戦乙女の黙示録 (Apocalypse of the Valkyries) 作:redhot
これだけでも十分なオーバーテクノロジーなんですよね。
射程200km以上って何?
絶対防衛線の構築が本格化する中、日本帝国側からの技術共有の要求は強まる一方だった。
臨時司令部での会議は、配備された機体の性能に驚嘆する声で満ちていたが、碇ゲンドウをはじめとする軍上層部は、さらなる譲歩を求めてきた。
「技術の片鱗でも共有せよ」との声が高まる中、私は影からセルベリアに指示を出した。
技術提供はできないが、機体をレンタルで貸し出せる――それが、私の妥協案だ。
セルベリアは、パイロットスーツのヴァルキリーマークを輝かせ、会議室の中央に立った。
姉妹たちの視線が彼女を支え、マーリンとベルファストが補佐として控える。
「皆さんの要望、理解するわ。だが、お父様の意志は明確よ。技術提供は不可能。でも、機体のレンタルなら可能。BETA駆逐の為に、陸戦型ジム120機、ガンタンク120機、ガンキャノン120機を提供する。30個小隊分として編成し、防衛線に配備よ」
虚空から、機体群が具現化された。司令部の外、広大な演習場に、無数の影が降り立つ。
まず、陸戦型ジム――RGM-79[G]、全高18メートルの量産型モビルスーツ。
白を基調としたボディに青と赤のアクセントが入り、陸戦特化の強化脚部が大地を踏みしめる。
ビームライフルを右手に、シールドを左腕に装備し、バックパックにはミサイルポッド。
ジムのシンプルで実用的なデザインが、120機の群れとして並ぶ光景は、圧巻だった。
次にガンタンク――RX-75、頭頂高15メートルの砲撃支援機。
戦車のような青いキャタピラー下半身に、赤い上半身が接続され、肩部に120mmキャノン砲二門を備える。
両腕のミサイルランチャーとコア・ファイター搭載の頭部が、遠距離火力の象徴だ。
120機がずらりと並び、大地を震わせる。
最後にガンキャノン――RX-77-2、頭頂高17.5メートルの赤い中距離支援機。
人型ボディに肩部キャノン砲二門を装備し、ビームライフルとスプレーミサイルで武装。
バックパックのスラスターが、機動性を示す。120機の赤い機影が、太陽を浴びて輝く。
これらを30個小隊に分け、各小隊は陸戦型ジム4機、ガンタンク4機、ガンキャノン4機の混合編成。
モビルドール制御で運用可能とし、日本側のパイロットが乗ることも考慮。
レンタル形式で、契約期間中はBETA駆逐にのみ使用。
日本側の反応は、即座に沸騰した。
榊総理が、眼鏡を押し上げて呟く。
「……信じがたい。陸戦型ジムの機動性、ガンタンクの砲撃力、ガンキャノンの支援射撃……これで防衛線は鉄壁になる」
ゲンドウが、手を組み、冷たく。
「フン。レンタルか……技術を隠す策か。だが、機体の性能は認める。あのガンタンクのキャノン、戦術機の火力を凌駕する」
冬月が、分析的に。
「混合小隊の連携は完璧。レンタルなら、運用データを収集できる。オーバーテクノロジーの片鱗を掴むチャンスだ」
ユイが、優しく微笑み。
「ゲンドウさん、喜びましょう。これで人類が勝てるわ。でも、レンタル終了後、どうなるのかしら?」
沖田が、落ち着いて。
「ガンキャノンの肩砲、海軍の主砲並みだ。レンタルで貸し出すとは、太っ腹だな。だが、信頼できるか?」
香取が、穏やかに。
「提督、ええ。陸戦型ジムのシンプルさ、使いやすそう。傭兵の好意、受け入れましょう」
武御雷康平が、豪快に笑い。
「ははは! ガンタンクのキャタピラー、武御雷家としても欲しいぜ! レンタルでよし、俺が乗ってBETAをぶっ飛ばす!」
不知火五十鈴が、鋭く。
「待てよ、康平。レンタルとはいえ、性能は戦術機の比じゃない。ガンキャノンの射撃精度、ドラムロ以上の爪撃……正体を探るべきだ」
月 詠真壁が、重厚に。
「レンタル機は脅威にもなる。だが、BETAを止める実力は事実。運用を厳しく監視せよ」
斑鳩崇継が、冷静に。
「陸戦型ジムの量産性、ガンタンクの耐久……制御できるか? 」
崇宰恭子が、優雅に。「
崇継さん、ええ。女性として、機体の力強さに惹かれるわ。でも、レンタルの条件、しっかり確認ね」
今川雷蝶が、強く。
「小弓公方として言う。あのガンキャノンの赤い力、誰よりも強く美しい。レンタルで雇うなら、五摂家が主導権を」
大和が、穏やかに。
「ガンタンクのミサイル、素晴らしいわ。でも、レンタル終了後の返却、確実に」
武蔵が、自信たっぷりに。
「あの陸戦型ジムのシールド、オーバーテクノロジー、俺がテストしてみてぇぜ!」
ウリバタケが、興奮気味に。
「おいおい、なんだあのガンタンク! キャノン出力が戦術機の次元じゃねぇ! ガンキャノンの肩砲、陸戦型ジムの機動……BETAのレーザー級にも耐えそうだぜ!」
シバシゲオが、陽気に。
「 あの混合編成、戦術機の限界ぶっちぎってるぜ。レンタルでよし、性能差が天と地だよ、おやっさん!」
榊清太郎が、重厚に。
「ふむ……あれは別次元だ。レンタル機の精度、火力、耐久……すべてがオーバーテクノロジー。BETA駆逐の鍵になるが、傭兵の手に握られてるなんて、背筋が寒くなるな」
セルベリアが、毅然と。
「レンタルは、お父様の好意よ。技術は守るが、勝利は共有する。防衛線を、共に守りましょう」
反応は、感謝と警戒の混ざり。機体の提供は、防衛線をさらに強化し、BETAの影を遠ざける一手となった。
影から指示する私のもと、戦いは進む。
今回はここまで。
では、また次回に。