※この作品はR-18です。

クソゲーハンターの兄は狙われている   作:ボルメテウスさん

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悪魔の街

その過剰なリアリティと没入感を追求するあまり現実との区別が曖昧になっている俺だが、今、手の中にあるのはまた別の種類の危険な香りがプンプン漂うソフトだ。

 

『デビルハウンド』

 

パッケージには禍々しい髑髏のデザインと、「汝、人の魂を喰らい願いを成就せよ」という血文字風のキャッチコピーが踊っている。うーん、いかにもクソゲー臭がする。

 

しかしカッツォが「これこそが本物のクソゲーだ」と太鼓判を押すのだから間違いあるまい。

 

さっそく自室のベッドに寝転がり、VRヘッドセットを装着する。

 

「……ここがデビルハウンドの世界か」

 

視界が開けると、そこは薄暗く霧に包まれた街だった。空は鉛色に澱み、建物からは腐臭が漂ってくる。いかにも悪魔が跋扈しそうな雰囲気満点だ。

 

自分の姿を見てみると。

 

「うぅ、頭に犬耳が生えてる」

 

俺のキャラクターは人型だが犬耳と尾が付いている。悪魔の階級は一番下の「悪魔の猟犬」。最初から淫魔とか選べたりしない辺り、ちゃんと段階があるみたいだ。まずは人間を殺して魂を集めて力をつける必要があるらしい。

 

最初のミッションは「裏路地で売春婦を襲うチンピラ共を退治せよ」だった。

 

(これって……)

 

チンピラ共を殺害し魂を回収するとシステムメッセージが流れる。

 

『あなたは“弱者の保護”を選びました』

 

『淫魔としての素質がわずかに向上しました』

 

え?

 

待て待て待て。淫魔要素が絡んでくるのかよ!?しかも行動によってスキルが増えていくとか設計思想が狂ってる。いや期待通りと言えばそうなんだが。

 

その後も連続で悪人退治ミッションばかり受けていたら気づけば「淫魔:初級」という肩書きがついていた。鏡を見ると確かに肌艶が良くなり目がトロンとした感じに。

 

そんなある夜。

 

霧が一段と濃い路地裏で誰かの声が聞こえた。

 

「あなたも悪魔なのですね」

 

振り向くとそこに立っていたのは白いワイシャツにパンツスタイル、長い赤髪を三つ編みにした女性。鋭い黄色の同心円状の瞳が不気味に輝いている。

 

尋常ではない圧倒的なカリスマ。

 

(マキマ……?)

 

どこかで聞いたことのある名前。チェンソーマンに出てくるやばい奴だっけ?

 

「私はマキマ。あなたとは仲良くなれる気がします」

 

「いや初対面でそれはちょっと……」

 

言い淀んだ途端、全身から汗が噴き出して脳が痺れる感覚。

 

「なっ!?」

 

「発情期状態にしてあげます。あなたが望んだことでしょう?」

 

彼女がニヤリと微笑んだ瞬間、股間を中心に異様な熱が全身に広がる。理性を保とうとしても抗えない快楽の奔流。呼吸が乱れ視界が歪む。

 

「うぁ……ああああぁぁ!!」

 

悶え苦しむ俺の前でマキマは優雅に近づいてくる。

 

「苦しいですか?でもこれはあなた自身の欲望の表れです。受け入れてください」

 

「ふざけんな!これはお前が……!」

 

必死で抵抗するが体が言うことを聞かない。足がガクガク震え立っているのがやっとだ。

 

「安心してください。痛みはありませんよ。ただ全てが快感に塗り替えられるだけです」

 

彼女は冷たい指先で俺の頬をなぞる。その感触だけで腰砕けになりそうになる。これは現実世界でも経験したことないレベルの刺激だ。

 

「ふふっ、面白いプレイヤーを見つけた事だしね、名前はダテね」

 

そう、マキマは、俺の首に首輪を嵌める。

 

「それじゃ、こういうプレイも楽しもうか」




もしシャン

「サンラクさんのお兄さんですよねぇ」
「おっおぅ」

眼前にいる鎧に身を纏った人物。
このシャンフロ内においては最高火力の名を持つプレイヤーであり、あいつの妹だという事を知っている。
そんな最高火力こと、サイガ-0は何やら聞いてきたが。

「聞きたい事があります!」
「なっなんだ?!」

眼前にいる人物。
彼女は、一体、何を聞くのか。

「そっその」
「その」
「サンラクさんはどんな女が好みですか?」

その瞬間、俺は宇宙を見つめた猫を想像したのは、間違いないだろう。
確か、聞いた話だと、かなり大人しいタイプの子だと聞いた。
けれど、そんな事を普通に聞くか?

「えっと、あの」

だが、それを聞いてきたという事は、何か意味があるはず。
そう言えば、聞いた事がある。
性癖にはその人物の全てが反映されるという考えの持ち主で、初対面の男性はこの質問をして人となりを知ろうと試みる。
最高火力という名の通り、確かストイックな性格だと聞く。
ならば、これはもしや今、話題になっているサンラクを攻略する為の行動なのか。

「そっそれで、聞くけど、なんで」

俺は、思わず聞く。
すると。

「えっ、そっその、この前のゲームショップで見かけて、それで」

サイガー0、まさか、そんな頃から。
いや、よく考えれば、あいつもそういう所があった。
なるほど、これが奴らの家系という訳か。
恐ろしい、まさか、そんな時から計画していたとは。
ここまで戦慄したのは、永遠と百以外に現れるとは思わなかった。

「・・・確か、聞いた話だとシャラハールだって聞いたなぁ、フェアクソの」
「っありがとうございます!」

それと共に、サイガー0はその場を去って行った。

「・・・斎賀家、恐るべし」

もしシャンは連載版あり?

  • あり
  • なし
  • タイトルでバンされる可能性あり
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