戦乙女の黙示録 (Apocalypse of the Valkyries) 作:redhot
絶対防衛線の構築は、着々と進んでいた。
機体のレンタル提供――陸戦型ジムの機動性、ガンタンクの砲撃力、ガンキャノンの支援射撃――は、日本帝国側に大きな衝撃を与え、感謝の声が上がった。
だが、私は影からセルベリアに指示を出した。
こちらが譲歩したのだから、次は向こうが要求を聞く番だ。
将軍である煌武院悠陽との個人面会を要求せよ。
セルベリアは、臨時司令部の会議室で、毅然と申し出た。
「お父様の意志よ。機体をレンタルで貸し出した以上、次はそちらが私たちの要求を聞くべきだ。将軍、煌武院悠陽との個人会談を要求する」
日本側は戸惑いを隠せなかった。
榊総理が眼鏡を押し上げ、「それは……将軍閣下のスケジュールにもよるが」と言葉を濁すが、ゲンドウが冷たく手を組み、「フン。傭兵の要求か。だが、機体の価値を考えれば、応じる価値はある」と認め、他の面々も渋々同意した。
こうして、面会はセッティングされた。
場所は、ソウル近郊の厳重警備された要塞内、私と煌武院悠陽のみの個人会談。
煌武院悠陽は、長い紫色の髪を優雅に流し、青い瞳に知性と威厳を宿した美女だった。
十代後半の成熟した体躯を、帝国将軍の黒い軍服――金色の階級章が輝くジャケットとタイトなスカートで包み、将軍らしい凛とした佇まい。
彼女は、部屋に入るなり、静かに座った。
「傭兵の首領か。単刀直入に、何を望む?」
私は、普通の人間の顔で、静かに伝えた。
「貴方を、第二の十二姉妹の長女として欲しい。19番目として。将軍を続けてもいい。その代わりに、全力で日本をBETAから守る。だから、貴女の心と身体と魂が欲しい。」
彼女の瞳がわずかに揺れた。
将軍として、数々の戦場を潜り抜けてきた彼女だが、この提案は予想外だったらしい。
だが、彼女は冷静に返した。
「……面白い提案だ。私の心と魂を? 代償として日本を守るなら、考える価値はある。だが、簡単に頷くほど甘くはない」
会談は、数時間の議論を交え、彼女の好奇心と戦略的思考が交錯した末、契約は成立した。
彼女は今から、私の姉妹。第二の十二姉妹の長女だ。
その裏で、朝鮮半島の防衛線では、別のドラマが展開していた。
BETAの小規模侵攻が散発的に発生し、大東亜連合の残存部隊が対応に追われていた。
私の指示の下、姉妹たちはヴァルシオーネRで出撃し、ネオグランゾンは格納庫に留めた。
代わりに、新たな機体――ヴァルシオンを六機具現化。
青いボディに角のある頭部、強靭な肩部キャノンと巨大な拳を備えた男性的なデザイン。
重厚な装甲と高出力のビーム兵器が、BETAを粉砕する怪物だ。
戦場の一つ、半島の山岳地帯で、随伴歩兵として参加していた少女たちが、BETAの突撃級に囲まれていた。
本来の歴史では、仲間を逃がすために殿となり戦死する運命だったが、この世界ではオリジナルとして存在する彼女たち。
美甘ネルは、ピンク寄りのオレンジの髪を三つ編みにまとめ、赤い瞳に苛烈な輝きを宿した少女。
短気で戦闘的な性格が、瀕死の状態でなおBETAに銃を向ける。
一之瀬アスナは、金髪のロングヘアに青い瞳、豊満な胸元を持つ明るい美女。
角楯カリン、長い黒髪に黄色い瞳、眼鏡越しのクールな視線。
室笠アカネ、銀髪のロングに赤い瞳、穏やかなメイドのような佇まい。
飛鳥馬トキ、金髪のロングに青い瞳、機敏な動きの少女。
リオ、長い黒髪に赤い瞳、眼鏡の知的なリーダー格。
彼女たちは、四肢を失いかけた状態で、死の淵に立っていた。
私の能力で介入し、再生。契約を交わす。
「死を抗うか? 生を望み、BETAを駆逐し、私と共に歩むか?」
ネルが、苛烈に。
「ふざけんなよ! こんなところで終わるか!」
アスナが、明るく。
「もちろんよ! みんなと一緒に、生きて戦うわ!」
カリン、クールに。
「了解。BETAを滅ぼすまで」
アカネ、穏やかに。
「はい、お嬢様……いえ、お父様の為に」
トキ、機敏に。
「指令確認。従います」
リオ、知的に。
「論理的だわ。契約成立よ」
こうして、第一の六姉妹が結成された。
ネルが13、アスナ14、カリン15、アカネ16、トキ17、リオ18。胸の中央、やや左寄りにヴァルキリーマークとナンバーが刻印され、パイロットスーツ――セルベリアたちと同じ扇情的なデザイン――から透けて見える。
加えて、六姉妹専用に、顔半分を覆うバイザーを装着。
ヴァルシオンに乗り込み、防衛線を駆け巡る。
「お父様の為に、駆逐するわ!」
ネルの声が響き、ヴァルシオンの拳がBETAを粉砕。
姉妹たちは、互いの絆を深め、私の掌中で輝く。
煌武院悠陽の加入と、新たな姉妹の結成――戦いは、さらに加速する。
煌武院悠陽とブルアカ組が姉妹になりました。
みんな魅力的だけど、ネル可愛いよね。
では、また次回に。