丸出し全裸共闘!真夜中の風林館高校グラウンド 作:RNOVEL
夜の静寂が、ゆっくりと戻っていた。
どれだけの時間が経ったのか──わからない。
怒号と奇声と、タオルのバサバサ音と殴り合いの衝撃で満たされていた深夜の校庭は、
まるで嵐が過ぎ去ったあとの戦場のように、ひどく静かで、そして美しかった。
グラウンドの土は、全裸で駆け回ったオレたちの足跡で、あちこちが乱れていた。
踏みつけられた雑草。転げ回って崩れた白線。ぽつぽつと残された、汗と……血ではない、なんかよくわからない液体の跡。
そのすべてを、上空の満月が、優しく、残酷に照らしていた。
満月とナイター照明の下、深夜の校庭の真ん中で、オレとらんまは肩で息をしながら立っていた。
八宝斎は、もういない。
「……やったな」
「……ああ」
らんまが、ぽつりと呟いた。
あの変態ジジイとの死闘――もとい、全裸異常バトルを終えて、ついに二人きりになったこの空間。
タオルはとうに戦闘でボロボロ。
当然、オレもらんまも、完全な全裸だった。
風が吹くたびに、ふたりの肌が少しだけ震えた。
でも……寒さは、もう感じなかった。
「……達也」
突然、らんまがこっちを向いた。
その瞳は、さっきまでの怒りや笑いじゃない。
真剣で、少し……恥ずかしそうで。
「おまえ……ずっと戦闘中に……ビンビンだったよな、ってか、今も……」
「うっ……」
図星すぎて、言葉が出なかった。
「いや、それはその……らんまが、全部丸見えで……あんな……! いろんなとこ揺れてて……動いてて……!」
「うっさい、変態!! そっちはぶら下げてんだからおあいこだろっ!!」
「だとしても! こっちはそれが“状態表示”されるんだよ! 脳がやられてんだよ!!見たら終わりなんだよ!!」
「ははは、──でも」
らんまが、すっと近づいてきた。
「……ありがとな」
「え……?」
「戦ってくれてさ。全裸でビンビンだったけど、それでも……助けに来てくれた」
言葉に詰まった。
らんまは、顔を赤くしながら、それでもまっすぐにオレを見つめてきた。
その瞳に、怒りも笑いも、今はない。
「達也、オマエって……ほんとバカで変態だけど……」
らんまは一歩、また一歩と、オレに近づいた。
「──それでも」
ふわりと、腕がオレの首に回される。
「……ありがと。一緒に戦ってくれて、これはオレからの……」
そう言って──
らんまは、そっと、オレの唇に自分の唇を重ねた。
静かな、でも熱のこもったキスだった。
満月が、二人の全裸を静かに照らしていた。
タオルもない。服もない。
でも、今この瞬間だけは、何もいらなかった。
唇が離れたあと、らんまはいたずらっぽく笑った。
「──でもな」
「……ん?」
「まだ勃ってんじゃねぇよ、ドスケベ」
ドゴッ!!
らんまの拳が、愛のツッコミとしてオレの頭をぶっ叩いた。
「いってぇっ!! いやでも!これはもう生理現象だからっ!!」
「うるせぇッ!!この規格外チンポ野郎!」
夜の校庭に、また笑い声が響いた。
続く6話は、本日(8月7日)15時投稿予定です