〈催眠を掛ける魔法〉でヤリまくる 作:shiguma1124
カイ君の最推しはゼーリエ。次点でヒンメル、ユーベルと続く。
(もう引き返すことは出来ない。今、今しかないんだ)
覆水盆に返らず、という言葉がある。
一度起きてしまった事はもう元には戻らない、失敗は取り返しがつかない。といった意味合いだったと記憶しているが。
今の俺は正にそれ、つまり過去に取り返しのつかない失敗をした状態。それを嘆いているのだ。
失敗は二つ。
一つは時間的な問題。もう彼女と交わるには今しかないというのに、生憎今は俺の心が揺れ動きすぎててあまりアクションを起こしたくない時なのだ。
その心が揺れ動いている原因こそ二つ目の失敗。
これを失敗と言えば随分自分に厳しい物言いになるが、失態ではあるのでどっちでもいい。
ラヴィーネとの行為で起きた不完全燃焼の件と、今日ゼーリエに言われたばかりの例のセリフ。
どちらか片方でも俺を惑わせるには充分だと言うのに、現在ダブルでお悩みお抱え中。
だが時間がない。
一級試験が始まる前俺は当分忙しくなると考え、その前に一般市民ちゃん達と気楽に遊ぼう。なんて考えて遠くまで遊びに出かけていたのがそもそものミスだった。
結果、帰るのが遅れて本来なら時間に追われる事なく楽しめた筈の彼女との行為も、残り一日という日数しか残されていない今の状況になってしまったのだ。
だがもうヤるしかない。
しないという選択肢は元より皆無だ。
大丈夫、信じよう己の性欲を。
「カイ様…もう私、限界です……♡」
そして何より、フェルンの溢れんばかりの魅力を信じるしかない。
(フリーレン一行の旅は、偶然の巡り合わせで起こるイベントが多かった。そこに支障を出すわけにはいかない。大丈夫だ、俺は今こんなにも興奮しているじゃないか)
なるべく原作に不要な影響を与えたくない俺としては、旅立つ日程に関与する事は避けたい。
フェルンの出発は明日の特権授与の翌日、つまり明後日。
旅立つ日の前日位は休んでほしいのでもう時間は今しかない。流石に旅に出た後で追い付くのは大変過ぎるからNGだし。
今の精神が不安定なままだと、またラヴィーネの時みたいな事が起きてしまうのではという心配もない訳じゃない。けどもう今日しかない。
三次試験終了後、夕飯を食べた後から寝るまでの間に都市内にある俺の家に来いと指示を出した。
催眠の設定で試験終了後からずっと発情状態になるようしてあるので、さっきの限界発言はマジ。発情を最大限上昇させて数時間放置した今はもう完全に出来上がっていて色気もムンムン。
顔を見れば誰でも分かる位に色欲が溢れ出てる状態。
当然。そんな発情しきった女、それもあのフェルンがともなれば最早見る媚薬。興奮しない訳がない。
獣同然の性欲に身を委ねて目の前の雌を蹂躙したいという思いが悩みなんて全て吹き飛ばす。
そう言える程妖艶な雰囲気を纏った彼女を前に、俺の頭の中は欲望だけで満たされたような感覚に陥った。
「…服脱いで、こっち来て」
ベッドに座ってそう言う俺も服を脱ぎ捨てていく。
一歩一歩こちらに近付いてくる音、次々と服を脱いでいく音、荒い息遣い。彼女が発する全ての音を聞くたびに期待と興奮で頭がおかしくなりそうだった。
自分に催眠を掛けたのかとすら思う程の欲が掻き立てられ、遂に一糸纏わぬ姿となったフェルンが眼前まで迫る。
「っ♡」
そしてお互い無言のまま唇を重ねる。
俺が容赦なく舌を彼女の方へ押し込んでいっても、向こうも舌を絡ませようと動く。
不慣れを感じる動かし方でも、その懸命さは伝わる。そんなキス。
ムードも何もないただ情欲をぶつけ合うだけの行為。
今回は小難しい設定もテーマもない。
ただ極限まで発情させたフェルンと体を重ねるだけの夜だ。
俺達は溜まった性欲を発散させ合う為だけの関係であり、性欲以外の感情や気持ちなどは一切ない。
これならばシチュに合う言葉選びだの、行為の手順だのと難しい事は考えなくてもよい。
やはり頭を空っぽにして馬鹿みたいにするセックスが一番だと思うから。
そうする為だけの、馬鹿みたいな欲をぶつけ合うだけの関係。イイじゃないか。
暫く舌を絡めあったところで、ベッドになだれ込むようにして押し倒す。
「……♡」
黙っているのに、熱を帯びた瞳を見るだけで伝わって来た。
続きを。早く溜まりに溜まった欲を発散する行為を。快楽を要求する目だ。
その目が俺の情欲を更に掻き立て、理性を溶かしていく。
「あっ♡」
発情状態で時間を空けた影響だろう。
秘部は既に濡れそぼっており、軽く触れただけで声と水音が響く。
この様子なら問題はなさそうだが流石に慣らす必要はあるかと思い、指を膣口へと沈める。
「うっ♡あっ♡っっ♡」
初めてだというのに、愛液の分泌量が凄まじい事になっているのを感じながら更に分泌を促す。
だが辛抱効かなさから普段よりも急いてるのだろう。早々に二本目の指の挿入を試みる。
「はっっ、ぁ゛♡♡」
しかしそれも彼女はすんなり受け入れ、指二本による解しを受ける。
「あ゛っ♡あ♡」
慎重に撫でるような動きも、一転して激しい動きも。
どちらも同様に快感を得ている反応。
極端に強くした発情状態の影響だろう。
ここまでまともな会話は冒頭のみで、その後は押し倒そうが様々な前戯を受けようが彼女は受け入れるだけ。
ただ欲のままこちらが動いている様に向こうも欲の発散の為に体を委ねている。
まるで全てを受け入れてくれるのではないかと錯覚してしまう位に。
それから無言で指を引き抜き、その手で自分のモノを掴む。
そのまま、何も話さないまま彼女の目を見つめて待つ。
「……」
会話は存在しなくても分かるような気がした。
確かに次の行動を期待した目を見て、許可が降りたのだと判断し。更に近く彼女の元へと近付く。
硬くイキり立ったモノを膣口に当てた時。超えてはならない一線を感じる。
何度も超えてきた一線。認識した上で踏みつけてきた一線。いつも感じてきた一線。
荒くなった息と、解けていく理性、心の底に居座っている本能。
あらゆる思いを抱えたまま、超えてはならないその一線にまたも足を踏み入れる。
「あ゛ぁ゛♡♡♡」
初物の筈のフェルンの膣内は、とてもそうとは思えない程熟れていた。
極限まで高めた発情状態がまさかここまでの効果だとは俺自身も想定外で、感度自体はそこまで高くしていないのにやたらと反応が良かった答えが分かる。
(一切の調教もなしにここまで…やべぇ)
一瞬にして異物を受け入れ、それを自身の快感とし。あまりにも濃密に絡みついてくる膣と、柔らかな肢体。
極上の雌が目の前にいて、俺がその人物を好き放題出来るという事実と実感。
かつて感じた事のない程の愉悦感に満たされていく。
「あ゛っ♡ん゛あ゛っ♡♡♡」
いつもならもう少し加減をして徐々にペースを上げていくと言うのに、今回は最初から飛ばしまくりだ。
その激しさは彼女の豊満な胸が一突きごとに揺れ動く程。
当然、そんな光景が目に入って無視は出来ない。
即座に顔を近づけ吸い付く。
「ん゛♡♡」
新たな刺激に膣の収縮がより強まる。
締め付けとこの無尽蔵に湧き出る愛液により膣内の具合は最高レベルに。
(マズい、もう出そうだ……いっその事今日は回数重視でいくか)
想定外の快感を前に、あっという間に限界を感じ始めた。
本来ならあまり良くないと分かっていながら射精を前に動きを速める。
「あ゛♡あ゛♡あ゛♡あ゛♡」
初めての相手には酷な動きでも催眠を使えば耐えられるのか。それとも彼女自身にそういった素質があるのか。
恐らく両方であると思うけど、どうでもいい。
ここまで射精に、目の前の快感快楽に頭がいっぱいになった経験はなかった。
それ程までに今は彼女の中で果てる事しか考えらず。
「っん゛あ゛あ゛あ゛あ゛♡♡♡♡♡」
普段の声色からは考えられない程可愛らしい嬌声をあげた彼女とほぼ同時に絶頂を迎える。
「はぁっ…はぁっ…」
お互い荒く呼吸をしているだけで会話はなく、絶頂の余韻から度々体を震わせるばかり。
特に目を合わしたりする事もなく、ただ時間が過ぎていたのも束の間。
顔の横に立てていた俺の腕を彼女は力弱く握る。
「……」
言葉もなければ目線すら寄越さない。
でも何を伝えたいかは分かった。
まだ終わらないでしょ?私はまだスッキリしきれてないよ。
彼女は続きを待っている。
可愛い女の子の二回戦要望に応えない俺ではない。
自分でも頬が緩んでいると分かる程の笑みを浮かべた後、俺は彼女の中でピストン運動を再開した。
それから二度の絶頂を迎えた後、今は四つん這いとなったフェルンを後ろから突きまくっていた。
「あ゛っ♡♡んあ゛っ♡♡♡」
だらしない体の一歩手前。
この絶妙にムチムチとした柔らかな体が俺を狂わせる。
後ろから胸を鷲掴みにした時なんて、たまらないの一言では言い表せない程の感動を覚えた。
恐らく作中ナンバーワン巨乳は伊達ではない。
しかし彼女はそれだけでなく下半身も完璧だった。
二度目の射精時に足でホールドされた時の太ももや、今絶賛堪能中であるお尻もそう。
突くたびに揺れる尻肉と、掴みやすい腰の打ち付けがいがイイ。
時折ピクピクと揺れて反応を示す背中も興奮をそそるし、長髪とバックは見栄えの相性が良く眼福。
そのまま視線を上げていけば、彼女の外見の中でも印象に残りやすい髪留めが目に映る。
(……あ)
目に、映る。
これまで狭まっていた視界が一気に広がって行く感覚と同時に、顔の血の気が引いていって。自分が冷静になっていく感覚が情欲を掻き消していく。
蘇る記憶。
フリーレンがプレゼントの為に頭を悩ませて買ったあの蝶の髪飾り。
プレゼント選びに悩んでる時のグルグル目と。渡した時に行っていた、綺麗な景色が背景のスイーツの美味しいレストランが印象的だった。
開けた視界が次に目に収めたのは、テーブルの上に置かれた鏡蓮華のブレスレット。
鏡蓮華の花言葉は久遠の愛情。
普通は恋人に贈るものだとザインが説明して、シュタルクが慌ててた記憶がある。
次々と、脳裏に過ぎる記憶。
フェルンの子供時代、リュグナーとの戦闘シーンで見せたローブを脱いだ時の服装、鏡蓮華の回想シーンでクソボケエルフと呼ばれたフリーレン。
まるで走馬灯かのように湧き出て来る。
子供が親や先生に悪事がバレて叱られそうになった時、一瞬で様々な言い分を思い浮かべるのと同じ様に。
俺の中で様々な思いが浮かび上がった。
「……っ」
頭から血の気が引いていった瞬間、俺はラヴィーネの時に犯した失態を思い出していた。
(ヤバい…これは……このままだと、また)
血の気が引き冷静になると当然欲に塗れた思考から離れていく。
狂いそうな程熱が曇り性欲に支配されていたところから、熱が引いていく感覚に確かな恐怖を覚える。
何とかしなくては。
そう思ってももう同じ熱が帰ってくることはない。
「?」
突然動きを止めたこちらを不思議に思い、振り返る彼女の視線が刺さる様に痛い。
次第にその口から言葉が出かけようとした瞬間、俺はそれを阻止する為に唇を合わせた。
口を塞ぐ為に。喋らせない為に唇を合わせて舌まで捻じ込んだ俺は、再び腰を動かし始める。
頭の中にはぐちゃぐちゃとした様々な感情が渦巻いていたけど、恐らく一番大きかったのは『不安』だったと思う。
それからは必死だった。
快楽が悩みなど全て忘れさせてくれると思って、ただただ彼女の体を貪るように行為にのめり込んでいった。
「はぁ゛♡♡♡はあ゛ぁ゛ぁ゛♡♡♡♡」
対面座位でお互い抱きしめ合い、快楽を求め続ける。
胸に顔を埋め、体にしがみ付くように密着した。
柔らかい肢体に埋まり、抱きしめ、膣内で思い切り射精する。
極上の快感、至極の快楽。
その筈なのに俺の心は酷く空虚だった。
どれだけの快感に浸っても、以前ほどの満足感も喜びも得られず。ただ暴れて射精する事だけを繰り返すのみ。
その虚しさをどうにかしようと、また快楽を求めて彼女の体を貪り続ける。
「あ゛♡っ。ぅん…♡」
体を抱きしめて、唇を合わせ舌を絡めて唾液を交換し、陰茎を膣に擦りつける。
濃密に、深く、誰よりも近く彼女と居て。その人の温もりをこれでもかと感じているのに。
俺は一人だった。
目の前にいる彼女が、触れあっている彼女がどこまでも遠く感じた。
どうやっても縮まらない距離を前に、俺は目を塞ぐように快楽を求めて。
「あ゛あ゛♡♡イク♡イキます♡♡♡♡」
再びこみ上げてくる射精感に本当に極僅かな希望を抱いて、彼女の絶頂を誘いながら自身もその時を迎える。
「はぁ゛♡っっっっぁ゛あ゛あ゛あ゛あ♡♡♡♡♡♡」
震える彼女を抱きしめながら、途轍もない快感と共に精を吐き出す。彼女の奥深い所でぶちまける。
自身も身震いする程の快感を共有しながら互いに深い絶頂。
長い長い射精と、その余韻を抱きしめ合って過ごす。
頭が狂う程の快感。
これまでで経験した事がない程深く長い絶頂を、極上の肢体と共に遂げた。
かつてない快楽に包まれる
だが、心は酷く冷え切っていた。
「はぁっ…はぁっ…はぁ……ぁ゛♡ん゛ん゛♡♡♡」
その冷えた心を誤魔化す為に、俺はまた逃げるように快楽を貪る。
過去最高の絶頂は、過去最悪の気分だった。
Q,カイ君の本当の性癖はなんでしょうか
答えは次回の後書きで