※この作品はR-18です。

クソゲーハンターの兄は狙われている   作:ボルメテウスさん

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会社の裏取引

「――よし」

 

仮想デバイスを頭部に装着すると同時に、現実世界がブツリと遮断される。視界いっぱいに広がるのは、ネオンサインと看板が乱舞する電子の街並み。ビルの谷間に蠢く人々は全てアバターだが、その動き一つひとつにプログラム以上の「欲望」が滲んでいる。この「Adult City」は、企業経営シミュレーションと裏社会取引の融合というテーマが最大の魅力であり、最大の問題児だ。

 

俺――陽務要は、開始早々に小さなITコンサルティングファームを買収。表向きは堅実な経営で資金を蓄えながら、裏口では既に動き出している。

 

「次は東亜貿易グループとの資源提携……いや、こいつらは高圧的すぎる。リスクが大きいな」

 

指でタッチパッドを操作すると、ホログラムウィンドウに現れた敵対的なビジネスパートナーのプロフィールが赤く警告灯を灯す。「武力行使歴あり」。その文字列だけで背筋が冷える。

 

だがここで退けば敗北。逃げ道など最初からないのだ。

 

「だったら――もっと強い相手を引き込めばいい」

 

狙いは西欧系財閥「ブラックオーロラ」。彼らと組めれば、東亜貿易は潰せる。だがこちらの提示する条件を飲むだろうか?

 

『……我が社と提携したい?』

 

通信越しのホログラム映像には、黒髪ショートヘアの凛々しい女性CEO。瞳は氷のようで、視線を合わせただけで心臓が締めつけられる。

 

「ええ。ぜひ共同で新技術の開発を」

 

『残念ですが我々は既存顧客優先です。それに貴社の規模では……』

 

ここだ。

 

俺は微笑みつつ、指先で端末を素早く操作する。「肉体取引」モードへ移行。

 

すると途端にCEOの態度が変わる。

 

『……交渉次第では考えましょう』

 

「ではこちらをご覧ください。これは弊社独自の暗号解読AIです」

 

俺が示したのは開発途中のデータ群。本来であればこんなもの売れない。だが彼らが喉から手が出るほど欲する技術だと確信している。

 

『……ほう。なかなか面白い』

 

「さらに条件として、東亜貿易への牽制をお願いします」

 

『それだけですか?』

 

「いいえ。貴女の時間を少しお貸しいただければ」

 

刹那、会議室の空気が凍る。

 

数秒後。CEOは唇を歪ませた。

 

『……いいでしょう』

 

契約成立。取引完了画面がポップアップする瞬間、胸の中に熱いものが込み上げてくる。

 

これが快感だ。

 

勝ったという充足感。

 

支配したという優越感。

 

そして――相手が屈服した瞬間の陶酔感。

 

俺は勝者として、さらに上を目指す。

 

ゲーム画面の右下隅では数字が狂ったように跳ね上がる。「資産200億ドル突破」「影響力ランク1位」「最速到達記録更新」。全て俺の功績だ。

 

「これが、ゲームじゃなく、現実だったら、良いけどなぁ」

 

そうして、現実ではない事に寂寥を感じるも。

 

「やっぱ現実は現実で良いなぁ」

 

そう感じてしまうのであった。

 

「申し訳ございません!商品配送の手配ミスで……」

 

震える声と共に差し出された報告書が机上を滑る。

 

液晶画面に表示された損失額は5千万ドル。

 

俺は黙って書類を眺め、やがて指先で叩いた。

 

「お前の辞職願いは受理した。手続きはこちらでする」

 

「待ってください!他に方法がありませんか!?」

 

土下座した女性社員の髪が床に散る。

 

俺は椅子を回転させて窓の外を見る。夜の街は欲望の海だ。

 

「……条件がある」

 

立ち上がると同時に空気が張り詰めた。

 

「三ヶ月間。お前のすべてを捧げるなら」




もしシャン

「凄いです!どうやったら、そういう動きが出来るんですか!!」

今、俺は最大のピンチに陥っていた。
それは、これまでの誰よりも強敵だと理解している。

「えっと、いやぁ、その、一つの事に夢中になってかなぁ」
「そうなんですか!やっぱりサンラクさんのお兄さんだからですか!!私もそういう風になりたいです!!」

それは、目の前にいる人物、秋津茜である。
彼女は、一言で言えば光属性である。
これまで、俺の周囲には、あまりにも癖が強い上に、大体は、俺の下ネタが放っても大丈夫な奴らばかりだが、目の前にいる彼女は違う。
先程までの俺がエロ本に夢中になった際の動きを普通に尊敬するように見つめている。
この視線が、かなりキツい。

「私も一つの事に夢中になって走っているんですけど、やはりダテさんのようには出来なくて」
「・・・えっと、そうだな、俺の場合は、それが本当に死ぬ程好きだからな」
「つまりは死ぬ気で頑張るって言う事ですか!」
「うっうぅん」

そんなキラキラした眼で見ないでくれ。
俺は、そんな眼で見られるのに相応しい人間じゃないんだ。
だからと言って、嘘はつけない。
どうすれば良いんだ。

「・・・よし、ならば、秋津茜!これから特訓だ!」
「おぉ、良いですね!お願いします!!」

この場での誤魔化す為の、行動をする事にした。
あまり意味のないような特訓を行っていこう。
そう考えていた。
俺は、そのまま昔の漫画で見た、デタラメ特訓を秋津茜にやらせた。
結果。

「凄いです!ダテさんの言う通り、見た事のないスキルを手に入れる事が出来ました!」
「・・・マジで」

世の中、数多くのプレイヤーがいる。
だが、目の前にいる秋津茜のような人物は、おそらくはあまりいないだろう。

もしシャンは連載版あり?

  • あり
  • なし
  • タイトルでバンされる可能性あり
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