シャングリラ・フロンティアのゲーム内にて。
とある二人の人物が密会している。
「という事で、カッツォ君には私の恋愛を手伝って欲しいんだ」
「…何を言っているんだこいつは」
それは、先程まで話題に出て来た人物の一人。
蛇の林檎の店内にて、例の人物の一人である天音永遠ことアーサー・ペンシルゴンは、クソゲーフレンズの一人であるオイカッツォに相談していた。
「いやだなぁ、いきなり暴言だなんて、酷いじゃないか」
「いや、いきなり恋愛相談するなんて、普通に警戒するだろ、お前が」
彼女のこれまでの所業を知っているからこそのオイカッツォの問いかけに対して、ペンシルゴンは溜息を吐く。
「それがね、最近になって結構厄介な事が分かっちゃったんだ。私の好きな人、どうやらサンラク君のお兄さんだったんだ」
「はぁ、それは同情するよ、サンラクに」
「何か言ったかなぁ?」
「なんでもないです」
「だってさぁ……」
とペンシルゴンは紅茶のカップをクルクル回しながら口を開いた。
「幼い頃からずっと知っている仲なのかな、彼の事を考えると」
そうして、頬を赤らめながら彼女は。
「面白くて仕方ないんだよねぇ」
「うわぁ、絶対に玩具にしか思っていない感じだぁ」
オイカッツォが若干引いたような態度を見せながら、それでも好奇心を抑えられない様子で尋ねる。
「それで、どんな奴なんだ? サンラクの兄貴は」
「うんとね」
ペンシルゴンの目が怪しく輝いた。
「サンラクってさ、クソゲー愛好家な変態でしょ?」
「うん? まあそうだな」
「その変態性をさらに八割増しの人」
「お前、それもう人じゃなくて生き物としてアウトだろ」
ペンシルゴンは「ふふっ」と笑みを漏らした。
「まぁ、確かにね、けれど、結構凄い所もあるんだよ」
「凄い所って、なんだよ?既に変態という事でヤバい奴という認識しかないだが」
「それがさぁ、なんとエロ本というワードを聞くと、通常の3.6倍の動きをする事が出来るんだよ。それもサンラク君以上に」
「確かに凄いけど、それ以上にヤバいな」
「それにしても」
「何だよ」
「なんでまた、そんな変態と付き合いたいんだよ」
オイカッツォの鋭い質問にペンシルゴンは僅かに驚いた様子を見せたが。
「だってねぇ、面白いからさぁ」
そう言って彼女はゆっくりと立ち上がり窓際へ歩いた。夕焼け色に染まり始めた空を見つめながら言葉を紡ぐ。
「それにさぁ」
「それに?」
「彼ならきっと私の退屈を満たしてくれると思うんだよねぇ……」
そう告げる彼女の瞳には確固たる信念のようなものが宿っているように見えた。しかし次の瞬間にはいつものニヤケ顔に戻り肩をすくめる仕草を見せて座った。
「まっ、とりあえずそういうことだから協力お願いしまーす♪」
「なぜ、それで協力すると思っているんだ」
「えぇ、だって、私が身内になれば、サンラク君への勧誘もよりやりやすくなるじゃん。君だって、自分のチームにサンラク君を入れたいでしょ」
「身内を利用するなんて、最低だな」
「けど、サンラク君に私が彼を狙っている事をそろそろ知られると思うからね。なるべく早めに手を打たないとモモちゃんに取られる可能性があるんだよねぇ」
「モモちゃん?」
急に出て来たワードにオイカッツォは疑問に思うと。
「もう一人の幼馴染で、彼女も彼を狙っているの。この前、あと一歩でホテルまで連れて行けそうだったんだけど、ごみ箱にエロ本があったから、それを見て、脱出されたんだよねぇ」
「犯罪レベルじゃないか」
そうして、呆れたような視線で彼女を見る。
「だからこそ、早めに確保する為にも協力を頼みたいんだよねぇ」
「・・・というか、結局はお前自身の願望に他人を利用して楽しむのが目的だろ」
オイカッツォの言葉に、ペンシルゴンは口角を上げる。
「流石だね。よく分かったね」
「お前との付き合いも長いからな。お前の企みなんて大体わかるよ」
「うんうん。やっぱり、協力者は君が適任だよね」
「第一、なんで俺を選んだ?そういう事だったら、他の面々に相談すれば良いんじゃないのか?」
「それが、まずは彼の好みを私にしないといけないんだけど、彼って、現実の女にはあまり興味がないんだよねぇ」
「はぁ、見た目だけは良いペンシルゴンに興味がないとは意外だなぁ」
「でも、彼ってどちらかといえば純情というか堅物だし」
「でも、エロ関係になると豹変するんだろ」
オイカッツォの言葉にペンシルゴンは頷きながら言う。
「でも彼は基本的には誠実なんだよ。だから私のようなタイプは警戒されて近づけないの」
「それじゃあどうすんだよ」
「言ったでしょ、彼の好みを私にするって」
「だから、どうやってだ?」
そうすると、ペンシルゴンが次に呟いたのは。
「私に似たヒロインが出て来るエロゲーを教えて。それを瑠美ちゃんに頼んで、やらせる」
「外道だ!ここに外道がいる!」
「知っているよ、まぁ私は手段を選ばないから」
そう言い放ちながら、彼女は意地悪い笑みを浮かべた。
「というか、なんで俺に聞くんだよ」
「えっ、だって君、プロゲーマーでしょ。こういうのも詳しいと思って」
「俺は、そういうのはやらないんだよ!」
「えぇ、仕方ない、だったら、例の「よし分かった、なんとかしよう」本当にいやぁ、やはり持つべきは異性の友人だねぇ」
「俺は奴隷になった気分だよ」
もしシャンは連載版あり?
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