しがない強面中堅冒険者、新進気鋭の美女パーティの全員に「私のことは好きにしていいから仲間だけは助けてください」と体を差し出された。 作:ユリイカ
夜。
シエラはそっと目を開ける。
どんな時、どんな場所でもすぐに寝入り、また自分で決めた時間にさっと起きることができるのが、彼女の特技のひとつだった。時刻は午前0時を過ぎた頃で間違いないだろう。
同じテントのネルヴァは、最初こそ何やらモゾモゾと動いて寝苦しそうにしていたが、今は耳もぺたりと伏せて穏やかな寝息を立てている。どんな夢を見ているのか、幸せそうに尻尾まで振っている。
「ごめんね、ネルヴァ」
彼女にそっと囁き、シエラは寝袋から抜け出す。夜の冷たい空気に震えながら、音を立てることなくテントから抜け出す。向かう先はもちろん、キャンプ地から少し離れたバルクの寝床である。
「今日もお務め、しないといけないもんね」
とろんとした目つき。まだ若い少女が、まるできつい酒精でも煽ったかのようだ。白磁のような頬を僅かに赤らめ、真っ暗な闇の中を進む。
彼のテントまでの道のりは覚えている。例え突き出した腕の先さえ見通せないほどの暗闇の中でも、木々の枝や根に引っかかることなく速やかに進むことができる。戦士としての類まれな空間認知能力を遺憾無く発揮していた。
「バルクさんも寝てるみたいだね」
森の中に組み上げられたテントは静かだ。明かりも点いておらず、主が就寝中であることを示す。シエラはぬかるむ泥も細い木の枝も乾いた落ち葉も軽やかに避けて、全くの静寂を保ったままテントへと近づく。歴戦の暗殺者のような、卓越した身のこなしだった。
「失礼します」
誰に伝えるでもなくそう囁き、テントの入り口を覆う暖簾を押し上げる。真っ暗闇のなか、男の低く唸るような寝息が聞こえる。
意外なことに、バルクの寝姿は静かなものだった。仰向けになり手を腹の上に置き、身じろぎ一つしない。そのままの姿勢で朝を迎えるほど寝相もいい。いびきもほとんど聞こえない。
「すー、すー……」
穏やかに眠る男のそばに、金髪のたおやかな少女が立つ。暗闇にも関わらず、真っ直ぐに男の髭に埋もれるような顔を見つめ、恍惚とした表情を浮かべる。
「それじゃあ、ヤるね」
冒険者というのは野営が多い職業だ。いつでもどこでもすぐに眠り、異変があればすぐに起きることができるのが、優れた冒険者の要件にもなっている。そのため、バルクもまた、普通ならば彼女がテントに近づいた時点で異変を察して起き出しているはずだった。
しかし、彼はぐっすりと泥のように眠り続けている。
「あんまり濃いのを入れちゃうと気付かれるけど、これくらいなら誰も気付かないもんね」
うふふっ、と少女が妖しく艶やかに笑う。
彼女が調理を担当した夕食のシチュー。そこに、眠りを深くする薬効を含んだ植物を少量混ぜ込んでいた。薬を盛られたと気付かれない程度のもの。それでいて、一度眠れば多少のことでは起きなくなるほどのもの。
「バルクさん、バルクさん♡ 今日も一日、お疲れ様でした♡ だから――私が労いますね♡」
しゅるり、しゅらり。
ささやかな衣擦れ音が奏でられる。男は呑気に眠っている。
そこには一糸纏わぬ少女と――。
「うふふ、ふふっ♡ 相変わらず、立派なおちんちんです」
――下半身の衣服を剥ぎ取られた男。
少女はぺろりと唇を舐める。その目は肉食獣のように鋭い。
男の一物はだらりと脱力している。今日一日だけでもずいぶんと酷使され疲労困憊なのだ。深い眠りも手伝って休養に徹している。しかし、少女はそれを細い指先でそっと撫で、無理やりに覚醒させる。
「ちゅっ♡」
ずるりと皮の剥けた禍々しい男根の先端に、軽い接吻。鳥が啄むように。母猫が子の毛並みを整えるように。指が絡まり、唇が触れる。熱い吐息が粘膜を撫でる。
「あっ、大きくなってきましたね♡」
眠る男の意識はないまま。下半身だけが励起する。ほのかに香る雌の匂いに血流が加速する。赤黒い肉が硬さを帯び、ぐんと立ち上がる。栄養満点の料理をたらふく食べた体は、いよいよ臨戦体勢を取る。
「はぁ、はぁ……んっ♡ ちゅっ、ちゅっ♡」
少女も気持ちを昂らせる。片手では包み込めないほどに隆起し膨張したそれを、まるで甘い蜜でも塗っているかのように舐め回す。ピンク色の舌が亀頭をねぶり、雁首の大きな段差をえぐるように舌先でなぞる。唾液が溢れ出し、鈴口から湧き出す先走りの粘液と混ざり合う。
「はぁっ♡ んっ♡ じゅるっ♡」
少女の手が己の胸に向かう。慎ましくも確かに膨らみを帯びた乳房の、まだ若い先端の突起を指で捏ねる。痺れるような快感が脳に流れる。そのまま彼女は口を大きく開き、男の肉棒を喉奥まで収めた。
「んぼぁぁ♡ んぐっ♡ んおっ♡」
彼女の小さな口腔では、亀頭と竿の僅かな部分だけ――全体の半分すら飲み込めない。しかし彼女は体勢を変え、垂直に覆い被さるようにして喉を開き、一気に頭を押し込む。
「おごっ♡」
喉が拒否感を示し、反射的にえずく。それを堪えながら、少女は楽しそうに男根を舐め回す。一日動きまわり、夜には組み手も散々行い、軽く水を浴びただけの体。陰部にはまだ濃厚な匂いが残っている。
「んふー♡ んっ♡ ふぅぅ♡」
口腔を男根で満たし、思い切り息を吸う。肺いっぱいに男の獣臭とも言うべき濃厚な匂いが取りこまれ、少女は歓喜に震えた。
「こぽっ」
喉を圧迫するほどに押し込まれていた男根を引き抜けば、口の奥から間抜けな音がする。
少女は舌をだらりと垂らし、男根を丁寧に隅々まで舐める。男の身から出たものならば、その垢の一つまで全て取り込みたい。そんな変態的な欲求だった。
更に、彼女の舌は竿だけでなく陰嚢にも向かう。平均的なサイズから大きく逸脱した、ずっしりと重たい二つの睾丸。陰毛が茂り、鼻を突っ込めばムワッと蒸れた匂いが鼻腔を直撃する。
「んべろっ」
玉袋を舐める。裏筋を舐め回す。
初めて口淫を行ったのは、二日前の事。あの時は恐怖が心の大半を占めていた。しかし、今や少女は夜な夜な男のテントに夜這いを仕掛け、眠る男の下半身を舐め回す。仲間が見れば驚き悲鳴をあげるだろう。しかし、どうしてもやめられない。
「んちゅっ♡ んじゅぅぅっ♡」
吸い付くようなキスを陰嚢に。彼の匂いを感じながら。
竿に戻り、キスをしながら亀頭へと至り、再び頬張る。口いっぱいに男根を満たすと、えも言われぬ満足感があった。唾液で男を汚す背徳感。己が男のもので汚れていく達成感。混沌のような快楽が、少女を痺れさせる。
そして、男の体もまた、眠りながらも快楽に素直だった。
「んふっ♡」
膨らむ男根に予兆を感じ、シエラは微笑む。いつでも準備はできている。
ジュッポジュッポとストロークを加速させる。唇を窄め、口腔で撫でるように。喉奥が亀頭に触れると如実に震えた。
そして――。
「んぶっ♡ んぐぷぁっ♡」
無遠慮に吐き出される濃厚な精。男の匂いが数段濃くなる。
少女は昇天しそうなほどの快楽に体を脱力させていた。それでも男の陰茎からは口を離さず、どくどくと溢れ出す精液を喉を鳴らして飲みくだす。初めは受け止めきれず溢してしまったが、今となってはなんともったいないことをしてしまったのかと悔やんでも悔やみきれない。
だから彼女はがっちりと咥え込み、一滴たりとも逃さないという気迫で縋り付く。
鼻の穴にまで白濁液が逆流し、少女の顔面はひどく惨めであられもないものとなる。それでも彼女本人は至極の幸せに打ち震えていた。
「んべぁ……♡」
ゆっくりと竿を引き抜く。眠っている男の顔を見ながら口を開け、全ての精液を飲み干したことを見せつける。人形のように精緻な少女の口元に、男の陰毛がひとつこびり付いていた。
「けぷっ。――流石にこっちに挿入れると、起きてしまいますよね」
可愛らしいゲップを漏らした後、少女は残念そうに下腹部を撫でる。頭髪と同じ金色のアンダーヘアで隠された純潔の秘裂は、トロトロと愛液を流している。肉核は真っ赤に充血し腫れている。
しかし、少女が跨り欲望のままに乱れたら、流石に男も目を覚ますだろう。それは、彼女の本意ではなかった。
「また、いずれ。その時まで待っていてくださいね♡」
ちゅっ、と少女は愛おしげに男の肉棒にキスをする。彼女はそれが、すでに仲間三人の膣肉を穿ったことを知らない。知らないまま、自然と四人の中で最初に彼の恩寵を享受するのは自分だと思っていた。
トラガの森での修行が終わり、晴れて町に帰還できれば。その時には彼にこの想いを伝えられるだろう。そして、私たちは結ばれるのだ。
大人と子供の狭間で揺れる夢見がちな少女は懸想する。トクトクと加速する鼓動を抑えてぐっと我慢する。そして、男の装いを整え、自分も服を纏い、音もなくその場から立ち去るのだった。