百の酒瓶が畳に転がる鈍い音がした。
次の瞬間、俺の眼前に巨大な「山」が出現する。
「おぉふっ……!!」
ごろん。否、「どばさっ」だ。
重力に従って弾むように倒れ込んだ百の肉体が、俺の太腿に乗るどころか股間と胴体全域を一瞬で覆う。
浴衣の襟元がはらりと解け、見慣れたはずの自宅照明が、突如出現した白磁の膨らみの頂点で反射して七色に輝いた。
「ちょ……おい百!?」
「……っ……うふ……ふふふ……」
返ってきたのは蕩けるような笑い声と濃厚な甘い香り。
首筋に添えられた彼女の長い黒髪がさらさらと落ちてくる感触と同時に、胸部から腹部へ渡る圧力が「プニュルン」と音を立てるような勢いで充填される。
「(やばいやばいやばい……マジで窒息レベルだコレ!)」
脳内で警告音が鳴り響く。何しろ眼前の乳肉の谷間が完全に閉じてしまっていて何も見えない。俺の唇は百の肌着一枚隔てた薄桃色の領域と接吻状態だ。
「くっ……(鼻血が出る予感)」
反射的に仰け反ろうとした刹那、肩口に細い指が巻き付く。
「……かなめ……キス……して……?」
「…………は?」
酔いと眠気で輪郭がぼやけた声なのに、瞳だけは潤んだまま俺を捉えて離さない。
銀魂の新八だったらここで盛大にツッコミを入れるんだろうが、今の俺はただただ酸欠状態だ。
「(今これを拒む理由を探す方が難しいな……)」
決断は一瞬だった。
「……わかったよ」
言い終わる前に百の瞼が閉じる。その瞬間、ふわりとアルコール混じりの吐息が鼻腔を掠めた。
そして――
ちゅっ。
柔らかい。
それは確かに感触としてあった。ただしその後ろには彼女の特盛双丘という凶器が常時スタンバイしており、一度キスを終えただけでも全身の血液が下半身に集中してしまいそうになる。
「(落ち着け……全年齢版ではないとはいえ最低限の倫理観はあるはずだ)」
自己暗示を掛けつつ視線を持ち上げると、
百の長いまつ毛が震えながら再び開いた。
「…………もっかい……」
「…………仕方ねぇな」
今度は自分から求めるように顔を傾ける。鼻先同士がこすれ合いながら近づけば、温もりだけでなく彼女の微かな脈動までも伝わってくるようだ。
再度接触した唇は先程よりも少し熱を帯びていた気がした。最初は躊躇いがちだった吐息が徐々に重なり始めると同時、俺の手に小さな手が重なる。
その掌から伝わる湿度と緊張感が最高潮に達したとき―
ふと、百の背中がぶるりと震えた。
「……ふぁっ……」
驚くべきことに酔眼の少女はそのまま俺の胸板へ倒れ込む。結果として俺の腰骨付近に当たるのは当然豊満極まりないそれであり―
「(完全に終わった……社会的な意味で)」
呼吸困難と幸福の狭間で悶絶しつつも確信したことは一つ。
今宵この家から帰る術を失ったということだ。
「んっ……ぅ…」
百の舌が俺の口内に滑り込んでくる。普段なら絶対に許されない行為だが、酔いの魔力は恐るべきものだ。俺は壁に押し付けられながら、彼女の熱を帯びた吐息と粘膜の接触に溺れていく。舌先が触れ合った瞬間、背筋に電流が走った。
「百っ……ちょ……」
制止しようとする声はすぐに飲み込まれてしまう。彼女の両手が俺の首筋を這い上がり、頭を固定してきた。唾液の糸が伸びては切れるたびに脳が痺れるような感覚が襲う。浴衣の裾が床に落ちて波紋を描き、俺の膝頭に絡みつく。
「ぷはっ……息できな……」
わずかに唇が離れた隙に抗議しても、
「んー……♡」
また塞がれる。今度は更に深く。お互いの歯列をなぞり合いながら進むキスはどんどん貪欲になり、ついには俺の顎下まで唾液が垂れるほどだった。
「やば……いって……」
懇願しても聞く耳を持たない百。むしろ興奮を煽ってしまったのか、彼女の手が俺の胸板を撫で回し始める。着物越しでもはっきり分かる柔らかな膨らみが押しつけられ、理性がぐらつく。指先が乳首を探り当てると、思わず身体が跳ね上がった。
「ひゃっ!?」
「……ふふ♪」
悪戯っぽく笑う百。その振動だけで唇同士がぶつかり合い、唾液が泡立つ。俺の股間は既に誤魔化しようもない状態になっていたが、百は一切気に留めず攻勢を続ける。
「んぢゅ……ん…んっ♡」
執拗な吸引と舌の絡み合い。口腔全体を使って弄ばれているうちに意識が朦朧としてきた。汗ばんだ肌同士が密着し、布地の境界線さえ曖昧になる。彼女の帯紐が緩み、衿元がはだけていく光景はまさに官能そのもの。
「だめだって……これ以上は……!」
「だめなの……?」
潤んだ瞳で問われる。その答えを探す暇もなく再び接吻が始まる。今度は互いに呼吸を合わせるように調整し、より滑らかな動きで求め合う。時間が止まったような錯覚の中、俺たちはただ貪欲な獣のように粘膜を交換し合った。
「ぢゅるっ……れろ……♡」
卑猥な水音が部屋中に響き渡る。唾液が混ざり合い、粘ついた液体となって顎を伝っていく感覚さえ興奮材料だ。百の指先は相変わらず俺の弱点を確実に捉えており、時折腰が砕けるほどの刺激を与えてくる。
「んふっ……!」
「苦しい?」
耳元で囁かれながらも解放してくれない。むしろ追い討ちをかけるように首筋を甘噛みされ、全身が粟立つ。その隙に彼女の舌が鎖骨を這い始め、俺の忍耐力は限界を迎えようとしていた。
もしシャンは連載版あり?
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あり
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なし
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タイトルでバンされる可能性あり