〈催眠を掛ける魔法〉でヤリまくる 作:shiguma1124
次回のエッチパートも半分位は出来てるのでしばしお待ちを。
俺の暴走によりユーベルを犯し始めた日から、四日経った。
「その……改めて言うけど、本当にごめん」
ぶっ倒れて気絶したところから目覚め、互いに服を着替え終わったタイミングで俺は再度謝る。
実のところ俺はまともに人と喧嘩した事がない。
アウラと軽口を叩き合うのが精々の、コミュニケーション弱者だ。
だからどうしたらいいのかよく分からない。でも個人的に後腐れは残したくないから今キチンと謝っておきたい。
「いいよ、って私言わなかったっけ」
「だとしても俺自身が気になってしまうと言いますか……」
「それってさぁ。謝りたいんじゃなくて自己満足なんじゃないの?」
「うっ…!」
何かの漫画で見た事がある流れを喰らう。
「まぁでも……もし気にするなら、私に貸し一つって事でどうかな」
(ユーベルに貸しとかめっちゃ怖いけど……断れる訳もない)
「……分かった」
「そんな顔されちゃうと悲しいな。私の事なんだと思ってるの」
覚悟を決めた顔に突っ込まれてしまった。
まぁ明らかに態度に出すのはこっちも失礼だったかな。
「でもさ。その、自分で言うのもなんだけどなんで俺の事す……気に掛けてくれるんだよ」
ここで気になっていた事を聞き出す。一応さっきの言葉への返しにもなってる、俺は先ず向こうがこっちをどう思ってるのかについて知りたい。
そこが分からないから何されるか予測できなくて怖い訳だし。
「……ちゃんと理由は言ったよ」
「え?いつ」
「つい先日」
「て言うとあの時か……でも正直記憶が曖昧って言うか、例のセリフのインパクトが強すぎて前後はぼんやりとしか覚えてないと言うか……」
失言だったかもしれない。
ユーベルが一瞬、確かに固まったように見えた。
「ふーん……」
(怖い!その目は可愛いけどすっごい怖い!)
身長差もあって必然的に上目遣いになるのだが、視覚的に可愛さと怖さが半々になっている。
いや見た目だけだったら可愛いだけで済んだのに相手がユーベルなのとこの状況が相まって怖さが生まれてるんだきっと。
「……ま、いっか」
「へ?」
「ちゃんとカイ君が素で話してくれるようになった記念で覚えてないのは許してあげる」
どうやらよく分からない記念で許してもらえるらしい。
「素、って……初対面の時以外は結構素だと思うんだけどな」
「そうだね。そうかもしれない」
(どっちなんだよ)
「でも、少なくとも前よりは近い距離で接してくれるようにはなったよ」
「!」
(まぁ確かに…言われてみるとそれはそうかも)
どこか置いていた心の壁はもう感じない気がする。
ここまで心を許してもいいと思った相手がユーベルしかいないから、ちょっと変な気もするけど。
だって本当に、本当の本当に初めての事だから。
「……催眠で人を操るのが性根だけどな」
でも本当に不思議なのは、出会いからして俺達は催眠がスタート。
そこからこの好感度の上がりよう。勿論それらは分かった上なんだろうけど、でもやはり気にはなる。
「でもそんな性根の君の事が気になっちゃったからね。他の人には見せられない汚い部分も私は見たいと思うよ」
「汚い部分ね……言っても催眠使って女の子達に手出しまくってるのはもう知られてる訳だし、それ以上のは流石にないと思うけどな」
「そうなの?」
「ああ」
結局なんで俺の事を好きになったかは教えてくれなそうだ。
「じゃあ私はハーレムを築いていく過程を見ていく事になるのかな」
「…は?」
「え?」
なんだろう、聞き間違いだろうか。
「今ハーレム築くって言った?」
「うん」
「築かないんだけど」
「築かないの?」
「うん」
どうやら壮絶な意見の食い違いが発生しているらしい。
「俺は確かに女の子達とは遊ぶけど記憶は大体消すからハーレムとかは別に……というか見ていくって、それユーベルはいいの?」
「まぁ私も元々その遊ぶ相手の一人だった訳だし。私みたいなのをいっぱい作っていくのかと思ってたよ」
(な、なるほど……確かにプレイの詳細は別に教えてなかったしそういう解釈になってもおかしくないのか?)
だが気になるのは、分かった上とはいえ好きな相手がハーレム作るのを見るって……どうなの。
「今のところは君を独占したいとかは思わないから、別に気にしないよ」
(気にしないのね……)
「ただ…」
いまいち本当に好意を抱いてるのか分からない辺り、ユーベルらしいとも言えるかもしれない。
「もし今後独り占めしたいと思うようになったら、その時は文句でも言っちゃおうかな」
……前言撤回。これで好意ないとか俺の脳が壊れるから立派な好意だ。そうに違いない、絶対にそう。
(でも、て事は今のところ催眠関係はお咎めなしか……)
「そうなった時、ね……分かった。まぁ後で紹介したい奴もいるしその辺……あ」
「?」
今の今まで頭から抜けてたけど、そう言えばユーベルとは別の感覚で心を許してた奴がいたな。
‣‣‣‣‣
ユーベルを帰してから、俺も家に帰る。
都市内のではなくメインの生活拠点へと。
「た、ただいま……」
「…随分遅かったじゃない」
恐る恐る扉を開けると、久々に冷たい目で睨んでくるアウラが一匹…じゃなくて一人。
「聞いてた話より随分遅かったせいで、食料も尽きてお腹も空いたわ。結局本も買って来てくれてないみたいだし、何か言う事があるんじゃないの?」
結構本気で怒ってくるアウラは最近だと珍しい。
流石に悪い事をしたと反省するしかない。
「連絡もなしに一週間近く帰らず、申し訳ございませんでした……」
「ふん。あんたがそんな風だと気持ち悪いんだけど」
(こいつここぞとばかりに調子乗りやがって…!……ま、いっか)
「……本はねぇけど食べ物は買って来たから、一緒に食おうぜ」
アウラは何も言わなかったけど、本も持たずに椅子に座ってくれたところを見るに同意してくれたらしい。
魔族は別にお腹が空く空かないなど本来ならないが、数年間人間同様に食事をとり続けると空腹という概念が生まれでもしたのか。
しかしこれもアウラにとっては必要ではない食事だ。
だからこれは生命活動ではなく、こいつがよく言ってた言葉を借りるなら茶番ってやつ。
「アウラ、今度人に会わせようと思ってるんだけどいいよな」
「また服でも作るつもり?」
「いや紹介したい奴がいるんだ」
「どうせロクな事考えてないんでしょ。それに拒否権もない癖に」
「今回は割とまともな考えなんだけどな。因みに拒否権がないのは正解」
買ってきた物と軽く作ったスープなんかを食べながらの雑談。
「そう言えば試験はどうだったの?その様子だと受かったんでしょうけど」
「正解」
「はぁ……あんたの考えてる事が分かって来て、良いのか悪いのか分からないわね」
「良いんじゃないか?だって会って最初の方とか俺が何考えてるか分からな過ぎて泣いてたじゃんお前」
「っ!人の癇に障る事を言うのが本当上手いわね。でもそうよ、あんたの考えてる事なんてイカれ過ぎて分かったもんじゃないし」
「でもそれが分かって来たんだ」
「だから悪い事かもしれないって言ったのよ」
「アウラも充分イカれてるし俺同様性格悪いからな」
「私は魔族よ、人間と価値観が違って当然だもの」
「おい。それだと俺が魔族みたいな価値観してるっぽくなるだろ流れ的に」
「ふふ、道徳心から外れた人間は魔族とそう変わらないんじゃないかしら?」
(こいっつ本当にいい笑顔してやがるぜ全く)
またベッドの上で分からせてやるのはまぁそうするとして。
何と言うか……これは絶対に、ぜぇっったいに本人には言わないけど。
この場は、この空気は安心する。
色々と悩んで考えたり気付いたりしたからなんだろうけど、俺は思っていたよりこいつに救われてたのかもしれない。
精神操作なしで、嫌々とはいえ一緒に暮らして軽口を叩き合う存在。
(ま、結局無理矢理従わせてるだけだから催眠使ってるのと大差ないんだけど。やっぱ俺ってさいてー)
ユーベルもそう。最低な経緯だけどこうやって心を許せる相手がいる、ってのは本当に幸せな事だ。
それは俺だけの話だろうけど。でもいないよりずっとマシなのに変わりない。
俺は今漸く、肩に力が入っていない事を自覚した。
流石に前回のエピソードは説明不足だったと思うのでここで幾つかの説明というか補足を。
カイ君の心情について。
これは正直プロフィール回を見てる前提で作ったので、改めてそっちを見れば大まかな心情位は察せると思います。見なくてもいいと前押しした回の情報が必要になる作りにした事に関しては自分の実力不足だと反省してます、申し訳ない。
ユーベルの好意に関するあれこれ。
こういうのは詳しく書きすぎると味が無くなる、というのでざっくりと。
そもそも冒頭のユーベルとのエッチは、魔族連中を除くと最長となる六日間も続きました。カイ君はここまで長く同じ子とし続けた事がないので分かっていませんでしたが、この時点で大分堕ちてたと思います。
後は二人で食事をした際に勇者ヒンメルの話が出た時、二次試験でデンケン等と話していた時などに見せた子供の様な素の笑顔も大きな要素でしょう。
その他にもユーベルが催眠を突破した辺りはかなり展開としてはぶっ飛んだ話であったと思います。
ここに関しては、違和感を持つ度にカイ君の事を考えるならば頭の中はどうなってるでしょう。みたいにして考えてもらうと。
色々と分かりにくかったり突っ込みたいポイントの多いストーリーだとは思いますが、これからも見続けてもらえると幸いです。
では私は早速次回の執筆作業に……。