魔王の元で性奴隷としての生活を始めて、少なくない時間が経過していた。
すでに私の体はサキュバスと完全に同化しており、魔王に与えられた黒いネグリジェからは常にオスを誘うメスの臭いが溢れている。
私は性欲が強くなっていた。
体は常に魔王の寵愛を求め、切なく濡れている。
そして魔王はことあるごとに私の性欲の高まりを見抜いて、私に絶頂を与えた。
欲しい快楽が常に与えられる環境に私は歓喜している。
そんな私は時間の経過と訓練によってサキュバスの能力と性技を多く獲得して、他の魔族の精を取り込んだりもして、魔王の期待に応えようとした。
そんなある日のこと。
「フェイト、お前は俺の器を孕むため、その準備として最高の卵子を生み出せ」
どうやら魔王は転生のための器を産む母体を探していたようで、私がそのお眼鏡に叶ったというわけらしい。
今や私の全ては魔王様のもの。
命令とあれば忠実に実行するのみだ。
「わかりました。我が王、必ずや最高の卵子を」
そういって私はとある場所を訪れていた。
そこはまるで怪物の腹の中のような、ピンク色の管がうねるように壁を作る産卵場だった。
ここで捕まえた捕虜に魔獣を産ませて戦力を増やす。
ここには魔王に敗れた多くの種族が捕らえられていた。
もちろん、人間も例外ではない。
そしてその人間の中には。
「なのは」
わたしはその内の一人に話しかける。
「フェイト、ちゃん?」
彼女の衣服はボロボロに切り裂かれ、体は粘液で汚されていた。両手と両足を肉壁の中に取り込まれるようにして拘束されたかつての友は、目の前の状況が理解できないといった驚愕の表情で私を見上げている。
「な、んで。どうし、て」
「ここまでがんばったね。なのは」
私がフェイトだということは理解できても、変化したこの肉体と汚れのない着衣を見れば奇妙に思うのは仕方のないことだ。
だから私はその疑問を氷解させるべく言葉を続ける。
「わたし、魔王様のものになったの」
「え、え?」
その声は、何を言っているのかわからない、そんなニュアンスを含んでいた。
「まあ説明はいいか。私、なのはに頼みたいことがあってきた」
またしても困惑を浮かべる彼女に、私は行動で応える。
「ーーもらうね」
そう言って私は、服を強引に剥ぎ取られて空気に曝されていたなのはの胸に口をつけた。
「フェイトちゃ、んんんん!?」
私はその言葉を聞き流してなのはの胸を弄び、乳を吸った。最強の魔導師の魔力が私の中に流れ込んでくる。なのはは魔力が高いからたくさん飲んでも問題ないはずだ。
「ああっ、魔力が、吸い取られて」
私は一方の乳房を自分の口で、もう片方をサキュバスに変化したことで獲得した尻尾の先端を使って、なのはの魔力をごくごくと吸い上げた。
この間、なのはの子宮に淫紋を施すのも忘れない。
「おいしいよ。なのは」
「んんっ、なんで、なの。はぁ、どうして、んっ、こんな」
「それは、すぐにわかる」
私はなのはの乳から吸い上げた魔力の全てをなのはの子宮に注いだ。魔力を注がれた子宮は活発になり、至高の卵を作り出す。
「うそ、わたしの子宮、だめ、だめぇ」
「なのはの卵子がほしい。それもとびきり強いやつが」
どんどんと注がれる魔力に子宮は最高の状態になって、ついになのは卵子を排卵した。
「ああっ、そん、なっ、あ、あ」
「出てきたね。エースオブエースの卵子」
「んんっ、膣に、入って、うぐ」
私はそれを、なのはの膣に突っ込んだ尻尾を使って回収する。
開閉する先端を持つ尻尾の中をなのはの魔力を纏った卵子が移動して、私の子宮に収められた。
「ああっ、なのは卵子すごくいい。ちゃんと受け取ったよ」
「そん、な。わたし、の」
なのはの卵子を手に入れた私は早々にこの薄暗い産卵場を後にする。
もう仲間のことなどどうでもよかった。
私は全てを魔王様に捧げたのだから。
なのはも魔獣を生み出すことで魔王様に貢献するだろう。
薄暗い空間からは泣き叫ぶ声とフェイトを呼ぶ声が、嬌声が響く前の少しの時間だけ続いていた。
なのはから卵子を回収した私は自分用に与えらた寝室に戻ってきた。
キングサイズよりも大きなベッドはここにきて初めて見たかもしれない。
そして寝室こそサキュバスの居場所であるというように、私はいつもこの場所でサキュバスの因子を体に深く馴染ませる訓練をしていた。
それはつまり自慰のことだ。
しかし、今日は他に優先してやるべきことがあった。
すでに自慰も毎日の日課になっていたのでやりたい気持ちは強いが、これはなによりも優先しなければいけない最優先事項なのだった。
「ふぅ」
私はベッドで横になると、両手を下腹部にあてて目を瞑る。
そしてーー意識を自分の中へ集中して、深く潜っていった。
そこには強い輝きを放つ球体があった。
その中には私の友人たるなのはが自らの体を抱くようにして眠っている。
そう、ここは私の子宮の中だ。
私は自分の卵子となってこの場所にいる。
サキュバスともなれば自分の卵子を操ることなど容易だし、相手を取り込むことも魔族ならば当たり前のことだ。
私は生み出す。強い卵を。
だから私は魔王様の言葉通りに、強さに手を伸ばした。
バチッと火花が散る。
なのはの卵子には外敵から身を守るように魔力のバリアが貼られていた。
女性の魔導師が男性から精液による魔力供給を行って妊娠しないのは、そもそも強い精子でなければ女性の卵子を貫通できないという点にある。
魔導師ランクが高いほど卵子を守るバリアも強固なのだ。
つまりなのはレベルの魔導師ともなれば、そのバリアは簡単に突破できるものではない。
だが。
それは表向きの話だ。
私は吸い上げたなのはの魔力を自らの卵子の膜に纏せて、再びなのはの卵子に接近する。
すると卵子は自分の魔力だと勘違いしてバリアを解除する。
そして。
「もらうよ。なのはの力」
「!?」
私の卵子がなのはの卵子の中に入っていく。
卵子の膜を食い破って、私がなのはに侵入する。
なのはの全てを自分の中に吸収しながら、彼女の力を手に入れる。
卵子の中で眠っていたなのはが驚愕するが、すでにその体は私の中に溶け込み始めていた。
彼女はなのはの魔力が形をとったもので、なのは本人ではない。
それでも見た目は先ほど見たなのはの生まれたままの姿と言ってもよかった。
だから彼女を取り込んでいると、なのはを犯している気分になる。
だがこれは魔王様のためだ。
なのはも魔王様に認められたら。
いや。
いまは力を取り込むことに集中しよう。
「なのは、私の一部になって。一緒に魔王様の卵になろう」
なのはの形をした卵子は抵抗しようともがくが、今では人間をやめた私のほうが力が上になっていた。
もがくなのはを抱いて自らの一部にしていく。
「なのは、ごちそうさま」
やがて私はなのはの卵子を自分の卵子の中に取り込んで、その力を一掃強くすることに成功した。
その後、はやての卵子も取り込んだ私は最高の卵子を生み出した。
ついに完成した魔王の器に相応しい最高の卵子。
これを排卵するときはすぐそこだ。
私は淫靡に股を広げて魔王を迎える。
これは、それから1週間後のことであった。
「魔王様、お待ちしておりました」
恭しく頭を下げる姿勢の一方で私の膣は濡れそぼっており、行為をせがむように愛液がぼたぼたと漏れてしまっていた。
だが、それも仕方のないことだと思う。
1週間前、卵子が完成したときのこと。
魔王様はあろうことか1週間の間、交わらないことを私に命じた。
魔王様も私と同じく最高の状態の精子を生み出すためらしいのだが、サキュバスにとって1週間も交わらないというのは拷問に等しい行為だった。
魔王様のために最高の卵子を宿した私は他の種族と交わるわけにもいかず、自慰だけでこの1週間を過ごした。
しかし魔王様のことを想って自慰を繰り返したことにより、彼に対する愛情はさらに深まったような気がする。
魔王様、魔王様。
どうか、その大きなおちんちんで私を突いて、貫いてください。
はやく、はやく、
「待たせたなフェイト。お前に器を孕ませる」
「はいっ」
魔王が取り出したおちんちんはすでに勃起していて、いつもより濃密なオスの臭いを纏っていた。
彼も私に最高の精子を送り込むために1週間射精をしなかったのだ。
自慰行為を延々と繰り返していた私よりも苦しかったはず。
「奉仕いたします」
私はそのおちんちんを愛でるように睾丸から亀頭までを舐め上げ、裏筋を刺激して、丁寧にしごき、愛撫した。触れる魔王様のおちんちんから感じる熱、臭い、魔力、そのどれもが今までの交わりで感じたことのないレベルに達していた。
今の私はこれを自分の中に挿れると想像しただけでイッてしまいそうになる。
「ぺろっ。はむ。ちゅむ。じゅる、れろ、れろ、んっ、ちゅるっ」
丁寧に丁寧に、魔王様のおちんちんを愛撫する。
「まずはお前の口の中に与えてやる」
「はひ、まほうさ、ま」
私が一心不乱に愛撫を続けていると、ようやく魔王様のお許しが出たので、おちんちんを口の中奥深くまで飲み込んだ。喉の奥でビクッ、ビクッと反応するおちんちんがなんとも愛おしく、私は尻尾を巻き付けてさらなる刺激を求めてしまう。
「だすぞッ」
魔王様のおちんちんから大量の精液が送り込まれる。
飲み込む量を上回る射精に口の中は精液で満たされ、私はがっちりと頭を掴まれているので逃げられない。
だが私は最初から逃げるつもりはなかった。
もちろん最初は、人間の頃は逃げたいと思っていた。
実際にいつ報復をするのかとそればかり考えていた。
しかし今は、魔王様の精液の全てを自分の中に収めたいという欲求に駆られ、それしか考えられない。
「んぐっ、んっ、んっ、ごくっ、ごくっ」
濃いオスの臭いと魔力、強者の精液が私の中に入っていく。
臓腑に収められた強者の精液に、私の体が歓喜しているのがわかった。
私はさらに静液をねだるようにしておちんちんを手で上下にしごき、尻尾や舌を巻きつかせて刺激する。絶え間なく送り込まれる精液を一滴も余すことなく飲み尽くした私は、ベッドに寝転んで魔王を誘った。
「魔王様、どうぞ。あなたのための場所です」
私は淫靡に濡れた膣を二本の指で広げて見せた。その中は魔王を待ち侘びる熱に溢れて糸を引き、メスの臭いを部屋に解き放つ。
それが彼にも効いたのか、大量に出したばかりのおちんちんは少しも硬度を失うことなく、私に種をつけるために雄々しく直立していた。
「いいメスに育ったな。最初から素質はあると見込んでいたが、俺の予想以上だ」
「お褒めいただき光栄です。どうか、褒美はこちらに」
「ああ」
魔王様からのお褒めの言葉は嬉しい。
だがサキュバスにとって最高の贈り物は精だ。
1週間待ち侘びた精を膣に出される。
これほどの褒美がどこにあるのか。
サキュバスになった私は静液が欲しくて堪らなかった。
「あ、あんっ」
魔王様のおちんちんが一気に私の奥まで入ってきた。
「きたっ、ああっ、おちんちんきて、るっ」
私の中に入ってきたおちんちんがいつもより大きいことを私は理解する。私の膣は魔王様のカタチを覚えているので、その大きさが、硬さが、いつもと違うならすぐにわかった。
愛しい魔王様に挿入された喜びでイッてしまいそうになるが、まだまだ楽しみはこれからだと私は堪える。
正常位で魔王様に覆い被さられて、奥を突かれた。
「ああっ、いいっ。いつもより、大きくてっ、硬いいい」
「お前の膣もいいぞ、この膣は俺のためにある」
「はいっ、あなたのためだけのっ、専用の膣です、どうかっ。精をください。あなた様の精を注いでくださいっ」
奥をひたすらに突かれる私の嬌声が部屋に響く。
行為は激しさを増して、魔王のピストンもその速さを増していった。
快楽に膣がうねり、魔王のおちんちんを刺激する。
「まず最初の一発だ」
「はいっ、ありが、とう、ございまっ、んんっ!!!」
ビュルルルルルル!!!
勢いよく発射された精液が子宮口をノックして、私は絶頂させられた。まだイクつもりはなかったが、久しぶりの感覚に体が歓喜の絶頂をして、少しも快楽を耐えられなかった。
「ああ、嬉しいっ。ではっ、この次は、私がっ」
そのまま体位を変えて私が上になり、騎乗位となって私は腰を振る。魔王様に奉仕するために、上下する腰に横の動きも加え、尻尾の先をおちんちんに絡ませて、力の限り腰を振った。
お互いの体液が混ざり合い、淫靡な音を立てる。
精液を纏ったおちんちんを膣に擦り付け、出し入れしていく。
「ああっ、奥まで、気持ちいいっ、当たるっ、気持ちいいっ」
ズン、ズン、と先ほどよりも自分のペースで力を入れることができて、快楽が自分の要求通りにやってくることの悦楽が私をさらなる快楽の海に溺れさせていく。
いつの間にか無心で腰を振っていたところ、魔王様が両手を引っ張ることで、より大きな衝撃が子宮に与えられた。
「ぐうっ、おおっ、これっ、しゅご」
そのまま魔王様の射精が重なることで、視界がチカチカと白くなるほどの衝撃が体を突き抜けた。
「おおっ、おっ、おおおおおっ」
オオカミが遠吠えをするように上体を逸らして嬌声を上げる。
「ぐうっ、膣が震えているぞ。ついにやったか」
「はぁ・・・はぁ・・・体が熱くて、あっ」
目を見開いた私は、自分の体に起きた変化。
その事実に気づいた。
自らの下腹部を触るとそこは異様な熱を持っており、淫紋はいつもり輝きを増して、ゆっくりと明滅するように発光している。
「これ、は」
「どうやら排卵したようだな」
「ああ、ああ、ついに」
私は絶頂によって排卵した。
魔王様の器となる存在、その核となる最強の卵子を排卵したのだ。
「よくやったぞフェイト。あとは俺の精を注いでやるだけだな」
そう言って魔王様は体位を後背位にして、尻を突き出す形になった私の体を撫でる。
「良い体だ。俺のメスに相応しい」
私はベッドに四つん這いになって枕に頭を埋める。
今から孕ませられるというのに自分の側からは魔王様が見えない。快楽は感覚として伝わってくるものの、視覚の情報がないことは私にゾクゾクとした別種の快楽を植え付ける。
とにかく魔王様のおちんちんをお迎えしなければと、私は尻を浮かせて膣の入り口を開き、魔王様を誘導する。
「はいるぞ」
今日何度目かの挿入、がっちりとして衰えを知らないおちんちんが私の中に入る。
私のふとももと魔王様のふとももが接触するカタチとなって、私たちの体は今日の中で1番密着していた。
「ああ、魔王様のおちんちん、私の奥にしっかり届いています」
「うむ。お前の膣が俺を咥え込んでいるぞ」
この体勢はお互いに気持のいいところが当たって、動かなくても快楽を得られた。
そうしてお互いに口と性器でのキスを済ませてから、私たちは本当の本番を始める。
「今日はお前を孕ませる。器を宿すまで続けるからなっ」
「はいっ、お願いします。魔王の種を、最強の精子を注いでください。あなたのために作った卵子に」
魔王様に気持ちのいいところばかりを突かれる。
これまでの交わりで私の弱いところは全て知られていた。
だから魔王様は私の感じるところを的確に突いてくれる。
「ああっ、そこっ、いいっ」
「お前の全てを理解したつもりだ。もっと欲しいか?」
「はいっ。欲しい、ですっ」
従順な性奴隷として、当たり前に主人の与えるものを欲する。
それが正しいことだから。
「俺のために成長した、進化した体だ。存分に浸るといい」
大きくなったお尻は魔王様のおちんちんをしっかりと咥え込んで拘束し、離さない、気付けば私は腰を上げてお尻を動かし、自分から魔王様のおちんちんを出し入れをしていた。
先ほど絶頂して排卵したばかりなのに、体も心もまだまだ刺激を欲している。
「この刺激がお気に入りのようだな。ならば」
「ひいっ、んっ」
魔王様は私の腰を両手で掴んで、お尻の肉が変形するほどの力で奥を突いてきた。
「おおっ、おっ、おおおおおおおおっ」
強烈な刺激に身体中が痺れる。
駆け回る快楽に息を乱しながら、だらしなくその行為を貪ることをやめられない。
「おっ、おおっ、おぉ」
「どうした、フェイト?」
私の意識は絶頂からか遠くなっていった。
まだ孕んでいないのに。
いや、これはまさか。
私は孕むために行動する。
だってサキュバスは孕むために最適な種族なのだから。
フェイトが意識を失った。
「どうやら受精のために、卵子を制御するための意識隔離を行なったか。サキュバスは孕む精子を選別することができる。この技術も体に刻まれた因子から引き出したか。強い魔導師としての素質も失っていない。まったく優秀なメスよ」
目の前のフェイトに意識はなく、ただただ体の自然な求愛として膣はきゅうきゅうと俺のペニスを刺激していた。張りのある尻を撫でて反応がないのは残念だが、フェイトの役目は俺の器を孕むことだ。
「俺も精子に全てを乗せて送り込まねばな。この体も限界が近い。お前が最高の母体となり、俺を産む。これで世界は俺のものとなる。さぁ、始めるぞ」
俺はフェイトの腰を掴んでしっかりと密着し、己の全魔力を下半身に集める。
そして俺の精液は大量の魔力を纏い、フェイトの中に向かって進む。
俺の中からフェイトの中に、溢れる精子の群れが送り込まれる。
待っていろ。
お前の作り上げた最高の卵子。
必ず俺様のものにする。
微睡の中にいた。
温かな感覚の正体は自分の子宮の中、生み出した卵子のものだと気づく。
私は子宮の中で卵子の膜に覆われて、生まれたままの状態で漂っていた。
それは主人の到来を待つ時間。
私の全てを真の意味で捧げるために。
そして、その時はすぐにやってきた。
黒い魔力の波動を感じる。
黒い津波のような精子の群れが私を襲っている。
すでに大量の精液が送り込まれて、私の卵を探しているのだ。
「魔王様」
精子の到来に歓喜する私だが、喜んでばかりもいられない。
私が妊娠しなければいけないのは魔王様の最強の精子なのだ。
その他の精子で孕んではいけない。
「ううっ。ぐうう」
叩きつけるような精子の雨が、私を目掛けて突っ込んでくる。
自分の情報をメスに埋め込むため、命を賭して行われる交合。
すでに卵子は大量の精子に囲まれて、うねうねと動く群体にその周囲を完全に覆われようとしていた。
「させないっ」
私は己の中に溢れる魔力を使って卵子を守った。
魔力のバリアで守れる程度の精子ならば、それは最強の精子ではない。
「はああああああ」
私は的確に魔力を行使することで突進してくる精子を弾いていった。
この卵子は最強の魔導師三人の力を掛け合わせて生まれたものだ。
そう簡単に破れるものではない。
これは私の大切なーー?
あれ、なんだっけ。
思い出せない。
「なんだろう、この気持ち」
そうこうしているうちに、強い魔力の気配を感じた。
そこに現れたのは。
「ああ、魔王様。流石です」
その精子はあまりに大きすぎた。黒い魔力を纏って、雄々しく私の元へと進む姿。他の精子をものともせずに、ただ私を喰らうためにその先端を開く。
「ああ、ありがとうございます」
卵子よりも巨大な精子が口を開き、卵子の私を丸呑みにした。
私は精子の中に取り込まれて、今から魔王様と一つになる。
「ああっ、ああっ、魔王様が私の中に流れ込んでくる。これで一つにーー」
私の卵子を喰った精子は卵子を取り込むように丸くなって、受精卵となった。
お互いの強力な魔力の交わりによって、新たな命が誕生する。
その交わりに世界が、子宮全体が震えた。
あまりに圧倒的な魔力に、全ての精子が卵子への特攻をやめて、自らが栄養になるべく自分を差し出していく。
魔王が宿る受精卵を魔王卵という。
全ての種を従え、その魔王卵を育てる母体に大いなる力を与えると魔王様が言っていた。
そして魔王卵がいまーー私の胎盤に着床する。
溢れる力をお腹から感じた。
「魔王、様」
「おお、よくやったぞ」
目覚めた私は魔王様と抱き合った。
まだ挿入されたままで密着して、お腹に宿った新たな命を祝福する。
「ああ、ついに孕むことができました。ここに、魔王様の器がいるのですね」
私の腹には魔王の証たる爪痕がサキュバスの淫紋と重なるように刻まれて、器はすでに成長を始めていた。
魔族は体内での成長が早く、1日もあれば出産が可能になるはずだ。
「器の栄養だ。残りの精液も飲ませてやろう」
「はっ、はいっ! ありがたきしあわせ」
魔王様の精液を膣から吸収する。
その全てが私の栄養となり、やがては魔王様の器を育てることになる。
「んちゅ。あむっ、れろっ、おいしい。この臭いと味が好きです」
「そうか。俺も嬉しいぞ」
魔王様のおちんちんを綺麗にしていると、魔王様が私の頭を撫でた。
その表情はどこか憂いで陰っているように見える。
「魔王様、どうかされましたか?」
「いや、私が器に宿り、生まれるまでが不安でな」
「私では力不足でしょうか?」
「それは違うぞ。お前は役目を果たし、最高の魔王卵を宿した。俺はお前を守ってやれないことが不安なのだ」
魔王様が私のお腹の中で器に宿る1日の間、私は魔王様の母体として器を守らなけばならない。
命をかけて守る覚悟はあるが、まさか魔王様が私のことをそこまで考えてくれていたなんて思わなかった。
私は感極まって泣いてしまった。
「ありがとう、ござい、ますっ」
「お前は最高の母体として役目を果たしている。それに応えてやりたい」
「はい。そのお気持ちだけで私は救われます。どうか全てを私にお任せください。御身は先の憂いなく、私の中でお過ごしください」
「そうか。わかった」
ひとしきり私を撫でたあと、転生の魔法を使った魔王様の体が粒子となって私のお腹に注がれていく。
「あっ、ああっ、魔王様が宿るっ」
魔王様が魂が器に宿ったことで私のお腹は膨らんで、人間の女性であればすぐに出産してもおかしくないほどの大きさになっていた。
「ふぅ、ふうっ、魔王様っ、ああっ」
お腹の中の魔王様が私から大量の魔力を吸い上げている。
先ほど魔王様から貰った精はすでに食べ尽くし、私の体から魔力を吸い上げていた。
生まれる前からこの力、あまりに強すぎる。
おそらく魔王様に勝てるものなど誰もいない。
私が生み出した魔王卵から、最強の魔王様が誕生する。
考えただけでも興奮する。
「ああっ、魔王様、吸いすぎて、あっ、あっ」
私は大きくなったお腹を抑えようとするが、お腹は異様なまでに膨らんでもなお、まだまだ食べ足りないというように魔力を求めていた。
「このままじゃ、魔力が足りない」
私が魔王様を育てるのに魔力が足りるのか、最後には自分の命をと考えていたとき、私と魔王様しか入れない寝室の扉が開かれた。
「ソんなとコろで、なに、ヤってるのカなーーフェイトちゃン」