※この作品はR-18です。

巫女X触手~神様に捧げられた少女   作:霧里

1 / 4
処方箋。

女の子になりきるイメージで読んでいただければ、もっと楽しめるかも?
ただし、あまりに豊満だったり、幼すぎると、描写と齟齬があるかもしれません。

前置きとかいらないという方は、Hシーンまで飛ばしても大丈夫だとは思います。

天音ちゃん、イメージ例

【挿絵表示】



常根村

 

高速道路が谷間を越え、切り開かれた山間の道を突き進む。

 

車の窓に映る景色は、どこまでも単調だ。都会の喧騒から遠ざかるにつれ、町並みは色褪せ、代わりに木々が林立する。やがて、視界は一気に深い森へと傾いた。

 

そんな風景を、あなたは ぼんやりと眺めていた。

 

常根村。それが今、あなたが向かっている村の名前だ。

山奥にひっそりと佇む、寂れた寒村。いわゆる限界集落だ。車がなければたどり着くのも難しい。電車の駅はもちろんない。バスの時刻表だって数える程度。

村役場のホームページですら、更新されたのは随分前だ。けれど、ふと見つけた個人ブログに目が留まる。そこには「常根」という名のお酒が紹介されていた。

 

お酒好きを自称するブログ主の熱心な文章から、その酒が格別に美味であることが伝わってくる。写真には、あなたと同い年ほどの少女と、大きな酒瓶を抱えた男性が満面の笑みを浮かべていた。父と娘だろうか。

 

そんなに美味しいのなら、どうしてホームページで宣伝しないのだろう?

 

常根・酒と、検索範囲を絞っても、出てくるのはその一件のブログだけ。

それも随分前に更新が止まったきりで、再び飲みに行ったという報告もなかった。

 

まぁ、いいか。

 

そんな疑問も、長くは続かない。

 

行けば分かる。そう言う気持ちもあったけれど、引っ越しの忙しさに追われている内に、いつしか思い出すこともなくなっていた。

 

そう、引っ越し。

 

そんな辺鄙な村に向かっているのは、観光のためなんかじゃない。

父の転勤。地域医療の空白を埋めるためだとか。正直に言えば、父はババを引かされたんじゃないかと あなたは思う。それでも、理想を熱く語る父の言葉を否定する気にはなれなかった。

 

「都会に残るか?」

 

言われて、悩んだけれど結局は……。

 

決め手は、父の生活能力のなさだった。医者の不養生。急患が出れば寝る間もない。忙しさにかまけて、日々の食事さえ疎かになりがちだ。それはもう、母が病気で亡くなってからは特に……。

 

母が急逝したあの日。父は泣きじゃくるあなたを抱きしめてくれた。

「大丈夫だよ、天音」そう囁く父の手は震えていた。まだ、幼かったあの日。

泣き止むこともできなかった。

 

誰かがそばで支えてあげないと。

 

今度は自分の番だ。

 

忙しい中でも、 父はまだ幼いあなたの面倒を良く見てくれた。

仕事に打ち込んでいた理由の半分は、あなたの為だったのも今なら分かる。

もう半分は、医者としての後悔かもしれない。多少の不自由はあったけど、普通の少女として過ごせてきたのは父のおかげだ。

 

いつしか、あなたの胸には使命感のような気持ちが芽生えていた。幼い日の後悔に後押しされたのもある。

 

正直、ほっとしてもいた。

 

都会の大病院で働いていたら、父が倒れてしまうんじゃないか。

医者として頑張っているのは分かる。尊敬だってしていても、あなたにとっては、たった一人の肉親だ。他の誰かには変えられない。田舎の寒村という環境が、父の心身を少しでも癒やしてくれたらと願う。

 

でも、ちょっとだけ後悔してきた。

 

車の窓に映り込むあなたの顔は、誰が見ても退屈そのものだ。

頬杖をつき、むくれた頬に髪が掛かっても、払う気にもならない。

瞳で景色を追いながらも、実はただぼんやりと外を見ているだけ。

 

だって、窓の外は何も変わらないのだから。

 

高速道路の開けた景色は、下道に降りた途端一変した。

道は細く曲がりくねって、だんだん気分が悪くなる。気を紛らわせようと景色に視線を向けても、そこはもう山の中。見渡す限りの、木、木、木……。

さらに霧が立ち込め、景色は緑と白にぼやけてしまった。

 

あなたは窓の外から視線を外して、隣でハンドルを握る父に声を掛けた。

 

「どうした、天音?」

 

どうして常根村なの?

 

田舎の寒村。限界集落の悪い噂は、ちょっと調べればいくらでも出てくる。

もっと条件のいい場所もあったはずだ。こんな山深くよりも、まだマシな所。

 

自分の仕事に興味を持ってもらえたのが嬉しかったのか、父は熱心に語り始めた。でも、あなたの退屈は埋まらない。

 

そんなこと言って、お酒目当てなんじゃないの?

 

父の唯一の趣味と言ってもいいかもしれない。仕事に追われる父の部屋には、見慣れないラベルの酒瓶が並んでいる。あなたがもっと幼かった頃、父が美味しそうに酒を飲む姿を、羨ましく思ったこともあった。

 

当然、飲ませては貰えるはずもなく

 

「大人になったら一緒に飲もうな」

 

そう誤魔化され、父の大きな手で頭を撫でられた。素直になれず、ムスッとしたのを覚えている。そんなあなたを見て、父は少し困ったように笑っていたっけ?

 

「酒? なんだ、有名なお酒でもあるのか? そりゃ楽しみだ」

 

やっぱり、お父さんも知らないんだ。

 

村と同じ「常根」と名前のついたあのお酒。

地産地消っていうのかな。それで検索に引っかからなかったのかも。

 

そう思うと、腑に落ちる。

 

でも、なぜか胸がざわついた。嫌な予感がする。引き返したほうがいいと、霧の向こうから警笛が響くようだ。こんな山奥を走っているせいかもしれない。新しい生活への不安が、そう思わせるのだろう。

 

それも全部、車酔いのせいだ。

 

そう決め込んだあなたは、気持ちを落ち着けるため目を閉じた。

 

***

 

どうなることやら。

 

不安に思っていたのも最初だけ。住めば都というだけあって、田舎の生活にも少しずつ慣れていった。電気も水道もある。学校はネットで済ませられた。

 

家にいる分には、都会にいた頃と大きく変わるものじゃない。

不満があるとすれば、村の外に出るのが難しいところ。かろうじてバスは通っていても、気軽に利用できる頻度じゃない。車の免許がない あなたは、村に閉じ込められたような気分だった。

 

「天音ちゃん」

 

名前を呼ばれて、あなたは振り返る。そこには、近所のおじいさんが笑顔で手を振っていた。意外だったのは、村人たちの温かさだ。もっと排他的な雰囲気を想像していたのに、まるで孫娘のように接してくれる。偏見だったのかもしれない。

最初は遠慮していたけれど、今ではその優しさが心地いい。

 

手伝います。

 

そう言って、あなたは畑仕事に精を出す おじいさんに歩み寄った。

それにしても、この村の人達は驚くほどと若々しい。特に男性はそうだ。

腰も曲がっていなければ、畑仕事で培われた体はガッシリとしていた。プロレスラーとは言わないが、昔はそうだったと言われても納得できる。

老人と呼ぶにはあまりにも。人によっては父と変わらないんじゃないかと思えてしまう。

 

若さの秘訣。疑問に思ったあなたは、自然とそれを尋ねていた。

 

「はっはっはっ。そりゃ、きっと常根様のお陰だろうね」

 

景気よく笑ったご老人は、おどけるように力こぶを作ってみせた。

「常根様」それは、神社に祀られているという神様の名前だ。村の名前もそこから頂いたのだとか。それにもう一つ、あなたは思い出す。村と同じ名前のお酒があったっけ。もしかしたら、お神酒だったのかもしれない。

 

あなたが、お酒の話題に触れた時だった。

 

なんのことはない。美味しいお酒があると聞いたと、その程度の話。

飲みたいと言ったわけでも。父のお酒好きを話したわけでもない。

 

「どこで、聞いたのかな?」

 

おじいさんの視線が、鋭く刺さる。蛇に睨まれたような気味の悪さ。

さっきまでの温かな笑顔が、探るような眼差しに変わって見えた。

 

インターネットで少し見かけただけ。

 

いつもなら軽く答えられるのに、言葉がたどたどしくなる。なんとか口にすると、おじいさんの眉間の皺がゆっくりと解けた。

 

「そうかそうか。インターネット、インターネットな。俺らにはよく分からんが。いや、すまなかった。あれは神社のお神酒でな。どこで話がひろがったのか、たまに酒好きとかいう輩が、飲ませろとうるさくての」

 

困ったように苦笑するおじいさんは、いつもの快活な笑顔に戻っていた。

 

***

 

本当に、良かったのかな?

 

次の祭りで巫女の役をやってほしい。村人たちに頼まれたあなたは、二つ返事で引き受けてしまった。いつもお世話になっている恩返し。変に断って村人たちとの関係が拗れたら、父の仕事にも影響が出るかもしれない。少し、悩みはしたけれど。父に褒められたい。もっと役に立ちたい。まだ胸に残る幼心が、あなたを頷かせていた。

 

祭りの当日。村の神社に足を運んだあなたは、社殿の奥へと通される。

そこにあったのは、小屋なんて立派なものじゃなかった。扉も何も無い。

ちょっとした衝立と屋根がある程度。更衣室とは名ばかりの囲いだった。

 

巫女装束に着替える前に、そこで禊をして欲しい。

 

「池の水で、体を流してくだされば結構ですから」

 

そう伝えた神主さんは、さっと奥へと引っ込んでしまった。

 

そんな事言われても……。

 

辺りを見回しても人の気配はない。

たぶん、誰も来ないようにしてくれてるとは思うのだけれど。

 

建物の影に隠れたあなたは、恐る恐ると自分の服に手を掛けた。

 

お腹の前で手を交差させて、ゆっくりと上着を持ち上げていく。

服とスカートとの境目が次第に広がっていき、白い肌と可愛らしいおヘソが顔を覗かせる。冷たい風に素肌を撫でられ、抱えた羞恥心が重たくなる。

外で裸になる自分を意識したあなたは、手を下ろしそうになってしまった。

 

でも……。

 

恥ずかしいから止めます。なんては言えない。

あなたが頷いたときの、村人達の喜ぶ顔が忘れられなかった。単純に、期待されて嬉しいというのもある。自分にとってはただのお祭りかもしれないが、この村には大事な行事の一つなんだ。

 

ただ一つ残念だったのは、父にこの姿を見せられないこと。昨日から泊まりの用事で出かけてしまい、晴れ舞台を見てもらえない。せめて、巫女装束だけでも見てほしかったな。

 

気づけば、胸の下で手が止まっていた。

 

首を振って気持ちを切り替える。いつまでも、子どもみたいな事を言ってられない。

あなたには引き受けた責任がある。早く済ませてしまおう。あんまり時間をかけると、心配した神主さんが戻ってきてしまうかも。小さく息を吐き、胸のわだかまりを押し出した。

 

背伸びをするように腕を伸ばすと、あなたの胸の膨らみがフワリと揺れる。

決して大きくはない。着る服によっては、分からなくなる程度。それでも、年頃の少女らしい柔らかな曲線を描いている。

 

いつの頃からだろう。

 

身長が伸びるにつれ、胸も膨らんできた。男の子たちの視線を集め、成長の違和感が時に痛みに変わる。正直、煩わしいと思うこともあった。最初は乳首の周りが少し膨らんだ程度。しこりのようなものが固くなり、変わる自分の体に怖くなったあなたは、泣きながら父に尋ねた。

 

「大丈夫だよ、天音。それが大人になるってことだから」

 

父に頭を撫でられて、あなたは頷いた。「母さんに似て、美人になるな」父にそう言われると、少しだけ自信も付いた。

 

次第に女性らしく変わっていくあなたの身体。

髪は細く、艶やかに。肌は薄く、滑らかに。筋肉の筋は解けて、女性らしい柔らかさに変わっていった。少しだけ、お尻も大きくなったかも。

 

ブラのホックを外すと、胸の谷間が浅くなる。

締め付けが緩み、ほっと息を吐く。スカートを落とし、ショーツを脱いで。

すっかり裸になったあなたは、周囲を伺うように脱衣所から顔を出す。

 

誰も、いないよね?

 

水場までは10mほど。石畳が歩幅に合わせて敷かれている。

 

一歩、あなたは石畳の上に踏み出した。

 

つま先がヒヤリとする。素足で苔を踏みつけた苔が、ぐにゅりと形を変えて足が滑りそうになった。気持ちが悪い。まるで生き物の背中を踏みつけたような気味の悪さだ。足裏から伝わる感触に、身震いが走る。

 

そんなはずない。

 

見下ろした足元は、剥がれた苔が転がるだけ。

ほっと吐いた息は溜息にも近かった。気は紛れても、安心には至らない。

辺りを気にしながらも、あなたはまた一歩、水場に向かって歩きです。

 

1歩……2歩……3歩……

 

脱衣所が遠ざかり、不安が膨らむ。

胸の膨らみを隠すように体を抱き、石畳の上を進むあなた。誰かに見られやしないか。そんな不安のせいか、背中に視線を感じ始める。

 

4歩……5歩……6歩……

 

気のせいだ。ただの思いこみだと、自分に言い聞かせても不安は晴れない。

それどころか、視線は熱を帯び始めて絡みつくようになる。

 

異性からの性的な興味。

 

それを肌で感じたあなたは、羞恥に怯えるように身体を熱くさせた。

自分が女として見られている。不安と嫌悪に揺れて、僅かに高鳴った鼓動は恋の音には程遠い。

 

7歩……8歩……9歩……

 

そして、10歩目。あなたが足を下ろした瞬間。

 

パキッ……!

 

小枝が折れるような乾いた音。

ビクッと体を震わせたあなたは、蹲って振り返る。

 

けれども、そこには人影も、その気配ですらない。

 

視界に映るのは、粗末な脱衣所と、社殿へと続く細い道だけ。

周囲を森で囲まれた社の裏側は、それ以上でもそれ以下でもなかった。

 

誰かいるの?

 

呼びかけても返事はない。気まぐれな小鳥が囀りが返す程度。

木々のざわめきに、木陰が揺れる。重なり合った影が蠢いた。何がいるのか分からないのが一番怖い。不安は恐怖を煽って、ただの木陰が人のようにも、もっと大きな動物のようにも見えた。

 

早く、済ませてしまおう。

 

思い直したあなたは、池の前でしゃがみ込んだ。

手桶で水をすくい、頭からかぶる。

 

冷たい水に、身が引き締まるようだ。

 

頭の上から指の先まで、意識がすっと通る。

纏わりつく不安が薄れていくことに気づいたあなたは、もう一度頭から水をかぶり直した。

 

冷たい水が素肌を流れ落ちる。首筋から胸の膨らみへ。乳首の先で雫が膨らみ、ポタポタと石畳に水たまりを作る。なだらかなお腹、おへその周りを避けるように、鼠径部へと流れ込む。

 

自分の女性をなぞるような感覚を、あなたは無意識に追いかけていた。

 

なんだか、何かに肌を撫でられているみたい。

思い至った嫌な想像に、背筋が震えた。撫でられた肌が熱くなり、むず痒くなってくる。

 

そんなの、水が冷たいせい。

 

恥ずかしいと思うほど、余計に緊張して、居もしない何かを想像してしまう。

 

ポタリ……。

 

前髪から落ちた雫が水面を揺らし、そこに映る自分と目があった。

華奢な体に、細い手足。頼りない鎖骨。呼吸に合わせて、胸元が僅かに揺れる。

羞恥に染まる肌が、どこか艶めかしく思う。まだ、幼さを残すあなたの面影は、それでも確かに女の温もりを宿していた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。