※この作品はR-18です。

〈催眠を掛ける魔法〉でヤリまくる   作:shiguma1124

12 / 16
前回に引き続きちょっとテイストが違うと言いますか……少し雰囲気暗めかもしれません


ユーベルと、カイと

「はぁ……」

 

今日何度目か分からないため息。

 

結局朝日が昇るまでフェルンと交わり続けたが、心の熱が戻る事はなかった。

 

一人になってからも時間は充分あったのに眠らずそのまま次の日。

つまりは今日、ついさっき特権の授与まで済ませた。

ゼーリエに、なんだお前その顔。って軽く怒られてしまったんだから、随分腑抜けた顔をしていたんだろう。

 

まぁ見なくとも自分で分かる。

今の俺はきっと気の抜けた顔をしているんだろうと。

 

立て続けに起こした行為中の賢者モード。

 

このままでは一生満足のいく行為をする事は出来ないだろうと、ぼんやりとした頭で考える。

そして次に考えるのは、そんな人生を俺は今後も生きていけるのか。

充実した気持ちで生きていけるか。

 

答えは否。

 

だってこれまでの人生、女の子とえっちぃ事するのだけを考えて生きて来たのに。

ここから突然それを忘れて生きていくって?無理だ。

他の事、それこそ魔法を極めるとか旅に出て人を救う為に戦い続けるとか。俺には出来ない。

そもそも人生の希望を突然取り上げられて、直ぐに事実を受け入れて切り替えるとか。早々出来る人間いないと思う。

 

(なーんだかな……)

 

生きる糧が消え去り、漠然と無味の人生が目の前に広がっていく感覚。

 

なんとなく前世で死ぬ前も同じ様な心境だったと思い出す。

 

 

 

家で一人、悶々と悩む。

その静寂を破る様にドアを叩く音と訪れた人物の声が響く。

 

「カイ君、遊びに来たよ」

 

(ユーベルか。ユーベルかぁ……)

 

少しだけ悩んだ後、重い腰を上げる。

最初は追い返そうとも思ったけど、わざわざ催眠で聞かせる事すら面倒に思ったから。

一人になる為に都市内の家に居たけど結局心境も変わらないし、どうせだったら良い意味で状況を破壊してくれる事を願って扉を開ける。

 

「……やっぱりご機嫌は良さそうじゃないね」

 

特権授与の前後で絡みに来ないと思ったら、後で家に来るつもりだったらしいな。

 

「大したもんはないけど、お茶でも飲むか?」

 

「飲む」

 

来客用の備えなんて殆どしてないんだけどね。ここに来るって事は十中八九催眠状態だし、セッッ用拠点みたいな扱いだったし。

 

この家にあるのはテーブルとそれ用の椅子、本当に最低限のキッチン用品と非常用も兼ねてある保存食。後はベッドと替えのシーツのみ。

着替えの服はおろかそもそもタンス等の収納家具もなく、インテリアなんかは完全に無視。

エッチの時に使えると思って縄とかそういう系のアイテムは幾らか置いてあるけど。

 

まさかそんな場所で女の子とお茶を啜る事になるとは思ってなかったよ。

 

「特に言う事のない味」

 

「なら言わんでいい」

 

「だってカイ君全然何にも話してくれないし」

 

実際家に入れてからお茶を出すまで一言も話さなかったし反論は出来ない。

 

「割といつもそうでしょ。大体話しかけてくれてたのはそっちだったし」

 

「まぁそうだね、初対面の時以外は」

 

(あれは催眠掛ける為のアレだしな…)

 

でも、こうしてみると分かる。

俺は今重大な悩みを抱えててそれのせいで無気力気味の筈だけど、ちゃんと会話する事は出来ている。

多少周りから違和感は持たれてもちゃんと出来ている。出来てるんだよなぁ。

 

「ところでカイ君さ」

 

頭でまたごちゃごちゃと考えていると話題を振られたので、また彼女の方に意識を戻す。

 

「特権は何貰ったの?」

 

特権…ゼーリエから貰ったやつね。

 

「あぁ、いずれ直接見せる事に……は、ならないかも」

 

「そう?てっきりエッチなやつを貰ったのかと思ってたんだけど」

 

「…随分と面白い事を言うねぇ」

 

「何が」

 

「だって今の言い方さ。自分とそういう事をするのは決まってるみたいな言い方だし、そういう魔法を俺が使うとも思ってるみたいに聞こえる」

 

「そう言ったからね」

 

(ん?あーそう言えばセフレ的な関係だったもんな。そりゃそうだ)

 

ここ最近は試験で毎日濃かったし、普通にエロ抜きで接してたから一瞬忘れてた。

普段記憶を残す催眠は珍しいからそれも原因で頭から抜けてたのかも。

 

(この関係もどうするか。つーか、魔族二人以外は催眠考えなきゃかもな)

 

今の俺は端的に言えば催眠を使う事に抵抗があるんだと思う。

だから一度それを手放す事も考えてみるのも悪くない判断……かもしれない。

催眠抜きで女の子を口説いてみたりとか。

 

(……気のせいか?)

 

今後の事を考えなければならないと思いつつ、さっきの会話に少し引っかかる部分を見つける。

 

「ユーベル、さっきのはどういうつもりで言った」

 

「さっきのって……あー。どういうつもりも何も言葉通りだよ」

 

妙な不安が心の内から湧いてくる。

 

認めたくはないのに、薄々と嫌な現実に気付き始めるあの感覚だ。

 

「俺がお前にそういう魔法を使うって……言ったのか?」

 

「うん、言ったよ」

 

「っ!」

 

これはマズい。本当にマズい。

 

「…いや、他の子達はまだしもユーベルには使ってこなかったでしょ催眠。なんで他の魔法なら使われると思ったの」

 

「あーそれね。そもそも催眠を使ってないってのが嘘なんじゃないのかなって思ってるんだけど、どう?」

 

(は?……催眠が機能していないのか?違和感は持たないように、常識をすり替えている筈だ)

 

この時点で俺は頭がパニックになり始めていた。

 

「その様子だと当たったかな?まぁ今の私は予想が当たったとしても私に催眠が使われているとは思えないけど、やっぱり直接顔を見れば分かる事もあるね」

 

私に催眠が使われているとは思えない、って事は催眠自体は機能している。

言い方から察するに彼女は、本能では間違っていると思っているのに、その上で推理をしているとでもいうのか?なんだそれ。

 

「……俺が催眠を使っていないという常識は持ってるんだろ?じゃあなんでその考えに至る、至る事が出来るんだ」

 

「おかしいと思ったんだよ。君と共感する為に、君の事を考える度同じ結論に辿り着く。私にだけ催眠を使わない筈がないって。

それは当たり前の事。でも当たり前の事なのにいつも疑問を持つんだ、それっておかしいよね」

 

だから催眠を破る事が出来たって?不可能だ。その程度で常識を超える事が出来ないのは既に検証出来ている。

 

「だからそう考える事にしたの。次の瞬間、それこそ現在進行形で自分が言ってる事がおかしいって思ってるけど。その度に君の事を考えて同じ結論に辿り着く。

そうしたら違うと思いながらも推理する事が出来た。今直接図星を突かれた顔を見れた、ってのもあるけどね」

 

「常識を疑って……潜在意識を、人間が操る事が出来ない深層心理に、打ち勝った?ありえない……」

 

(いやでも。理論をすっ飛ばして魔法を習得したり、異次元のイメージ能力でゼンゼを打ち破って、あのゼーリエが会話なしに素質を認めたユーベルなら。出来るのか?)

 

自分が間違っていると思いながらもそれを疑い続ける事、そんな事が人間に出来るのか?答えは断じて否だ。

 

だが俺は侮っていた。

相手はユーベルだ。

 

最初から気を付けていた筈だ、常識とはかけ離れた感性を持っている彼女なら万が一があるかもしれないと。

 

きっと魔族すらも手駒にした事で油断していたんだ。

だから記憶の保持というリスクの高い選択を取ったのにも関わらず設定の掛け方が甘かった。

もっと徹底的に。それこそ推理する事そのものを強制的に禁止させていればこんな事にはならなかったのに。

 

(いや違う、今すべき事は反省じゃなくユーベルをどうするか考える事。

今から催眠を掛け直して考えを変える事は出来ない、記憶の齟齬が生まれ過ぎると幾ら催眠でもボロが出る。

俺と過ごした時間が多過ぎるから記憶の消去も無理だし、全ての記憶を消すなんて言語同断。

こうなったら心を支配してリーニエみたいに下僕に………ああ!ああああああ!!)

 

さっき挙げたような考える事そのものを禁止させたり、今の会話は忘れさせる。みたいな事は今からしてももう遅い。

記憶の捏造は元々リスクが高いしここまで鋭い相手なら恐らく意味がない。きっとまた直ぐに違和感に気付く。

 

他にも様々な手段が脳裏に過ぎるが、全て出来ない。

或いは普段なら良い策を思いつけたのかもしれないけど、今の俺には思いつかなかった。

催眠を破られた事に動揺し、過去一番の錯乱状態に陥っている現状では。

 

「……カイ君、私は別に…」

 

その一言に気付いていれば、少しは何かが変わったかもしれない。でも気付く事はなく俺は言葉を被せた。

 

「『ユーベル、その場から動くな』」

 

混乱しきった頭で考えた、最後の策。

 

「聞け、『魔力の使用は禁止、俺が指示した以外の動きも禁止だ』この状態で俺は今からひたすらお前を犯す」

 

「……え?」

 

「精神への操作はしない。ただ完全に俺に堕ちるまでは付き合ってもらおうか」

 

「……」

 

「例え気絶しても、何日経過しようとも犯し続ける。悪いがそれまでは監禁状態だ」

 

「……私の話を聞いてくれたりはしない?」

 

一歩一歩踏み寄って来る俺に彼女が最後に掛けた言葉。

 

「ごめん、聞きたくない」

 

それを跳ね除け彼女の体を掴む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なげやりという状態、きっと今の俺以上に似合う奴はいないだろう。

思考を放棄した成り行き任せの行動。

きっとやっている事は泣きわめく子供と同じレベルだ。

 

ただ俺の場合は、催眠という他人を操る力があった事が災いか。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「……」

 

うつ伏せで気絶している彼女の股からは溢れた精液が漏れ出ているだけでなく、明らかにそれ以外の液体が散布された痕が残っていた。

強めの感度上昇を掛けたら一時間足らずでこの惨状。

 

体の自由を奪って強制的に快楽を与え続ければこうもなる。

 

だがかつて彼女と交わった時に感じたような快感も興奮も今はなく。

その事に対して焦りや憤りを感じずには得られなかった。

いっその事機能を失えば良かったのにとすら思った自分のモノを再度掴み、気を失っている彼女に容赦なく捻じ込む。

 

「っっお゛♡♡♡」

 

まだ悠長に寝かせるつもりはない。

あと三時間はこのまま連続で続ける予定だ。その後は覚醒するまで寝かせてから、朝から晩までほぼノンストップ。

夜の長い休み時間以外は例え気絶してもこの様にして強制的に意識を戻す。因みに性的刺激のみで起きなさそうだったら催眠を使って強制的に起こす。

流石にそこまで肉体が疲弊する前には堕ちてほしいけど。

 

「あ゛っ♡♡ん゛ん♡♡♡」

 

普段の様子からは想像も出来ない嬌声。肉付きがよく男を惑わせる魅惑的な体。

あのユーベルが成す術もなくただ男に喘がされているという状況。

一方的な感情の矢印だけで成される行為。

 

どれも俺を最高に興奮させるには十全たる理由の筈だ。

事実以前は天に召すような気持ちだったのに。

 

今は快感も何もない。

 

理由は薄々分かっている。

確かに一方的に組み伏せるシチュエーションも好きだけど、これじゃあ駄目だ。

会話すら放棄した今の状態ではまるでキャラの良さを活かせていない。

前回のフェルンもそうだった。

今も心の熱が戻らないのはきっとそれが原因。

 

ただの肉道具を相手にしてもつまらない。

そう思っていたから、催眠を使って精神を弄れば容易に済んだであろうアウラの躾に長い年月を掛けたり。

他のヒロイン達にも最高に燃える設定やシチュを考えてきた。

 

なのにラヴィーネの一件以降。シチュエーションプレイに怯え、避けた結果迎えたのは最悪の結末。

 

これでは何のためにこの世界に転生してきたのか分からない。

葬送のフリーレンというキャラクター性の宝石箱を堪能する為の催眠が死んだようなもの。

 

目の前で現在行為真っ最中の彼女だって、最も惹かれたのは内面だ。

勿論外見も素晴らしい、実に素晴らしいさ。

だが俺としては精々良い程度。彼女の本当に魅力的なところはもっと、単に外見を見ただけでは分からない部分にこそある。

 

それらと向き合う事を止めた時点で、前回の様な快感に浸れる訳がないのは至極当然の事。

 

「ん゛ん゛♡♡♡っっっっく♡♡♡♡」

 

「…っ」

 

だからこそ苛立ちが抑えられない。

 

どれだけ彼女の中で射精を繰り返しても、満足感の欠片も湧かない事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから。この行為を始めてから何日経っただろうか。

もう頭が正常に機能しきれていない事が自分でも分かる。

 

少なくとも二日か三日、彼女の事を犯し続けている事だけは確か。

偶に長時間の気絶で休憩させている間も、俺は寝ていないからもう何徹目か分からない。三次試験の日から寝ていないから四か…五か?まぁいい。

 

「お゛ー…♡♡♡♡ぉ゛あ゛♡♡あ゛♡♡♡」

 

彼女の態度は未だ変わる素振りを見せない。

もしかしたら俺が見逃しているだけなのかもしれないけど、少なくとも最初の言い逃れ以外は何も喋ってきていない。

 

髪はいつかのタイミングで解いていて、今は正に生まれたままの姿。

基本的に数時間の長めの気絶以外は常にヤリ続けているので、かなり疲弊した様子ではある。

家にあった保存食や水を定期的に口に突っ込んでいるので死ぬ事はない。特に水分だけはかなり気を付けている、脱水とかになったら困るし。

 

ベッドのシーツは…もうかなりの回数替えた。

俺と彼女がまき散らす液体で直ぐびしょびしょになるからキリがないけど、流石に放置し過ぎると無視できないレベルになるから。

 

お互いぐしゃぐしゃのドロドロだけど、彼女の方は特に酷い。

催眠を使って体の回復を速めてなかったら多分後遺症とか出てたと思う。

体だけじゃなくて心も限界が近付いてそうだけど……どうだろう。

元々体の動きは制限してあるし、会話もろくにしないから判断が難しい。声のあげ方とか表情は肉体の疲労が大きな要因になってるだろうから。

 

「ぁ゛♡♡♡ぅ゛♡ぅ゛♡♡♡ぁ゛あ゛♡♡♡♡」

 

俺は半ば無心で腰を打ち付けていた。

焦りとか怒りとか、最初は色々とぐちゃぐちゃになった感情をぶつけるようにしてたけど。

ここまで来るとそういう感情は徐々になくなっていって、作業にも似た感覚になってきている。

 

(もういい加減……折れてくんないかな……)

 

数十時間も前からそう思っているが、未だに口にはしていない。

定期的に会話でも挟んで確認をしつつ精神面でも追い込んだりすればよかっただろう。

ずっと思っているのに聞かない理由は単純に怖いから。彼女と言葉を交わす事すら億劫になった結果の縺れが今だ。

 

不思議な事に極限状態に陥ると自分の心がよく分かるらしい。ただ分かるだけで問題が解決出来る訳でもないが。

 

(怖い。けど、いつかは超えなきゃいけない壁……最後、最後でいい。今最後の勇気を出そう)

 

随分と俺は臆病になってしまった。

たった一言二言掛けるだけでも深呼吸をして気持ちを整えなければ落ち着かない。

 

「……もう結構限界近いでしょ。そろそろ折れてほしいんだけど」

 

「ぁ゛え゛♡♡はぁ゛っ…♡…っふふ」

 

こちらの問いかけに対し、彼女は笑ってみせた。

 

(体はもうとっくに限界を超えてる筈だ、何が…)

 

「漸く…ん゛♡話してくれる気になってくれたかな」

 

予想に反して、というより。体の状態に反して彼女は未だに普段通りの、独特な妖しい雰囲気を纏っていた。

 

胴体部分は置いておくとしても、彼女の顔もかなりの疲労を一目で見抜ける程力が入っていないし。

息も絶え絶え。涎やらなんやらで汚れてしまってもいる。

 

だというのに、この得も言えぬ雰囲気。

 

「…そっちが最初に下手な嘘で言い逃れしようとなんてするから」

 

「私は言い逃れなんてしてないよ。全部本当の事しか言ってない」

 

言い逃れる為の嘘だと聞く耳を持たなかった言葉。

今はもう彼女が何を言っていたか思い出せないけれど、少なくとも今の言葉に嘘はないと分かった。そしてそう分かったと同時に嫌な冷や汗が滴る感覚を覚える。

 

「そもそも、堕とすとか言うけど…その基準はなんなの?直感で判断するにしても会話もなしに分かるの?」

 

「…っ……」

 

「君は結局のところ、何がしたいの」

 

問い掛け。

 

結局俺は何がしたいのか。

 

「っ……俺は!」

 

ぐちゃぐちゃの感情を整理もせず、思考もせず、ただ吐き出す。

 

「俺は…俺だって分かんないよ……でも、()()してればいいと思った。そうすればきっと皆みたいになれると思った、毎日のどうしようもない気持ちを無くせると思った。だから……!」

 

そこで漸く、俺はユーベルと目を合わせた。

 

するとユーベルはまた笑って。

 

「……目、見てくれたね」

 

分からないけど、多分今俺の顔を濡らしてるのは汗じゃない。

 

「カイ君はさぁ、子供みたいだよね」

 

ただ言葉の続きを待つ。

 

「でも、そんなところ…私は嫌いじゃないよ」

 

疲労から言葉が続かないだけか、顔に力が入ってないせいか。

 

今のユーベルはかつて見た事がない程穏やかに見えた。

 

「君の言う堕ちるって言葉が、どんな意味かによるけど……」

 

そこから一呼吸置いて、続きを言う。

 

「私はもう…君に堕ちてるんじゃないかな」

 

らしからぬセリフが聞こえてきたと、脳の理解が遅れる。

 

「……え?どういう、、事?」

 

「ふふ、そこは察してよ。それともこういうのは慣れてないのかな」

 

俺は所謂素人童貞、どころか恋愛童貞だ。

だからか分からないが突如として脳が活性化し、一つの答えを導き出す。

 

(ユーベル……こいつ俺の事好きなんじゃね?)

 

人生でこんな事を思う日が来るとは、俺は夢にも思わなかった。

 

「いや……え?じゃあこれまでくっ付いて来てたのは?」

 

「……」

 

返事はない。

 

「もしそうなら、最初から?試験が始まる前からずっと……?」

 

世にも珍しい頬の赤いユーベルの顔が、答えを物語っているのだと思った。

 

「はぁーーー…………」

 

俺はドロドロになった肉棒を引き抜くと同時に、項垂れるように頭を抱える。

 

「なら、こんな事した意味ねぇじゃん」

 

「最初からカイ君が話聞いてくれてればこんな事にはならなかったのに」

 

「じゃあそっちが最初、いやもっと前から言ってくれてたら…!ってのは、流石にあんまりな言い方か」

 

(そういや舌戦ではユーベルに勝てないんだったな)

 

一気に肩の力が抜けていく。

張り詰めていた空気も、重い感情が渦巻いていた心もいつの間にか晴れていた。

 

「……っ♡」

 

気の抜けた雰囲気の中俺はいきなりユーベルと唇を合わせた。

 

「急に来たね、って……」

 

「悪かった。これだけじゃ足りないと思うけど、本当にごめん」

 

体の自由を戻し、謝罪を口にする。

 

「いいよ。中々味わえない出来事だったしね」

 

(心広すぎだろ)

 

流石にこの数日間をその一言で許せるのは優しさとかとは別ベクトルの何かだこれ。

 

「本当、また償いでもなんでも……ぁ?」

 

突如として体全体の力が抜け、ユーベルの方へと倒れ込む。

 

(ヤベ、意識が……)

 

張り詰めていたものが切れてガタが来た。もう体に力が一切入らない。

 

幸いなのはユーベルが俺を受け止めてくれた事。

可愛い女の子に抱かれるなんて幸せ…なのもあるけど。

 

(ああ………なんか……)

 

温かい。

 

いつまでも感じていたいと思うけれど、徐々に意識が遠のいていく。

 

「……だよ、カイ君」

 

最後に何か聞こえた気がしたが答えは分からないまま意識を失った。

 

これまでの人生で感じた事のない温かさに包まれながら。

 




A,催眠好きの純愛脳。でした(クイズにしては本編でのヒントが足りていないのはごめんなさい)










ユーベルとの気持ちのいい、爽快でちゃんとエッチに割り振った話もいずれ必ず……!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。