しがない強面中堅冒険者、新進気鋭の美女パーティの全員に「私のことは好きにしていいから仲間だけは助けてください」と体を差し出された。 作:ユリイカ
「ちゅるっ。ちゅっ。んふぅ♡」
静寂の洞窟のなか、頼りないランタンの光の下でピチャピチャと水っぽい音がする。息も絶え絶えで壁に寄りかかった男に寄り添う女が、彼の陰部を舐めている音だ。
「ネルヴァ、やっぱりこう言うことはやめた方が……」
「五回も射精しておいて、今更何言ってんだよ」
げっそりとした顔で弱々しく口を開くバルクに、ネルヴァは笑いながらも拒否する。五回も射精したというか、五回も絞られたという方がバルクの体感的には正しいのだが、オスを求めるメスとなったネルヴァにはほとんど関係のない話であった。
「それに、ファナの奴ともまだヤってんだろ。あたしはダメなのかよ」
脳裏に仲間の爆乳神官が淫らに腰を振る光景がフラッシュバックし、ネルヴァは一気に不満顔になる。いじけた様子でバルクの力尽きた男根を口に含み、アイスキャンディーのように舐め回す。疲労困憊の体を刺激され、男がもぞもぞと身を捩った。
「そ、そう言うわけじゃ……。ファナとの事も止めるさ。俺はもう流されない」
きっぱりと断言するバルクだったが、ちゅろちゅろと男根を味わっているネルヴァは訝しげだ。彼は平時こそ優秀な冒険者だが、ちょっと押せば流されるところがある。やはり自分がしっかりと手綱を握っておかねばならないだろう。
「ファナの胸、気持ちよかったんだろ」
「うぎゅっ」
にぎにぎと強めに竿を手で扱くと男は呻き声をあげる。図星だった。あの爆乳はネルヴァの巨乳を超え、バルクの巨根すらも包めるほどの包容力がある。ふんわりと柔らかく温かい白い果実は、男に極上の快楽を与える。
「あたしの胸だって、挟むくらいなら余裕なんだぞ」
「わ、分かったから! 勘弁してくれ!」
パイズリを始めようとするネルヴァを、バルクは慌てて止める。ファナに続き、間髪入れぬ二連戦で、合わせて十回以上も連射しているのだ。流石に疲労が隠せない。
「それで、どっちが気持ちよかったんですか?」
「そんなの決められるわけ――うぉわあああっ!?」
自然な流れで差し込まれた問いにバルクが答えようとして、違和感に気がつく。顔を上げた二人が悲鳴を上げるのは、ほぼ同時だった。
そこに立っていたのは金髪の美しい少女。冒険者パーティ〈
性行の余韻に浸りすぎて見張りの交代の時間を忘れていたか。否、まだしばらく余裕はあった。いやそんなことを考えている場合ではない。ネルヴァは一糸纏わぬ姿だし、俺も下半身を――。
「ね、バルクさん。どういうことですか? なんでネルヴァがこんなことを? 脅したわけじゃないですよね? ネルヴァ、楽しそうだったもんね? なんで? ねえ」
「いや、その、これは……」
シエラは口に微笑みを浮かべているが、青い瞳がまったく笑っていなかった。揺らがない瞳孔に深い闇をたたえてバルクを凝視していた。
彼女がバルクを追及している隙に、ネルヴァは急いで服に手を伸ばす。だが。
「ぎゃっ!?」
「ネルヴァ、何してるの? 動物みたいなことしてて、服なんて必要ないよね? それよりも、するべきことあるんじゃないの?」
「ちょっ、シエラッ!? わ、悪かった。だから尻尾は!」
獣人族の敏感な尻尾を、シエラはむんずと掴む。強い刺激を容赦なく浴びせられたネルヴァは転げ回るようにして悶える。
「ねえ、ファナ。どう思う? この二人」
「は、はひっ」
シエラが遮光布の方へと目を向ける。そこには身包み剥がれて生まれたままの姿となったファナが、内腿を擦り合わせながら赤面して立っていた。
「ねえ。なんなのかな、これは。二人とも何やってるの? 見張りはどうしたの?」
明らかに怒気を含んだ声。しかし正論だった。
見張りという役目を放棄して性行に耽っていたのは、間違いのない事実であった。
「ち、違うんだシエラ。これは……お前を守ために……」
「そ、そうなんです。バルクさんの爛れた欲望があなたに向かわないように……」
「誰がそんなの頼んだの?」
二人の弁明をシエラはばっさりと切り捨てる。あどけない少女の面影は消え、鋭い鷹のような目が彼女たちを睥睨していた。
「嫌々やってたってこと? そんな風には見えなかったけど。楽しそうに笑って、自分から? へぇ」
「だから、その……それは……」
「ご主人様だっけ? 自分から誘ってたよね。嫌々やってたの? あんなに尻尾振ってたのに?」
「うぐぅ」
全て見られていた。それを悟ったネルヴァはもはや黙るしかなかった。
バルクの性欲がシエラに向かないように。パーティメンバーを守るために。そんな浅はかな建前を許すほど、シエラは優しくなかった。幼い頃から付き合いのあるネルヴァでさえ初めて見るほど、彼女は激怒していた。
その覇気に当てられて、三人は知らず知らず正座していた。三人ならび、男は下半身を裸に、女たちは全裸で。
「バルクさんも、バルクさんですよ」
「め、面目ない……」
矛先が男に向かう。彼は下手に言い訳を呈することもなく、深々と頭を下げて謝罪する。
教官役を引き受けたくせに、生徒に手を出してしまうなど言語道断の行いだった。彼女たちに手を出してしまったのは、ひとえに自分の弱さが原因だと。
「すぐに依頼は中止して、町に戻ろう。違約金は――」
「お金の問題じゃないですよね」
バルクなりの誠意をシエラは一蹴する。
金で解決しようという、ある意味では乱暴な提案だったとバルクは己を恥じる。しかし、不器用な彼にはそれ以上の解決策を見出すことができなかった。
「すまない。……俺はどう謝罪すればいいだろうか」
非常識は承知の上で、シエラに尋ねる。
新進気鋭と謳われる〈極光の剣〉の結束にヒビを入れたのだ。その罪は重たい。きっと生半可なことでは許されないだろう。しかし彼はどんな罰でも受け入れるつもりだった。
「シエラ、違うんだ。バルクは悪くない!」
「そうです。わ、私たちが――」
腹を括った男を見て、ネルヴァたちが擁護する。だが、その声をシエラはひと睨みで封じる。そして――。
「それじゃあ、誠意を見せてもらいましょうか」
獲物を捕らえた蛇のような笑みを浮かべる。
その表情にバルクが違和感と恐怖を覚えたが、もう遅い。すでに彼はシエラの毒牙に掛かっていた。
「せ、誠意って……」
「簡単ですよ。二人にやったことを、私にもしてください」
「なっ!?」
「し、シエラ!?」
リーダーの言葉にネルヴァたちが驚愕する。バルクも同じだった。
「だ、ダメだ!」
思わず立ち上がる彼を、シエラは臆する事なく見返す。
「何故ですか? 私だって、もう大人です」
「で、でもな……」
「私にはできないことを二人にしていたんですか? それとも私では不十分だと? どうして? 私、バルクさんを喜ばせることはできるんですよ?」
ちろり、とシエラが赤い舌を出す。バルクの脳裏に、彼女との夜が過ぎる。力尽きていたはずの男根がわずかに反応した。少女は目敏くそれを見つけて、ニヤリと笑う。
「おちんちんの扱いなら、安心してください。毎晩毎晩、ちゃんとできてますから」
「シエラ? な、何を言って――」
「本当は町に戻るまで我慢するつもりでしたけど、抜け駆けされちゃいました。もう容赦しません」
一枚ずつゆっくりと、シエラが服を脱いでいく。瞬く間に、三人目の全裸の女が現れた。男を知らない純粋な体。ぷっくりと膨らむ、慎ましくも女性的な乳房。アンダーヘアは淡い金色で、簡単に整えられている。いつでも、彼に見られてもいいように。
「私を犯してください。バルクさん」
指先が秘裂を押し広げる。薄いピンク色の陰唇がヒクヒクと動き、とろりと透明の愛液が垂れた。
その姿を見て、男は強く反応する。肉棒が力を振り絞り、隆起する。
あからさまな反応に少女は笑う。自分の躯体は男を引き寄せる魅力を備えているのだと確信する。
「し、シエラ。やっぱり――」
「ネルヴァとファナは見張りをしていてください。こっちを見ることは許しません。服装はそのままですよ」
おろおろとしながら声をかけるネルヴァを、シエラは毅然と跳ね返す。その冷たい声に、ネルヴァは二の句を続けることもできなかった。
「さあ、バルクさん。こちらへ♡」
それとは明らかに違う、甘くとろけるような声。バルクの頭へと注がれ、脳を溶かすような魔性の声。薄桃色の唇が揺れる。少女が体を開く。男の巨体へと擦り寄り、白い指先で撫でる。
「そのおちんちん、私にもください♡」
囁く声が、男の理性の糸を断ち切った。