戦乙女の黙示録 (Apocalypse of the Valkyries) 作:redhot
インドのボパールハイブ、ビルマのマンダレーハイブ、モンゴルのウランバートルハイブの陥落は、世界に未曾有の衝撃を与えた。
死を呼ぶ戦乙女の第一の十二姉妹と第一の六姉妹が、わずか数日で世界のハイブの四分の一に近い数を壊滅させた事実は、人類の希望と同時に、圧倒的な恐怖を植え付けた。
セルベリア、アルトリア、ベルファストの三組が、ヴァルシオーネRとヴァルシオンを駆り、ライグ=ゲイオス120機とゲイオス=グルード360機の随伴機でBETAの巣窟を蹂躙したのだ。
G元素の回収も完璧に終わり、香月夕呼のAlternative IV計画は加速していた。
国連本部では、安保理が再び緊急招集された。事務総長が、震える声で報告を読み上げる。
「鉄原、重慶、ボパール、マンダレー、ウランバートル……五つのハイブが、戦乙女の手で落ちた。彼女たちの力は、BETAを超える。手出し無用の警告を無視すれば、全姉妹の全力攻撃……人類にその余裕はない」
フランス代表が、「脅威だが、希望でもある。友好関係を築くべきだ」と提案。
ロシア代表が、「彼女たちの機体、監視は必要だが、敵対は自滅行為だ」と同意。
国連は、戦乙女への支援強化を決議し、G元素の国際管理を棚上げした。
米国は、ホワイトハウスで大統領が閣僚を前に決断。
「戦乙女の力は、ハイブを落とせる唯一の戦力だ。敵対すれば、我々のTSF部隊は壊滅する。CIAの監視は続けるが、表向きは協力だ。ABCマントと陸戦型ジムのレンタルに感謝を伝えろ」
軍部の将軍たちは、「ヴァルシオーネRの火力、ライグ=ゲイオスのエネルギー兵器……米軍のF-22 EMDでは歯が立たない」と認め、友好声明を準備した。
日本帝国では、榊総理が閣議で眼鏡を押し上げ、「戦乙女の成果は、帝国の防衛を固めた。ハイブの四分の一が落ちた今、敵対は愚策。夕呼の計画に協力し、友好を深めよ」
武御雷康平が豪快に、「ははは! 姉妹たちの力、武御雷家も認めるぜ! 敵に回すより、味方でいい!」
不知火五十鈴が鋭く、「知略として、技術の片鱗をさらに得るべきだ。だが、友好が最優先」
帝国は、戦乙女への公式感謝状と追加資源の提供を決定。
ヨーロッパ諸国は、EUサミットで一致団結。
ドイツ首相が、「東欧の廃墟を救った戦乙女は、欧州の希望だ。敵対はありえない。支援を拡大せよ」
イギリス外相が、「ハイブ陥落の恩義は大きい。友好を結び、技術協力を模索する」
ロシアの影響下の国々も、「ウランバートルの解放、感謝する。監視は続けるが、協力優先」と声明。
欧州は、戦乙女への物資支援と共同演習を提案した。
プロミネンス計画の実験部隊は、ユーコン基地で動揺を隠せなかった。
青い装甲のF-22 EMDやXFJ-01 Shiranui Secondを運用する国際パイロットコープスの部隊長が、「ハイブを五つも落とすなんて……我々のTSFでは夢だ。ABCマントのおかげでレーザーに耐えられるが、戦乙女の機体には及ばない。友好関係を築くべきだ」と発言。
ロシア人パイロットが、「あのライグ=ゲイオスの自律性、羨ましいぜ。敵に回したら終わりだ。」
日本からのパイロットが、「帝国の誇りとして、協力する。だが、彼女たちの力、恐ろしい……。」
世界は、戦乙女を脅威と認めつつ、敵対を避け、友好を選んだ。
ハイブを落とせる戦力が、もしこちらを向いたら――その想像は、どの国も凍りつかせるに十分だった。
影から指示する私のもと、BETAの影はさらに薄れ、戦乙女の伝説は不動のものとなった。