【R18】ハーレムで毎日エッチする倫也の夏休み【イラスト付き】 作:きりぼー
エッチをする他のヒロインに対して、プラトニック英梨々にヒロインが勤まるだろうか?
本作の大きなテーマな気がする。
事を終えた俺はいったん家庭科室に戻る。エネルギーを補給してひと眠りしたい。
しかし家庭科室に恵はいなかった。冷蔵庫開けて昼間の残りのからあげを頬張る。美智留も起きてランチを食べ終わった形跡があった。
特別教室棟の3階まであがり図工室へ向かうと、大きなモーター音で木を切っている音がする。中を覗くと詩羽先輩以外の4人がそろっていた。
「調子はどうだ~?」と、さりげなく入る。
「いい感じですよ~」と出海ちゃんが応えてくれた。
話を聞くと、各準備室にやはり簡易ベッドを用意することにしたらしい。設計図をみると実にシンプルな作りだ。
「倫也~、切り出し終わったやつ、各部屋に運んでてくれるかしら?」
「OK]
「トモ、あたしも手伝うよ~」
「じゃあ、2人で運ぶか」
工作班と肉体労働班で別れるのはしょうがない。木に書いてある番号を確認しながら、美智留と2人で階段を往復して素材を運搬した。なかなかの重労働だった。
その後は出海ちゃんが電動ドライバーをもって、テキパキと各部屋で組み立てていった。俺もそれを手伝うが、ロングTシャツ一枚の出海ちゃんは隙だらけでパンチラ拝み放題だった。ただ作業中なのでエロい会話などはしない。
図書室に様子を見に行くと詩羽先輩がまだぼんやりとまどろんでいた。そのままそっとしておいて、ここでもベッドを組み立てる。
ベッドの上に布団を置けばいい感じのベッドになった。少し固いが贅沢はいえない。快眠したいなら茶道室で畳に布団を敷くか、保健室のベッドがある。
「ビニールマット敷こうと思います」
「ああ、あのプールにあったやつね?」
「はい」
ビニールマットは学校のあちこちで見つかる。どこかの撮影隊が置いていったのだろう。
ベッドの上にビニールマットを置いて、その上に布団を敷いた。ビニールマットに摩擦力がないので安定した感じはしない。
「倫也先輩、この上でセックスできそうです?」
とんでもない質問だが確かにそこは気になる。いざ乗ってみて動いて確認すると、ビニールマットから布団が徐々に滑ってしまった。
「無理そうだから、使う時はビニールマットなしがいいと思う」
「じゃあ、そうしてください」
「それか、こんなにパンパンに膨らませなくてもいいかもな」
「それだと破裂するんですよね」
「そっかぁ」
なかなか快適な固さというわけにはいかないようだ。ベニヤ板の上に布団でも、床よりはだいぶマシになった。
「このマットちょうどいいんじゃないかしら?」
英梨々が図書室の子供用のマットレスをもってきた。
「ちょっと敷いてみましょうか」
出海ちゃんと英梨々でマットレスを敷き、その上に布団をのせた。
「うん。今度はいい感じだな」
マットレスをそれぞれの部屋に運んで、ベッドメイキングを完成させた。
※ ※ ※
一仕事を終えたので、冷やしてあったスイカを持ち出して、校庭でスイカ割大会を開催する。
俺は少し疲れたので校舎内のイスに座ってはしゃぐ5人のスイカ割りを眺めていた。
Tシャツ姿の出海ちゃんが妙にエロい。他の四人はブルマ姿だ。美智留のブルマは太ももが実に魅力的でグッドだ。一番似合っていると思う。いやぁ、それぞれいいのだが。
スイカをたらふく食べたあとは部屋に戻って少し仮眠をとった。
※ ※ ※
夕食時に起こされて家庭科室に移動する。手巻き寿司だった。みんなでわいわいと包みながら食べる。冷凍食材を使っているが実に美味しい。女の子5人の飛び交う声が賑やかで明るい。
みんなが食べ終わった頃には、外はすっかり暗くなっていた。
「よし、そろそろ肝試し大会始めるか~」
仮眠をとって元気を取り戻した。夜イベントはみんなで楽しむ娯楽であって、エッチとはまた別だ。もちろんヤリやくなったらヤるけども。
「待ちなさいよ。準備できてないわ」
「何の準備だ?」
「肝試し大会をなんでブルマ姿でしなきゃならないのよ」
「澤村先輩着替えるんですか?」
「そうよ。恵、手伝ってくれるかしら?」
「うん」
英梨々が部屋を出て行った。コスプレグッズを集めたのは英梨々なので、品揃えについては詳しい。それから英梨々用の専用衣装も多数用意されている。本来は私物なのだが公平をきするためにポイントで交換してもらうことにした。
英梨々と恵がいない間、みんなで家庭科室を片付ける。それから懐中電灯を人数分用意して電池残量も確認する。灯りは流石に生命線だ。虫よけスプレーと蚊取り線香の入った豚型の提灯も用意して準備万全だ。
明るい時なら往復で20分程度あれば充分だが、夜だと足元も悪い。30分は見ておいた方が良いだろう。
30分以内に戻ってこれなければ失格、みんなで探しに行くことに決めた。
細かいルールの確認が終わった頃に英梨々と恵が戻ってきた。
「わぁ・・・澤村先輩浴衣持ってきてたんですね!」
「可愛いー」
「あらあら・・・」
「みんなのもあるわよ?100ポイントだけど」
「けっこう高いですね・・・」
ということは英梨々は最初の100ポイントを使い切って、今はゼロか。後先考えないタイプなのか、そもそも好感度100にする気がないのか。まぁ後者だろう。
「でも、その格好だと山道厳しいぞ?」
「・・・そこはあんたがなんとかしなさいよ」
「2人で行くのか」
「倫也がど~~~~~しても、あたしといって欲しいならそうしてあげないこともないけど~~」
「ツンデレだ・・・」
「ツンデレね」
「うっさいわね!どうするのよ」
俺に選択の余地があるとでも思っているのだろうか?
「英梨々、一緒に肝試しいってください!」
手を差し出す。英梨々がその手をとって「しょうがないわね、おこちゃまなんだから」と言った。みんなが苦笑いしている。
「じゃあ、トモー。あたしから行くね。10分後には次の人スタートしていいよ」
「わかった」
俺はマグネットを美智留に1つ渡した。
「そのマグネットを車につけて、車にあるマグネットを一つ持って帰ってくる。OK?」
「わかったー」
「よーいスタート!」
美智留が懐中電灯片手に校門を出て行った。蚊取り線香は両手が塞がると危ないからいらないらしい。
「大丈夫かな」と恵が心配そうにしている」
「熊はでないから大丈夫だろう。山道で転ぶかもしれんが」
ゆっくり歩いて10分の距離だが、軽快に歩けばその半分ぐらいで到着する。しかし夜道でそれは難しいだろう。今夜は月夜なので明るいとはいえ、都会人の目では真っ暗にしか見えない。
「ほっーぉ、ほっーぉ」とフクロウが鳴いている。木々のざわめきも薄気味悪い。
「けっこう不気味ね」
「夜の学校だからな」
今は玄関先に集まってそこだけ電気をつけている。明るければ怖くはない。光はすぐに闇に吸い込まれて校門のあたりで見えなくなる。
「ついでにカラオケ大会でもしましょうか。待ってる間は暇ですし」
「いいわよ」
「うん。そうだね」
「じゃあ、言い出しっぺの私から歌いますね!」
出海ちゃんがケータイを操作してネットのカラオケを流した。音量を最大にするとそこそこ音楽は聴こえるが迫力はない。
振付をしながらアニソンを歌う。マイクがないのでちょっと変な感じだ。ダンス付きのアニソンで見事に完コピしてノリノリだった。肝試しの雰囲気はなくなり、まったくもって明るい。
歌い終わったのでみんなで拍手をする。
次に恵が歌い出した。イメージを崩さずカワイイキャラソングを歌い上げる。けっこうノリもいいがダンスというほではない。恵は歌がけっこう上手い。酔わせると拳を握って演歌も歌い出すこともあるが、それは仕事でストレスが溜まりまくって少しおかしくなり、飲み過ぎた時である。こんな即席会場では歌わないだろう。
2人が歌い終わったところで、「やっほー!」と校門の方から声がした。
「もうかえってきたのかよ!?」
息を弾ませながら美智留が戻ってきた。
「はぁはぁ・・・記録は?」
「8分・・・20びょうぐらいだな」
「正確に計ってよ~」
「大丈夫だ、誰もこんな記録抜けないから」
「これって順位ポイントもあるの?」
「考えてなかったな。競争すると危ないからな。約束通り200ポイント付与だ」
「まっ、いっか」
「じゃあ、次は私がいってきますね~」
出海ちゃんが虫よけスプレーをさらに大量にかけた。
「Tシャツ一枚で肝試しする人初めてみたわね・・・」と英梨々が妙なところに感心している。
「よーい・・・ドン!」
今度はストップウォッチを押した。
「がんばれ~」と美智留だけが声援を送っている。運動会じゃないんだか、2人には恐怖心はないのだろうか?
「それでみんな何してたの?」
美智留はお茶を飲みながら聞いた。息がすぐに回復してくる。
「カラオケ大会よ」詩羽先輩がそういいながら音楽をかけた。アニソンだけど、レトロな昭和ミュージックだった。
「いいねー!」と美智留もノリがいい。こちらは本職である。
「ねぇ倫也くん。わたしと霞ヶ丘先輩とペアでいくね」
「うん?そうか・・・」
「普通は無理だよ・・・夜道に1人は」
「だよな・・・気をつけてな」
「うん」
詩羽先輩が歌い終わった。次は英梨々の番だ。
「何歌おうかしら・・・」
英梨々の歌は中の上といったところだ。音楽の素養はあるが歌い慣れていない。比較対象がどうしても美智留なのでそう感じるだけで、リズムも音程も合っている。
自分で検索して音楽をかけた。
「英語の曲!?」恵が驚いている。アニソンだと思ったのだろう。
「ああ見えて、イギリス人とのハーフだからな」
T・スウィストの曲をノリよく歌っている。英梨々が歌うのは珍しいが、今日はテンション高めなんだろうか。
浴衣で歌う曲ではない気がする。
「うわぁ~上手い・・・」
「そうなのか?」
「トモはわかんないんだねぇ。あれ、めっちゃくちゃ難易度高いよ」
「日本人だからじゃね?」
「それはそうだけど」
美智留が驚くぐらいだから上手いのだろう。確かにリズムも音程も外れている感じはしない。迫力がないだけか。
みんながパチパチと拍手をしている。俺も拍手をする。
「ふふん♪」 なぜかドヤ顔している英梨々。
「次は美智留の番だな。大丈夫か?」
「もう平気」
美智留が俺に曲名を告げた。自分の持ち歌である。ICY-tailの楽曲が初めてカラオケに出てきた時は感動した。今は何曲ものっているが、大事にしているのはデビュー曲だ。
「倫也、1,2,3で同時に再生するわよ」
「わかった」
せめてもの外野からのプレゼントである。来年はカラオケマシーンでも購入するか。
「1,2,3!」
音楽が鳴った。俺と英梨々で美智留の反対側に立ってステレオにする。
「みんな~~~!!元気~~~!!」
「元気~~!!」
会場を盛り上げるところからセットだ。
「今日はね~、肝試し大会中です!途中でお化けに追いかけれたけど、足はこっちが早かった!」
「どんなネタだよ・・・」
美智留が歌い始めた。ああなるほど、英梨々や恵が下手なわけじゃない。こいつがうますぎるのだと改めてわかった。
元気いっぱいにダンスしながら歌っている。流石現役アイドルである。
俺達はまじかでコンサートを見ながら手拍子を送る。ペンライトがあるならオタクダンスを披露したいところだ。
終わったところで拍手を精一杯した。
ちょうど歌い終わった頃に出海ちゃんが走って戻ってきた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「9分・・・15秒」
「うわぁ・・・ぜんぜんだぁ」
「惜しかったな。でも差は1分切っているぞ」
「明るかったらなぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「怪我しなくてよかったよ・・・お疲れ」
紙コップにお茶を入れて渡す。もう別に酒でも問題ないが、全員が終わるまでは素面を保っていて欲しい。何があるかわからない。
「じゃあ、続いて恵と詩羽コンビ。よーい・・・ドン!」
「いってくるねぇー」
「私も行く必要あるのかしら?」
恵と詩羽先輩が手をつないでスタートした。走る気がないのでこちらとしてはほっとする。順調にいっても20分はかかるだろう。
俺はカラオケを歌わず、英梨々が今度はアニソンを歌い、美智留がもう一曲ヒット曲を披露し、息が戻ってきた出海ちゃんが最新の流行歌を歌った。
「あとでお酒も飲みたいです」
「そうだねー」
15分ほどたったので、そろそろ車に着いた頃だろうか。
「あんまり遅くなっても悪いから、そろそろ俺と英梨々も出発するよ」
「OK」
「じゃあ私が計測しますねー。よーい、ドン!」
「時間関係ないけどな・・・30分たっても戻ってこなければ捜索頼む」
「了解」
俺は英梨々の手をとった。
「ちょっと、なんでここから手をつなぐよ!」
「そういうもんだろ・・・」
「はずかしいでしょーが、せめて校門出てからにしなさいよねっ」
「まぁ・・・いいが」
俺はテクテクと歩き出す。英梨々の足元は草履ではなくてスニーカーなのは山道をあるくからだろう。合理的な選択だと思う。
校門を出る頃には暗闇で包まれて懐中電灯を消すと何も見えない。俺が蚊取り線香を持ち、英梨々が懐中電灯を持っている。
「ここをどうしたら走る気になるのかしらね・・・?」
「目がいいんじゃねーかな・・・」
俺は空を見上げた。月が綺麗に輝いているから、狩猟時代なら絶好の狩り環境である。目が良くて勘がいいなら懐中電灯もあるし走れるのかもしれない。
俺は改めて英梨々の左手をとった。今度は英梨々もぎゅっと握り返してくる。
フクロウの声が薄気味悪いし、いろんな虫が鳴いている。
「英梨々、もう少し前を照らしてくれ。足元だけだと逆に危険だ」
「あんまり遠くを照らすと怖いのよねぇ・・・」
遠くにチラチラと動いている光が恵と詩羽先輩のペアだろう。途中で消えたのは道が迂回しているからか、木で隠れているからだろうか。
「けっこうドキドキするわね・・・」
「だろ?」
「美智留と出海がやっていた時は別の競技みたいになってたけど」
「ほんとな・・・」
気を付けながら歩く。俺としては肝試しを楽しむというよりは、全員無事で終える方が大事だ。
「そういえば倫也、今日のミッションはおっぱいだったわね」
「そうだぞ。パイズリする気にでもなったか?」
「物理的に無理ね」
「やってみないとわからないだろ」
「やらないけど」
足元が悪いので慎重に歩くが、慣れてくるとそこまで昼間と変わらない。舗装こそされていないが、その気になれば車一台がなんとか通れる程度の道幅があるのだ。迷子にはなりようもないし、脇にそれても別に危なくはない。木の柵はあるが、その外側も同じ高さだ。
「そうだ、あんた手コキの時にあたしのところにこなかったわね」
「・・・いったらしてくれたのか?」
「するわけないでしょーが。ただイラストは描いてあったのよ」
「マジか?それは悪いことしたな」
「今日のおっぱいもあるから、あとで渡すからちゃんと点数つけなさいよ」
「おう」
英梨々はイラストで参加するつもりらしい。それはそれで彼女らしいので俺としては歓迎だ。
そもそもこのエロ合宿は英梨々のイラストにインスピレーションを与えるためでもある。みんな休暇を楽しんでいるが、仕事に還元しているのは同じだ。
「わっ!!!」「わっ!!!」
突然、大きいな声で横から話しかけれた。
「うわあああああああああっ!?」と俺は大きな声をあげて驚いた。
「きゃああああああああああああっ!!!!」と英梨々の悲鳴が山の中に木霊する。
「あははっ、倫也くん驚きすぎっ」
「うわぁ・・・恵か・・・」
「うふふっ、倫理君も澤村さんもいいリアクションね」
英梨々にいたっては完全にフリーズしてしまった。
【画像13 英梨々浴衣】
状況がわからないらしい。どうやら恵と詩羽先輩はライトを消してこちらが来るのを待っていたようだ。これぞ肝試しだ。暗闇で待つのも怖いはずだ。
「おーい、英梨々~」
「あらあら、驚かせすぎたかしら。今ならおっぱいもんでもいいんじゃないかしら?」
「なるほど・・・」
俺は英梨々の胸に手を・・・
「・・・っなわけあるかぁ~~~!!」
パチーンと手をはじかれた。
「まったく、油断も隙もないわねっ!」
「お帰り英梨々」
「ふん。この恨み覚えておきなさいよ!」
「はいはい、じゃあまたね」
「詩羽先輩、恵。最期まで気をつけてな」
「うん」
すげぇ驚かされてしまった。心臓がまだバクバクいってる。
「もう・・・ほんと、嫌」
英梨々は目に涙を浮かべている。
「よしよし・・・」
俺は頭を撫でてあやしてやった。
それからしばらくは静かに歩いた。駐車場に無事につく。かかった時間は13分で、昼間よりはやや遅い。
みんなのマグネットを確認して写メを撮る。これで証拠になる。
「じゃ、戻るか・・・」
「少し休憩していい?」
「大丈夫か?」
車の鍵を開けて後部座席に2人で入った。リュックからペットボトルの水を取り出して英梨々に渡す。
ごくごくっ・・・
俺も同じペットボトルでゴクゴクと水を飲む。
「だから、許可なく間接キスしないでくれるかしら?」
「しょうがないだろ、ほんとのキスしてくれないんだから」
「そういう問題かしら?」
「そういう問題だろ」
「倫也って、あたしとキスしたいの?」
「そりゃ英梨々はカワイイしな・・・」
「ふーん・・・でも、しないわよ?あんたは他の女を選んだんだから」
「わかってるよ」
水をリュックにしまった。
懐中電灯を消すと、車の周りは完全に闇だ。
「倫也が恋人だったら、ここでキスしたらいい感じね」
「ここでキスしたら、そのままカーセックスだな」
「バカ」
「そろそろいくぞ、遅くなると心配かけるからな」
「・・・うん」
車の外に出て英梨々が懐中電灯をつける。
「上りの方が大変だから、少し急ぐぞ」
「うん」
英梨々の手をとって歩き始める。
「そんなに急がなくても30分かからないわよ」
「そうだけどな・・・早く酒も飲みたいし」
「まったく情緒がないわね」
英梨々の髪が揺れるといい香りがする。浴衣の仕立てもよくて、襟足がピンと立っている。暗いところで着ているのがもったいない。夏祭りだったらもっと映えるだろうに。
浴衣だとやはり歩きにくいようでペースはあがらない。まぁしょうがないだろう。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「少し早すぎたか?」
「平気・・・あと少しよね」
「そうだな・・・そろそろだと思うが」
上の方がぼんやりと明るいから校舎だろう。
「おっ、校門みえたぞ」
「ふぅ・・・」
俺と英梨々はほっとした。俺としては何の事故もなく無事に肝試し大会が終わってよかったと胸をなでおろしたところだ。
「わっ!!」「わっ!!」
「ぎゃああああああああさああっ!!」英梨々がまた叫んだ。
俺は少し予想していた。
「あははははっ、澤村先輩いいリアクションです!」
「くすくす・・・流石澤村さんね」
脅かしてきたのは出海ちゃんと詩羽先輩だった。
「その点で、倫也先輩のリアクションはつまらないです」
「ごめん、匂いでわかった」
「流石変態は一味ちがうわね・・・」
英梨々はというと、まったく油断していたのだろう。警戒心を解いたところでのこの脅かしは効果抜群だったようだ。
その場に崩れるようにしゃがみこんでしまった。
「大丈夫か・・・英梨々」
「・・・ぐすっ」
「ああ、泣いちゃった!」
「英梨々ぃ・・・もうついたぞ・・・」
「嫌い・・・みんな大嫌い!!」
「あらあら、拗ねちゃったわね」
しくしくと泣いてしまった英梨々の様子が少しおかしいことがわかった。
「ほら、おんぶしてやるから」
「無理」
「なら、いくぞ・・・」
「いい、あたし一人でここにいる」
俺はやっとわかった。詩羽先輩に耳打ちをする。
「そういうこと・・・」
出海ちゃんと詩羽先輩が校舎へ戻っていった。少したつと恵が着替えをもって戻ってきた。
「わたしは反対したんだけどねぇ・・・」
「後は頼む・・・」
俺も校舎にもどっていった。美智留が「お疲れ~~~!」と明るく出迎えてくれた。俺に缶ビールを渡した。俺はイラッとしていたが美智留の笑顔に救われた気がする。
出海ちゃんと詩羽先輩にやりすぎなことを叱るべきだろうか。いや、それは結果論だし、俺だって予感はしていたが英梨々に教えなかった。みんな共犯だ。
「お疲れ・・・」と言って缶ビールを飲んだ。旨い。喉に染み渡る。
「倫也くーん」と恵の声がしたので、もう一度戻る。
英梨々は泣き止んだが座ったままだ。
「腰ぬけちゃったみたい」
「じゃあ、おんぶだな」
「いやよ」
俺は構わず英梨々の前にしゃがんだ。
「ほら、英梨々・・・一緒にシャワー室いこ」恵が英梨々を動かして俺の背中に預けた。
「よし、いくか」
「ともあ~」
「気にするな。そういうこともある」
「もうお嫁にいけない」
「おう、いかれても困るからな。俺と一緒で一生独身だな!」
「それも嫌なんだけど・・・」
英梨々がぎゅっと抱き着いてきた。俺は英梨々を背負って校舎の中へ入り、宿直室横のシャワー室でおろした。
「じゃあ、恵。あとは頼んだ」
「着替えどうしよう?」
「何かコスプレから選んでくる」
俺はリネン室横のコスプレルームに入った。実に取り揃えたもんだ。英梨々サイズの白い下着と、薄衣のネグリジェを選んだ。ポイントはあとで調整すればいい。そんなことはどうでもいい。
それをシャワー室前に置く。中からは恵と英梨々の声が聴こえた。
下駄箱前は撤収が終わって、宴会場は家庭科室になっていた。
酒が入ってみんな興にのって歌っている。楽しいのは良いことだ。
「ちゃんと後で謝るから、ほんとごめんなさいね」
「わかってればいいんです」
「あの子にも言っておくから、倫理君から叱らないであげて」
「はい」
出海ちゃんも悪気があったわけじゃないのだろう。自由な選択をしてやりすぎることはある。後味が悪いこともある。
しばらくすると、恵と英梨々も戻ってきた。どちらももうパジャマ姿だ。英梨々の方は俺が選んだのと違うパジャマを着ていた。
詩羽先輩と出海ちゃんが駆け寄って謝っていた。しばらくすると英梨々が笑っているので事なきを得たようでよかった。
歌い終わった美智留が、俺に相談しにきた。
「トモ、今夜あたしのところにくるんだよね?」
「そのつもりだが・・・」
「ブルマも流石に汗だくだから、何か選びたいんだけど」
「なるほど・・・夜だからな・・・」
俺は美智留のケータイからアプリで衣装をセレクトした。
「これね?わかった」
みんなそれぞれの思惑がある。今の心境だと英梨々と一緒に夜を過ごしたいところだが、しょうがない。それはそれとして気持ちを切り替えて、俺も夜に挑もうとしよう。
英梨々のことは大事だけど、美智留のことだって大事なのだから。
(了)