている下着の内側の珠の操作をさせたのはコゼだ。
一郎は後ろから見ていただけだったが、コゼは本当に容赦なかった。
一郎の前では被虐癖を示すコゼだが、ほかの女に対しては、意地悪な嗜虐ぶりを発揮する。もっとも、これについては、多分に、一郎が悦ぶから、それを念じている気もするが……。
「なにを言っているんです。意地悪だったのは、ロウ様ですよ、走ったり、歩かせたり、止まったり」
すると、エリカが呆れたように横から言った。
「そうですよ、ご主人様。でも、そろそろ、助けてあげた方がいいんじゃないですか。ご主人様の掻痒剤がすっかり奥まで沁みこんで、もう珠の刺激も全然、助けにならなくなったみたいですし」
コゼはそう言いながら、手に握っていた淫具の操作具の板を一郎に返してきた。
「ロウ、お願いだ──。わたしを犯してくれ…….気が狂いそうだ」
シャングリアが跪いたまま声をあげた。
その哀願は、もはや女騎士の矜持を保つ言葉ではなかった。
「じゃあ、次の命令だ。ここで服を脱げ。裸になるんだ」
一郎はそう言い、コゼに目で合図をするとともに、淫魔術を込めて、シャングリアの両腕を背中で拘束している革枷の鍵を外した。
魔道が遣えないはずの一郎だが、同じようなことは淫魔術でできる。なぜか、そうしたいなあと思うと、それができるのだ。
まあ、こういう嗜虐遊び限定だが。
これも不思議だが、好色や性癖を満足させるためのものでないと、一郎の術は発揮できないのである。
逆に言えば、好色や性癖を満たす目的であれば、かなりのことが淫魔術を意識することで一郎にはできたりする。
淫魔術の働きで革枷が外れると、すぐにコゼが身を寄せて手枷を外した。
シャングリアの両腕が解放される。
「うあああっ」
自由になった途端、シャングリアは奇声をあげて、狂ったように両手を股間へ伸ばそうとした。
その手を一郎は叩き落とす。
「ひあっ、──。な、なんだ──?」
力を込めたわけではない。
ただ、触れることを許されなかった衝撃が強かったのか、シャングリアは痒みすら忘れたように身体を硬直させた。
険しい視線で一郎を睨み上げる。
気の強い女騎士らしい、強い眼差しだった。
「なにじゃない──。俺はなんと命令した──。俺の女なら、まずは俺に命じられたことを実行しろ。許可なく、自分の身体に触るな」
一郎が怒鳴ると、シャングリアの瞳にわずかに正気が戻った。
「はあ、はあ、はあ……。わ、わたしは……お前の女か……?」
激しい息遣いの合間に吐き出す声。
だが全身は悶え続けている。掻痒剤が容赦なく肉の奥に沁み込み、動きを止めることができないのだ。
「道を歩きながら、そう言ったぞ。シャングリアは、もう俺の女だ」
一郎の言葉に、ほんの少しだけ、シャングリアの口角があがる。
「そ、そうか……。認めてくれるんだな……」
「ああ、しかし、もうわかったと思うけど、俺は自分の女を徹底的に鬼畜に扱うのが趣味だぞ。後悔はしているかもしれないが、もう逃げられないと思え。女にしてくれと自分から言ってきたのは、お前だ」
一郎はにやりと笑う。
「し、知っている……。お、お前は鬼畜で……意地悪で……。で、でも、わたしは……お前が好きだ……。もう離れられない……。お、お願いだ……わたしを本当にお前の本当の女に……」
その言葉とともに、震える手で必死に衣服を脱ぎ始めた。
上半身に身につけていた軍装を次々に外し、布を剥ぎ取っていく。腰にまとわりついていた布切れの下着も脱ぎ、ついには完全な裸身になる。
露わになった身体は、女騎士として鍛え上げられた肉体だった。肩から腕にかけては無駄のない筋肉が張り、引き締まった腹部には細やかな力が宿っている。だが、それでいて女性らしさを損なってはいない。胸は鍛錬に耐えながらも柔らかさを保ち、腰の曲線はなめらかに膨らみを描いていた。
全身は汗に濡れ、光沢を帯びている。何度も倒れ込んだせいで肌には土がこびりつき、膝や脛には擦れた跡が残っていた。股間と内腿は愛液に濡れ、艶やかな筋を描きながら滴っている。
それでも──シャングリアは美しかった。誇り高い女戦士の身体が、汗と涙と欲望に汚されながら、なお抗いがたい輝きを放っていた。
「ああ、ロウ──。命令に従ったぞ」
羞恥も矜持も押し潰され、全裸となったシャングリアは、砂利に膝をついたまま一郎の足にすがりついた。
「うわっ」
痒みに駆られ、泣きながら、暴れるように、一郎の両脚にしがみつくその勢いに、一郎は押し倒されかける。
「危ない──」
「ご主人様──」
驚いたエリカとコゼがすぐに脇から支え、どうにか一郎を立たせた。
半狂乱の女騎士は一郎の腿に頬を押しつけ、喘ぐように擦り寄っている。
「……シルキー」
一郎は呼んだ。
すると、光の粒子が庭に舞い、金髪の屋敷妖精が姿を現す。
「この屋敷の管理者だ。シルキーといってな……」
だが、シャングリアの耳には届いていない。
掻痒の奔流に呑み込まれ、ただ一郎の足に縋っているだけだった。
一郎は苦笑した。
「……紹介は後にするか……。シルキー、寝室に転送してくれ」
「承知しました」
シルキーが細い指をかざす。
瞬きの間に、庭の景色は消え、代わりに灯りのともった広い寝室の上へと彼らは移されていた。
「えっ?」
一瞬にして夜の風が途絶え、周囲が灯りのともった室内に変わったのに気づいたのか、シャングリアがやっと顔をあげた。
その隙を見逃さず、一郎が肩を押して寝台に倒した。
さっきまでエリカと一郎が愛し合っていた場所だ。そこに、シャングリアが仰向けに押し倒される。
「わっ、な、なにを──」
驚きの声を上げるシャングリア。だが、一郎はその身体を寝台に固定するように抑え込んだ。
シャングリアが驚いた声を上げるが、一郎は容赦なく声をかけた。
「エリカ、コゼ──」
ふたりはすぐに動いた。
寝台の四隅には革紐が備え付けられており、調教用に仕掛けられたものだ。
最近の毎夜の営みのときには、ふたりのうちのどちらか──かなりの頻度でエリカだが──寝台の四隅に四肢を延ばして拘束されるのは定番だ。
だから、一郎がしたいことを瞬時にわかってくれた。
エリカが手首を、コゼが足首をそれぞれ革紐で結び、シャングリアの四肢は、あっという間に、身体を大の字に伸ばされて、寝台の上に仰向けに固定されていった。
「し、縛らなくても……わたしは抵抗しない──暴れない──」
狼狽した声をあげるシャングリア──。
だが、すでに寝台の上で身動きを封じられている。
「どうかな……。俺がすることに、必ず抗おうとするはずだけどね」
一郎はそう言うと、シルキーを呼ぶ。
屋敷妖精のシルキーは、名前を呼ぶだけで、すぐに出現する。
「お湯と布を持ってきてくれ。随分と汚れているし、身体を拭いてやろう」
「はい」
屋敷妖精は一礼し、すぐに湯桶と布を準備して戻ってきた。
一郎はそれを受け取り、エリカとコゼに合図を送る。
「身体を拭いてやってくれ」
ふたりは布を手に取り、汗と土にまみれたシャングリアの身体を丁寧に拭きはじめた。
「くっ、あ、ああ……」
ふたりが布を滑らせるたび、シャングリアの身体は弓のように跳ねた。
一郎の眼には、それは清めというより拷問にしか見えない。
掻痒剤で股間を苛まれているシャングリアの肌は、布の一撫でごとに痒みを呼び覚まし、それが痺れるような快楽と結びついているようだった
首筋を拭われれば声が詰まり、胸を撫でられれば乳首が硬く尖り、内腿をなぞられれば腰が勝手に開こうとする。
ただ清めているだけのはずなのに、嬲られて喘ぐ女の姿がそこにあった。
魔眼を凝らせば、赤いもやが全身を包み、快感値が〈0〉へと近づいていくのが見える。
苦悶と羞恥で歪んだ貌が、甘美に蕩けていく。
シャングリア=モーリア
人間族、女
騎士
年齢22歳
ジョブ
戦士(レベル15)
生命力:60
攻撃力:1(拘束中)
経験人数:なし
淫乱レベル:A
快感値:1~4/100↓
状態
掻痒剤の侵蝕
長く続いている掻痒剤の苦悶と焦燥感。拘束をされて無防備になった身体への抗えない刺激への羞恥と悦びがないまぜになって跳ね上がっているのだろう。
それでも、必死に耐えようとしているのに、声は甘く震え、女の貌をさらしている。
鍛え上げられた肢体がふたりが布で拭くたびに、勢いよく右に左 にと裸身を弾かせる。
「や、やめ……っ、ああっ……だめだあっ……」
シャングリアが腰を捩じらせ、両脚を突っ張って暴れる。
拭われる感触が掻痒と結びつき、拷問のような衝動をかき立てるのだろう。
必死に振りほどこうとしても、細い布の感触ひとつで全身が震え、甘い喘ぎと悲鳴が入り混じって喉からこぼれた。
しばらく、それを見守ってから、一郎は部屋の壁にある棚から調教具を準備して、寝台の横の台に並べて準備した。
その中から一本の筆を手にとる。
清められていくシャングリアの胸に視線を落とし、柔らかに尖った乳首へ筆をそっと滑らせた。
「うふうっ──」
電流に打たれたかのように、シャングリアの身体が弓なりに跳ねた。
一郎は、乳房の裾野から豊かな膨らみを這い上がるように、ゆっくりと筆を滑らせる。
「ふうっ……な、なにを……?」
狼狽した声が上がる。逃れようと身をよじるが、四肢を革紐で固定された身体は思うように動かない。
その反対側では、すでに布で清め終えたコゼが筆を手にしていた。
コゼが、もう一方の乳首を布でくすぐるように撫でる。
「いやあっ──」
シャングリアが反射的に身体を一郎の側へよじる
一郎はそれを待ち、また筆が迎え撃つ。
「くはあっ、ああ」
逆に逃げれば、そこにはコゼの筆だ。
寝台の上で、彼女の身体は逃げ場を失い、嬲られるしかなかった。
「な、なんか、ちょっと愉しいかも。いつも、苛められるのはわたしばっかりだし……」
一郎は横に来たことで、エリカはシャングリアの足のあいだに移動していたが、ちょっと一郎とコゼがシャングリアを責めるのに当てられたのか、コゼと同じように、布をすぼめて、布で繰り返し掃くように動く。
「ひあああっ」
シャングリアの腰が限界まで浮きあがる。
持ちあがった乳房を、一郎の筆とコゼの布が襲う。
「はああ──も、もう、意地悪をしないでくれ──ふぐううう──」
左右どちらに逃げても筆の責めから逃れられず、エリカにも責められ、シャングリアは上体を大きくのけ反らせ、ブリッジのような姿勢になった。
「可愛い声で泣きだしたな、シャングリア。掻痒剤を塗られた身体に筆を走らせられるのは、堪らないだろう? そのうち、病みつきになって、この責めを待ち望むようになる」
一郎は揶揄いながら、もう一本の筆を手に取り、コゼに渡した。
「よし、ふたりで責めようか」
「はい、ご主人様」
コゼの笑みが嗜虐の色に染まる。二本の筆が同時にシャングリアの胸へと襲いかかり、尖った乳首を左右から擦り立てた。
「ひあああ──っ」
痒みと快感がないまぜになり、シャングリアの声が悲鳴とも嬌声ともつかぬ響きに変わる。
身体をよじろうとするが、四肢は革紐に縛られ、逃げ場はない。
「ほら、エリカはシャングリアの足の指を舐めてやれ。舌の技で、足のすべてを嬲り尽くすんだ」
一郎の命令に、エリカがはっとして顔を上げた。
「あっ、は、はい──。わかりました」
エリカが慌てたように、シャングリアの脚を両手で押さえ込むと、足の指を口に含んで舌で舐め始める。
「ひああっ──いやっ……やめええっ──」
一郎とコゼの筆の往復が乳首を擦り上げ、エリカの舌が足指を舐め回す。
新たな責めに、シャングリアは激しく跳ね、寝台の上で大きく痙攣を繰り返した。
快感値は、相変わらず一桁に落ち込み、淫魔眼に映る赤いもやが全身を覆っている。
掻痒と筆責め、舌責めが重なり合い、女騎士の肢体は完全に嬲られる悦楽に捕らえられ続けた。
三人がかりの責めは、どれほど続いたのだろうか。
筆が乳首を擦り、脇腹を擦り、腋を襲う。
舌が足指を舐め、痒みに侵された肌を布が何度も撫でる──。
そのたびに、シャングリアの身体は跳ね、泣き叫び、寝台の上で幾度も大きくのけ反った。
時間の感覚すら曖昧になるほど、長く、容赦のない責めだった。
やがて──。
さすがのシャングリアも、すっかり気の強さを失い、すすり泣くようなか細い悲鳴をあげるだけになった。
いまや、筆から逃げ回る力すら尽きてしまい、ただ身体を震わせて筆にくすぐられるままだ。
それでも果てさせるほどの刺激には届かず、掻痒も癒えない。
ただ、快感の猛りだけが、天井知らずに積み上がっていく。
意識を保つことすら難しいはずだった。
これだけ濡れていれば、破瓜の痛みも大きくはないだろう。
むしろ、膜を破る衝撃すら快楽に飲み込ませてやれる。
──頃合いだな……。
一郎は判断した。
「もういい。革紐だけを解け」
コゼとエリカが従い、シャングリアの四肢を拘束していた革紐を外す。
だが、自由になっても彼女はぐったりと寝台に沈んだままだ。
筋肉は弛緩し、痙攣の余韻だけが身体を震わせていた。
「……エリカとコゼは、しばらくふたりで愛し合え。どちらかが果てるまでだ。まずは俺がシャングリアを犯す。そのあとで、四人で仲良く愉しむからな」
一郎が命じると同時に、淫魔術を発動した。
コゼの身体の感度を、異常なまでに高める。
「ふううっ──」
コゼが膝を折り、息を荒げる。
たちまち全身が紅潮し、肌の上を空気が撫でるだけでも震えるほどに敏感になった。
「コゼ……? どうしたの」
エリカが驚きに目を見張る。
一郎は心の中でほくそ笑んだ。
いつも嗜虐心で主導権を握るコゼに、今日はハンデを課したのだ。
これなら、マゾ気質のエリカでも主導権を奪えるだろう。
ふたりが隣の隅で裸身を絡ませ始めた。この寝室の寝台は軽く十人が載れるくらいに大きいのだ。
すぐに、エリカとコゼの嬌声が部屋に満ちていく。
一郎は寝台の上で荒い息を吐き続けているシャングリアに視線を落とした。
「さあ──いよいよだ、シャングリア。俺の女になってもらう」
一郎は寝台で喘ぎ声のような息をし続けているシャングリアに、意識を集中させた。