範馬道 神室町の蜚蠊幼女(ヤマトゴスロリ) 作:贋海王
真冬ちゃんと初めて会ったのは、2005年の暮れでした。
懐かしいな、あの頃はまだ、スターダストで働いてましたからね、俺。
11年前になるのか──もう、かなり真冬ちゃんの顔を見てないな……。
今年
え、生傷絶えない生活続けてるし、ファッションに気を使ってる様子はない?
──ファッションより美味しい食べ物優先……か。
ゴスロリ趣味は相変わらず?
変わらないんだなぁ、真冬ちゃんは。
──あ、全然変わってない懐かしい顔と言えば桐生さんですけど、つい先日に偶然神室町で再会しましたよ。
真冬ちゃんは今も神室町に?
え……あぁ、そう、何ですか──今は中国の……白林寺って中国拳法の総本山に行ってる。
ちょっと前まではインドにエジプト、ギリシャ、タイにも行ってた?
何でまた、中国やギリシャとかに?
──へぇ、そりゃ、また、あの子らしいって言うか、何て言うか。
エジプトやギリシャは仕事で……。
仕事してんだ、真冬ちゃんも。
蒼天掘にある龍虎飯店ってラーメン屋の店長
で、アトランティスに伝わるオリハルコンの探索依頼を受けてギリシャに向かった──?
え?オリハルコン。
──てか、オリハルコンって、『アラクレクエスト』ってゲームに出てくるアイテムの素材か何かで架空のものじゃ……?
え?実在してる──らしいって?
中国には、へぇ──
──中国武術省ですっけ?困ったでしょうねぇ。
普通、そんな事、女の子がやらないですから。
やっぱり面白いね、真冬ちゃんは。
──なるほど、それで青木さん、真冬ちゃんの記事を。
そういや、当時から青木さんは真冬ちゃんの取材をよくしてましたもんね。
ほら、以前にも俺、青木さんに何回か真冬ちゃんの目撃談の取材受けましたよ。
あの子、神室町……他にも蒼天掘、伊勢佐木異人町とかで色々やってましたからね。
色々って言うか、色々な奴との喧嘩でしたけど。
──じゃあ、俺が真冬ちゃんと出会った時の事、話しますね。
あの夜ね、真冬ちゃんを見掛けて、正直ギョッとしたのを覚えてますよ。
1.
確か、赤牛丸の方から歩いて来てたかな、真冬ちゃん。
最初はね、あの子がネットカフェの前を歩いてる所を見たんですよ。
道路を挟んでPOPPOの斜め前にあるネットカフェのジャングルボーイ。
──俺は一輝さんに頼まれてホスト仲間の夜食を買い出しに行く途中だったかな。
普段ならスターダスト内で営業中ですからね。
店内にいたら真冬ちゃんとは会えてなかったんだから、縁ってあるんだなって思いますよ、ホント。
何かね、真冬ちゃん、スゴいボロボロだった。
ほら、あの頃って、錦山組の神田強が起こしてた婦女暴行事件の話題があったじゃないですか。
スターダストに来てくれる女の子達も神田の事件を怖がっていてね、よく聞かされていたんですよ。
その頃にはもう、神田は逮捕されていたんですけど、神田の仲間が色々やってたらしくて。
女児関連のポルノ……とか、もね。
真冬ちゃんが、それの被害者に見えてしまったんすよ、俺は。
服とかスカート、タイツも破れてましたしズタボロで、顔なんか血塗れだった。
ゴスロリ服も、真冬ちゃんの趣味だってその時は知らないから、AV撮影用に着せられてたコスチュームかなって思いましたし。
だから、心配になって、POPPOに入っていく真冬ちゃんを追い掛けて、つい、声をかけちゃったんですよ。
大丈夫かって、ね。
目も虚ろで焦点も合ってない感じで。
一目見ただけで心配になる、そんな様子でした。
で、大きな声じゃ言えないけど、当時からすっごい美少女何ですよね真冬ちゃん。
いやいや、俺、ロリコンじゃないですよ。
そんな俺でも目を奪われる程の美少女、そんな娘がボロボロになってるんですから、そりゃ、犯罪に巻き込まれてると思ってしまいますって。
だから、余計に周りは誰も真冬ちゃんに声をかけない。
見てみぬフリ。
神田の事件が記憶に新しい時期なんでね、仕方無いっちゃ仕方ない。
POPPOの店員も、入店してきた真冬ちゃんの方なんて見てませんでしたよ。
真冬ちゃんの様子見てすっかりビビった、そんな雰囲気でした。
で、当の真冬ちゃんはPOPPOで何をしてたかと言うと、コピー機の前にいた。
コピー機の使い方が分からずに悩んでたんですね。
俺の大丈夫かとの問い掛けも、コピー機で悩んでる事について──だと思ったらしくて、使い方を聞いてきた。
変な犯罪に巻き込まれてる、そんな雰囲気なのに、実際はそう言う訳でも無かった。
でも、怪我してるのは確かなんで、怪我について尋ねてみたんですよ。
喧嘩で負った怪我だったらしくて──
神田は関係無いけど、当時神室町を騒がせてたカツアゲ坊主と喧嘩したみたいでね。
それはそれで、驚きましたよ、俺。
カツアゲ坊主はね、ホスト仲間や、昔の友人から噂を聞いてましたからね。
──喧嘩が強い奴に喧嘩を売っては叩きのめして、金を巻き上げるとんでもない奴だって。
しかも、未成年らしいから始末に負えない。
桐生さんが神室町を去って入れ替わるように噂が立ってきましたからね。
桐生さんがいたら、お灸据えてくれたんだろうにな。
真冬ちゃんね──
あの子程の美少女が、そんな奴と喧嘩をするんだから、驚くしかない。
いやあ、コンビニの明るい所で、改めて見た真冬ちゃんの可愛さがね。
到底、喧嘩をするような娘には見えない。
ゴスロリメイドがよく似合う、白い髪と肌。
アルビノね。
こんな言い方、不謹慎だけどアルビノって綺麗何ですよね。
特に真冬ちゃんみたいな美少女がアルビノだと、神秘的っつうか、美少女っぷりにも研きがかかってる。
でね、一応、コピー機の使い方、教えましたよ。
居なくなった仔犬の行方を尋ねるポスターをカラーコピー。
ポスターをコピーしながら、カツアゲ坊主との喧嘩のあらましを聞いてたんですよ。
見たところ、やっぱり怪我が酷い。
ほら、真冬ちゃんの黒目……うーん、黒目じゃないか──そうそう、光彩ね、真冬ちゃんの光彩はアルビノだからか、元々紅いけど、白眼の部分も凄い充血してた。
後から聞いたんすけど、頭蓋骨の繋ぎめ、外れて脳味噌もダメージ受けてたらしいですよ。
それで、眼球にもダメージ行ってたみたいで。
俺、柄本診療所の柄本先生と知り合いだから、そこに行こうって真冬ちゃんを誘ったんです。
真冬ちゃんね、仔犬を探さなきゃいけないし、お腹空いてるから病院は結構です……とか言って一度断って来たんですよ。
いやいや、お腹空いてるからって断られるとは思わなくってね。
流石に面食らいましたよ。
真冬ちゃんと会って、そんなに時間も経ってないのに、随分驚かされる事が多くてね。
まぁ、ご飯はその後で良いじゃないかって──
先に診療所行こうって、説得してた。
コピーに結構時間食ったから、説得する時間は充分有ったしね。
ほっとけないからさ、一輝さんに電話して、買い出しから帰るの遅くなるって伝えたんですね。
じゃあ、とりあえず病院まで連れて行ってやれって一輝さんも了承してくれた。
で、その後ね、コピーもある程度終わりかけた時、やっぱり神室町は物騒だなぁって事が起きた。
青木さんも知ってますよね?
あの時期、POPPOとかMストアで息巻いてるチンピラみたいなガキ共がいたの。
──そうそう、宮田って言う奴がリーダーのチームね。
みんなバットやら警棒やらで武装した質の悪い連中。
宮田の手下の何人かがね、POPPOに入ってきて、商品を物色し出したんですよ。
『仕切り直し、没ネタエピソード』は削除し、残骸置場に入れた方が良いですか?
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そのままで良い
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残骸置場行きが良い