※この作品はR-18です。

BLACK ROOM   作:三毛子猫

9 / 11
本作は、自分への挑戦として始めたリレー形式の小説です。
前半はAIによって生成され、後半は私自身が続きを執筆しています。


【BLACK ROOM 09|自己崩壊】

  R15|精神崩壊描写や強い心理的負荷を含みます。読者の皆様はご注意ください。

 

本作は二次創作であり、キャラクター設定の一部は以下の作品を参考にしています:

『漫画・矢吹健太朗「BLACK CAT」』、

『ゲーム・Quantic Dream「Detroit: Become Human」』など。

また、主要な事件の構成は『ゲーム・極限脱出』に着想を得ています。

 

【BLACK ROOM 09|自己崩壊】

 

(AI執筆)

 

トーレは静かにその場に立ち尽くし、まるで重心を失ったかのようだった。

視線を落とし、わずかに震える自分の手を見つめる。関節は白く浮き出し、血が指の隙間を広がり、ねっとりとした嫌悪感を漂わせる。

 

コナーはその前に立ち、破れた手袋の下から淡く青い光を滲ませていた。

それは先ほど、彼に噛みつかれてできた痕だった。

自分の歯が――コナーの体に刻んだ傷。

 

「……」

 

トーレは呼吸ができなくなった。

胸腔が何かに強く締め付けられ、息を奪われる。

もう少しでコナーの指を噛み千切るところだった。

敵意からでも、誤った判断からでもない――。

 

彼は本当に、終わらせたかったのだ。

 

本能から突き上げる自殺衝動は、どんな否定の言葉よりも真実味を帯びていた。

肉体が意思を裏切り、崩落のカウントダウンだけが残されているようだった。

 

トーレははっとして一歩退いた。

コナーとの距離を取ろうとしたのだ。

だが、空気は沼のように重く、動作が大きすぎたせいで足先が床のキューブを蹴り、よろめきながら壁にぶつかる。

 

すぐさまコナーが手を伸ばし、彼を支えた。

その手は冷たく、安定していて、いつものように無機質だった。

 

「ハートネットさん。」

 

コナーの声は低く柔らかい。

傷ついた小動物を驚かせないようにするかのように。

 

トーレはその手を乱暴に振り払った。

荒い息の合間、喉から搾り出されるような声が漏れる。

 

「……触るな。」

 

コナーは強引に迫ることなく、ただ静かにその場に立ち、無言の灯台のようであった。

 

トーレはうつむき、肩を小さく震わせる。

奥歯を食いしばり、湧き上がる感情を必死に抑え込むが、羞恥も恐怖も制御不能感も、押し寄せる波のように全身を覆ってくる。

 

――自分は、自分さえも守れない。

この体すらも、少しずつ裏切っていく。

 

冷たい汗が髪先を伝い落ちる。

拳を強く握りしめ、爪を掌に突き立てる。

「死にたい衝動」ごと押し潰そうとするかのように。

 

長い沈黙が続いた。

周囲の空気が固まったように重く淀む。

 

やがてトーレは、ほとんど聞き取れないほどの声でかすかに呟いた。

 

「……すまない。」

 

それはコナーに対してではない。

かつて必死に生きようとした自分に対して――。

結局ここまで来てしまった自分への謝罪だった。

 

トーレは冷たい壁にもたれ、頭を垂れる。

肩はまだ震え、呼吸も完全には整っていない。

 

コナーは急いで彼に触れることはせず、素早く周囲を見回した。

やがてカウンターの壁際に掛けられた救急箱を見つけ、迷いなく手に取る。

中には消毒綿、ガーゼ、包帯。簡易ながら十分だった。

 

必要なものを取り出し、再びトーレのもとへ戻る。

強制はせず、ただ静かに隣にしゃがみ、選択を委ねた。

 

数秒後。

トーレはゆっくりと、わずかに左腕を持ち上げた。

黙許するように、あるいは諦めたように。

 

コナーはそっとその腕を支えた。

指先が裂けた皮膚に触れ、ひやりとした落ち着きのある感触を残す。

 

消毒綿が深い引っ掻き傷をなぞり、トーレは小さく身を震わせた。

しかし腕を引くことはしない。

むしろ、この微かな痛みによって、自分がまだ生きていることを確かめるかのようだった。

 

コナーは余計な動きをせず、丁寧に包帯を巻いていく。

一巻き、また一巻き。動作は軽やかで、安定していた。

 

最後に包帯を留め、ようやく手を離す。

それから、傷ついた野獣を驚かせぬように、ただ静かに隣にしゃがみ込み、言葉を挟まなかった。

 

トーレは伏し目がちに、力なく指先を縮める。

胸は焼けるように痛み、羞恥と自己嫌悪が渦を巻く。

 

その沈黙を破ったのは、コナーの低い声だった。

空気に溶けるほど小さな声で。

 

「……あなたは、一人ではありません。」

 

説教も、押しつけもない。

ただ、それは約束のようであり、願いのようでもある言葉。

 

トーレは目を閉じ、喉が詰まるのを感じた。

自分があとどれだけ耐えられるかは分からない。

 

だが少なくとも、この出口の見えない闇の中で――。

誰かが、確かに自分の腕を支え、共に立っていると分かった。

 

ほんの少しだけでも。

それで十分だった。

 

 

(自作)

 

 

彼らはバーカウンターを離れ、次の扉へ向かおうとしていた。

途中、トーレはふと途中に置かれた展示品に目を奪われ、足を止めた。

 

それは一隻の船だった。

奇妙な船――さまざまな時代の素材で修復され、ようやく形を保っている完成品。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「テセウスの船(Theseus' Ship)のパラドックス……」

 

「……何だって?」

 

コナーは、トーレがその船に特別な関心を示しているのに気づき、率先してその意味を説明した。

 

「テセウスの船。

この船の壊れた板を一枚ずつ新しいものに取り替え、最終的に元の部材が一つも残らなくなった時、

それはまだ“元の船”と呼べるのでしょうか?」

 

コナーは淡々と、その概念を語った。

 

「もし俺が……自分らしくなくなり、常識を裏切るようなことをしたら……

それでも、俺は俺でいられるのか?」

 

見えない虫が、静かに脳の奥底を食い荒らしているかのように。

思考と自己を、少しずつ蝕んでいく。

 

「あなたは変わりません。」

 

コナーは静かに、しかし確固たる声で言った。

 

「……なぜだ?」

 

トーレは訝しげに問い返す。

 

「あなたの本質は、いかなる外的要因によっても変化しないからです。」

 

コナーは一見理解しがたい言葉を口にした。

 

トーレは数秒間黙って彼を見つめる。

その表情は、驚くほど真摯だった。

 

「……もういい。分からねぇ。行くぞ。」

 

「もし必要なら、具体的な例を提示できます。」

 

「いらねぇって……!行くぞ!」

 

――崩壊しかけたその時。

自分のそばには、いつも光があった。

その光は、彼を本当の自分へと導いてくれる。

 

 

 

 

【お互いの好感度】

 

【挿絵表示】

 




※「テセウスの船」…ギリシャ哲学の有名なパラドックス。
全ての部品が交換されても、それはまだ同じ存在と言えるのか、という問い。

この章のテーマは、打越鋼太郎先生の『極限脱出 9時間9人9の扉』のコンセプトへのオマージュとして、「テセウスの船」のパラドックスを取り入れています。
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