戦乙女の黙示録 (Apocalypse of the Valkyries) 作:redhot
設定も結構変えてます。
ヨーロッパの荒野は、死の匂いが染みついていた。
BETAの侵攻が始まってから二年近くが経過し、人類の防衛線は日々後退を余儀なくされていた。
東欧のこの辺境地帯では、連合軍の残存部隊が散発的な抵抗を続けていたが、それはあくまで延命措置に過ぎなかった。
無機質な異星生物の群れが、鋼鉄の爪と牙で大地を蹂躙する光景は、もはや日常の風景だ。
私は、この世界に転移して間もない頃から、そんな戦場を渡り歩いていた。
二十代の精神を宿した十代後半の肉体、一般的な日本人の身長と顔立ちを持つ、ただの人間のように見える存在。
だが、私の内側には、別の世界の知識と力が宿っていた。
スーパーロボット大戦やガンダム、アニメの機体を自由に生み出せる能力――それは、私がこの異界で生き抜くための唯一の武器だった。
転移したのは、マブラヴ本編の開始前、一二年ほど前。
ヨーロッパのどこかの廃墟に落ちた私は、まず自分用のネオ・グランゾンを具現化した。
漆黒の機体、圧倒的な火力と耐久性を備えた超常の怪物。
それを基に、量産機としてライグ=ゲイオスを四機、ゲイオス=グルードを八機製造。
モビルドール技術を応用し、これらを自律的に運用できるようにした。
傭兵業を始めるのは自然な流れだった。
BETAを駆逐し、報酬を得る。
ついでに、各地の美女や美少女を回収する――それは、私の精神性に合った余興だ。
シュウ・シラカワのような冷静さと冷徹さで、世界を観察し、利用する。
感情は最小限に、効率を最大限に。
今日も、戦場の一つに足を運んだ。
東欧の平原、連合軍の小隊がBETAの小規模群れに襲われていた。
戦術機の残骸が散らばり、兵士たちの叫びが風に混じる。
私のネオ・グランゾンは、虚空から現れるように浮上し、ネオグランビームで一掃した。
ライグ=ゲイオス四機が前衛を張り、ゲイオス=グルード八機が側面から包囲。
BETAの要撃級や突撃級が、黒い光線とミサイルの嵐に飲み込まれていく。
戦いは一方的だった。
傭兵として雇われたわけではないが、こうした場で実績を積めば、噂が広がる。
報酬は後からついてくる。
戦闘の余波で、辺りを探索した。
死体と残骸の山の中、一人の女性衛士が目に留まった。
四肢を失い、血まみれの体で横たわる彼女。
戦術機のコクピットが破壊され、殿を務めたらしい。
BETAの爪痕が、彼女の運命を語っていた
。死にかけている。
だが、目にはまだ微かな光が宿っていた。
私はネオ・グランゾンから降り、彼女に近づいた。
普通の人間の顔で、静かに問うた。
「死を抗うか? 生を望み、BETAを駆逐し、私と共に歩むか?」
彼女の瞳が、わずかに動いた。
セルベリア・ブレス――後で知った名前だが、その時点ではただの瀕死の戦士。
彼女は、弱々しい声で返した。
「死んでたまるか。BETAを滅ぼすまで死んでたまるか」
契約は成立した。
私は彼女を抱き上げ、ネオグランゾンのコクピットへ運んだ。
私の能力で、四肢を再生する。
機械義肢ではなく、完璧な肉体として。
彼女は今から私の姉妹。第一の十二姉妹の長女だ。
「お父様……」
目覚めた彼女が、最初に発した言葉だった。
私はただ頷き、戦場を後にした。
他者からは「彼」と呼ばれる存在として、傭兵業を続ける。
BETAの駆逐、美女の回収、そしてこの世界の再生――すべてが、私の掌中に収まる。
何故か外伝の方がアイディアでるんですよね。
不思議です。
では、また次回。