しがない強面中堅冒険者、新進気鋭の美女パーティの全員に「私のことは好きにしていいから仲間だけは助けてください」と体を差し出された。 作:ユリイカ
バルクの大柄な体は〈
「バルクさん、目を覚ましませんね……」
毛布の上に横たわる大男を見て、シエラが不安そうに唇を震わせる。ファナの処置が適切だったおかげで、彼の心臓は拍動を続けている。呼吸も深い。しかし目が開かないまますでに二日が経とうとしていた。
「全身の肌が溶けかかっておったのじゃ。それを癒やすのにも時間がかかろう」
「そうだね」
慰めるようなパテマの言葉に、シエラも頷く。
ペインサーペントの毒は洗い流せたが強力な胃液に侵された肌はそうもいかない。シエラたちは毎日数時間おきに特製のローションをバルクの体の隅々にまで塗り、乾燥を防ぎ治癒を待っていた。
「し、しかし……この、これはやはり落ち着かぬのう」
シエラの背中を優しく撫でていたパテマだが、チラチラとバルクの方を見て言葉を詰まらせる。彼女は耳を真っ赤に染めて、もぞもぞと内股を動かしていた。
視線の先、洞窟の奥で横たわるバルクは一糸纏わぬ姿で雄々しい肉体を露わにしていた。
「仕方ねぇだろ。ローションを塗るたびに服を着せたり脱がせたりするわけにもいかねぇし」
「し、しかしじゃなぁ」
「目を離すわけにもいきません。いつ容体が急変するかも分からないんですから」
「とりあえず生きておることは分かるが……」
目のやり場に困る、とパテマは薄目になる。ネルヴァやファナの言葉も正論ではあったが、なかなか異様な光景であることも事実であった。何より目を引くのは、彼の股間部である。
「ふふっ。バルクさん、頑張ってくださいね」
シエラが彼を見て励ます。
バルクはその生命力を保ち、自己治癒のため消費する栄養を補うため、頻繁にシエラたちから口移しで食料を送られていた。そしてその中には強力な滋養強壮効果のあるカブトワリタケも含まれている。
そんな強烈な薬効のキノコを食べさせられた男は、たとえ意識を失い、重傷を負っていたとしても――。
「どんだけ元気なのじゃ、あやつは」
パテマが顔を真っ赤にするほど立派な怒張を誇らしげに見せていた。
「良いことじゃないですか。あ、おちんちんの元気がなくなってきたら、またカブトワリタケを補給してくださいね」
「うぅ。あれを口移しするのもなかなか大変なんじゃぞ」
すっかり男根をおちんちんと呼ぶことに抵抗をなくしたファナに、パテマはがっくりと肩を落とす。
カブトワリタケも他の食料と同様に口で細かくペースト状になるまで噛み砕き、唾液とともに送り込む。しかしその際にどうしても微量を自身も取り込んでしまう。結果としてどうなるか。
「んっ」
パテマが内腿を擦り合わせる。見れば、ファナも密かに神官服の裾の下に手を差し込んでいるし、ネルヴァは足を組むふりをして擦っている。当人たちはバレていないものだと思っているようだが、あからさまだ。そしておそらく、パテマ自身の動きもバレているのだろう。
数時間おきに微量のカブトワリタケを取り込むことで、少女たち四人も薄く興奮作用の影響を受けていた。更に目の前には一度ならず交わったことのある男の痛々しいほどに屹立した巨根があり、まざまざと見せつけられているのだ。
洞窟という薄暗く湿った、ストレスのかかる空間ということもあり、彼女たちにかかる負荷は多大なものとなっていた。
「す、すみません。私、ちょっとお花を摘みに……」
「またかよ。ま、ゆっくりな」
「うぅ」
もじもじとしていたシエラがおもむろに立ち上がり、洞窟の物陰へと向かう。彼女が尿意を催したわけではないことを、3人とも薄っすら理解していた。
「あやつも大変じゃのう」
女としての本能が疼くが、同時に貴族令嬢としての矜持とパーティリーダーとしての誇りがあるのだろう。シエラは平然として献身的にバルクの看護を続けているように見せながら、やはり情欲が刺激されている。それでも仲間の前ではそれを隠し通し、代わりに頻尿設定を持ち出してきた。
「――んっ、ふぅっ♡ ――んっ」
洞窟は音が反響しやすい。
特に話題もなく、もじもじとしながらバルクを見ているだけの3人ならばなおさら、遠くの音もよく聞こえてくる。多少離れて物陰に隠れたところで、くぐもった艶やかな声は伝わってくる。
「……」
「ば、バルクさんの様子を確認しましょうか。ずっとこの体勢のままというのもダメですし」
いたたまれなくなったファナがバルクの体勢を変えようとする。ずっと背中を圧迫したままだと、皮膚の治りも遅くなる。定期的に体位を動かす必要があるのは、一応事実だった。
「なあ、もう別にいいんじゃないか。……あ、あたしら全員、バルクの女なんだろ」
「明からさまに言うでない。というか、バルクは妾の彼氏じゃぞ」
決心してこれまで誰も言い出さなかったことを口にしたのはネルヴァだった。ファナもパテマも、バルクがパーティメンバー全員と関係を持っていることは承知している。そして、四人がかりでもギリギリ受け止められるか怪しいほど、彼が精力旺盛だったことも理解している。
仲間たちもお互いを大事に思っているし、彼女たちも納得はしていた。
「バルクさんは私の患者さんです。性処理は私が担当しているんですから」
「なんだよそれは。それを言うなら、あたしだってバルクの第一雌だ」
「むぅ」
一瞬、洞窟内の空気がピリつく。
「んっ♡ はぁっ、はぁっ♡ バルクさん、バルクさんんんっ♡」
その時、乗りに乗った少女の悶絶する喘ぎ声が薄く聞こえてきて、女性陣は急に冷静になる。
「……まあ、私はバルクさんが好きな時にいつでもどこでも関係なく道具みたいに乱暴におまんこズポズポして濃い精液をコキ捨ててくれるだけでもいいんですけど」
「お主けっこうヤバいこと言っておるな……。そういうキャラじゃったっけ」
ため息混じりにエグめの性癖を暴露するファナを見て、パテマがドン引きする。それはそれとして、共感できるところもあると思ってしまうあたり、彼女も同じ穴の狢ではあったが。
「あたしはバルクが選ぶなら……。アイツが誰と交わるかなんて、あたしにどうこうできる話じゃないしな」
「ネルヴァも随分な性格ですよねぇ」
なんなら自分がバルクとヤッている時よりも、他の女とヤッているのを見ている時の方が興奮していそうなのがネルヴァである。もはや彼女の脳は完全に破壊され、絶望と自慰の快楽がセットになってしまっていた。当然独占欲というものはあるし、むしろ人一倍強い方でもある。だからこそ、落差からくる快感も大きいのだ。
ファナはそんな性癖が歪んでしまったネルヴァを憐れみ、その原因となった男の方を見た。
「っ! ネルヴァさん!」
「な、なんだよ。そもそも群れの第一雌っていうのは――」
「そんなバカみたいな話してないんですよ。それよりも、バルクさんが!」
「なにっ!?」
ファナがバルクの元へと駆け寄る。彼の口が開いていた。
「バルクさん、目を覚ましたんですか? 喋れますか?」
「――ぁ、あ」
耳を男の口元に近づける。ファナの鼓膜にかすかな息遣いが伝わった。
「――すまん。みんな、無事……か……」
「はい。……はい、みんな、無事ですよ」
ネルヴァは胸に包帯を巻いているが、それも獣人特有の強靭な回復力で既に治りつつある。他の三人は無傷と言っていい。一番重傷なのはバルクだ。
目を覚まし、開口一番に少女たちの心配を口にする男に、集まった三人が思わず相好を崩す。
ファナが頷くと、バルクは安堵の笑みを浮かべる。
「シエラ! バルクが目を覚ましたぞ! 早く来るのじゃ!」
「ひえあっ!? ちょ、ちょっと待って。すぐ行きますから、来ないで――きゃあっ!?」
喜びに打ち震えたパテマが早くリーダーに知らせようと駆ける。物陰で股間をまさぐっていたシエラを目撃してしまって一悶着もあったが、些細なことだろう。
バルクの意識がはっきりとしてきたのは、一晩経った後のことだった。