私は、いつものように、普通の恋人達がする睦み合いのように。
スキンシップと軽い前戯を得て、それからのことへ臨む形にする。
啓くんを誘って、私たちは布団の中央へと向かい合った。
「おいで、啓くん」
私は膝立ちの姿勢で両手を広げた。彼は顔を俯かせたままに、こちらの腕の中へと踏み入る。
そして啓くんは、私の肩に顔を埋めて、自分の体をおずおずと私に委ねた。
「ん……腕、回していいよ」
そう言われて、啓くんはわずかに震える両手を私の背中に回した。
そうやって、布団の上で、座ったまま抱き合う私たち。
服越しにだけど、こうやって肌を重ね合うことで分かる、彼の体の色々なこと。
まず体温。私と比べて、啓くんのそれは何だか高く感じる。
ほかほかとした彼の体は、ひんやりとしたこの室内では、丁度のいい湯たんぽだ。
小さな体に、いっぱいのエネルギーっていうか、活力を溜め込んでるんだ。
次に感触。彼と初めて会った時に華奢という印象を受けたから、服の内はてっきり骨ばっているものだと思ってた。
けど、私が強く抱き締めると、しっかりと筋肉がついてることが分かる、張りのある弾力が彼の体から返ってきて、しっかりと男の体をしてるんだなって、とても頼もしく感じられる。
……かっこいいな。おっきくなったら、もっと、だろうなぁ。
最後に匂い。緊張で汗を多分にかいているせいか、ちょっと酸い匂いがする。
でも子供特有の活発な代謝なお陰で、それは全然嫌なものではなく、いっそ爽やかですらある。
きっと多分、青春の匂いというのはこういうのなんだろう。
かつての私もそれを漂わせてたのかな。もう、思い出せない。
「……」
体を重ね合わせている間、啓くんは一言も発することはなかったけれど。
ただ私の背中にあっただけの腕に、いつの間にか力が入っていて、私の体を引き寄せ、抱きすくめている。
ハグの感触、そして私の体の感触を、啓くんは知りたいみたい。
「……どんな感じ?」
「……っえ、えと。…………やわらかくて、温かくて、いい匂いがして。
すごく、ドキドキ、って……」
女体の柔らかさを知ってもらい、そしてハグの安心感で緊張をほぐす。
ただ、ぐだぐだと続けて、雰囲気を弛緩しすぎないように。
そうなったら、そういうことをする空気じゃなくなってしまう。
だから、忘れないように舵を切り直す。
とんとん、と私は彼の肩をつついた。俯いていた顔を上げる啓くん。
待っていた私の目が、彼を捉える。
啓くんは、しばし遅れて、顔を見合わせた意図を理解したみたいだ。
こんなにも近くで見つめ合うことが出来る距離で、すること。
分かりやすく、どれほど性に疎くても、それが大人の行為だと認識できる、それ。
「する、ね」
「っ、…………はい」
ぎこちなく、きゅううと目を閉じて、彼はその時を待つ。
そうして、私の撫で肩と、啓くんの幼い、いかり肩が触れ合って。
────ちゅぅ。
「んむっ…………」
啓くんの初めてのキスは、とても優しいものだった。
ほんのりと甘いような、そうでもないような、ぬらぬらとした薄皮一枚を隔てた、粘膜同士の接触。
唇全体から覚えるのは、ふっくらと柔らかくて、でも少し荒れている啓くんのそれ。
噛むような癖があるんだろうか。労わってあげたいな。
「ん……んん……」
ちょうどいいと思える時間まで、口をくっつけあって。
ちょっと名残惜しいけど、私から唇を離し、最初のキスを終えた。
少し遅れてから、啓くんは、自身の唇を舌先でなぞった。思い出すかのように。
「……ファーストキス、どんな味がした?」
興奮のせいか、酸素を充分に取り込んでも、どこか朦朧としている啓くん。
曇った瞳を揺らして、彼はたどたどしく答える。
「……えっと、えと……ちょっと、あまずっぱく、て。……本当に、レモンみたいな味……」
「ふふふっ、そうだね。初めては、レモン味なんだよ」
……ずーっと残る、思い出。
あの日の、2人だけの秘め事として。
そうやって、彼の記憶の中に私がいれたなら、幸せだな。
「…………あ、の」
「ん?」
「え、やっ……」
何かをいいかけて、またうつむいてしまった啓くん。
言葉の続きが気になって、彼の顔を伺ってみると、もごもごと、唇を閉じ切ったまま、悩ましく動かしていた。
時折、ちっちゃい舌先が二枚の口唇を割って、ちらりと姿を見せたかと思えば、すぐに引っ込んでいく。
なるほど。私は彼が何を言おうとしていたかを察して、思わず、微笑んでしまう。
……いじらしいなあ。
「……もう、一回。したい?」
「っ、…………はい」
衣擦れと重なって、聞こえなくなってしまいそうな声量で、啓くんは望んだ。
精一杯に勇気を出したのであろう、啓くんのお願い。
もっと応えてあげて、拾ってあげないと。
「啓くん。キスしてる時、鼻で息してみて。そしたら、ずっと出来るよ」
「……っは、はい」
そう言ってまた目を閉じて、ちょっとだけ、不器用に唇を突き出している彼は、餌を求めて親鳥に自己主張する、雛のようだ。
それなら、餌というには不必要で、愛というには、もっと汚くて、もっと俗な、一時の快楽。
私はそれを、雛鳥への給餌とした。
────ちゅっ、ちゅ。
「んっ、ふっ……」
蠱惑的な響きのリップ音を鳴らして、止まって、また鳴らして。
繰り返す度に、互いの唇から温められたレモンの香が漂って、鼻息がこぼれていく。
緊張で強張っていた啓くんの表情は、キスを重ねるたびに生まれる、情愛の熱に徐々に浮かされ、ほだされていって、ぼんやりとした虚ろなものになっていた。
「……あたま、ふわふわって、する……」
キスの緩急として、一度口を離した際にこぼれでた彼の独り言に、私の女性の部分が反応する。
胸と、お腹の下が、多幸感で満たされて、心地いい。
もっと、してあげなくちゃ。唇を、また合わせる。
────ちゅう、ちゅ、ちゅうう……。
「……上手だよ、啓くん。んー……」
2人の熱を、溶かして混ぜあう。
吸って、優しく食んで、離してはまたくっつける、唇だけのキス。
激しい刺激はないけれど、ずっとやっていたくなるような、ついばみ。
……でも、これだけが、全てじゃない。
もっと、教えてあげたい。えっちなこと。
女の子とする、気持ちがいいこと。
「……ん、んく……ぷぁ」
「んっ。……いったん、おしまい」
1度自分から半歩ほど遠ざかる。啓くんの温もりが遠ざかって、少し寂しさが残る。
私は自分の背中に手を回してホックを外すと、胸元から制服の中に手を突っ込んで、ブラジャーをずるりと抜き取った。
薔薇の刺繍が入った、ピンクの奴。
そしてそれを、まだバードキスの余韻に浸っている、呆けた様子の彼に差し出した。
「……よいしょっ、と。ん、あげる」
「──へ、あっぁ、っ……うぁ」
私がさっきまで着けていた奴を言われるがままに受け取った啓くんは、あわあわとしながらも、手の上のブラの大きさを実感しているみたいで。
ついさっきまで先端部に宛がわれていた布地の部分を、じっと見つめている。
私のそれは、彼が顔を全部埋められるぐらいにはデカい。
女になってすぐの頃から相応に大きかったけれど、こういうことをするようになって、いっぱい自分で揉んで、男の子にちょっと揉まれたお蔭か、今となってはそれからカップ数は2つ上がって、Iカップになった。
……こう、渡しといてなんだけど、まだ純粋に女体に興奮するような年だろうから、こういう下着とかのフェティッシュな物には、まだあんまり興味はなさそう。
あ、もう邪魔にならないよう傍に置いた。その通りだったみたい。
ちょっと、残念。でもまあ、いいや。
私はぷつり、ぷつりと上からシャツのボタンを外していく。
衣擦れの音と一緒に彼の記憶に焼き付けてあげるように、ゆっくりと。
そうして外していくボタンの位置が胸の中心に差し掛かる辺りにて。
彼に印象付けるために、私はわざと大きく揺れるようぐっとシャツを下に引っ張り、中で窮屈そうに収まっていたそれを、飛び出させた。
────だぷんっ♡
啓くんの前で、あらわになった私のたっぷりと脂肪がついた乳房。
釣鐘型で、重力に負けて垂れるようなことはない、若さに溢れた張りがあって、上向いていて。
そしてその双胸のサイズに比例するように、先端で大輪の乳輪に、コーラルピンクの乳頭が咲いている。
少し目を凝らしてみれば、肌の下で血管が透き通っていて、この胸が作り物じゃなくて、血の通っている私の体の1つであることを、否が応でも意識させた。
「ほら。啓くんが気になってたおっぱい、触っていいよ」
下乳を持ちあげて、私は彼に女性の大切な部分を差し出す。
年の近い異性ということに加えて、今まで見たことがないだろう、メロンみたいな大きさのそれに啓くんは興味津々。
……だけど、彼が手を出してくる気配は一向になかった。
視線は曝け出したそこに、刺さらんばかりに集中しているのに。
「……ふふ、触らないの?」
「────え、えっ。あっ……え、っと……」
はたと意識を取り戻した啓くんだけど、それでもやはり手を出さない。いや、出せないのかな。
勇気が出せないというか、そこに触ってもいいのかなって、今までの経験から、抵抗が生まれてるんだろうな。
固く握りしめられたまま、太腿に置かれていた啓くんの両手がそれを物語っていた。
……それなら、こうするだけ。
「……えいっ」
「えっ……ぅ、わ……」
彼の右手を私の手で掬ってあげると、右胸の外下部に軽くタッチさせる。
そして、左手も、左胸のそこに。
啓くんが今まで抱いてきた、恥じらいや怖気を、どんどん奪うために。
目の前の女は、そういうことをしていい、させていいメスだって、分かってもらうために。
「……遠慮しなくて、いいんだよ。私は、啓くんなら、いいから」
張り付いている、彼の手のひらの温もりが私の肌に移る。
凍りついていたのが溶けたかのように、啓くんの指に力が入っていった。
触れさせられていた状態から、自分で持つ状態へと遷移していき。
重ねた私の指の動きに合わせて、彼も自ずと憧れの部分へと触れる。
「……っ痛く、ないですか……?」
「うん、大丈夫だよ。……だから」
私は彼の耳元に口を傍立てて、囁いた。
心配も懸念も彼方に飛んでっちゃうような、言い方で。
「……私のおっぱい、啓くんの好きにして……?」
そして、手を開放してあげれば、後はもう、彼の思うがまま。
そうやって啓くんは、私の双胸を自由に好きなように触り出した。
「……っやわらか……すご、い……」
その小さな手のひらに柔さを染み込ませるように、優しく持ち上げたり、揺らしてみたり。
年頃の好奇心と、有り余る衝動に任せて、乳房を掴んで、弄ぶ。
情感の熱に浮かされたうわごとを、ぽつりぽつりと漏らしながら。
男を喜ばせるためだけに大きくなったような、私の胸部は、容易く啓くんの指を受け入れ、沈ませ、柔軟に彼の手の形に合わせて、形を変えていく。
甘ったるい快感を、私に伝えながら。
「んっ、んん……♡」
自分で揉んでもあまり気持ちよくはないけど、こうやって男の子にまさぐられると、声が漏れ出てしまう。
びっくりするぐらい、蕩けた喘ぎ声。
女の声に慣れた今でも。自分から出ているとは、信じられないような。
ただ、私のそんな声も、啓くんは目の前のお山に夢中になりすぎて、聞こえていないようだった。
彼の興味がどんどんと、周りの部位から頂きの方へと移っていく。
当然そこには、女の子がとても気持ちよくなっちゃう部分が、あって。
啓くんはその小さな手のひらに、それを全部埋めて、ぐにぐにと揉みしだく。
乳から甘い体臭が巻き上がったのが、自分でも分かった。
「や、ぁ……♡ それ……っ♡ っあ♡」
多分な快感が込み上げて、私は思わず目を閉じてしまった。
身をよじったりなんかして、彼の邪魔をするわけにもいかないから、必死でその快楽に耐えるしかないのに、視界を断ってしまえば、感覚が冴えてしまうばかり。
啓くんは、私の赤ちゃんにミルクを上げる所が、硬くなってることに気づいているだろうか。
恥ずかしいから、まだ気づかないで、欲しいけれど。
……そんな、熱心な愛撫の最中、ふと私は啓くんへと意識を向けた。
今の彼の姿を記憶に収めたくて。
私の胸元にいる啓くんは変わらず、無垢な性欲を満たし続けている。
けれど1つ、小さく、大きい変化があった。
それは、彼が、もぞもぞと股をすり合わせていたこと。
足と足の間に挟んで、2枚の布越しに刺激を与えようとしている。
ズボンを押し上げ、テントを張っている、男の子の象徴に。
────この猛りを発散したい、解消したい。
でも、どうすればいいか分からない
もっと、先のことをしたい。
でも、でも────。
そんな考えが見て取れるかのような、無意識で、無自覚な行動。
彼の本能は知っていても、彼自身はまだ無知のままだから、切ないだろう。
辛いのを鎮める方法を。……気持ちよくなっちゃう方法を、知らないから。
「…………」
私は、這い寄る蛇のように密やかに、啓くんの股の間に手を伸ばして。
彼の子供らしいふくらみを、人差し指で触れた。
「────っ!? はっ……ぇ……」
びくん、と胸で起こっていた動きが何もかも止まり、敏感な反応が、体にも声としてもすぐに返ってくる。
啓くんがその刺激が現れた場所を見下ろした。
そこには、いつの間にか伸びていた私の手が、ズボンの傘の石突に触れていた。
どうして、と現状に戸惑って、面を上げれば、熱に浮かされて紅潮した私の顔が、そこにある。
「……おっきく、なってる」
「……ぅあ、おねえっ、さんっ、そこっ、だめ……っ」
すりすり。
円を描くように指の腹で撫でる。
起っていることを、啓くんは羞恥からか誤魔化そうとした。
けれど、私のそれでしどろもどろになって、そのまま。
気持ち、いいんだ。
「っ、……うんっ、ふっ、んん……」
「ね、啓くん」
快感の端緒を見つけて、はつらつとした光を失って、淫蕩に曇っていく啓くんの瞳。
私は、小さな声で、彼の名を呼んだ。
そして、私達しかいないこの薄暗い部屋で、2人だけの秘密を話すようにそっと、打ち明ける。
「……おっきくなったおちんちんでね、えっちなことしたら、すっごい気持ちがいいんだよ」
びくっと、跳ねたのは、彼の体なのか。
それとも、私の指が触れている場所なのか、分からなかった。
でも啓くんが、その告白に反応したことは、確かで。
もう彼が抱いていた恥ずかしさなんて、どこかに行ってしまっている。
「っ……ぁっ……」
「キスとか、おっぱいより、もっとえっちで。
……啓くんが、気持ちよくなれること」
指を止める。啓くんは愛撫を止めた私の指に、焦がれるような視線を注いだ。
それは、混乱、困惑、興奮が混ざり合って、ぐちゃぐちゃの心が、透けているかのような、視線だった。
私は、あげた。彼が、また1歩進むことになる、機会を。
「……して、みたい?」
そう言ってからしばらく、啓くんの返事はなかった。
彼の高まった心音が聞こえてしまいそうなぐらいの、沈黙が広がる。
けれど、さっきまでの背徳的な雰囲気は霧散することなく、ピンと線を張ったように、保たれたまま。
私は待つ。啓くんの選択を。
「っ────…………」
淫靡な膠着が、破れた。
ぎゅっと、彼は股座にあった私の指を、自身の両手で包んで、私の注意を引いて。
切なそうに唇を食いしばって、つらそうに眉を下げ。
興奮で光を鈍らせた瞳を揺らして、私を、見入った。
それ以上、何を言うでもなく。私の指を跳ねのけずに、受け入れて、動かないまま。
彼の両手は震えていた。
啓くんは何かを、待っていた。
「…………そっか、うん」
返答は、言葉じゃなかった。声じゃなかった。
その表情こそが、啓くんの答えだった。
……汲み取って、あげないと。
これ以上は、彼も私もつらい。
「……立って、くれる? 啓くん」
「……っう、……ん……」
彼は、ちょっとよろめきながら立ち上がり、前かがみとなる。
やっぱりどうしても、恥ずかしいみたい。顔の赤らみもひとしおだ。
それはそうだ。男友達に見せるのだってそうだろうに、数歳年上のお姉ちゃんなのだから。
……その羞恥心を和らげてあげよう。そうじゃないと、疲れちゃう。
私は、啓くんの引けている腰に手を回すと────。
「ん……」
────彼のお腹に、抱き着いた。
「────っ、ぁ……」
彼の緊迫し固まって表情が、一瞬でとろりと緩んでいく。
何故かと言えば、抱き着いたことでちょうどよく私の胸が股間に当たる形となって。
つらいつらいと訴えていたそこに、包まれる感触と刺激を与えられたから。
「啓くん。勇気、出してくれてありがとう」
「……ん、んん……」
私は彼の腰を抱きかかえる力を、強くする。
信じてね、と内に籠ったもう1人の啓くんを、柔く宥めるために。
「……いっぱい、気持ちよくさせるから」
私が、彼を見上げた。彼が、私を見ろした。
訳もなく、見つめ合って。
今の互いの呼吸の数を、知って。
「私に、全部、任せて……?」
ぎゅうと握りしめられていた啓くんの両の拳が、力を失って開かれた。
弱弱しいけど、確かに聞こえる声で彼は呟いた。
「…………うん」
彼は私に、委ねた。言葉で表して、委ねてくれた。彼の素を、やっと曝け出してくれた。
今までにあった恥じらいを削いでいって、正直にさせるということ。
それは、何度体験しても、ぞくぞくと、して。
……昏い喜びが、湧いてくる。
「ありがと。……じゃあ、シャツ。持っててね」
私は男の子してるお腹にさよならをして、ベルトに手を伸ばした。
カチャカチャと、金具が擦れ合う冷たい金属音をさせて、留め具を外し、緩める。
チャックの金具をじいっと降ろせば、ここにいるよって主張する立派なふくらみに引っ掛からないように、その形に沿って、するするとズボンを布団へと落とした。
「ふっ、んん……」
厚ぼったい布着を1枚剥ぐと、トランクスの中から主張するそれが、よりはっきりと分かるもので。
突っ張らせている膨らみの先端が、ほんのりと濡れていた。
脱がせるために、私はトランクスの裾の内側に指を入れる。
母親ぐらいしか触ることがなかった場所に、知らない女の指が入ってきたことで、啓くんは腰を僅かに揺らがせた。
いよいよ、ご対面だ。
私は割れ物に触れるように優しく、慎重に。
彼の下着を、ずり下げた。
「────わ……♡」
ぷるん、としなって。
啓くんの男の子の部分は、私の目前で、露になった。
全く関係のない年の近い異性に、初めて見せた男性器。
ぷるっとした陰嚢を根元にぶら下げていて、しっかり皮を被っているそれは、像の赤ちゃんの鼻のよう。
啓くんの汗の混じった体臭と、少しだけおしっこのそれが混じった臭いがする。
竿の根元から先までは私の中指ほどの大きさで、年相応といった感じだ。大きすぎず、小さすぎず。
彼の肌と同じ、白魚のように真っ白で、色素の沈着なんて一切見られない。
ボクはオスとしてすっごいかっこよくて、つよいんだぞって、一生懸命に背伸びして、目の前のメスにアピールするみたいに、ぴくん、ぴくんと脈打っていた。
その度に、巾着の口のように、先端ですぼめられた包皮に貯まっていた滴が、糸を引いて落ちていく。
それは啓くんが性的興奮を抱いてるっていう、表れで。
今までしてきた子には、なかったこと。
……もしかしたら、啓くんは今日、精通するかもしれない。
「ふっ、ふぅ……」
私は、啓くんをまた見上げた。顔が、どうしても見たくなって。
彼は、私のえっちな行為の邪魔にならないよう、たくしあげたシャツを口元まで持っていって、口を隠している。
そこから漏れ出てる呼気は、私にも伝わってくるほど明らかに浅く、熱っぽく。
そしてこれからの蜜事への期待に焦がれて、切ない顔をしている。
私も、彼と同じように、すごくドキドキしていた。
腹の下の辺りが、きゅうと疼く。女性特有の、性欲が込み上げてくる感覚が、私の思考を奪う。
────したい。早く、してあげたい。
でも、もう少しだけ、我慢。
啓くんが、初めての一番気持ちいい時に、何の憂いもなく絶頂できるように、準備してあげないと。
「啓くん。えっちなことする前に、お願いがあるの。
……このままのおちんちんだと、えっちなことしても、痛かったりするんだ」
「……そう、なの……?」
「だから、ね。お姉ちゃんが、啓くんが痛くならない、大丈夫なおちんちんにするから。
いい、かな?」
「……うん」
今度は私にすぐ任せてくれた。啓くんは、本当にいい子だ。
立ってたら危ないから、と私が指示した通り、枕を頭において、仰向けで寝ころんだ啓くん。
私の正座によって折りたたまれた足がそこに入ったことで、大きく開かれた彼の股。
その中心にある幼い男性器が、つんと天井を指す。
「……さわる、ね」
私は指の先で、彼の先端の窄まりへと触れる。
そこは特に気持ちいいところではないけれど、啓くんは腰を大きく跳ねさせた。
「ひゃ! ……っう、ふ……っ」
彼のそこは、とろとろと、えっちを期待して出しちゃってるお汁でいっぱいで。
指で押すようにして、ちょっと入口の蕾をほぐしてあげれば、小さく花開いて、奥の鈴口がはっきりと見えるようになった。
私は、両手の親指と中指で皮をつまんで、巾着の口を広げるように伸ばす。
にちゅり、と糸を引く、粘ついた濁った水音と共に。
「っ、あ……!」
「痛く、ない?」
「っ、だいっ、じょう……ぃあっ、……ふ、ふぅ……」
目を白黒とさせている啓くん。
皮の中にすうすうと風が入りこんできて、奇妙な感覚なのだろう。
私は、ちんちんの口から溢れて止まないカウパー液を塗りつけながら、つんつんと人差し指でつっついて、ゆっくりゆっくり、ぴったり密着した包皮から、痛くないよう剥がしていく。
ついでに、溜まっている恥垢も、先走りのぬるぬるで絡めとりながら。
────ぷちゅ♡ くちゅ♡
我慢汁が私の指に絡まって、卑猥な音を立てる。しかしそれも、しばらくすると止まった。
啓くんのちんちんの皮の中は完全に広げられて、奥のくびれまで見えるようになったから、これ以上弄る必要が無くなったからだ。
ここまでくれば、後はもう一息。私はつまんでいた指をもって、慎重に引き下ろす。
するとそれは、くるん、とひっくりかえって、めくれた。
「……ん、これで、大丈夫」
そこには、今まで大事そうに包皮に包まれていた、薄桃色の亀頭が、頼りなさげにぷるりと顔を出していた。
女をまだ知らないどころか、性的な快楽すらも分からない、まっさらで可愛いそれ。
でも、その実カリ首がしっかり張っていて、他の男の精子を掻き出す気まんまんで、男らしい。
こんなに小っちゃくても、しっかりオスなんだなあ、って。
皮が剥けたちんちんを見るたびにいつも、そんな感想を抱いている気がする。
「っは……は……これ……おとな、の……っ」
「うん。啓くんのここも、大人になったね」
初めて外気に晒された、今までおしっこする為だけに存在していた部位の、本当の姿。
啓くんは困惑と怯え。
そして、それ以上の期待と興奮に、瞳を揺らしていた。
「…………これで、なに、するの……?」
「すぐ分かるよ。……見ててね」
私はシャツで指を拭ってから、布団の傍にひっそりと置いてある、ローションのボトルを拾い上げた。
そして、差込口を剥き出しの胸の間に差し込んで、流し込む。
ひんやりとした粘液がそこに流し込まれていって、みちみちの乳内に滴り落ちていく。
私は乳房を脇から持ち上げるように両手で掴むと、谷間の中でローションを練り混ぜるように、寄せて、動かした。
大きく、ちょっと大袈裟に。
これから自分が、一体どういうことをされるのか。
啓くんに分かりやすい未来予想図を、見せてあげる。
────ぐちゅ、ぶちゅ♡ ぐちゅう……♡
谷間でかき混ぜられたローションの粘っこい音が部屋中にこだまする度に、醸造されて部屋に満ちていく、淫蕩な空気。
長閑な日常が流れる外と隔絶した、その非日常極まるそれに、私は酔って。
彼は、耐える術も知らないまま飲まれていく。
興奮に曇った瞳で、啓くんは私の大切な部分が、自分を気持ちよくさせるためだけに整えられていく様を、焼き付けるように見ていた。
そして、初めての前戯の期待に、彼の大切な部分も、一層大きくなった。
ぐちゃぐちゃにまぜあったことで、充分にぬめりが浸透した。
これで痛みとは無縁で、気持ちよさだけを味わえる。
あとは、制服の真ん中の3つのボタンだけを結んで、胸を圧迫し固定するようにすれば。
おっぱいオナホールの、完成だ。
「ちょっと、ごめんね。……よいしょ、と」
私は啓くんの足を持ち引っ張って、彼のお尻が私の太ももに乗るようにした。
そうすれば、私の乳房の真下を、啓くんの熱く滾っている物が、見上げる形になる。
これで、啓くんを迎える準備は、出来上がり。
「ね、啓くん。お姉ちゃんのおっぱいで、気持ちよくなろーね……?」
いよいよ啓くんと、初めての胸でのえっち。
彼は、はっ、はっ、と盛りのついた犬のように息を切らして、ぴくぴくとちんちんを脈打たせていた。
即席の蜜穴の入口へと、私は啓くんの硬いそれを宛がうと。
蛞蝓が這うような緩慢な速度で、胸を下ろしていき、包み込んで。
乳壁が反発する中を、突き進ませて。
……そして、彼の根元まで、降ろした。
────ぶちゅうっ……ずぷんっ♡
「────ぅあっ!? んんんっ!」
粘膜のむっちりとした生々しい感触が、私の谷間の中で鎮座している。
焼けた杭を打ち込まれたかのように、肌が火傷しちゃうんじゃないかって、錯覚するほどに、熱くて。
ローションが馴染んだ乳壁が、彼の芯に吸い付いていって、離さない。
「これっあっ、とけ、てっ、あっ、ああっ……!」
未知の甘い甘い感覚に怯えて、逃げ場所を求め浮き上がりのけぞろうとする啓くんの腰を、ぎゅっと胸を押し付けて、抑え込んで、敷かれた布団に沈ませてあげる。
怖くないんだよって、もっと楽にしていいんだよって、あやすように。
私は彼の腰部の跳ね付きが収まるまで、そうし続けた。
「はっ、はっ……っく、うぁ…………」
「……ゆっくり、動かすね」
すっかりと、啓くんの下半身が暴れなくなって。
谷間にぎゅうぎゅうに挟まれたそれが、段々と馴染み始めた辺りで私は、亀が歩むような速度の緩慢な上下運動を、爆乳を動かして行う。
────ぐちゅう♡ ……じゅぶ♡
「う、ぅぅ…………ん、んん……っ!」
おっぱいを上げると、接合部から下乳までの間に、ローションの白濁とした糸が幾重にも伸びていって。
────ぐちゅう♡ ……ぱんっ♡
「ひゃっ……! ~~~~っ!」
おっぱいを下げると、完全に彼の根元まで飲み込んで、小さな陰嚢がぺちりとぶつかる。
そんな乳擦りを繰り返して、私の巨胸の感触を、ちんちんに覚え込ませる。
ここはキミが使っていい場所なんだよ、って。
ここはキミを気持ちよくさせちゃう部位なんだよ、って。
────ぶちゅ♡ ……ぱんっ♡ ぐちゅ♡ ……ぱんっ♡
体液と粘液が絡んだ、淫らで非日常な水音が部屋をいっぱいに満たして。
扉の向こうにある、普段の日常をどんどんと、遠ざけていく。
「……ねっ、気持ちいい?」
「っあ、ぅ、うん……っ! おねえちゃんっ……! ……や、ううぁ……!」
私は胸の向こうで喘ぐ啓くんを眺めた。
股から背筋を通って、脳にやってきた知らない気持ちよさで、目元やこめかみを涙で濡らして、表情筋を弛緩させて出来上がった蕩けた顔は、幼い子がしちゃいけない顔。
私も多分、小さな男の子を犯すっていう背徳や興奮で、瞳を濁らせて、フェロモンをいっぱい出している、発情した顔をしているんだろうな。
鏡を見なくても、そんな気がした。
────たぱんっ♡ たぱんっ♡
「それっ……ぁ、すご、いっ……!」
少しずつ、私はピストン運動の速度を上げていく。
啓くんの性器が乳肉を押しのけ貫いて、遠ざかって乳壁に絞り取られての、反復。
痛くならないように、かといっておっぱいがくれる快感に慣れすぎないように。
────ぬちっ♡ ぐちちっ♡
そうやって、何度も扱いている内に、ローションの滑りが少なくなって。
ねっとりとしていく乳内で、彼の竿を舐っていく。
挟まれて、押さえつけられて、揉まれて、扱かれていく啓くんの肉棒。
……擦れて痛くなる前に、潤滑剤を加えなきゃいけないけど。
性交の熱を途切れさせたくなくて、1度彼と手を放してローションを取る手間すら、今は惜しくて。
「啓くん、ごめんねっ……んぁ……」
「ふぇ、ぁ、んんっ……!」
自分の谷間に唾液を垂らす。上下の注挿を繰り返すうちに、私たちの交わりにそれが挟まって、泡立つ。
涎の甘ったるい匂いが、ローションのケミカルな匂いを上書きしていき、それが部屋に広がっていく。
心なしか、胸の中の啓くんが、大きくなった気がした。
「は、はっ♡ ……手っ、繋ご♡ 啓くんっ♡」
自分の乳房を、男の子を喜ばせるために使っているという陶酔の波と。
繰り返せば繰り返すうちに、シャツの内に押し込められた乳首が擦れて、じんわりと恍惚とした波が寄せてきて、とっても切ないのに、寄る辺が無くて。
私はたまらなくなって、布団を引き裂かんとばかりに掴んでいる、啓くんの両手に私のそれを重ねた。
そして、拾い上げて、結ぶ。指の1本1本を絡め合わせる、恋人繋ぎ。
啓くんは何も言わなかった。けれど握ってくれる彼の力の強さに、私は安心した。
────ぱちゅん♡ ぱちゅん♡ ぱちゅん♡
上体の動きだけで、私はシャツで固定された乳壺を動かす。
手で支えなくなったことで、重量をそのまま伝えられるようになった胸を啓くんの腰に叩きつけると、腰とちんちんのひくつきが、おっぱいに伝播してぷるぷると波打った。
それらは、彼がイク間近であることを、教えてくれていて。
それを裏付けるように、啓くんが、涙声で甘く吠えた。
「これっ……ぁっ、なんかっ、くるっ、でちゃう……!」
彼はもう、ほとんど半泣きの状態で、顔を初めての快感で歪ませ、涙でぐずぐずにしている。
絶頂の感覚を知らないから、おしっこする時の解放感で例えるしかないんだ。
息も絶え絶えで、苦しそうだけれど、もうあと少し。
「ふっ、あ♡ 出してっ♡ 我慢しないでっ♡ いっぱいいっぱい、出して♡
お姉ちゃんのっ♡ おっぱいは僕のものなんだぞーって♡ マーキングしてっ♡」
彼の本能に訴えるように、媚びたおねだり。
男の子なのに、女の子になすすべもなく身を預けて、脇目も振らずに恥ずかしい声を出して、負けちゃう気持ちよさと。
女の子の体に放精する征服感と、絶頂の快感を教えてあげるから。
して。精通して。……私で、精通して。
「んんぁ! でちゃう! でちゃうよぉ! おねえちゃん! おねえちゃぁんっ!」
そうやって、押さえつけてた私の双乳に、啓くんは一気に腰を突き上げて。
くぐもった、絶頂の叫びを上げた。
「────っあ、んんんっ!」
────びゅうう♡ びゅく、びゅく♡ びゅるるる♡
「きゃ……♡」
「────っ! っぁ…………~~~~っ! っっ!」
乳内の中で、爆ぜてしまったかのような迸り。
勢いがあんまりにすごいものだから、火山の噴火のように谷間から、どろりと精液が溢れ出してくる。
もっとその、啓くんの初めての射精を見たくて、乳房を両方の二の腕で挟んで、乳圧を強くし続ける。
啓くんは初めての射精の快感に耐え切れず、身をよじろうとしてるけど、私が体を胸で押し潰すようにして抑えていて、手も固く握り合っているものだから、逃げることは出来ないまま。
その純朴であどけない顔をのけぞらせて、声にならない矯声を上げていた。
「……におい、すごい……」
鈴口から飛び出して、上乳に乗っかった、重量を感じる程にずっしりとした、固体のような精通せーえき。
栗の花のような強く青臭い臭いが立ち昇って、私をくらくらとさせる。
もう少し寒ければ湯気が立っていそうぐらい熱くて、べっとりと私の肌に張り付いていて、早々に臭いも、熱も取れそうにない。
────びゅる♡ びゅるる♡ びゅう……♡
彼の大人になった陰茎は、最初の怒涛の勢いが失われても止めどなく、何度も何度も脈打って、精を吐き続けている。
私もそれに応えるように乳房を左右に揺すってあげて、吐精の手助けをしてあげる。
初めて覚えた快感がすぐに終わっちゃったら、あんまりに可哀そうだから。
最初だからこそ、どこまでも甘やかして、一滴残らず絞るように。
────どくん♡ ……とくん♡
「っあ、はぁ、……っは、はぁ……」
それから、20秒近く経って、啓くんの長い長い射精が終わった。
彼も、昇りつめた快感から徐々に、降りられてるみたいだ。
嬌声を上げなくなって、激しい呼吸だけ。
でも、私は彼の肉棒を包み込み続けて、短い痙攣が止むまでずっと、そうしていた。
啓くんが完全に、落ち着くまで。
…………しかし、本当に啓くん、出しちゃった。
私で、私の体で。初めての、子だ。
こんな感じなんだな、精通させるのって。
小さい子が鉄棒で股を擦って、ただ気持ちよくなるだけなのとは訳が違う。
何でもなかった普通の男の子が、1人のオスになる瞬間なんだ。
赤ちゃんも、作れちゃうようになって。
自分のこと好きにさせた女の子を、自分の物に出来ちゃうようになって。
なんだか、それが信じられないけど。
でも、事実、もう啓くんは…………。
「はぁー……はぁ……」
啓くんの荒い呼吸をぼんやりと聞きながら。
繋がり続けている汗でじっとりとした手の組み合いを、愛おしく思いながら。
私は、得体のない物思いに耽った。
*
互いの精神の高ぶりが完全に落ち着いて、この場の淫欲の熱が籠った雰囲気が薄れ出した頃。
私は、ずっと結んでいる手を今一度優しく握り直し、啓くんの健闘を称えた。
「……よく、頑張ったね。気持ち、よかった?」
「…………はいっ……」
「そっか。それなら、いいの」
ちょっとしたピロートークに、花を咲かせて、私たちは余韻を味わう。
そんな中、彼は、初めての飛び散っている異臭を放つ白濁液に興味を示していた。
それは、興奮のあまり流してしまっていたけど、よく分からないものが自分の排尿器官から出たという、驚きと不快が混在している、興味だ。
当然と言えば当然だけど。
「……あの、それって、……なに、ですか……?」
「えっとね、これは、せいえき、って言うの。
おしっこと違って、限界までおちんちんが気持ちよくなったら、出ちゃうものなんだよ」
「…………そう、なんだ。
その、……かけちゃって、ごめんなさい」
……実は凄い期待してました、とは言えない。
まあそれ抜きにしても、彼を詰る事なんて1つもないのだけれど。
私は啓くんを慰め、励ます。
「ううん。全然。だって、これを出してくれるってことはね。
いっぱい気持ちよくなってくれたんだーって、証だから。嬉しいの」
「……っ」
「ん、あっ……ふふふ」
いっぱい出した彼の分身が、また、びくんと動いて。
まだ尿道に残っていた精子を、おもらしのように吐き出していく。
私の言葉に反応したんだ。可愛いなぁ。
「……じゃあ、抜くね、啓くん」
「っ、ふ……」
出し切って満足しただろうから、私は上体を反らして、啓くんの初めて外に出た精子がパンパンに詰まった乳を持ち上げ、引き抜いてあげる。
そうすると、でろり、と、多量の精液を私の胸から溢し。
彼の股を汚しながら、立派だった生殖器がずるりと飛び出した。
啓くんのちんちんが今どんな具合なのかを見たかったけれど、私の乳房が大きすぎるから、胸元にある物なんて見えないのが残念だ。
「ん、ちょっと待ってねー……」
「…………」
私は枕元に置いておいたボックスティッシュの存在を再確認した。掃除をしようとして。
……啓くんの初めての精液が、ちょっともったいないという考えが一瞬過るけど、保存とかしたいと思う程に私は倒錯してはないので、さっさと拭い取ってあげよう。
あと、べたべたにくっついたローション。面倒極まる。
これはティッシュでは拭い切れないし、乾くと糊みたいになって鬱陶しいしで。
精子拭き終わったら、啓くんもシャワー浴びてもらわないと。
「……あの、えと、…………おねえさんっ」
これからの後始末の算段をたてていた私は、彼との手の結び付きを外そうとするけれど。
ぎゅっと、彼から握り直される。
「え? どうした、の……」
思わず驚いて、彼へと向き直した途端に、私は、息を呑んだ。
……啓くんが私を、乞うような目で、見つめていたから。
年相応の愛らしさと、性に目覚めた剥き出しの欲望が、入り混じっていて。
もっと、もっと、と。震わして、さっきの情交の熱にまた、溺れたがっている。
そんな、目だった。
そして、私の下乳に、何かが当たっているという感触を覚えた。それは、熱を帯びていて。
胸元にある物の思い当たりなんて、一つしかない。
そして、私の想像通りであろう熱いそれは、私の胸を突きあげようと、大きくなっていた。
「……もう、おわり、ですか……?」
啓くんはポツリと、頼りなさげに呟く。
終わりと言ってしまえば、本当に引き下がってしまうだろう。
この短い間でも分かるぐらいに、聞き分けのいい子だから。
……だから私は彼に、慈愛をもって微笑んだ。
「────ううん」
柔らかく、包容を思わせるように微笑んだ、つもりだ。
実際に彼の視界に映る私が。どんな顔になっているかは、分からなかった。
きっと私も、啓くんと、同じような目をしていただろうから。
もっと、もっと、と。震わして、さっきの情交の熱にまた、溺れたがっている。
そんな、目を。
「…………もう一回、ね……♡」
夕暮れには帰さなきゃいけないけれど、まだそれは遠く。
私と啓くんの淫蕩な時間は、始まったばかりだった。
今の所投稿するのはこの2話だけですが、後々この作品の続きを書くかもしれません。
誤字報告、感想をいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。