範馬道 神室町の蜚蠊幼女(ヤマトゴスロリ) 作:贋海王
嘉信は、真冬を凌辱している動画を画像化し、リーダーの木村や仲間達とも共有して、彼らを“倉庫”へと呼び寄せた。
真冬の鞭打を食らい、入院中の仲間達にも真冬がレイプされている全ての動画を送り、見舞い代わりにする。
幼女へのレイプ動画は、瞬く間に彼らの周囲に広まり、木村をリーダーとするチーム以外とも交流があるメンバーが、そうした他のチーマーやカラーギャングのメンバーへと真冬のレイプ動画や画像を拡散し、これら『真冬のパンパン祭り』と安易に名付けられた物は、まさにパンデミックの様相を呈して、神室町やその周辺の半グレ達に共有されたのだ。
この真冬のパンパン祭りパンデミックは、僅か五時間でそこまで感染拡大したのである。
当然この拡散が始まり拡大する五時間の間も、真冬への凌辱は続くため、その際の映像は増え続け、傷付いた血だらけの陰部をわざわざ近接で撮影した画像なども出回り、その人気は一層加速した。
真冬の愛らしさが感染力の強さの根幹を占めており、また、ホームレス狩り等に手を染めたばっかりに、真冬に病院送りにされた者達などが、この憎い少女がなす術なく犯されている動画や画像を気に入り、巨大インターネット掲示板に画像などを上げたりしたのだ。
普段のゴスロリ衣装やメイド服を着ている真冬の写真を、無断で撮影していた人物も居たらしく、掲示板を見た後、そうした普段の真冬の画像を上げる者まで現れた。
普段の愛らしさとレイプ時の悲壮さ、その比較画像まで作られ、その落差が人気を博してそうした画像は次々に作られ、更に拡散して行く。
こうして、多くの人間が、真冬が凌辱されている姿を見ることになったのである。
この狂気染みた結果は嘉信も想定していなかった。
だが、これで、真冬の人生は確実に壊れた。
動画を観たものは真冬の顔を見たら気付くだろうし、レイプビデオの幼女と蔑み、一生真冬を受け入れる事は無いだろう。
真冬が大人になった時が楽しみだ。
この動画を使われ強請りを受けたり、当然結婚などもっての他だろう。
夥しい数の男に犯された女を愛する男などいる筈もない。
尤も、嘉信の父である竹内政信や調教師レイプマンの思惑としては、真冬を政信の性奴隷とした後、最終的には殺害、解体しその臓器を縁故の深い台湾黒社会や中国マフィアに提供し恩恵を授かる腹積もりであった。
そして、嘉信により、リーダーの木村を筆頭に、リョウガが言う所のデブ、無傷の男一人、比較的軽傷の男が三人。
計六人の、あの夜に真冬とリョウガ、柴千春を相手に交戦したチーマー達が、怨みを晴らすべく真冬を犯す為に嘉信の元に集まったのだ。
だが、個人同士の拡散なら兎も角、大型インターネット掲示板に画像を上げる者が出て来た為か、彼らの仲間以外にも『真冬のパンパン祭り』の存在を知った者達がいた。
真冬の姉、呉リョウガもその一人である。
「何やねん、ふっざけんなやぁッッ」
リョウガは、絶叫し真冬の恥態を流し続けるパソコンを殴りつけた。
パソコンは数mふっ飛び、床に転がった。
ここは、ホテル街に建つ、元はラブホテルだった廃ビルの一室だ。
そこにリョウガ達はアジトとして潜伏している。
埃っぽく、瓦礫やゴミが散乱し壁には落書きだらけで、居心地の良い物では無いが、ベッドや椅子などはまだ残されており、アジトにするには都合がいい。
灯りを煌々とは点けていないが、卓上ランプの灯りで薄暗くはあるが暗闇では無い。
灯りもパソコンも使える、つまり、電気もまだ通っているのだ。
宿泊室だった頃の備え付け冷蔵庫も生きており、中には彼らが持ち込んだ飲料や食料品なども新しい物が揃っている。
実はこの廃ビルには所有者が居る。
リョウガ達の雇い主である源王会の極道だ。
この廃ビルは元ラブホテル故に防音設備もある程度しっかりしている。
その為、ここは殺人や死体処理、或いは強姦などを行うのに都合が良いのだ。
死体はその後近くの亜細亜街のマフィアが経営するレストランや肉屋などに運ばれ、最終的な処理がされる。
また、ここは心霊スポットでもあり、肝試し目的で来た者を拉致したり不法侵入を盾に金品を巻き上げる仕事場でもあった。
「こいつら、全部、ブッ殺したるッッ」
込み上がる怒り。
だが、その怒りは不自然だ。
暗殺対象である真冬が、もはや人間としても女としても一生まともに生きていけない状況にあるのだ。
本来なら喜ぶべき話なのでは無いか。
「この場所、誰か知ってるやつおるかッ?」
助川仙吉、イギョンド、チーヨーの三人の顔をそれぞれ見て、リョウガは机に拳を落とす。
「……倉庫か」
ポツリと、チーヨーが言った。
「知っとるんか、チーヨーさん」
いつものリョウガなら、こうした言い回しの場合は、彼女が大好きな古い少年漫画に登場するキャラ、雷電やテリーマン、ロビンマスクへと主人公が訊ねているような、漫画で良く見るパロディネタ要素として、ギャグの一貫とばかりに仲間を笑わせる為に言っただろう。
だが、今は違う。
本当に知っているのか訊ねただけだ。
「どこの倉庫やッッ!!はよ言えや!」
冗談を交えて会話出来ないくらいに、リョウガは切羽詰まった様子であった。
リョウガは“倉庫”が件の調教施設だとは知らない。
その為か、一般的な意味合いでの倉庫かと勘違いしていた。
「……知ってどうする」
そう言ったのはイ・ギョンドだった
ギョンドは相変わらず表情が無い顔付きではあるが、その声は重々しくどこかリョウガを咎める様な声色でもあった。
「決まっとるやろ、真冬を……犯しとる奴ら、全部残さずぶっ殺すんや!」
「姉妹愛にでも目覚めたか。馬鹿な女だ」
「彼処は、源王会の取り引き先の持ち物でな、潰される訳にゃいかんのよ、お前も源王会に雇われてんなら、馬鹿な事考えてんじゃねぇよ」
チーヨーが、この映像や画像をリョウガに見せたのだ。
それは、リョウガの性格なら喜ぶだろうと考えた親切心でもあった。
多少、美少女でもあるリョウガにレイプ動画を見せると言う、ちょっとしたセクハラをしようとする、そんな側面もあるにはあったが、何にしても笑って喜ぶと思っての事だ。
完全にリョウガの内面、彼女の本当の性格を見誤っていた。
リョウガは確かに殺人鬼だ。
しかし、理由もなく殺人は行わないし、少女を一方的に蹂躙し犯している映像を観て、喜ぶような少女ではない。
「……そうか。なら、死ね」
ギョンドは、いきなり発砲した。
いつそれを抜いたのか。
懐に隠していた9mmパラベラム拳銃を恐ろしい速度で早抜きしたのだ。
懐に手を入れ拳銃を持つ、そして懐から取り出し銃口をリョウガへ向け発砲。
実にその時間、0.0098秒であった。
恐らく、死ねと言い終わるより先に発砲していた。
状況やホルスターなどの状態、銃器の種類そうした物の違いはあれど、確認される早撃ちの記録上、0.0208秒が最速である。
この会話をしながら、しかも戦闘すら始まっていない状態での早抜き。
殺人への躊躇いの無さも含めて、恐ろしい男である。
弾丸は六発、そして続けて三発がリョウガの眉間へと、僅かな狂いなく放たれたのだ。
が、そこにリョウガは既に居なかった。
天井の方で軽い音が鳴り、少し遅れて床の方からも聞こえた。
ギョンドの拳銃が、天井へ飛ばされ、床に転がった音だ。
「あかん、あかんわ、あかんで。ちゃうやろ、あんた」
リョウガはギョンドの前にいた。
体勢は低く、僅かに膝を曲げている。
拳銃を弾いた後に、そう言って──背後に跳躍し、ギョンドから離れた。
「……やるなぁ、リョウガ」
チーヨーは頬に冷たいものを感じた。
冷や汗めいたものを拭い、ギョンドに近付き隣に立った。
「いくぜ、爺さん。三人で仕留める」
「……いや、俺は花山斬らねぇと。ここは、お前らに任せるわ」
助川仙吉は、刀を持つと手を振り出口へ向かう。
眉を窄めどこか神妙に、リョウガへは顔を向けずに声をかける。
「リョウガ、直ぐに謝って、仲直りしておけ。お前でも勁師に勝つのは無理だ」
仙吉はそう言い残し、部屋を後にした。
「勁師……何やねん」
「爺さん、お前の事可愛がってたからな。お前が殺されるの見たくねぇのさ」
チーヨーは仕込んでいた背中から柳葉刀を引き抜き、ギョンドは右手は素手、左手には新たな拳銃を取り出していた。
「蚩尤街八十一勁師……知らねぇかぁ。呉っつってもまぁ、ガキだな、しゃあねぇか」
チーヨーは、小馬鹿にするように笑い、柳葉刀で斬りかかる。
ギョンドは、前方のリョウガへ向けて、弾丸を扇状に六発放ち、素手だった右手の袖口から小型の矢を撃ち出した。
斬りかかったチーヨーの動きに合わせて撃たれたそれらは、チーヨーには全く掠りもせず、リョウガを捉える。
「邪魔すんなっ!ボケがっ!」
その時だ。
リョウガが
額や、頬、喉。
衣服で隠れた所は分からないが、見える範囲、奇妙な血管や神経か、そんな物が浮き出ていた。
「外し」
リョウガの黒目と白目が反転した瞳には憎悪の炎が宿り、その小柄な身体からは尋常ならざる熱と圧力が吹き上がった。
「こうなったら、もう、私かて優しないで、こらあっ!」
リョウガは吼え、放たれた弾丸を全て掴み、更に柳葉刀を額で迎え撃ち粉砕した。
『仕切り直し、没ネタエピソード』は削除し、残骸置場に入れた方が良いですか?
-
そのままで良い
-
残骸置場行きが良い