ONE PIECE - 淫色の航路(ハーレム・ルート) - 作:heatmajin
ゴーイングメリー号に、新しい乗員が加わった。
アラバスタ王国王女、ネフェルタリ・ビビ。
彼女は、表向きは、俺たちの「依頼主」として気丈に振る舞いながら、出航の準備が進む船内を、不安げな瞳で見回していた。
彼女が最初に目の当たりにしたのは、この船の、異常なまでの「日常」だった。
これから始まる過酷な旅に備え、船の整備をするアルビダ。その動きは、無駄がなく、力強い。しかし、俺がその横を通り過ぎるだけで、彼女は作業の手を止め、その場にひざまずき、恭しく頭を下げるのだ。
厨房では、マキノとカヤが、和やかに食事の準備をしている。その光景は、一見すると微笑ましい。だが、その会話の内容は、「エロス君(さん)はどんな味付けがお好きかしら」「昨夜も、とてもお優しかったですね」といった、主人への奉仕に満ちたものばかり。
ビビの、王族として、そして一人の人間として育んできた「常識」と「倫理観」は、この船では全く通用しない。
その事実は、彼女の精神を、出航する前から確実に摩耗させていった。
そして全ての準備が整い、いよいよウイスキーピークを出航しようという、その直前。
イガラムが、ビビの身代わりとして派手なカツラを被り、別の小舟でアラバスタへと向かうという、「囮作戦」を敢行した。
「ビビ様!ご無事で!」
「イガラム!」
ビビは涙ながらに、唯一の忠臣との、束の間の別れを惜しむ。彼女の心の中にはまだ、イガラムが無事に国へ帰り、国王に事の次第を伝えてくれるという、一縷の望みが残っていた。
イガラムの船が出航し、俺たちのゴーイングメリー号も静かに港を離れた、その直後。
突如として船の船首に、一人の女が音もなく現れた。
長い黒髪、透き通るような白い肌、そしてその瞳に底知れぬ闇を宿した、妖艶な美女。
ミス・オールサンデーこと、ニコ・ロビン。
彼女は、俺たちの前に次の島へのエターナルポースを差し出しながら、不敵に告げる。「あなたたちの航海、ボスは全てお見通しよ」と。
そして彼女は、水平線の彼方へと向かうイガラムの小舟を一瞥すると、まるでこれから起こることを知っているかのように、冷酷に、そして愉しげに微笑んだ。
そのロビンの笑みを合図にするかのように、イガラムが乗った小舟は、突如として巨大な爆発を起こし、海の藻屑と消えた。
「イガラムーーーーーッ!!」
ビビの絶叫が、広い海に虚しく響き渡る。
目の前で、最後の希望であり唯一の忠臣であったイガラムが、海の藻屑と消えたのだ。(と、彼女は思い込んだ)
ロビンは、その光景に満足げに微笑むと、用意していた巨大な亀に乗り、去っていく。
ビビはその場に崩れ落ち、ただ泣き叫ぶことしかできなかった。
彼女は今、この魔窟のような船の上で、完全に一人になったのだ。
俺はその、絶望のどん底にいる彼女の姿を、甲板に置かれたデッキチェアに深く腰掛けたまま、満足げに見下ろしていた。
そして、その隣に控えていたマキノとカヤに、視線だけで命令する。
二人は、俺の意図を正確に理解し、ビビの元へそっと寄り添った。
「ビビさん⋯お辛いでしょう⋯」
「大切な人を失う辛さは⋯私にも分かりますから⋯」
彼女たちは、心からの「共感」と「同情」で、ビビを慰め始める。ビビの心に、ほんの少しだけ温かいものが流れ込む。
だが俺は、その美しい姉妹愛のような光景を、いつまでも続けさせてやるつもりはなかった。
俺はデッキチェアに座ったまま、その光景を眺め、冷たく、そして絶対的な王として、その甘い空気を断ち切った。
「マキノ、カヤ」
俺が、静かにその名を呼ぶ。
その一言で、二人の表情が凍り付く。
「その慰めている『優しい手』は、本来何のためにあるか、忘れたわけではあるまいな?」
その言葉は、命令ではなかった。
ただの事実確認。しかしそれ故に、絶対的な抗いがたい圧力を伴っていた。
二人は、逆らうことなどできない。
マキノは、ビビの背中を撫でていたその手で、俺のふくらはぎを、ゆっくりと揉み始め、
カヤは、ビビの手を離すと、俺の足元にひざまずき、その唇で俺の足の指を、一本ずつ、丁寧にしゃぶり始めた。
ビビは、愕然とする。
自分を慰めてくれていた、その優しい手が、その優しい唇が、今目の前で、自分を護衛するはずの男への、淫らな奉仕へと変わっていく。
彼女たちの表情は、同情から主への奉仕の悦びへと、ゆっくりと、しかし確実に塗り替えられていく。
ビビは悟る。
この船に、味方などいない。
友情も、共感も、同情も、全てはこの男一人の、気まぐれ一つで淫らな奉仕へと変わってしまうのだ。
この男の正体は、一体なんなのか。本当に自分たちの味方なのか。
逃げ場など、どこにもないのだと。
その完全な孤独と、絶望に打ちひしがれた彼女の元へ、俺は初めてデッキチェアから立ち上がり、ゆっくりと近づいていった。
一歩、また一歩と俺が彼女に近づくたびに、ビビの身体が、びくり、びくりと怯えに震える。
彼女は後ずさろうとするが、その背後はもう、船のへりだ。
彼女は、まるで追い詰められた小動物のように俺を睨みつけている。
その瞳には、恐怖と憎悪と、そしてどうしようもない警戒心が渦巻いていた。
「⋯来ないで」
彼女の唇から、か細い、しかし芯のある拒絶の声が漏れる。
俺は、そんな彼女の、最後の抵抗を心の底から愉しみながら、その数歩手前で足を止めた。
そして、これまでの冷酷な支配者の仮面をすっと脱ぎ捨て、まるで本当に彼女を心配しているかのような、優しい表情を浮かべてみせた。
「辛かったな、ビビ。お前は一人でよく頑張った」
その予期せぬねぎらいの言葉に、ビビの瞳が大きく見開かれる。
俺は、そんな彼女の背中を、ゆっくりと、そして優しく撫でてやりながら続けた。
「だがもういい。お前はもう、一人で戦う必要はない。その重荷、俺が全て背負ってやる」
俺は、彼女の心を落ち着かせ、安らぎを与える穏やかなホルモンを、ごく微量、その身体へと流し込む。
ビビの心は、その予期せぬ優しさと、絶望の淵で与えられた温かい安心感に、完全に判断力を失う。
警戒心であれほど硬くなっていた身体から、徐々に力が抜けていく。
得体の知れない契約相手であるはずの、この男の胸の中で、彼女は生まれて初めて、心の底からの「安らぎ」を感じてしまっていた。
そして彼女が、完全に安心しきって、その身体の力を抜き、俺にその身を預けたその瞬間。
俺は、彼女の唇を奪った。
「んっ⋯!?」
それは、あの宴の時のような挨拶代わりのものではない。明確な「所有」の意志を込めた、深く濃厚なキス。
ビビは、そのキスによって悟る。
この優しさも、この安らぎも、全ては自分という獲物を完全に油断させるための、巧妙な「罠」であったことを。
そしてその罠に、自分はもう完全に落ちてしまっているということを。
「⋯っ!」
彼女の瞳に、絶望と、そしてそれを上回る、激しい怒りの色が宿った。
彼女は、ありったけの力で俺の胸を突き飛ばした。
「離してッ!」
俺はその、猫が威嚇するような、か細い抵抗に、思わず笑みを漏らしながら、数歩、後ろへと下がる。
彼女は唇を固く結び、涙を堪えながら、俺を睨みつけている。
その瞳は、まだ死んではいない。
(⋯いい。それでこそ、だ)
それでこそ、これから時間をかけて、じっくりと調教していく価値がある。
俺はそんな彼女に、何も言わずに、ただ不敵な笑みを向けるだけ。
そしてその場を、悠々と立ち去った。
後に残されたビビは、一人、甲板で、その場に崩れ落ち、混乱したまま、ただ遠ざかっていく俺の背中を見つめることしかできなかった。
◇
その夜。
ビビは、自室のベッドで眠れずにいた。
心は、憎悪と恐怖で満ちている。
しかし身体は、あの男に与えられた偽りの安らぎと、裏切りの熱を、まだ忘れられずにいる。
(私は⋯これからどうなってしまうの⋯?)
その彼女の不安を、さらに煽るかのように。
船室の扉が乱暴に開かれた。
そこに立っていたのは、アルビダ。そしてその手には、猿轤を噛まされ拘束されたミキータが、引きずられていた。
「エロス様がお呼びだ、王女様。『ショー』の時間だそうだ」
ビビは訳が分からないまま、ラウンジへと連行される。
そこには、玉座に座る王のように俺が待ち構えていた。
俺はビビを、見やすい特等席へと座らせると、アルビダに顎でしゃくった。
「始めろ」
アルビダは、拘束され猿轡を噛まされたミキータを、ラウンジの中央へと引きずり出すと、その猿轡を乱暴に引き抜いた。
「⋯っ、はぁ⋯はぁ⋯!」
ミキータは荒い息をつきながら、俺を、そしてビビを、憎悪と侮蔑に満ちた瞳で静かに睨みつけた。
その、まだ折れていないプライドの高さが、逆に俺のサディズムを煽った。
「さて、ミキータ。お前は、このまま死ぬか、俺の『玩具』になるか、選ぶがいい」
俺のその問いに、彼女は、唾を吐きかけるように答えた。
「⋯殺しなさいよ。あんたみたいな下衆に飼われるくらいなら、死んだ方がマシだわ」
「フッ⋯いい答えだ。だが残念ながら、お前にその選択肢はない」
俺は、彼女の前にひざまずくと、その反抗的な唇を、問答無用で俺自身のそれで塞いだ。
「んむぅッ!?」
それはただのキスではない。彼女の、その生意気な言葉を、物理的に封じ込め、俺の舌でその口内を蹂躙し尽くす、支配の証だ。俺はキスをしながら、彼女の身体に、最初の快楽ホルモンを流し込む。
ミキータの身体が、びくりと痙攣し、その瞳から、憎悪以外の困惑の色が浮かび始めた。
俺は唇を離すと、そのレモン柄のドレスを容赦なく引き裂いた。
華奢だが引き締まった美しい身体が、露わになる。
「お前は、アルビダに続く、俺の二人目の『戦闘人形』になってもらう。そのためにはまず、その生意気な心と、その貧弱な身体を、『調整』してやる必要がある」
俺はその身体の至る所に触れ、愛撫し、快楽を与えながら、同時にその欠陥を、ビビにも聞こえるように指摘していく。
「腕の筋肉が足りないな。これでは俺の部下は務まらん」
俺はその腕を掴むと、快感と共に筋力増強ホルモンを注入する。
「脚もだ。空中での体勢制御はいいが、地上の踏み込みが甘い」
俺はその脚に跨ると、同じように、彼女の脚の筋肉を内側から再改造していく。
「きゃああああッ!あつい!からだが、おかしくなる⋯!」
ミキータの抵抗の悲鳴は、やがて苦悶の呻き声に変わり、そして最後には、淫らな喘ぎ声へと変わっていった。
憎悪に満ちていた彼女の瞳から、徐々に光が失われ、代わりに快楽に蕩けた、虚ろな光が宿り始める。
そして、仕上げだ。
俺はもはや、されるがままになっている彼女の身体を抱き起こすと、その下腹部に手を置いた。
「そしてここが、一番の欠陥だ。女でありながら、まだ本当の悦びを知らない」
俺はその言葉を合図に、彼女の、まだ誰にも穢されていない聖域へと、俺の男根を、容赦なく突き立てた。
「んんーーーーーッ!!」
ミキータの身体が、大きく、激しく、弓なりに反り返る。
初めての痛みと、それを遥かに上回る、脳髄を焼くような快感。
そして俺の体液を通して、その身体の奥深くから、彼女を俺の理想の戦闘人形へと作り変えるための、最後のホルモンが注ぎ込まれていく。
その絶頂の波の中で、彼女の最後のプライドが、完全に、そして跡形もなく砕け散った。
その下腹部には、新たに、六つ目となる、「拘束されたハート」の淫紋が、赤く、生々しくその存在を主張していた。
意識を失い、ぐったりと床に倒れるミキータ。
その姿はもはや、プライドの高い女エージェントではない。
ただ俺の意のままに作り変えられ、その処女ごと魂を奪われた、新しい「人形」だった。
ビビはその一部始終を、顔面蒼白で震えながら、ただ見ていることしかできなかった。
それは彼女への、最後の、そして最も効果的な無言の脅迫。
「お前の未来の姿は、これだ」と。
ビビはその夜、一睡もすることができなかった。