※この作品はR-18です。

巫女X触手~神様に捧げられた少女   作:霧里

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常根様(Hシーン

 

それは、粘液に塗れた生肉のような感触だった。

 

不気味に波打ちながら、生温かい触手が肌を這う。

触手に撫でられた肌が、すっと冷えたかと思えば、急に火照りだした。

ミントに触れた後のような違和感の残る熱さに、清涼感なんて欠片もない。

 

気味が悪い。気持ちが悪い。心が冷える。

 

逃げ出そうとしたあなたは、手足に力を込めた。

けれど、しつこく絡まった触手は振りほどけない。むしろ、弄ばれているような気配さえある。

 

邪魔なら、力ずくで押さえつければいい。

 

きっと、この触手にはそれができるのに。もがいて、暴れるのはまでは許されても、触手はあなたを離さない。お腹に巻かれた太い触手に爪を立てて、引っ掻いてもダメ。拳を打ち付けたってビクともしなかった。

 

大人と子供以上の力の差。

 

幼い頃、父と遊んだときでさえ、もう少し張り合いはあった。

 

……いらっしゃい、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。それは、神楽の舞台であなたを呼んだ、あの声。

……だれ? 周りを見回しても誰もいない。まさかとは思う。そんなことあっていいはずがない。こんな触手の化け物が、人の言葉で語りかけてくるなんてこと。

恐怖に歪んだ自分の心が聞かせた幻聴だ。そうじゃなきゃ……。

 

あなたの細い腕はあっさりと、太い触手から引き剥がされた。

悪戯をする子供を優しくたしなめるように。手首に絡みついた触手は、力を込める様子もない。開かされた腕を必死に閉じようとはするけれど、逃げられない現実を突きつけられただけ。無駄な抵抗に、涙が溢れてくる。

 

それでも、諦められない。

 

父が必ず助けにきてくれるから、それまでは……。

 

無防備に晒された首元に、触手の先端が押し付けられた。すっと通った首筋を伝い、滑った触手が顔に近づいてくる。犬や猫に舐められるような可愛げは微塵も感じない。まるで、味見をされているみたいだ。

 

喉元にまで近づいてきた触手が、アゴの下をペロリと舐める。恐怖に肩がすくむ。怯えて声も出ない。少しでも触手から遠ざかろうとしたあなたは、顔を背けて強く目を閉じる。

 

いや……!

 

声にならない叫びが喉を震わせる。

目を閉じても、触手の感触が消えるわけもない。むしろ、見えない現実が恐ろしくて、無意識に触手の動きを追いかけてしまう。首筋を伝う粘液の雫が、胸元へと零れ落ちる。巫女装束の薄い布地が透けて見え、貼りついた肌が薄っすらと浮かび上がった。

 

……やめて……お願い……。

 

掠れた声を聞いたのは、あなたを捕らえる触手だけ。

でも、触手の動きは止まらない。あなたを縛る触手の脈動は、ただ刺激に反応するだけの無機質な力じゃなかった。一つずつ、怯えるあなたの反応を確かめるような、何かの意思がそこにはある。

 

……怖がらないで、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。気のせいじゃなかった。社の奥。暗闇の底の底から。

男性とも、女性ともつかない不思議な響きに耳が傾く。ダメだ。この声を聞いたらダメ。それは、本能的な恐怖だった。誘うような声は人のものじゃない。言葉を模しているだけの別の音。

 

すっと、意識の裏側に刷り込まれる。触手の先に頭の奥を撫でられるような感触。言葉一つで恐怖が和らぎ、心が静まった。怯えることすら許されない。

あなたはただ、触手に弄ばれるだけの人形だった。

 

首筋を這った触手が、鎖骨をなぞり、胸の膨らみの縁に触れる。

巫女装束の布地越しに、かすかな刺激が肌を震わせた。粘液に濡れて熱くなった肌は、敏感にそれを感じ取る。

 

ゆっくりと円を描きながら、巫女装束の上を触手が這う。

胸の形に沿うような動きに、体の奥で何かが疼く。ふと、握り拳が緩んだ。

慌てて力を入れ直そうとしても、思ったように指先が動かない。

 

それは、常根の酒を飲んだ時と良く似ていた。自分から舌を伸ばしたくなるような、甘い誘惑に心が揺れる。もっと、触手に触れてもらえたら……一瞬でも考えそうになって、怖気が走った。

 

……ぃゃ、やだぁ……。

 

否定する声は弱々しい。恐怖と羞恥が胸の内で混ざり合い、心臓が早鐘を打つ。

このままじゃダメ。早く逃げないと。もがくあなたを、触手は柔らかく受け止めた。逃げられない。ゆっくりと、けれど確かに締め付けは強くなり、あなたの無駄な抵抗は絡め取られていく。

 

……お父さん……助けて……。

 

涙の混ざる声で父を呼ぶ。だが、返事はない。

篝火の弾ける音すら、もう聞こえなかった。社の暗闇は、あなたと触手だけを閉じ込める。二人きりの世界を邪魔するものは誰もいない。

 

……こっちへおいで、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。今度は、もっとすぐ近くから聞こえてくるようだった。

触手の動きが一瞬止まる。誘われるまま、あなたが触手に意識を向けた瞬間。

ギュッ! 腹に巻きついた触手に強く締め上げられ、強引に祭壇へと引き寄せられていく。

 

ズルリ……。

 

体が床を滑る。両手両足を縛られたまま、抵抗できない。

つま先が床を蹴った。体が宙に浮かび上がる。何かにしがみつこうと伸ばした指先は、反射的に触手を掴んでしまっていた。

 

見上げた祭壇。暗闇に浮かぶ鏡が、あなたの姿を映す。

巫女装束は乱れ、粘液に濡れた肌が透けて見えた。華奢な体、震える手足。恐怖に歪む顔は、妙に艶っぽい。それは常根の酒のせいか、触手の粘液のせいだったのか。

 

鏡の中の自分と目が合った。その瞳に、少女の姿を思い出す。

スマホに映った、あの少女。触手に弄ばれ、甘い声を漏らしていた少女。

 

ごめんなさい……。

 

知らず呟いていた。誰に向けていたのかもわからない。

助けられなかった少女に。諦めそうになった自分に。あるいは、助けに来てくれない父を責めそうになったから。

 

触手が再び動き出す。首筋を、胸元を、太ももを、ゆっくりと這う。

なにか、大きな生き物が舌なめずりをしているようだった。触手の纏う粘液が涎のように肌を濡らす。自分に向けられている欲望に気づき、心が軋んだ。

恐怖と、諦めと、甘い疼きが、胸の中で渦を巻く。

 

……お父さんっ。

 

最後の力を振り絞り、父を呼んだ。閉ざされた扉が、今にも開くんじゃないかと思い込めても、何も起こらない。あなたのか細い悲鳴は、暗闇の呑み込まれ、響く音は何も無かった。

 

薄い胸の谷間に触手が滑り込んでくる。巫女装束の合わせ目が解かれ、白い素肌が露わになった。巫女の役目に浮かれた自分を呪う。言われるまま、下着すらも着けないで。それも、今さらだ。伸ばした手は触手に引き戻され、握り込んだのは後悔だけ。

 

悍ましい感覚だった。

 

肌を這う触手の動きから目を晒そうにも、敏感になったあなたの肌は余計にそれを感じ取ってしまう。全身を羽の先でくすぐられているような心地にもなった。

頬が熱くなる。悔しい、恥ずかしい……。けど、何もできない。されるがまま。

誘うような触手の愛撫に、呼吸は乱れて、形の良い胸の膨らみが淡く揺れる。

 

まだ誰にも見せたこともなかったのに。

 

父と一緒にお風呂に入らなくなったのも、裸を見せるのを恥ずかしく思うようになったから。女としての自分を意識するほど、異性の視線を強く感じてしまう。

こんな触手にさえ、自分が女として見られていることが恐ろしい。

知らず、太ももを閉じた。一番大切な場所を隠そうと、無意識に腰を引く。

 

けれど、あなたをからかうように、触手は袴の中にまで入り込んできた。

 

足首から滑り込み、柔らかいふくらはぎの肉を締め付けられる。

袴の下で蠢く触手。ゆっくりと近づいてくる感触を、あなたの肌は鮮明に感じ取っていた。大きさも、形も、一つとして同じものはない。その動きですら不意に変わって、身構えることも難しい。

 

焦れる。

 

肌が熱を帯び、重い吐息が漏れた。少しでも刺激から逃れようとしたあなたは、意味もなく足の指を動かした。握ったり、閉じたり。触手への嫌悪感に耐える。

 

今度は何をされるの? このまま足を伝ってきたらどうなるの?

 

くすぐったい。もどかしい。切ない。だから、今すぐ離れてほしい。

ジワジワと近づいてくる触手が、袴の下でモゾリと動く。ぎゅっと目を閉じた。

手を握り、下腹に力を込める。太ももを濡らす粘液に背筋が冷えた。

抵抗したいのに、足に力が入らない。擦り合わせた太ももが甘く痺れて熱を持つ。

 

やだ……。

 

弱気が漏れそうになる。腹に巻きついた触手に、軽く締め上げられた。

声が漏れ、体から力が抜ける。苦しいのに、なぜだか体の芯が熱い。

息苦しさに思考が霞む。恐怖と羞恥が溶け合い、混ざりあって、自分の輪郭が溶かされていくようだ。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

やめて……やめて……やめてっ!

 

そんな風に名前を呼ばないで。揺れる意識をなんとか取り戻そうとして、あなたは必死に首を振る。父の声ではない。けれど、胸を包む安心感はそれ以上だ。

いつもそう言って頭を撫でてくれた。優しい父との思い出すら、汚されるみたいで悔しい。瞳から涙が溢れる。悔しいのに何もできない。

 

素肌をさらし、裸体を触手に弄られながら、吐息を漏らす。

それは、スマホに映っていた少女と変わらない。抵抗を続けていた手足からも力が抜けて、その薄い唇が「もっと……」呟くのを、あなたは見逃さなかった。

 

やだっ……やだっ……ひっ……!

 

否定する声は、震えながら途切れた。無力感に心が萎んでいく。

触手の先が、とうとう太ももの内側にまで伸びてくる。

冷たい粘液が、熱を帯びた肌と混ざり合った。体が疼き、吐息に熱が絡む。

 

太ももの奥に近づいてくる感触。隠していた場所を暴かれる恐怖。

怯えるはずの体は、だけど羞恥で染まっていた。穏やかな触手の愛撫に、いつしか不快感は薄れ始め、少しずつ快感を感じ始めているのに気づく。

 

奥へと入り込んだ触手が、閉じた隙間をそっと撫でた。

ビクっと腰が跳ねる。思わず息を呑む。感じたくなんかない。警笛の様に鼓動が高鳴り、閉じる足に力が入った。初めてを触手に奪われる。想像した最悪の未来に、あなたは半ばパニックに陥ってしまう。

 

こないでっ、こないでっ……。

 

声を上げながら、必死にもがく。無駄たと分かっていても、何もしないではいられない。少しでも、その瞬間から遠ざかれるのなら何をしたっていい。

 

お願いだから、お願いだから、そこだけは……許して……。

 

そんな、あなたの願いが届いたのか、触手は太ももの隙間を撫でながらも、押し入ってくる気配ない。ピタリと閉じた縦筋に先端を這わせながらも、くすぐるような動きを繰り返す。許してもらえた? ただの勘違いでもいい。熱っぽい溜息を漏らしながら、まだ汚されていない自分に安堵する。

 

繰り返される触手の刺激に、もどかしさを募らせつつも、このくらいなら我慢ができた。大丈夫、まだ大丈夫。自分に言い聞かせる。乱れた呼吸を取り戻そうと、あなたは大きく息を吸って、深く吐き出した。

 

少しだけ、心と体が楽になる。触手への嫌悪感が僅かに薄れて……。

 

……ひっ!?

 

その瞬間、あなたは息を呑んだ。

腰が跳ね、背筋が伸び上がる。足がガクガクと震えて、閉じていられない。

何が起こったのかすらも分からなかった。慌てて見回した自分の痴態に気づき、頬が熱くなる。

 

粘液に塗れた肌。濡れた巫女装束は張り付いて、あなたの素肌を浮かび上がらせる。白かった肌は薄く染まって、まるでお風呂上がりの後のよう。

はぁっ……はぁっ……。繰り返される吐息が熱い。荒い呼吸に、胸の膨らみを柔らかく弾ませる。

 

……んひっ!?

 

でも、それどころじゃなかった。

袴の下で蠢く触手。太ももの隙間、閉じた縦筋、その結び目を舐め上げられた途端、頭が真っ白になる。そこにあるのは、あなたのクリトリス。女の子が感じるためだけにある、可愛らしい肉の蕾が触手に摘まれる。

 

自分でさえ触れない場所。肌を愛撫されるよりも確かな性的刺激。

淡い快感とは程遠い。その興奮をどう受けてめていいから分からない。

 

いっ!? やっ!? あぁっ……!?

 

触手にクリトリスを刺激されるたび、意識が飛びそうだった。

それを快感と呼ぶにはあまりに辛い。まだ性に不慣れなあなたにとって、それは暴力的ですら合った。一瞬、意識が飛びかけても、その刺激に叩き起こされる。

暴れて、もがいて、少しでも快感を逃がしたいのに。触手たちは暴れる あなたを縛り付けると、満足に身悶えることすらできなくなった。

 

あっ……!? やっ……!? まっ、てっ!? やめ……っ おねが……っ!

 

悲鳴の間隔でさえ詰まっていく。目の前が明滅して、思考がまとまらない。

触手の刺激に合わせて腰が跳ねた。太ももの内側が、粘液とは違う液体で濡れ始める。背筋がピンっと伸びたまま元に戻らない。

 

いやだ……こんなの……

 

声にならない言葉で叫ぶ。粘液に濡れたクリトリスは否応なしに高まっていく。

蕾が花開くように、体の奥から熱い波が押し寄せてきた。下腹に生まれた熱が、ジクジクと疼きだす。

 

やめて……お願い……これ以上は……

 

触手の先端に、クリトリスを軽く弾かれた。

小さな嬌声が漏れ、慌てて唇を噛む。クリトリスを執拗に愛でられ、快感が体の芯を突き抜けた。初めてだった……。でも、分かる。性的な絶頂。その予感に体が震えだしていた。恐怖と、諦めと、僅かな期待。その瞬間を前に、あなたは強く目を閉じる。

 

……ふと、触手が止まった。

 

絶頂の間際。刺激が突然途絶えた後も、体の熱は宙に浮いたまま。

 

……気持ちよかったのかい、天音。

 

囁く声に意識が揺れた。耳元をくすぐる声に、ミシリと心が冷たい音を立てる。

気持ちよくなんかなかった。声を払うように首を振り、何とか気を持ち直す。

けれど、強がる心とは裏腹に、置き去りにされた体の熱は燻り続けていた。

 

 

***

 

 

クリトリスから触手が離れていく。

 

……やっと、終わったの?

 

安堵の吐息には不満が混じっていた。そんなはずはない。

分かっていても絶頂の寸前で刺激を止められて、やるせなさが募る。悔しい。あなたが太ももを閉じるのを、触手は邪魔をしなかった。

こんなの、先送りにされただけだ。処女ですらいつでも奪えると、見せつけられた現実に打ち据えられる。

 

太ももから触手が遠のく代わりに、今度は胸に触れた触手が動き出す。

 

柔らかな膨らみの形を変えて、巻き付いてきた触手に胸を軽く押し上げられた。

あなたの口から淡い吐息が漏れる。クリトリスからの強すぎる快感とはまるで逆。ゆっくりと……愛でるように。それは、優しいだけの愛撫だった。

思わず、求めてしまいそうになる。絶頂の寸前にまで至った体には、それだけじゃ物足りない。

 

……もっと。

 

刺激が欲しくて、そわそわと落ち着かなくなった。

それは、トイレを我慢するような忙しなさにも似て、もっと性的な疼きだと気づく。次第に高まっていく欲求から、身を捩って逃れようとした瞬間「あっ……♥」と声が漏れた。スマホに残された少女と同じ、官能を帯びた女の嬌声。

 

そんなはずない……。

 

くすぐったかっただけ。触手に胸を弄ばれて感じるなんて、想像するだけで心が冷える。なのに、柔らかく揉まれた胸は熱くなる。絶頂を欲したあなたの体は、淡い快感にすら切なく疼いた。

 

小さく首を振った。唇を引き結ぶ。これ以上声が漏れないように。

クリトリスを刺激され、無理矢理快感を引き出されるのとは意味が違う。

次に声を上げたら、快感を認めたことになる。

 

気のせいだ……。

 

そう思うのに。

 

あなたが迷う間にも、巫女装束の袖から触手が入り込んできた。

 

細い腕に巻きつき、肘から、二の腕へ。ゆっくり、ゆっくり……袖が捲れ、脇に近づく触手の先端から、目が離せない。性的な高鳴りに胸がざわついた。

くすぐったさの中に、しこりのように膨らむ違和感。湧き上がる感情を抑え込もうとするあなたの耳元に、また声が聞こえた。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れた。全身を包む温かさに緊張が解けていく。

 

ちがう……ちがう……。こんなのじゃ……ない。

 

そう言って頭を撫でてくれたのは、こんな触手の化け物なんかじゃ絶対にない。

けれど、胸に浮かぶ思い出は、不気味な触手と絡み合う。そこに、父の面影は見つからない。無意識に手を伸ばそうとした。手探りに父との思い出を求めた指先は、触手に弄ばれて何も掴めない。

 

脇を舐めるように、触手が通り抜けていく。

ビクッと肩が跳ねた。慌てて脇を閉じようとするが、触手は腕を離さない。

些細な抵抗を愉しむように、両手を広げられたまま高く持ち上げられてしまう。

 

脇を舐められ、背筋が震える。くすぐったいだけのはずなのに。

否定しようにも、快感に震えた肌は熱を上げて、のぼせたように頭が働かない。

 

唇をきゅっと噛む。その痛みで、僅かに理性を取り戻した。

脇が甘く痺れて、胸が疼く。冴えた頭はハッキリと、体の熱を理解する。

気持ちがいい……。触れて欲しい……。唇を噛む痛みで誤魔化していないと、声に出てしまいそう。

 

一度高められた体は、快感を欲して止まなかった。

きっと回りに誰もいなければ、一人で解消しようとしたかもしれない。

涙さえ焼け石に水。頬を冷やすどころか、自分の欲望に気づくだけ。

 

胸に触れる。いつもと同じ行為のはずなのに。

 

どうして、こんなに……。

 

お風呂の後、眠る前。胸がモヤモヤしたとき、軽く触れる。

少し気持ちいい。ふわふわするうち、心のモヤは晴れた。それが「えっちなこと」と知ってからは、罪悪感が混じるようになる。

 

いけないことをしている自分。

いけないことをされている自分。

 

なのに、いつもより気持ちいい。

 

触手の動きは、自分で慰めるときよりも優しく、手慣れていた。

胸を包んだ触手が揉むように波を打つ。甘い痺れに胸が覆われていくみたい。

自分の体がこんなに感じるなんて、知らなかった。知りたくもなかった。

 

触手の動きが、あなたに合わせてリズムを変える。

どこをどうすれば感じるのか。自分の体なのに、もう触手の方が詳しくなっていた。脇を大きく舐め上げられ、声を上げそうになる。胸を横から押し上げられ、フワリとする心地よさに息が詰まった。

 

ドキドキ……ドキドキ……

 

興奮しすぎて、胸が痛い。頭も体も、もう快感を認めてしまっていた。

否定しているのは、あなたの心だけ。その心にすらヒビが入って、パラパラと欠け始める。鼓動の音すら軋んでいた。

 

そんな現実から逃れるようと身を捩る。けど、寂しそうに揺れた胸の膨らみが、もどかしい。脇から這い出た触手が、もう一つの膨らみに食指を伸ばしてきた。

 

ゆっくり、近づいてくる。数え下ろすような愛撫に肌が色めき立つ

目で見るよりも確かに伝わってくる。それは、あなたから女を引き出すための淫靡な動きだった。

 

5……脇を通る触手の刺激に身悶えた。腕を下ろそうとするが、触手はあなたを離さない。抵抗は無駄だと諦めに心が沈む。

 

4……きゅんっと乱れる鼓動。胸を押し上げられただけで快感が溢れそうだった。

期待なんかしていない。そう強く思っても、あなたを裏切った体は熱を上げて刺激を求める。

 

3……触手が胸の下をなぞり、谷間を這う。その光景が目に焼きついた。

胸が締めつけられ、ゾクッと背筋が震え上がる。無意識に引き寄せた太ももの内側から、甘い痺れが下腹にまで這い上がってくる。

 

2……肌を波打つ触手。さざ波のように甘い痺れが寄せては返す。

抵抗しようと、大きく息を吸って力込めた。でも、触手を振り解こうとした瞬間。キュッと、胸が締め付けられる。熱い吐息が溢れて、体から力が抜け出てしまう。

 

1……胸を包む触手の優しい愛撫。快感のさざ波に満たされていく。

触手に締め付けられ、胸の膨らみが形を変えていた。触手の隙間に見える白い素肌も淡く染まって、溢れだす粘液に胸が疼く。もっと先を求めるように……。

 

ビクッと体が跳ねた。意識が一瞬白くなる。

 

祭壇の鏡が、あなたの乱れた姿を映していた。

巫女装束は半ば解け、粘液に濡れた肌が透けて見える。

震える手足、恐怖と快感に歪む顔。触手の愛撫に意識が蕩ける。粘液に濡れた肌が熱に浮かされた。ジワジワと絶頂の予感が迫ってくる。高鳴る鼓動に、心が軋む。

 

だめっ……

 

流されてしまいそうだった。抵抗しようと、体に力を入れ直す。

けれど、触手に追い詰められたあなたは、もう何も選べない。

流されるのも、抵抗するのも、諦めるのも、すべて気持ちがいいから。

 

だって……

 

わかりやすい理由に、理性を差し出してしまう。

こんな触手の化け物に、勝てるはずがない。もう身を任せてしまえば良い。

優しく、慈しむような触手の動きに、恐怖が薄れていく。変に怒らせて、またクリトリスを滅茶苦茶にされるよりはずっといい。

 

それが、一番怖かった。

 

結果の変わらない選択を迫られて、触手を受け入れ始めている自分。

最初はただ怖いだけだった。心臓が張り裂けそうだった。

でも、それが少しずつ性的な興奮に塗り替えられていく。肉のもたらす興奮が抑えられない。心ではどんなに否定したって、あなたはただの少女でしかなかった。

いつまでも終わらない快楽に気力は削がれて、少しずつ、少しずつ、諦めの感情が大きくなる。酷い誘惑に抗えない魅力を感じていた。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。大丈夫、大丈夫……繰り返し、繰り返す。

もう、どうして抵抗しているのかさえ分からなくなっていた。

快感を必死に否定しようとはする。けれど触手に頭を撫でられただけで、溜息が漏れるほどの安心感に包まれた。もっと、触れて欲しい。幼子のような無邪気さで、ただ愛情に浸っていたい。

 

だめっ……だめっ……。

 

それはきっと、気持ちいいのだろう。このまま触手に身を捧げたい。

同時に、後戻りできない恐怖と結びつき、心と体が震え上がった。

 

怖いのに、気持ちいい。

気持ちいいのに、それが怖い。

 

巫女装束の隙間から入り込んできた触手に、腰を抱かれる。

背筋を伝って、首筋へと近づいてくる。身震いすら快感に変わって身悶えた。

 

1つ……2つ……3つ……

 

背骨の窪みをなぞるように。数が進むほど快感が強くなる。

体の奥から快感が引き上げられるみたい。下腹を焦がす熱。クリトリスを責められた時の残り火が、背筋に流れ込んでくるようだ。

 

4つ……5つ……6つ……

 

触手に抱かれながら、あなたはもがく。

言い訳でしかない。もう、無駄だと分かっていた。

我慢した。でも、ダメだった。そう思わないと……。

 

一瞬、軽蔑する父の視線が脳裏をよぎる。

 

父への申し訳なさと、自分への情けなさに心が冷えた。

なのに、昂った体は罪悪感にすら胸を踊らせる。こんな自分を父に見られたくない。お願いだから、今はこないで……。だって……また、途中で。そんな矛盾にすらも気づかない。

 

7つ……8つ……9つ……

 

背筋を反らして快感に震える。身も心も蕩ける心地よさが、胸に溜まる。

半端に開いた唇が震え、今にも声を上げてしまいそう。

 

諦めれば気持ちよくなれる。受け入れればもっと気持ちよくなれる。

我慢をしたってそれは同じ。耐えた分だけ、あなたは快感に悶えるしかない。

 

つぅっ……。

 

首の後ろを撫で上げられ、ふわりと力が抜けた。

脇を、背中を、首筋を、胸を。肌を撫でる触手の愛撫が、あなたに快感を刻み込む。「あっ……♥」小さく声を漏らすと、胸が軽くなる。

 

頬を撫でる触手の先が、唇の端に触れていた。

開いた口から滲んできた触手の粘液に、知らず舌先を伸ばす。甘い。その甘さは、常根の酒と良く似ていた。

 

ハッとなったあなたは、触手から顔を反らす。

 

何をしていたんだろう? もう自分を信じられない。

助けに来るはずの父のことさえ否定しそうになっていた。その慕情すら、風前の灯火。自分の吐息一つで消えてしまいそう。

 

「あぁぁっ……♥ はぁっ♥ もっと、もっとぉ……常根様ぁ……っ。わたし、おかし、いや、きもちぃ、の……だ、めっ。ぱぱぁっ、ひぐっ、ぃゃ……たすけ、あぁ、なっ……♥」

 

暗闇に浮かぶ光。聞こえる声は、あなたと同じ快楽に濡れていた。

スマホの動画にはまだ続きがあった。触手に捕らわれた少女。涙を溢れさせる瞳は、もう何も映してはいない。肌を赤く染め、触手に媚びる。人外のもたらす快感に正気を失い、乱れ、狂う。

 

常根様……。

 

少女の呟いた名前が、じぃんと胸に染みいるようだ。

言葉ではなく、心でそれを理解する。ああ、この触手がそうなんだと。

 

……そうだよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。知らない、知らないはずなのに。

一人でに唇が揺れていた。胸に懐かしさが溢れ出す。少女と同じように呟いた途端、あなたは巫女としての自覚を思い出していた。

 

常根様に見初められ、支配される。恐怖が、幸せに歪んだ。

泥のように重く、濁った愛情。胸を掻き毟りたい。自分よりもずっと大きな存在を受け入れることに、心が耐えられない。

 

違う……違うのに……

 

頼まれただけ。

 

この村とは関係ない。

 

巫女なんかじゃ……

 

でも、あなたはもう、常根様から逃げられない。

ヌチャ……震える唇を触手が撫でた。隙間を開き、中に入り込もうとしてくる。

けれど、胸に浮かんだのは悦びでも恐怖でもなかった。

 

後悔にも似た感情。

 

それは、初めてを常根様に捧げられなかった悔しさだった。

幼い頃、父にキスをした。そこに性的な意味なんかない。ただの背伸び。

大人の真似をして、幼い好意を伝えただけ。お父さんは、少し困った顔をして、お母さんはなんだか楽しそうに笑っていた。「キスは一番大好きな人とするものだ」そう言って、父は頭を撫でてくれた。

 

幼い日の温かい思い出が歪でいく。

 

一番大好きな人。あのとき、父の言葉の意味がわからなかった。

お母さんにすればよかったのかな? 答えが出る前に、母は病気でなくなってしまったけれど。でも、今ならわかる。あなたの一番大好きな人……それは常根様だ。巫女として、この身を捧げられることが誇らしい。あなたの全部は、常根様のためにある。

 

ああ、どうして父とキスをしてしまったんだろう。

 

初めてを捧げられなかった。顔を背けたのは汚されたくなかったんじゃなくて、汚れた唇を見られたくなかったから。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。後悔に沈む心を、常根様は優しく包んでくれた。

きっと、あなたにとっては今が初めて。それでいい。それが幸せなんだと、倒錯的な欲求が嘯いた。触手の先に唇をなぞられ、心が痺れる。抗うのが辛い。

口を開きそうなるのを耐えている意味が分からない。

 

ぼんやりと浮かぶ誰かの面影。

 

まだ、覚えている。それは、こんな触手なんかじゃない。

胸に浮かんだ名前を否定するように、あなたは首を振って触手から唇を逃がす。

 

その瞬間。

 

ギュッ……! 急に首を強く締めつけられ、息が止まる。

反抗的なあなたの態度に、常根様は苛立ったように触手を震わせた。

油断していた。さっきまで優しかったから。つい、甘えてしまって、怒らせてしまったんだ。霞む意識に罪悪感がのしかかる。

 

口を開け。受け入れろ。

 

強い言葉に頭を殴られたようだった。頭が痺れて痛む。

身の毛もよだつ興奮と、歓喜の音色に胸を打った。同時に、ゾクッとするような悪寒も感じて、心がバラバラになりそうだった。

 

っ……ぁっ……

 

喉に残っていた空気まで締め出された。

指先の感覚からなくなっていき、瞳から涙が溢れてくる。空気を求めて唇が開く。

あなたの小さな口の中に、常根様の触手が入り込んできた。

 

喉を締めていた触手が解ける。慌てて息を吸い込むと、常根様の匂いで胸が一杯になった。吸い込んだ甘い香りを、恍惚と吐き出す。愛おしさが溢れ、指先から体の芯まで痺れたみたい。

 

でも……苦しい。

 

無理に触手を咥えたあなたは、くぐもった声を漏らす。

舌を動かしても、太い触手はビクともしない。むしろ、あなたからの愛撫を促すように震えてみせた。そんなつもりじゃないのに。でも、常根様を怒らせる恐怖が胸を刺す。

 

それは、奉仕する巫女の責任感か。

それは、捧げられた少女の諦めか。

 

咥えた触手は、肌で感じたよりもずっと熱い。

触手の太さに、ただ口を開いているのも辛くなった。不慣れな行為に、歯が触手を掠めてしまう。怒ったように震えた常根様は、更に触手を喉奥へと押し込んできた。

 

けほっ……

 

ごめんなさい、ごめんなさい……。

 

謝りながら、えづく。

 

口内で飛び散る唾液と粘液。その匂いと味には、覚えがあった。

あの時、飲みほしたもの。盃に注がれていた乳白色の液体よりも濃い。

舌を伸ばしてまで欲しがった。酩酊感と心地よさの正体に気づいた瞬間、得体のしれない熱に体が侵される。

 

常根の酒の匂いに酔いが回り、目の前がふらついた。

 

粘液を吐き出そうとしても、口は触手に塞がれたまま。

唇の端から押し出すのが精一杯で、すぐに次の粘液に満たされる。

 

……飲み込みたい。

 

単純な息苦しさと、焦がれるような熱望が、胸の中で暴れだす。

今、これを飲み込んでしまったら……。思う反面、もうどうにもならないと諦めの感情が大きくなる。

 

喉を塞いだまま、常根様は動かなくなった。

無理やり流し込むこともできるのに、あなたが飲み込むのを待っている。

 

言い訳なんて、させてくれないんだ。

無理矢理飲み込まされたから、そんな逃げ道さえも塞ぐようだ。

つぅっと、あなたの瞳から涙が零れ落ちていった。泣けば泣くほど、今までの自分が流されていく。

 

こく……

 

粘液を飲み込んでしまった。息苦しさが少し和らぐ。

飲めば飲むほど、熱望に胸が熱くなる。もっと飲みたい。飲ませてほしい。逸る鼓動が全身を火照らせた。

 

常根様に、愛されたい……。

 

恋い焦がれる感情が湧いていた。鼓動が踊り、下腹が熱を生む。

最後まで、抵抗していた腕から力が抜けていった。弱々しく開いた指先に、細い触手が絡みつく。小指、薬指、中指、人差し指、親指……。一本一本、慈しむように触手はあなたの指を愛で始めた。

 

指の根元から先端まで、恋人たちが手を繋ぐよりも深く愛される。

右手が、甘く溶けていく。触手を咥えたまま、ぼんやりとその光景を眺めていた。

こく……こく……喉を鳴らすたび、常根様の意思があなたの心を浸す。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。幼い日に、手を引いてくれた父の面影が重なった。

あなたを守ってくれる人。あなただけの神様……。化け物だなんて思わない。

逞しい触手たちに抱かれ、犯される。ずっと、こうしていたかった。

 

指を愛でていた触手が離れていく。代わりに差し出された太い触手。

動く触手に背中を押され、手のひらでそれを受け止める。これを掴んだら……。

僅かに残った理性が、指先を引き止めていた。

 

けれど、あなたはこの状況を受け入れるしかない。

巫女としても、生贄としても、常根様にはもう逆らえない。支配される恐怖と渇望。代償と報酬は、未知の快楽。普通の少女として過ごしてきたあなたにとって、それはあまりに甘美な誘惑だった。

 

1本、小指が折れる。

2本、薬指が折れる。

3本……4本……5本……。

 

中指、人差し指、親指が折れる。

包みこんだ触手の熱さに肌が溶かされるようだった。

 

……こんなの知らない。

 

前へ、後へ。考える前に手が動いていた。手のひらで常根様に奉仕をする。

繰り返すほど動きに熱がこもり、指先ですら快感を感じるようになった。

もっと……。いつしか奉仕の熱は、自慰の熱へと変わっていた。常根様に奉仕するだけの存在なのに、勝手に気持ちよくなるなんて。クチュリ……蜜の音を恥じ入るように、あなたは太ももを引き寄せる。

 

常根様はあなたの頭を撫でると、左手にも太い触手が差し出された。

もはや、考えもしない。どうすれば気持ちがいいのか分かる。

 

小指、薬指、中指、人差し指、親指……。

 

丁寧に常根様を包み、熱を感じながら扱く。

進むときは力を入れ、引くときは名残惜しく撫でるように。触手を愛でることに夢中になっているのも気づかない。粘液に塗れた手のひらが媚熱を帯びる。両手の指が、甘く痺れて気持ちがいい。

 

……上手だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。常根様に褒められて、ほっとする。安心する。

嬉しくなったあなたは、奉仕する指にますます熱を込めた。

 

ふいに、口内の触手が喉奥を撫でた。催促するような動き。

握る触手に夢中になりすぎて、口の中が疎かになっていたのを思い出す。

 

ごめんなさい……。

 

謝りながらも、あなたは口内の奉仕にも意識を戻す。

奉仕すること、使われることが、嬉しくってたまらない。苦しさの中でも、あなたは昂っていく。

 

舌を這わせ、触手の動きを受け入れる。こく……こく……粘液を舐め取り、甘く喉を鳴らす。気持ちがいい。もっと飲みたい。こく……こく……滴る蜜を飲み込むたび、意識が霞む。常根の酒よりも濃い粘液は、あなたの内側から快感を生み出していた。興奮すればするほど酔いが回って、体の奥が熱くなる。こく……こく……ごっくん。飲みきって、大きく息を吐きだした。

 

触手が震えて、あなたの口からゆっくり引き抜かれていく。

開きっぱなしの口が少し楽になった。でも、寂しい。まだ足りない。呼吸は乱れ、鼓動とともに酩酊感が強くなる。

 

……もっと。

 

無意識に舌を伸ばすと、触手との間に透明な糸が伸びていく。

自分から口を開いていた。それに気づいたあなたは、近づいてくる触手を前に、何もしない。唇に触れた触手を拒みもしなかった。

 

差し出した舌の上を滑り、喉奥をぐっと突かれて体が震え上がる。

蜜に溺れる心地よさ。口を塞がれ、息が詰まるのに気持ちがいい。

 

それは、肉体としての正常な反応だったのかもしれない。

窒息への拒絶と恐怖が、涙に変わって溢れ出す。心臓が警笛をならし、理性が叫ぶ。

 

あなたの脳裏には、大好きだった父の面影が浮かんで見えた。

優しい父の姿。温かくて大きな手。いつも守ってくれた手を求め、指を伸ばす。

 

ヌルリ……。

 

けれど、あなたが掴んだのは常根様の触手だった。

手の中で触手が蠢くと、指先が甘い痺れに包まれる。もはや性感帯と変わらない。

熱くて、太い触手。父の大きな手とは似ても似つかないのに、逞しいその触手を掴んでいるだけで、幼い日の安心が蘇る。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。何も、大丈夫じゃない……何一つだって違うのに。

でも、もう、分からない。考えること自体が億劫だった。

常根様がそういうなら、もうそれでいい。触手に抱かれ、犯される。

その先に何が待っているのか。ぼんやりとは想像できても、抵抗する気力は湧いてこない。

 

両手を使って、常根様に奉仕をする。

口の中も触手で一杯にしたあなたは、こく……こく……滴る蜜を飲み込んだ。

気持ちがいい。息をするのも惜しかった。呼吸の代わりに、常根様の蜜を飲んでいたい。あれだけ求めていた父の姿が霞んでいく。

 

どんな顔をしていたっけ?

 

思い出せない。優しくて、温かくて、大きくて……あれ? でもそれは、常根様とどう違っているの?こんなに辛いのに。助けてくれないお父さんなんて、もう……知らない。常根様に身を任せていれば良い。だって……常根様のほうが、優しくて、温かくて、大きくて……ずっと、あなたのことを守ってくれる。

 

飲み込んだ蜜の甘さに、体の奥が熱くなった。粘液に濡れた肌が火照って仕方がない。ふぅっ……ふぅっ……! 荒い呼吸を繰り返す。鼓動が高鳴るほど、全身の感度が上がっていった。指先から、髪の毛の1本まで。血管の脈動ですら気持ちがいい。興奮を自覚したあなたは「んっ……♥」と漏れた自分の嬌声にさえ、背筋をゾクッと震わせた。

 

それは、軽い絶頂だった。

 

ふわり、意識が白むほどの快感。心が軋み、欠けていく。

もっと声を出したいのに。そうすれば、もっと気持ちがよくなれるはずなのに。

体の奥で、快感が燻り続けていた。でも、触手に口を塞がれたあなたは、満足に声を上げることもできない。

 

ギュッ……! 唐突に胸が絞られた。

 

本当なら痛いはずなのに……。触手が力を緩めた後も、あなたの胸は痺れたまま。

桜色をした小さな突起が、ジンジンとひりつきだす。

 

触れてほしい……

 

涙の滲む視界の中で、あなたは震える乳首を見つめていた。

高鳴った胸の鼓動は、今にも張り裂けそう。色の薄い乳輪の上を触手が撫でる。

もうちょっと、あと少しで、だけど、常根様は乳首に触れてはくれない。

乳輪の上をからかうようにくすぐるだけ。

 

ふぅっ……ふぅっ……!

 

呼吸が更に荒くなる。餌を前にお預けをされた犬みたいだった。

あなたは、口の端から涎と粘液を垂れ流しながらも、乳首を震わせる快感は一向に解消されないまま。あまりのもどかしさに手が伸びる。でも、常根様は手を離してくれない。今のあなたにできるのは、自分で胸を揺らして、少しでも乳首に刺激を送ることだけだった。

 

身を捩って、背筋を反らす。それでも、触手に巻き付かれた あなたの胸は、思うように揺れてはくれない。ふぅっ……ふぅっ……! 呼吸ばかりが荒くなって、快感は高まり続ける。

 

その瞬間……。

 

ギュッ! また胸が絞られた。

 

ジンジンと胸を覆っていた熱が絞り出されて、乳首の先から飛び出しそう。

快感を溜め込んだ乳首が膨らんで見えた。疼いて、疼いて、仕方がないのに、何もされない。常根様への奉仕も忘れるほどの衝動。頭の中は乳首のことで一杯だった。

 

胸を絞られ、乳首が押し出される。優しく……けれど意地悪に。

胸の袂から甘い痺れが頂きへと向かっていく。乳輪がピリピリとし始めた。

乳首の根本に集まった快感は留まって、あなたの胸を焦がし続ける。

 

……どうしたんだい、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。その声は、少し意地悪に聞こえていた。

あなたが快感に悶えるのを見て愉しんでいる。でも、それは仕方がない。

だって、あなたは常根様の巫女なのだから。捧げられた少女なのだから。

常根様が悦んでくれるのが、あなたにとって一番の幸せ……。

 

そんなわけない。そんなのいや……。

 

自分が自分でなくっていく恐怖と快感。

声は出ない。口は触手に塞がれて、粘液に満たされた喉は甘く震え続ける。

 

お願いします……お願いします……お願いします……

 

もう、これ以上は……

 

胸の中で、何度もお願いし続ける。

そんな、あなたの姿に満足したのか、常根様はようやく触手を動かした。

ゆっくりと、数でも数えるような気の長さで、先端を乳首へと近づけてくる。

 

10……9……8……

 

あなたの胸の膨らみを締め付けながら、触手が乳輪の形をなぞる。

ふぅ……っ大きく息を漏らす。近づいてくるその先端から、目が離せなくなった。

何もされない辛さ。ジンジンと疼く乳首に快感が溜まり続ける。

 

想像してしまった……。

 

0で触手が乳首に触れる瞬間。未知の興奮と、歓喜の予感に、あなたの胸は震え上がった。

 

7……6……5……

 

暗い社の中。薄ぼんやりと浮かび上がる あなたの裸体。

華奢な体に絡みついた触手たち。解かれた巫女装束。露わになった胸の膨らみが、触手たちに弄ばれている。粘液で濡れた肌は熱く、感度を上げていく。媚熱に疼く指先。口を塞がれる苦しさも、快感でしかない。

 

気持ちがいい……。

 

きゅっと、首を絞められて口が開く。触手とキスをしながら、舌を伸ばしたあなたは、こく……こく……甘い蜜を飲み込んだ。

手首を、足首を、掴まれて、捕らわれて、体を開かされたあなたは動けない。

自分の女を隠すように、太ももを寄せるのが精一杯だった。

 

今度こそ、犯されるかもしれない。

 

愛液に濡れそぼった自身に気づく。こんなのを常根様に見つかったら、どうなるかわからない。快感に染まる中でも、処女を失う忌避感はまだ大きかった。

無意識に、自分を守ろうとしてしまう。まだ、守れる自分がそこには残っている。

それも、遅いか早いかの違いでしかない。そんなのとっくに分かっていた。

常根様の機嫌一つで、あなたの処女は簡単に奪われてしまう。

 

ゾクリとした……。

 

背筋を撫でる触手の刺激。腰から、首の後ろまで、つぅっと通り抜ける甘い痺れ。

体の奥から快感が引き上げられる。声を上げたくても、口は触手に塞がれていた。

くぐもった嬌声を漏らしながら、荒くなる呼吸に胸が弾む。

 

4……3……2……

 

薄い乳輪の上で、触手は踊っていた。

乳首が疼く。快感が高まり続ける。なのに、いつまでも触れては貰えない。

膨らみきった乳首が、身震いを繰り返していた。胸を揺らす程度の刺激じゃ物足りない。触手に抱かれて暴れるあなたは、癇癪を起こす子どものようだった。

 

ゆっくり……。

 

あなたの口から、触手が抜け出ていく。乳首を愛でていた触手の先が、頭を持ち上げた。期待と懇願。お願いします、常根様。もう、許して……。乳首を視姦するかのように、あなたは熱っぽい視線を送り続ける。

 

1つ……。

 

触手の先から、透明な雫が滴り落ちた。

 

ぴちゃんっ! 乳首の上で弾けた雫。粘液に濡れたあなたの乳首は、かぁっと熱くなる。たったそれだけ。たったの一滴。常根様の粘液に濡れた乳首はビリビリ痺れだす。

 

あっ……♥ あっ……♥ あっ……♥

 

呼吸さえも ままならなくなった。触れたくて、触れてほしくて、しょうがない。

刺激が欲しい。もがいて、身を捩って、暴れるあなたを、だけど常根様は離さない。落ち着いた声音で、語りかけてくる。

 

……頷いてごらん、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。あなたを促すように触手が背中を撫でた。

一瞬のためらい。まだ胸に残っていた少女としての自分そうさせたのかも。

快感を認め、受け入れる。それは、常根様に屈服して、服従するのと変わらない。

でも、それでも。ただの少女として、あなたに出来ることはもうなかった。

時間は何も解決しない。ただ、あなたを追い詰めるだけ。我慢した後に落とされるか、素直に落ちるかの違いでしかなかった。

 

頷くだけでいいんだ……。

 

ちょっと、首を揺らすだけ。煮えきらないあなたに、これ以上の譲歩もない。

僅かに残る恥じらいに頬が染まる。未知の快感への戸惑いに、胸が高鳴った。

 

大きく息を吸って、時が止まる。

 

一秒に満たないその時間を、もっと長く感じていた。

 

 

 

 

こくり……。あなたが頷くと同時に、時計の針が動き出す。

 

0……

 

「あっ……♥」声が溢れた。背筋が反る。乳首から快感が逆流する。

我慢はいらない。口を塞ぐ触手もない。思うまま声を上げられる。全身が跳ね、意識が飛んだ。

 

気持ちがいい……。

 

絡みついた触手にギュッと絞られ、甘美な痺れが吹き出すようだ。

乳首を可愛がられるたび、あなたの嬌声が響く。声を、上げれば上げるほど気持ちが良かった。触手の先で乳首を転がされ、一緒になってあなたは身悶える。

完全に勃ちきった乳首を触手に扱かれて、嬌声が煮詰まった。再びの絶頂を前に、あなたは息を飲む。胸が浮き上がる。今にも張り裂けそう。

 

心が軋む、これ以上は……本当に壊れ……。

 

そう、思うのに。ジンジンとした疼きが、乳首を苛んでいた。

それは、まだ何もされていないもう一つの乳首。

隣で可愛がられている半身を前に、苛立ったように疼きを強くする。

 

今はだめ。でも欲しい。絶頂から快感の底に落ちていくあなたの体。

敏感になった乳首をまた責められたら……。こくり……息を飲んだ。初めて乳首に触れられた時の衝撃が脳裏をよぎり、知らず体を熱くする。

 

また、あんなのされたら……。

 

両方の乳首を転がされて、扱かれて……それは、もう……。

 

そんな、あなたの期待に応えるように、常根様はゆっくりと触手を持ち上げた。

 

3……粘液の雫が作られ。

 

2……重たく糸を引き。

 

1……ぴちゃんっ!

 

弾けた雫が、乳首の先で飛び散った。

粘液に濡れた乳首が、かぁっと熱くなる。たったそれだけ。たったの一滴。

常根様の粘液に濡れた乳首がビリビリと痺れだし、根本に溜まった快感が沸騰し始める。

 

触れて欲しい。もう我慢ができない。完全に勃ちきった乳首は興奮を隠せない。

でも、触手の先端は乳首に触れないまま、また次の雫を滴らせる。重たく糸を引いて、あなたの乳首の上で弾けた。絶頂しそうだった。なのに、できない。

常根様は何も言わない。何もしてくれない。ただ、あなたを待つように、触手の先で雫を作り続ける。

 

ぴちゃん……ぴちゃん……ぴちゃん……

 

言わなきゃ。ずっと、このまま。あなたを縛り付ける触手たちは、その動きを止めてしまっていた。もう絶頂しそうなのに、身動ぎ一つ許されない。

さっきまで可愛がられていた乳首すらお預けにされて、唇がワナワナと震えだす。

何か言おうとしても、声が言葉にならない。

 

お願いします……お願いします……お願い、許して……

快感に負けたあなたは、何度も首を振ってみせるけど、常根様は許してくれない。

言わなきゃダメなんだ。何をして欲しいのか、どうして欲しいのか、お願いしますって……。声を言葉にしないと、ずっとこのまま。そんなのは、もう……耐えられなかった。震える声を言葉に変える。お願いします、常根様。お願いだから……乳首に……。

 

 

 

0……

 

あなたが口にしたその瞬間。両方の乳首に触手が絡み、締め付けられた。

ギュッと絞られて、絶頂の波が押し寄せる。ぷっくりと膨らんだ乳首の先を、触手に愛でられる。熱くて、痺れて、怖いくらいに気持ちがいい。

 

もっと……もっと……もっと……

 

乳首を責められ、快感によがる。口にした言葉は、スマホに映っていた少女と同じ、快感を求める声だった。軋んだ心が、砕ける音がする。パリンとガラスの割れるようなあっけなさが、頭のどこかで響く。

 

すぅっ……と大きく息を吸い込んで、はぁっ……と深く吐き出した。

淡い快感に、全身が包まれたみたいだった。心と体から力が抜けていく。

あなたの胸に残るのは、常根様への想いだけ。巫女としての使命感も、生贄に捧げられた恐怖でもなかった。

 

……もう、ダメなのかも。

 

人では得られない快楽を知ってしまった。

常根様なしでは、きっと生きられない。日常に思いを馳せる。それはどんな形をしていただろうか。それはどんなに温かっただろうか。今のあなたはそこにはいない。いられない。暗闇に伸ばした指に触れたのは、常根様の触手だけだった。

 

 

***

 

 

ぼんやりと、あなたは自分の体を見下ろしていた。

 

いつの間に、裸にされてしまったんだろう? 上衣も、袴も脱がされて。

一糸纏わぬ姿で、常根様の前に裸体をさらす。浅い呼吸に合わせて、形の良い胸がふわりと揺れた。肌は染まり、粘液に塗れ、絶頂を繰り返した乳首には、火傷したみたいな違和感が残る.

 

 

はずかしい……?

 

それも、分からない。少女として過ごしてきた習慣が、恥じらいを思い出させただけなのかも。体を隠そうとして力を入れると、下腹に抱えた熱が滲んできた。

すっかりと、異性を受け入れる準備を整えた女の体。ピタリと閉じた無垢な縦筋が綻びを見せて、いやらしく愛液を垂れ流す。

 

それは、だめ……。

 

まだ、少女でいたかった。

 

バラバラになった心をかき集める。もう、もとには戻らなくても、処女を失う忌避感が、残った正気を呼び戻す。身を捩って触手から逃れようとしても、絶頂の後の気だるい身体は、あなたの言う事を聞かなかった。

 

つま先から、太ももへ。絡みついた触手と一緒に、快感が這い上がってくる。

痒みのようなもどかしさ。足の付け根に触手が触れる。なんとか身を守ろうとしても、弱々しく太ももを寄せるだけで精一杯。それはもう、抵抗でさえなかった。自身の女性に近づいてくる触手を前に、あなたは……息を呑む。

 

無垢なままのあなたの割れ目を、触手の先端が舐め上げた。

 

心臓が跳ねる。

 

ピタリと閉じた縦筋を触手がなぞる。粘液が割れ目を濡らし、ジンジンと疼き出した。もっと……もっと……触れて欲しい。中にも……。

それだけじゃ……それだけは……。頭を振って、浮かんだ言葉を振り払おうとする。

 

けれど、あなたの疼きは収まらない。

 

それは、乳首のときと同じか、それよりもっと強い情欲だった。

女としての自分が、それを求めてしまう。他に行き場のなくなった あなたには、常根様に愛される以上の幸せもない。いつかは好きな人と、そう思っていたのに。

 

……常根様。

 

名前を思い浮かべただけで、体が熱くなる。それは、気になる異性を前にしたときの動揺と何も違わない。あなたは、常根様を愛している。常根様に愛してほしいと思っている。

 

まるで、抱き上げられた子供みたいだった。

膝の裏に潜り込んできた触手に、足を開かされる。常根様の前に、濡れた割れ目が晒された。滲んだ愛液を舐め取るように、触手が割れ目を舐めあげる。

 

1回……2回……3回……

 

繰り返される刺激に、腰が蕩けてしまいそうになった。

太ももが震えて、腰が浮く。ジワジワと下腹が熱くなる。ジンジンと割れ目が疼く。足を開かされたあなたは、それを見つめていることしかできなかった。

 

4回……5回……6回……

 

感じるままに、熱い吐息を漏らす。はぁっ……はぁっ……繰り返すたび、胸の高鳴りが全身に響く。いつまでも満たされない欲求を埋めようと、あなたは自分から腰を揺らして刺激を求めた。脳裏にちらつく甘い誘惑。……犯して欲しい。ふと思う。

 

7回……8回……9回……

 

いつのまにか、声を上げて泣いていた。それが、あなたの最後の抵抗だった。

いやっ……いやっ……。持っていかないで。返して。せっかくかき集めた心の欠片が、指の隙間から零れ落ちていく。脳裏に浮かぶ最悪の結末。

犯さないで……。壊れていく自分に怯えながら腰を引く。滲んだ愛液が涙のように零れて落ちた。粘液に塗れた割れ目は、触手の気配を感じるだけで疼きだす。

 

10回……

 

ふわり……体が浮かび上がった。軽い絶頂。同時に、胸が空く。

風が吹いた後の水面のように、さざめくだけ。そこには何もなくなっていた。

怯えていたようにも思う。ただ恋い焦がれていた気もする。

 

でも……もう、どうでもいい。

 

疲れちゃった。何も考えたくない。

 

だってあなたは、常根様の巫女だから。その身を捧げることがあなたの役目。

すとんと、腑に落ちた。まるで最初からそうだったみたい。この村での生活は、まだ一年と経っていないのに、それ以上の思い出が胸に満ちる。

 

とこねさま、とこねさま……。

 

舌っ足らずに、幼いあなたは常根様を呼ぶ。今よりもっと小さな手を伸ばすと、無数の触手があなたを抱きしめ、優しく撫でてくれた。服をベタベタにされてむくれたあなた。困ったように触手を震わせる常根様。それも、懐かしい思い出だ。

 

大きくなったら、とこねさまとけっこんするの……。

 

差し出された触手を抱きしめたあなたは、幼い唇を重ねていた。

 

僅かな違和感。その言葉は、違う誰かに言ったような気がするのに。

違和感の方こそが、異物のようにも感じてしまう。

 

あなたの割れ目を愛撫していた触手が離れていく。

 

快感が遠のいたことで、切なげな溜息が漏れた。暗がりの中から伸びてくる触手。

それは、今まであなたを可愛がってくれたものよりも太くて、表面に血管が這うように凸凹として見えた。まるで、熱り立った男性器。あなたを犯すためだけの肉棒。常根様の本気の触手。

 

目にしただけで鼓動が跳ねる。今からアレに犯されるんだ。あんなのに……。

肉棒の先が突きつけられた。先端からドロリとした粘液が溢れてくる。漂う精の匂いに、あなたの頬は熱くなった。

 

太い肉棒を見せつけるように、顔から、首筋、胸元、胸の谷間、お腹、おヘソを通って、肉棒が股間に顔を寄せる。呼吸が早くなり、身を捩った。でも、それがなんのためだったのか、もう思い出せない。

 

肉棒の先端が、あなたの割れ目に充てがわれる。

 

足を閉じることさえも忘れて見入っていた。傘の広がった先端が押し付けられ、埋まる。開いた割れ目の向こうから、クチュリ……愛液が溢れ出す。

……本当に、挿るんだろうか?  常根様の肉棒は、あなたの小さな割れ目に比べて明らかに太い。不安はある。だって、あなたは初めてだったから。常根様に捧げるために、大事に守ってきた貞操。そこからくる不安は、むしろ誇らしくもあるけれど。

 

ぎゅっと、触手の締め付けが強くなる。

 

首筋、手首、脇。お腹に巻かれた大きな触手。足首、膝の裏、太もも。

体を縛る触手たちに力が入ると、あなたはもう身じろぎの一つもできなくなった。

これから、何をされても常根様には逆らえない。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。あなたは大きく息を吸って、深く吐き出した。

胸を満たす安心感。体から力が抜けて緊張が解れると、常根様の肉棒が更に奥へと沈んでいく。ゆっくりと、優しく。だけど、肉棒の動きは止まらない。

 

ギチっと、傘の部分が呑み込まれて、小さな割れ目が一杯にまで広がり切る。

 

少し痛い。下腹に広がる異物感も強くなる。喉元に迫るような息苦しさを感じたあなたは、堪らなくなって腰を引いてしまった。けれど、逃げられない。

全身を縛る触手たちは、あなたが逃げようとするのを許さなかった。ゆっくりと、でも確かに。肉棒は、あなたの真っ新な膣を押し広げながら、奥へ、奥へ、奥へ……進み続ける。

 

初めての挿入に腰が震えた。割れ目がキュッと締まる。

それは、侵入してくる異物への反射的な行動でしかなかった。それでも、愛液で満たされた あなたの膣内は、なんの妨げにもならない。閉じようとする柔肉が力強く押し開らかれた。ジュブリ……淫靡な音を立てながら、肉棒は更に奥へと突き進む。

 

血管の浮き出た表面は、凸凹として脈を打っていた。

傘の広がりが、膣のヒダを一つ一つ丁寧に擦り上げながら進んでくる。

その動きは、あなたの体を探り、女を開くようだった。

 

粘液が絡み合い、愛液と混ざり合って、熱い雫が太ももを伝って落ちる。

触手の脈動があなたの内側に響く。子宮へと向かうその圧迫感は、痛みと快感の入り交じる、甘美な重圧となって全身を震わせた。チリチリと何かが千切れていく。重たくなったお腹の中で、肉棒の動きが僅かに鈍る。

 

あるいは、あなたに正気が残っていたなら、その瞬間を前に泣き叫んでいたのかもしれない。プツっと、あまりにあっけない。初めての証が奪われる。処女膜が破られた痛みに気づいたあなたの瞳から、涙が溢れ出してきた。

 

嬉しい。常根様に初めてを捧げられた。なのに、どうして胸がざわつくんだろう?

何かが違う。だめっ……。焦燥感が警笛を鳴らす。けれど……。

 

常根様の肉棒が、あなたの子宮口とキスをしたその瞬間。

とんっ……お腹の奥から軽く押し上げられた。常根様の存在をお腹に感じる。

満たされる悦びに、些細な違和感なんてどうでもよくなった。

 

気持ちがいい……

 

自分よりも大きな存在に、守られ、愛され、犯される。女としての本能が、あなたの理性を押し流す。肉棒に犯されるのが幸せ。触手たちに愛でられるのが気持ちいい。

 

ここに、常根様が挿っているんだ。そう思うと下腹の膨らみですら、愛おしくて愛おしくて堪らない。伸びてきた触手の1本が、あなたのお腹を軽く突く。

常根様で一杯になったお腹を押されて、ちょっと苦しい。

そのまま、クルクルと円を描くように下腹を愛撫されて、お腹の中で動く常根様の存在を強く意識してしまう。

 

ごりっと、鈍い音がした。あなたの中に収まった太い肉棒。

ギチギチに広がった小さな割れ目。広がった傘の部分が、膣壁を削るように動く。

狭い膣内を強引に広げられ、ヒダを引き伸ばされた。

 

身を裂くような強い刺激に、あなたは身悶える。それが痛みに変わっていないのは、常根様の粘液のお陰。もう、何をされても気持ちが良かった。少しくらい乱暴にされても、むしろ余計に興奮してしまった。膣内で蠢く肉棒の刺激に、だんだんと快感の火が強くなる。

 

ゆっくりと、膣を堪能するかのような動きに、あなたは下腹を震わせた。

太い肉棒が割れ目の入口へと戻ってくる。軽くなったお腹が寂しい。掻き出された愛液の中に混ざった破瓜の血が、一筋と流れて白い素肌を赤く汚す。

 

肉棒が、また奥へと向かって進んでいく。薄っすらと、下腹に肉棒の形が浮き上がった。中で脈を打つ肉棒の動きが、外からでも分かる。肉棒の脈動を感じながら、お腹が重たくなっていく。ほっとする。安心する。満たされて、嬉しい……。

 

あなたは恍惚と、ため息を漏らす。自分の中で、常根様が気持ちよくなってくれている。その悦びが、胸を熱くした。粘液のもたらす熱感よりも、もっとずっと深い繋がりを感じて、愛しさで胸が詰まりそうだ。

 

気持ちがいい……気持ちがいい……

 

もっと……もっと……

 

常根様……

 

自分が何を言っているのかも分からない。喉奥から甘い嗚咽がせり上がる。

泣きながら快感を感じて、感じながら泣いていた。触手に下腹をノックされ、快感が子宮にまで響くと、溢れた大量の愛液があなたの股間を濡らしていく。

 

太い肉棒に子宮口を突き上げられる。ふわり、体が浮き上がった。

けれど、触手に縛られた あなたの体はビクともしない。全身を震わせる甘い痺れから逃げられない。息を漏らしただけで、快感が一気に襲いかかってくる。

 

繰り返し、犯されて、恍惚の波が絶え間なく押し寄せた。愛液の中に混ざっていた赤色は薄れて、白く濁りだす。ジュブジュブ……淫靡な音を泡立てながら、何度も、何度も、繰り返すほどに激しくなる肉棒の動き。

 

5……6……7……8……9……

 

10を数えても、肉棒の動きは止まらない。むしろ、より激しくなっていく。

太い肉棒に犯され、あなたの意識が蕩ける。全身の穴という穴から快感が溢れるようだった。流れる汗ですら気持ちがいい。肉欲に溺れる。涙が頬を撫でただけで、軽い絶頂に達していた。

 

20……30……40……

 

肉棒に犯され続け、膨れ上がっていく快感。何倍にも、何十倍にも重なる快感に、あなたは呑み込まれていく。

 

全身を覆う触手たちが、ヌルリと動き出した。

手の中で感じる触手の脈動。胸を絞られ、乳首を交互に締め付けられて、あなたは声にならない嬌声を上げる。甘く、喉を震わせながら、こく……こく……と喉を鳴らした。声を上げたくても、とっくに口は触手に塞がれていた。

くぐもった嗚咽と、甘い粘液を飲み込みながら、あなたは触手に舌を伸ばし続ける。

 

50……60……70……

 

ギュッ! 乳首を締め付けられ、意識が飛んだ。あなたが絶頂に達している間も、触手の動きは止まらない。背筋をなぞられているだけなのに、頭の中を掻き回されているみたいだ。触手に締め付けられ、扱かれたお腹は、肉棒のように震え上がった。

 

口の中でのたうつ触手は、更に大量の粘液を流し込んでくる。

こく……こく……けほっ……! 飲み干せなくて、口から溢れ出す。

 

ごくり……。

 

無理に喉を鳴らすと、粘液と一緒に触手が喉奥へと落ちてきた。

苦しくなって涙が流れる。けれど、粘液に浸された喉は、まるで膣と同じ。

性感帯に変わってしまっていた。触手に擦られて喉を震わせたあなたは、声を上げることもできずに身悶える。

 

80……90……

 

激しくなる肉棒の動きに、あなたはどんどんと乱されていく。

何度も何度も奥を突き上げられて、快感で意識が霞む中。ピンっ! 触手にクリトリスを弾かれた。全身が跳ねる。グリグリと円を描くように先端を押し付けられて、腰が泳ぐ。

 

91……92……93……

 

お腹の中で肉棒が熱く、大きく膨れ上がるのを感じていた。

 

射精……されるんだ。

 

その予兆に、もう抗うこともない。処女を失い、膣を犯され、子宮まで染められる。常根様の子を孕む。その瞬間は、すぐそこまで迫っていた。

それを幸福として受け入れるあなたは、もう少女どころか人にすら戻れない。

 

94……95……96……

 

勢いよく挿ってきた肉棒が、子宮口を押し上げて深いキスをされる。

大きく波打つ肉棒の先から、大量の粘液が吐き出された。背筋が伸びて、腰が落ちる。無意識だった。常根様の触手へ、自分から子宮口を差し出しキスを返す。

 

97……98……99……

 

もっと奥に、もっと深くに……。あなたの一番大事な所へ。

想像しただけで、子宮が震え上がった。今だってそう。最初に乳首で達したときよりも、クリトリスを責められるよりも、何倍も気持ちがいいのに……。

 

直接、常根様の精を子宮に注がれるだなんてこと。

今度こそ、自分が自分でなくなってしまう。そんな予感に、あなたの子宮は震えていたのかもしれない。

 

……大丈夫だよ、天音。

 

囁く声に意識が揺れる。感じていたのは恐怖じゃない。常根様の女にされる悦びだった。出して欲しい……。子を孕みたい……。何度も、何度も、声に出す。

声を上げれば上げるほど、興奮した触手はさらに激しくあなたを犯す。

 

肉棒が更に膨らんだ。子宮口に先端が突き刺さり、グリグリと押し付けられる。

入口をこじ開けるような動きだった。そして、次の瞬間……。

 

ドクンっ!

 

下腹が、おヘソの下が、かぁっと熱くなった。

強く、大きな脈動。お腹の中に、熱い塊が注ぎ込まれてくる。

 

幸せ……

 

肉棒が子宮口を押し開く。迸る精の熱。甘くて蕩けそうな幸福感に、あなたは包まれた。出されちゃった……。もう、戻れない……。声にならない声が溢れ、大粒の涙が頬を伝っていく。

 

絶頂の快感とは違うんだ。

 

むしろ、その後の余韻の方が近いくらい。

狂おしいほどの快楽を想像していたあなたは、少しだけ気が抜けてしまう。

 

それでも……

 

他の何にも変えられない時間だった。触手に抱かれ、常根様の精を受け止める。

そんな自分の姿に、得も知れない悦びを感じていた。ドクンっ、ドクンっ……。

熱い精液が子宮の奥にまで届くと、あなたは無意識に肉棒を締め付ける。

ドクンっ、ドクンっ……。子宮に溜まる精が波を打ち、抱えた下腹がジワジワと熱くなる。嬉しい、幸せ……。多幸感に支配されていた。ドクンっ、ドクンっ……。子宮に入り切らなかった精液が割れ目から溢れ出し、あなたと触手を白く汚していく。

 

やがて……。

 

いつまでも続くと思っていた吐精は、勢いをなくしていく。

膨らんでいた肉棒が緩くなる。甘い余韻を残しながら、ゆっくりと肉棒が引き抜かれた。

 

体に力が入らない。触手に抱かれたまま、あなたは呆然と息を吐く。

粘液に濡れた肌が幽かに火照る。深く、呼吸を繰り返すと、胸の鼓動も次第に落ち着いていった。けれど、子宮の熱は冷めないまま。胎内に常根様の精を感じたあなたは、自分の腹をそっと撫でた。

 

祭壇に置かれた鏡。そこに映る自分の姿と目が合った。

乱れた髪。涙と粘液に濡れた顔。股間からは大量の白濁液を溢れさせながら、恍惚と息を吐く。女として暴かれた少女の体。虚ろな瞳が、床に転がったスマホに落ちる。

 

そこに灯りはない。動画はすでに終わっていて、電源すらも切れている

あれから、あの子はどうなったんだろう? 考えるまでもない。だってそれは、今のあなたと全く同じだったから。

 




長時間お疲れ様でした。

ここまでご覧頂き、誠にありがとうございました。
良ければ、いいね、高評価等よろしくお願いします。

分割しようとは思いましたが、途中で夢から覚めるのがイヤで続行。
ちょっと触手プレイを愉しみたかっただけなのに、思った以上に難産になってしまった。
読者の皆様方に置かれましても、愉しんでいただければ幸いに思います。
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