何時間? 何日? もう、時間の感覚もわからない。
常根様に抱かれた続けたあなたは、その意味を無くしていた。
素肌を撫で分けるように、胸の谷間へ触手が入り込む。
そのうねりは緩やかで、恋慕を囁きながら唇を探し求めてくるかのようだった。
拒む理由などない。誘われるままに口づけを受け入れる。
交わした口づけの残響が、胸奥をきゅうっと締めつけた。切なさが透明な波紋となって全身を震わせる。舌先へ滴り落ちた一筋の粘液は舌の上でとろけ、陶酔を広げていった。
……また、したいの?
考えただけで下腹が疼き、深く愛された時の記憶が蘇ってくる。
触手に抱かれ、肉棒に貫かれて、たくさん愛を注がれた。触れ合うだけの口づけは、次第に求めるものへと変わっていく。
もっと……気持ちよくなってほしい。
もっと……気持ちよくなりたい。
……大丈夫だよ、天音。
囁く声に意識が揺れた。たったそれだけで心が甘く痺れてしまう。
絡みついた触手たちに導かれ、足が開かされていく。濡れた素肌を覆うものは、何ひとつない。衣服の代わりに、触手たちを纏う自分の裸体がひどく怪しく映る。
常根様の肉棒が、静かに割れ目へと差し向けられた。
涎を垂らすかのように、零れた愛液の滴が肉棒を濡らす。
ゆっくりと、近づいてくる肉棒の先から目を離せない。だんだんと荒くなっていく呼吸の音を聞きながら、あなたは小さく息を呑んだ。
ギィ……
蝶番の軋む重い音。扉の隙間から差し込む光はジワリと広がり、忘れかけていた現実を無遠慮に連れ戻す。パチっ……パチっ……。乾いた炎の音が弾け、社の中が松明の灯りに照らされた。
「気分はどうだい? 天音ちゃん?」
「おーおー、あのオボコだった天音ちゃんが、すっかり女の顔をしとるわ」
ゾロゾロと連れ立ってきた足音は、村の老人達だった。
社の静寂は隅へと追い立てられて、常根様とまぐわう あなたの姿が人前に取り残される。
がははっ……。聞こえてくる下卑た笑い声は、男としての獣欲を隠しもない。
鳥肌が立つほどの不快感だった。村人たちの視線が、あなたの肌を舐め回す。
そこには、今まで優しく接してくれていた面影は何処にもない。
裏切られた?
憤りはある。けどそれも、常根様と出会えた事に比べたら些細な事。
感謝まではしないでも、恨むのもまた違う。強いて言うなら、今更になって何をしにきたのか。
騙された怒り。裏切られた悲しみ。常根様と会えた幸せ。
あなたが村人たちへの感情を決めかねていると、常根様は大きく触手を振り払った。
バチンっと、床が拉げて穴が開く。
人を打ち据えたなら、潰れてしまうんじゃないかと思うほどの衝撃だった。
……怒ってるの? 常根様と深く繋がったあなたには、なんとなくその感情が伝わってくる。怯えたように震える触手を、なだめるように抱きしめた。
……やめて。……来ないで。……火を近づけないで。
村人たちに声を上げるけど、彼らの足が止まることはない。
松明を掲げながら近づいてくる村人たちは、常根様の触手を前に怯みもしなかった。
ジュッ……
肉の焼ける音と匂い。アルコールに火でも点けたみたい。
粘液に塗れた触手は一瞬で燃え上がり、のたうちながら崩れ落ちてしまう。
頭に響く常根様の悲鳴に、あなたの心までバラバラになりそうだ。
……お願いだから。……来ないでください。
必死に村人たちに頼み込む。けれど、道端でうずくまる子猫をイジメるような気安さで、彼らは触手たちを社の隅へと追いやっていった。
「ほら、天音ちゃん。お勤めご苦労さま」
ニヤけづらを浮かべたまま、村人があなたの腕を掴む。
抵抗しようとはするけれど、二人、三人と、一斉に掴み掛かられ、常根様から引き離されてしまう。
……やめて、離してっ、常根様っ。
あなたを取り戻そうと伸びた触手は、火に阻まれ、燃やされて、常根様の悲鳴が細くなっていく。
……やだ。……だめ。……燃やさないで。……お願いだから。
村人たちに体を抑えられながらも、あなたは必死に常根様に手を伸ばした。
「おい、そろそろええじゃろ」松明の火に囲われた常根様は、触手を震わせたまま、少しも動けなくなってしまっていた。火の粉が掠めただけでも粘液が燃え上がり、頭の中に悲鳴が届く。
「さて、天音ちゃん。分かっておるとは思うがの?」
髪を捕まれ、強引に顔を上げさせられた。
近づいてきた老人の顔。吐き出す息は生臭く、欲望に輝く瞳は獣じみて見えた。
悔しい。けれど、常根様を人質に取られている。
あなたには、それが堪らなかった。常根様を失うことが何より恐ろしい。
お願いだから。何でもするから。言うことを聞くから。だから、だから……常根様は。
……天音。
震えた声で名前を呼ばれる。
……大丈夫だから、常根様。
自身に降りかかる不幸を想像しながらも、小さく首を振ったあなたは、精一杯に笑ってみせた。
***
節くれだった老人の指が、あなたの肌を這う。
畑仕事で荒れたその手は、古木の皮のように硬く、触れるたびに火照った素肌に微かな痛みを残した。その感触は、常根様の温かな包容とは似ても似つかない。
それでも、すでに熱を宿したあなたの体は、拒絶の意思とは裏腹に、愛撫を受け入れてしまっていた。
「ははっ。常根様の巫女は格別よな。こんなジジィの指でも、オボコがヨガりおるわ」
胸の奥からせり上がる悔しさに、視界が滲む。
怒りで睨みつけても、その瞳は老人の笑みに吸い込まれるだけ。むしろ、あなたの泣き顔すらも愉しむようだった。
頬から首筋へと指が滑る。快感の糸が尾を引いて、薄い肌が甘く痺れた。
反応したらダメ。そうは思うのに、刺激を求めた肌は素直に指の動きを追いかけてしまう。胸の縁に指が触れ、膨らみが柔らかく揺れた。
恐ろしかった。つい、声を上げてしまいそうになる。
常根様のことをどんなに想っていても、異性に触れられた肌は簡単に靡いてしまう。胸の内に快感が積み上がり、下腹が疼き出した。触れてくれるなら誰でもいいのか。自分の浅ましさが嫌になる。
これは、常根の酒を飲んだせいだから。触手の粘液に濡れた肌が、敏感になってしまっているから。重ねた言い訳に、ふと気づく。村人たちが入ってきた時、常根様は驚くよりも前に、怒りと、怯えを見せた。繋がっていたからこそ分かる感情の揺れ。
こうなるのを分かっていたの? だとしたら……。
そのとき、耳の奥で火の粉が弾けた。
頭の中に常根様の悲鳴が響く。痛い、熱い、怖い、悔しい、憎らしい。
いくつもの感情が濁流の様に流れ込む中に、あなたの名前を呼ぶ声もあった。
ごめんなさい。少しでも疑ってしまった自分を恥じた。炎に焼かれながらも、常根様の声は、どこまでもあなたの身を案じてくれている。
……大丈夫だから、常根様。
震える唇を薄く開く。「やめてほしいんか?」見下ろしてくる老人に、あなたはお願いするしかできなかった。口角を上げて歪む老人の顔。それは、村であなたを一番可愛がってくれた人。この村に早く馴染めた気がしたのだって この人のお陰。
口にはしなかったけど、祖父のようだと思うこともあったのに、それも全部ウソだった。
……。
言葉を飲み込んだ代わりに、あなたは小さく首を振った。
満足そうに頷いた村長は、両手であなたの胸を揉み始める。
膨らみを握りつぶすような乱雑さ。愛撫なんて言わない。ただ雑に揉みしだくだけ。きっと、常根様に抱かれる前のあなたなら、その不快感に泣くしかできなかったはず。
「どうじゃ?」問われて、胸がざわついた。
口を噤めば火の粉が散らされて、常根様の悲鳴が頭に響く。あなたを呼ぶ声を耳の裏側に聞きながらも、気持ちがいいと受け入れるしか無い。
全部、ウソなら良かったのに。
心では嫌がっても、熱に浮かされた体はそうは言わない。
感じたくなんかない。気持ちがいいはずがない。でも……。常根様の粘液に塗れた肌は異性を拒めない。触れられただけで熱を生み、快感の火を灯す。
吐息が荒くなる。興奮を自覚したあなたは、なんとか気持ちを落ち着けようと大きく息を吸い込んだ。その時……。
キュッ!
同時に、乳首が摘まれた。……あっ♥ と、堪らず口から声が漏れる。
快感に震えた女の嬌声。何度も何度も、常根様だけに聞かせていた声が社に響く。フワリとした感覚に体が浮き上がり、力が抜けていった。
「どうじゃ?」
酒の匂いが顔に降りかかる。その問いかけに心がざわついた。
気持ちよくない。こんなのイヤだ。もうやめて、常根様を返して。そう、思うのに。
……乳首が、気持ちいいです。
言うしかなかった。言わないと常根様が焼かれてしまう。
口にして、胸が締め付けられた。常根様の見ている前で、胸を潰され、揉みしだかれる。摘まれた乳首を引っ張られもした。素肌を覆う粘液を剥ぎ取られ、手垢をなすりつけられるみたいだ。
感じている事実を否定したいのに、嫌だと言うことも許されない。
……気持ちがいい。……もっとして下さい。震える声で、甘く鳴いてみせた。
流れる涙は、甘露のように頬を濡らす。そんな、あなたの姿に気を良くしたのか、村長の動きはさらに陰湿になっていった。
「どうじゃ?」
問いかけに、胸が痺れる。心では否定しながらも、頷いてしまう自分が分からない。村長の顔色を伺いながら、喘ぎ声を上げてみせると、自分から行為を受け入れているようにも思えてくる。
胸の内側に、何かが溜まっていく様な感覚だった。
乳首の根本がムズムズし始めてもどかしくもなる。
絶頂の予感。でも、それとは違う違和感もあった。
強いて言うなら、涙や、涎。強い快感に、愛液が溢れ出すようなあの感覚にも近い。汗じゃない。乳首から出るものは……。快感が高まるにつれ、胸が張っていくようだった。乳首の根本が膨らんで、甘い痺れが先まで滲んでくる。
「うむ。良い感じじゃな。前の巫女は泣き叫んでかなわんかったが。天音ちゃんは良い子じゃの?」
……いや。
言おうとして、あなたは強く唇を引き結ぶ。髪を梳く指先から逃げたくなるのを、なんとか堪えた。抵抗したら、常根様が焼かれてしまう。
それは、自分が傷つくよりも辛い。……大丈夫だから、常根様。こんなことで折れたりしない。常根様のためなら頑張れる。強く思い直したあなたは、指先に力を込めた。
「どれ、そろそろか……」
呟いた村長は、おもむろに顔を近づけてきた。
生温かい吐息が胸元に掛かる。何をされるのか気づいても、顔を背けるのがやっと。無造作に乳首を食まれると同時に、頭の裏で火花が散った。甘噛をされて胸が反る。快感に濡れた声。艷やかな女の溜息。耐えきれず漏れた嬌声に、頬が熱くなる。
違う。違う。
悔しい。悲しい。何より怖い。常根様に嫌わたくない。お願いだから、見ないで。
強く願っても、松明の隙間からあなたを見つめる視線は揺るがない。
「どうじゃ?」
問われて、鼓動が跳ねた。
……気持ちいいです。言葉にするたび、体の熱が心を溶かす。
乳首を思い切りに吸い上げられる。ジュッと気味の悪い水音が、村長の口の端から何度も漏れた。ハリを通すようなチリチリとした痺れに、あなたは身悶える。
柔肉を開く感触は、常根様に処女を捧げた時のようだ。未通だった乳腺が、ゆっくりと開いていく。女としてじゃない。その震えは、もっとも母性に近い。
ジワリ、ジワジワ……。
乳首が、白く滲み出した。淡く、じんわりと、初めてのことに躊躇うように。
滲んだ母乳は先から零れて、乳輪を白く染めていく。その光景に、村人たちは沸き立った。
何が? どうして? わからない。
村人たちの歓喜の理由。自分の体の変化もそうだ。あなたが混乱している間にも、ジワジワと母乳は滲み出す。村長の口内でしゃぶられ、舌で嬲られた。
反対の胸を鷲掴みにされると、指の間に乳首を挟まれ、押しつぶされる。
「ほぅ……今度の巫女は、いい味じゃの。前回のは出も悪くて、直ぐに駄目になりおったが」
「分かるかな?」白く汚れた指先を、唇の隙間に押し込まれた。
舌先に感じる甘さに、頭がぼんやりとしてくる。熱っぽい吐息が漏れた。
肌が火照り、全身にお酒が回っていくようだ。常根の酒の味。でもそれは、あなたが初めて飲んだものよりも、もっと濃密な甘さを孕んでいた。
「常根様に犯された巫女の乳。それが若さの秘訣じゃよ、天音ちゃん」
いやらしく笑った村長は、見せつけるように股間を熱り立たせた。
とても、老人のものとは思えない。天をつくように、そそり立つ男性器。
力強く震えて、先端からダラリと汁を零す。漂う雄の匂いに、犯される自分の姿が脳裏を過る。常根様の肉棒と比べて見劣りはしても、ただの少女を犯すには遜色もない威容を放っていた。
「こんな村にいると、女日照りになるで。天音ちゃん、よければ儂らを慰めてはくれんか? まぁ、無理にとは言わんが……」
口調こそ、穏やかなものだった。けれど、鋭い視線で合図を送ると、松明が揺らされて火の粉が舞い散る。選択肢なんかなかった。頬から涙が零れる。
常根様以外に抱かれるなんてこと。そんなの、いや。でも、常根様を傷つけられることに、耐えられない。今のあなたにとって、常根様が自分のすべて。
……やめて。
小さく頷いたあなたは、自分から足を広げてみせた。
「これは、なんじゃ? 儂にどうしてほしいんじゃ?」村長の問いかけに、胸が潰れてしまいそうになる。愛しています、常根様。強く想いを寄せながらも、口にした言葉はまるで逆。
……抱いて、下さい。村長さん……お願いします。
見上げたその顔は、ニヤリと歪んで見えた。
呼び止める常根様の声を聞きながらも、あなたは大丈夫だからと、松明の向こう側へ小さく微笑み返す。
「そうか、そうか。天音ちゃんは良い子じゃの。そんなに頼まれたら、仕方ない」
村長の、大きな男性の体が覆いかぶさってくる。
近づいてくる熱気、男の気配。あなたはただ、それを見ていることしかできない。
大きく跳ねた男根の先が、割れ目を舐める。腰が、甘く痺れた。下腹が熱くなり、背筋を伝う快感が体を震わせる。
あなたはもう、知ってしまっている。
自分の女を肉棒で犯される快楽。膣を掻き回され、男の精を受け入れる瞬間。
一瞬の心地よさに、何もかもを忘れるほどの幸せ。でも、それは常根様に抱かれたから。誰でも良いわけじゃない。体は反応してしまっても、心までは奪われたくない。湧き上がる快楽の波に必死に耐えた。
村長の男根は、あっさりと割れ目を開いた。
ジュブリ……淫靡な音を立て、ジュブジュブと沈み込んでくる。
立派だと思っても、常根様の肉棒と比べれば粗末なものだ。
それを受け入れたあなたにとっては、息苦しさを感じるほどでもない。
中に何かがある違和感。腰が密着して、押し付けられても、奥には僅かに届いていない。そのことに、少しだけ安堵の吐息が漏れた。
「流石じゃな。あんな触手の後では、ジジィのイチモツなぞ何にも思わんか?」
……そんなこと。小さく首を振った あなたは、震えながらも声を出す。
わざとらしく吐息を漏らし、物足りなく思いながらも、気持ちがいいとウソをつく。粗末な男根をもてなす為に、自分から腰を揺らめかせて、膣を締めた。
……イヤだ。……イヤだ。
常根様の見ている前で、こんなこと。
気持ちがいい。もっとして下さい。ウソでも口にするたびに、体が熱くなった。
演技が、本気になっていく。恥ずかしいんじゃない。胸の鼓動はもっと、性的に響き出していた。腰がぶつかり、溢れた愛液が音を立てて弾ける。
震える男根は、でも奥にまでは届かない。もどかしくって、自分から腰を落としそうになる。
……天音。
頭の片隅に、常根様の呼ぶ声がした。
イヤだ、見ないで。常根様の前で、常根様以外の人に犯される。違うの、これは演技だから。村長さんを悦ばせるためにしかたなく。いくら自分に言い聞かせても、熱を上げる女の体は素直だった。腰を抱かれて、背中が床から浮き上がる。男根の動きに合わせて背筋が伸びた。
……あっ♥
官能の吐息が漏れた。力が抜けた拍子に、男根の先が奥にまで届いてしまう。
グリグリと探るような動きに、あなたは慌てて腰を逃がす。でも、それは逆効果。逃げる腰を追いかけ、責め立てられて、追い込まれる。逃げ場のなくなった先で、とうとう子宮口が捕らえられてしまった。
「ははっ。追いかけっこは、儂の勝ちじゃな天音ちゃん」
悔しくて涙が出る。最初から遊ばれていた。あなたの抵抗は全部無駄。
一度腰を引いた村長は、勢いをつけて男根を打ち込んできた。お腹を広げる異物感が最奥で行き止まる。
喉が詰まるような感覚だった。体を下から押し上げられて、少し苦しい。
また、腰が引かれていく。下腹に力を入れても、男根の勢いは止まらない。
パツンっと愛液が弾けると同時に、フワリ体が浮き上がった。
屈してしまえと命じるように、男根が突き上げてくる。何度も、何度も、子宮口を責め立てられて、思考が次第に鈍っていった。
「気持ち良さそうじゃの、天音ちゃん。常根様の触手なんかより、儂の男根のほうがええんか?」
……それは。
常根様の気配が僅かに揺らいだ気がして、あなたは口ごもる。
思い出すのは常根様に愛されていたときのこと。こんな、乱暴なだけの行為とは比べるまでもない。でも……あなたは頷いた。
……村長さんのほうが、良いです。
そう言わないと、常根様を守れないから。ウソでも、今だけは。
泣いた。泣くしかなかった。常根様にも絶対聞かれている。ごめんなさい、ごめんなさい。何度も謝り続けながらも、一度ついたウソが心と体を傷つけた。
「あははっ。とんだ淫乱じゃの、天音ちゃんは。そんなにジジィの男根がえんかっ!」
膣の中で、男根が膨れ上がった。射精の前兆。今にも精液を吐き出そうと、ビクビクと震えだす。
「ほれ、天音ちゃん。準備はええか? 望み通りくれてやるわ。イクときはちゃんと言うんじゃぞ? おねだりすれば中に出してやるからの?」
……イヤ……イヤだ。
でも……言うしかなかった。
膨れ上がる男根を、膣壁が柔らかく包む。
精液を絞り出すかのように締め付けて、奥へ、奥へと向かって波を打つ。
腰を引き寄せられて、背中が更に浮き上がった。ガッシリとした手に掴まれて、男根が子宮口と密着したまま離れない。もう、限界だった。絶頂の予感が喉元まで込み上げてくる。
……出して、下さい。
悔しさに歯噛みしながらも、頭の裏で快感の火花が散っていた。
どこかの導火線に火が付いて、刻々と絶頂の瞬間が近づいてくる。
……村長さんの精液、中にほしいです。
ガクガクと腰が震えて、下腹が熱く疼く。
……イキます。もうイキます、だから。
背筋に流れ込んだ甘い痺れが、頭を揺らした。
全身が快感で包まれて、素肌が燃えるように熱くなった。
ドクンっ!
知っている。お腹の中に広がる精の熱。それを受け止める多幸感に抗えない。
イッて……い、くっ……ぁっ♥。何も分からなくなる。男に媚びを売るように声を上げて、あなたは絶頂に達してしまった。
精を吐き出しながら、男根を揺らされる。そこは、ダメ。そこだけは、常根様のものだから。でも、気が抜けたように口は緩んで、子宮の中にまで熱いものが染み込んできた
……こんなのイヤだ。
でも、気持ちがいい。男根を引き抜かれただけで、体が震えてしまった。
それは、後悔にも似た口惜しさ。まだ、物足りないとすら思うほど。
でも、やっと終わった。あなたが、ほっと息を吐いた時だった。
「なにを休んどるんじゃ、天音ちゃん。まだ残っているじゃろ?」
……ウソ。まだって、あと何人いるの?
村長があなたから離れると、下卑た笑みを浮かべた村人たちが近寄ってくる。
……いや、来ないで。……お願いだから。……助けて、常根様。
逃げようとして身を捩る。でも、絶頂を迎えた後の体は重く、些細な抵抗は村人たちを愉しませるだけだった。
***
悪い夢を見ているようだ。
羽交い締めにされた天音が、体を起こされる。
乳首の先から零れる白い滴に、男たちは一斉に群がった。胸を掴まれ、乳首を吸われて。用意された器の中に、絞られた母乳が溜まっていく。
その姿は家畜と変わらない。乳牛のようにも見えただろう。
子に与えるはずだった母乳すら奪われていく。
イヤだと泣いて、叫びながらも、天音の体は快感に支配されていた。
触手の粘液がもたらす媚薬的効果。ただの少女が、我慢しようとして耐えられるものじゃない。
胸を絞られながら、太ももをすり合わせる。乳首を吸われながら、つま先がピンっと伸びた。白く滲む程度だった母乳が、ピュッと飛び出し、快感の声を上げて体を反らす。
男達の男根を受け入れている内に、彼女の抵抗は萎んでいった。
むしろ、より従順になって彼らの行為を受け入れる。
「一番大きな声を出させた奴に、酒瓶をくれてやる」
それが、面白くなかったんだろう。村長の気まぐれが、社の中を騒がせた。
惰性の漂い始めていた空気は熱を取り戻すと、躍起になった男たちが、代わる代わるに天音を犯しだした。もう、獣の交尾と変わらない。いや、獣たちのほうが、まだ行為には真摯だったかもしれない。
「もっと声を出せ」「俺のほうが気持ちがいいだろう」男と女の体液が混ざり、白く泡立つ。性具のように扱われ、無垢だった天音の割れ目は閉じる暇もない。
「はぁっ、あっ♥ はっ、んっ! はいっ、きもちっ、いいで、すっ、もっとっ、あぁぁっ! あ、いく、いっちゃっ……あぁぁぁっ♥」
天音の嬌声を聞いた男は、満足したように男根を引き抜いた。
「んぁっ……はぁ、はぁ。おねが、ちょっと……やすませ、んひぃっ♥」足をガクガクと震わせて、股間からは白く濁った体液を溢れさせる。天音の懇願を誰も耳にしない。無駄口を塞ぐように、次の男根が叩きつけられると、天音はまた言葉をなくしてしまった。
パツンっ! パツンっ!
社に響くその音は、悪さをした子供を叱るようでもあった。
松明の灯りに、赤く染まった天音の裸体。お尻を抱えられ、何度も何度も男根を打ち付けられる。
「いや」「やめて」「許して」その声を聞いていたのは あなただけ。
「大丈夫だから、常根様」あなたの呼びかけに応えていた声も、次第に凌辱の海に沈んでいった。
悔しい。悲しい。悍ましいほどの憎悪が臓腑に満ちる。
神様だと崇められていたって、結局あなたはただの触手でしか無い。
松明の火に囲まれただけで、天音に触手の1本も差し出してやることもできない。
出来ることは女を狂わすだけ。人の胎を汚して、孕ませるだけの触手。
種付けするしか能のない、ただの家畜。今の天音と何も変わらない。
何年も、何十年も、何百年と繰り返しても、自分の子を孕んだ女を奪い返すこともできやしない。
可哀想に。
前の巫女も、ずっとあなたに助けを求めていたのに。
「とこね様っ」「とこね様っ」その声は、父に縋る子どものよう。涙で濡れた声は次第に小さくなる。あなたの事なんて忘れて、ただ快楽を受け入れるだけ。
だって、助けてくれない神様なんていないのと変わらない。
……天音?
呼びかけに返る声はない。目の前には、男たちに犯され続ける天音の姿だけがあった。
***
「天音、天音っ! 大丈夫か?」
気づけば、あなたは床に崩れ落ちていた。
今まで……夢を見ていたような。涙を流す常根様の……。
肩を揺すられ、ぼんやりと顔を上げた先には、懐かしい父の姿がある。
……お父、さん? 口にして胸が温かくなった。どうして、今まで忘れていたんだろう。顔を見ただけで、瞳から涙がポロポロと溢れてくる。
「遅くなって、済まなかったな。もう大丈夫……だっ」
でも、気づいてしまう。父の瞳の奥は、欲望で揺れて見えた。耐えるように唇を噛みしめる父の姿に、あなたは顔を伏せる。
……お酒、飲んだんだ。
それは、もしかしたら あなたの流した母乳だったのかもしれない。
父にまで、犯されるんだろうか? ひょっとしたら、前の巫女も同じようにされたのかも。快感に狂って、何もわからなくなった娘。涙ながらに娘を犯す父。
見たこともない光景が、どうしてか瞼の裏に浮かぶようだった。
肩を抱かれ、体を起こされた。「立てるか?」声音こそ優しいけれど、立ち昇る男の気配に気づいてしまう。抵抗する気は起きなかった。村人たちに犯されて、白く汚れたあなたのに、綺麗な所なんて何処にも残ってはいなかった。
なら、もう……いいのかな。
父に犯されるのも、今更大した違いはない。むしろ、それで父が喜んでくれるなら、自分が犯された意味もまだあった。
「ここを出よう。さぁ……」
けれど、あなたを連れ出す父の手は頼もしかった。
その背中に映るのは、普段の優しい面影でしか無い。
「いやいや、それは困るよ先生?」
「酒、足りんかったかな? ほれ、まだまだあるぞ? 今搾りたてのやつが……」
父の行く手を遮るように、立ちはだかる村人たち。
手を伸ばし、行く手を遮る村人の一人を父は殴り倒してしまった。
そこからは、もう……収集がつかなくなる。怒声と、乱闘。一体父の何処にそんな力があったんだろう。襲いかかってくる村人たちを一人で迎え撃つ姿は、さながらテレビのヒーローのようだった。
「逃げるんだ、天音っ!」
父の声に背中を押されて、駆け出そうとした足は動かない。
今なら逃げられるかもしれない。けど、父を置いていくの? なにより、常根様はどうなるの?
ずっとこのまま。また別の女の子が自分と同じ目に遭って。
ああ、ちがう。心配をしているのは、常根様をとられることだ。こんな生き汚い老人たちに。どこの誰ともわからない女に。
心残りがある。後ろ髪を引かれてしまった。
振り返った先には、松明に囲まれた常根様の姿があった。呼びかけるあなたの声に、常根様は逃げなさいと、それだけを言ってくれる。
……ごめんなさい。
呟いて駆け出した。あなたを呼ぶ父の声を振り切って。
出口ではない。常根様の方へ。触手を囲う松明の1本へと手を伸ばす。
「おいっ、やめろっ!」気付いた村人が、追いかけてくる。肩を掴まれ、引き戻されそうになった。その僅かな一瞬、松明に手が届く。
追いすがってきた村人が、あなたを取り押さえようとした瞬間。
グチャリ……何かが潰れたような音がした。振り返った先には、誰もいない。
ただ、床が赤く染まっているだけ。
沈と社が静まり返り、村人たちは固まって動かなくなる。
その隙に、あなたは残りの松明を引き抜いていく。囲いが解かれ、常根様の触手が自由になった。
「逃げろ」
最初に口にした誰かが、触手に潰された。松明を拾いに走った村人の首は無くなり、倒れ込んだまま動かない。社が赤く染まっていく。恐慌状態に陥った村人たちは、次々と触手に掴まっていった。
「天音っ。こっちに来るんだっ、早く!」
揺らめく炎の向こうで、父が あなたの名前を呼んでいた。
……行きなさい。触手に背中を押されたあなたは、でも動かない。
触手の先にキスをして、ギュッと、強く常根様を抱きしめる。
これからは、ずっと一緒だから……。
焼け落ちていく社の中で、あなたと常根様は、いつまでも抱き合っていた。
***
目を開くと、あなたは知らない部屋にいた
見渡す限りの白。白い天井、白い壁、白いカーテン、白いベッド。嗅ぎ慣れた消毒薬の匂いに、ここが病室なのだと気づく。
どこからか聞こえてくるニュースの声。
常根村で発生した大規模な山火事。死者がどうだ、行方不明者がどうの。
病室の向こうから聞こえてくる慌ただしさも、そのせいなんだろう。
「天音さん、だいじょうぶですか?」
目を覚ました あなたに気づいた看護師が、声を掛けてくる。
それも、ほとんど耳には届かない。あれからいったいどうなったのか。
燃え盛る炎の中、あなたを抱きしめてくれていた常根様。
焼け焦げた肉の嫌な匂い。痛みに震える触手達。それでも、最後まであなたを炎から遠ざけようとして。その全部が、今でも鮮明に思い出せた。
常根様の嘘つき。一緒にって……そういったのに。
天音さん、天音さん。看護師の呼ぶ声が煩わしい。適当に返事を返すと、ようやく黙ってくれた。それでもまだ何か言い足りないのか、看護師はあなたを憐れむような目を向けてくる。
あの村で何があったのか。問いかける看護師の声は震えて、その顔はだんだんと青ざめていく。たぶん、良い人なんだろう。嫌な役目だったと思う。口ごもって、言い淀んで、ようやく。
「あなたは今……妊娠しています」
その言葉に、涙が溢れ出した。
ここに、いたんだ……。
最後までご覧頂きありがとうございました。
良ければ、いいね、高評価等よろしくお願いします。
頑張ってハッピーエンドにしました。