範馬道 神室町の蜚蠊幼女(ヤマトゴスロリ) 作:贋海王
神室町に程近いとある埠頭。
そこに、貸し倉庫が並ぶ一角がある。
停泊している船舶から運ばれた様々な荷物が、その倉庫に積まれている。
そこでは、一般的な海運業の商品は勿論、海外からの違法操業による水産物や武器、違法薬物の密輸入、果ては人身売買関連の輸出までが行われていた。
倉庫の所有者は、広域指定暴力団源王会のフロント企業である。
故にそうした商品の裏取り引きの現場にもなり、物品の隠し場所として利用されているのだ。
そして最も厄介なのが、漁船や貨物船に擬装して不法入国、不法上陸する源王会と繋がりを持った海外マフィアや亜細亜各国の工作員だった。
竹内政信の“倉庫”もここにある。
政信の倉庫に保管されているのは、性奴隷や臓器売買に関連する商品だ。
真冬もここで、政信の性奴隷になる様に調教を受けている。
政信の性奴隷としての期間は、過去の例を踏まえると概ね短い事が分かる。
児童性愛者である政信の性奴隷は幼女に限定されるからだ。
年齢の上限は大体十二歳までである。
その後は解体され、臓器が各国に売られるか、亜細亜の黒社会に提供される。
たまに生きたまま提供され、海を越えた先で性奴隷として生活する者がいるが、どちらにせよ生き地獄の毎日しか、少女には残されていない。
また、国内で買い取られる場合もあり、その際には歴代の内閣総理大臣を初めとした政界の大物や芸能界の大御所、大企業の役人と言った名だたる者達の手に渡る。
その嘗ての顧客リストの中には神宮京平や宗像征四郎などの名前も連なっており、警視庁の中に関与している者の存在が窺えるのだ。
多くの犯罪の温床と言える“倉庫”が永らく存続出来ている理由は、こうした者達からの援助があり、もし捜査の手が及ぶようなら彼らの権力によりあらゆる悪事の証拠が握り潰されてしまうからだろう。
──この埠頭で深夜に響く童歌の歌声は、そんな者達に未来を奪われてしまった少女たちの、呪いや絶望、彼等の破滅を願う祈りが込められた怨嗟の声なのだ。
真っ当な業者の出入りが無くなる深夜、人目につかぬ様、闇に紛れて、竹内嘉信の仲間達がその倉庫に集まりだした。
監禁されている真冬と『再戦』するためだ。
彼らは、それぞれ、性的玩具や薬物などを持ち込み、仲間内で見せびらかしては、下品に笑っていた。
いかに真冬を凌辱するか。
現在、彼らの脳内にあるのはそれだけなのだ。
「おう、ヨッちゃん、見たぜ、真冬の膣内射撃」
「傑作だったな。あのクソガキ、マンコ射たれて、すんげえ叫んでてよ」
改造ガスガンで真冬の膣内を射撃する動画は好評だった。
仲間達に褒められ、気を良くした嘉信は例の高価な媚薬を今夜も使うことを決めた。
「お前らも射ちたいだろ、今夜はサバゲーと洒落こもうや」
例の改造ガスガンは一挺しか所有していないが、代わる代わる射てば良いし、並みの改造ガスガンくらいなら直ぐに用意出来る。
特製BB弾に関しては充分な数を備えてあった。
嘉信の提案を聞き、男達は狂喜の雄叫びを埠頭に轟かせる。
「マンハンティングってやつね」
「あん?俺らはマンコハンターじゃね」
そう二人で掛け合いをするように言って、デブとハゲが大笑いした。
「ヨッちゃんよ、マンコだけじゃなくて尻穴にも撃ち込んでやろうぜ」
二穴同時射撃も面白いな──と嘉信は考えて彼の言葉に賛同した。
いずれは、この倉庫が自分の物になるだろう、その時は女に実弾を撃ち込みたい──それが嘉信の夢だ。
「そういや、もう一匹居たよな、あいつはまだ拉致ってねぇの?」
リョウガの事だ。
メンバーによっては、真冬よりもリョウガを怨んでおり、そちらを凌辱したがっているのだ。
見た目の面でリョウガを気に入っている男もいた。
「あの関西弁のクソガキ可愛かったよな、レイプしてぇ」
「あっちは追跡調査まだ出来てないんだ。ってもすぐに見付けられると思うわ、楽しみにしてろ」
竹内嘉信は、リーダーの木村、以下仲間である山村、柳田、新谷、若松と共に、真冬との『再戦』に赴くのだった。
──西公園『賽の河原』
ブルーシートのテントが並ぶ先を進んで行くと、噴水広場が見えてくる。
その奥には、地下鉄駅に降りる様な出入口が存在している。
過去に何らかの地下鉄線に繋がっていた名残りだろうか。
この地下鉄出入口は、賽の河原へと繋がる門なのだ。
地下へ降りると、駅ホームの様な構造となっており、水底に沈んだ線路が視界に入る。
確かに、嘗ては地下鉄が走っていたであろう事が確認出来る。
しかし、眼を見張るのはそんな廃線の名残りではない。
地下鉄ホームを改修した、地下歓楽街がそこに広がっているからだ。
そこは過去の日本にあった遊郭の様相を呈していた。
往来を中央に、左右の人工の川を挟んだ対岸それぞれに面して並ぶ格子の奥、張見世の中で遊女達が男を誘っているのだ。
現代日本とは思えない光景がそこにあった。
しかも、そうした遊郭だけでなく、違法カジノや地下闘技場が、地上の道楽に飽きた者達を待ち構えているのだ。
特にこの地下闘技場は、流れる血を見るのが大好きな変態共が、それぞれ贔屓の選手に多額の金を賭けて観戦している危険な場所だ。
徳川光成の地下闘技場と異なり、選手にも報酬が与えられ、観客は賭け試合に興じる。
あくまでここの地下闘技場は、歓楽街のそれなのだ。
まれに、対戦相手の死をもってのみ決着とする、そんな恐ろしいルールで開催される試合もあった。
張見世から少し外れた先にある、往来と結ばれた短い橋を進むとその地下闘技場へ向かうことが出来る。
闘技場の選手控え室は、選手登録や報酬が受け取れる受付も兼ねており、選手は必ずここに来ることになっている。
その控え室に、一人の男がいた。
選手登録は既に済ませている。
自分の試合の順番を待っているのだ。
待ちながら、男はウォーミングアップを行っていた。
凄まじい、肉体が躍動している。
ウォーミングアップとは言ったが、これは本当にウォーミングアップなのだろうか。
受付の男や、試合を待っている訳ではない何名かの選手は冷や汗を流し見守っていた。
男は片足でタイヤを踏み、片腕を輪の内へ回して引っ張り上げているのだ。
ミチミチ音を立てて、タイヤが伸びる。
それを左右の手足で続けていた。
そもそも、タイヤなど伸びる物なのか。
誰の目にも明らかな事実として、この男の筋力が尋常では無い事がハッキリと示されているウォーミングアップである。
彼の名前は『
紅葉は、柄本医院で真冬の来院を待っていた。
真冬の悪魔的なヒトとは異なる脳の形や、内臓や骨格の異常さに興味を持った。
カツアゲ坊主との死闘で被っていた傷が癒える速さなど真冬の身体的な機能は、医師である彼にとって非常に興味深い検体だったのだ。
真冬の血液サンプルから、地球人のそれとは思えない未知の遺伝子も発見されている。
紅葉がそこで仮定したのだ。
真冬は、範馬勇次郎と関係があるのでは、と。
だが、肝心の真冬が来院しなかったのだ。
彼女は現在、幼くしてホームレスだと聞いている。
そうした理由もあり、何らかの事情で来られ無かったのだろうと考えていた。
しかし、彼女が拉致され、強姦されていると言う俄には信じがたい話を聞いたのだ。
情報をもたらしたのは、柄本その人だ。
掲示板等に出回る画像を見るに、事実の様だ。
思いの外、戦闘力は大したことは無いのだと知り、そこは残念に思ったが、それでも真冬の身体的機能や特徴、遺伝子は充分に研究に値する物なのだ。
柄本の頼みもあり、紅葉は真冬の救出を考え、ここ賽の河原へと脚を踏み入れたのだ。
神室町の情報屋、賽の花屋に会うためにだ。
情報の対価は払おうと思えば容易く支払える。
しかし、紅葉は金銭での支払いか、金銭の替わりに闘技場で試合を一戦行うかと提示した花屋に、試合を行う事を申し出たのだ。
紅葉自身、この闘技場に興味を抱いたからだ。
過去に、東城会四代目桐生一馬も上がった事があるというこの闘技場で力を試して見たかったのだ。
真冬が範馬勇次郎の関係者だとすれば、彼女に関わる先に勇次郎に会えるかも知れない。
その時は、彼に自分の筋力をぶつけてみたい。
そうした思いが、桐生一馬が王者となった闘技場に立つと言う選択になったのだ。
鎬紅葉──
未だ真冬と出会ってはいないが、彼女を知るものである。
敗北し、凌辱の限りを尽くされ確実に人生が終幕した真冬。
だが、この鎬紅葉も、新たな真冬の闘争の歴史の幕を開く人物の一人なのだった。
試合の開始を告げるため、紅葉の名が呼ばれると、最後のウォーミングアップとして──タイヤを伸ばし続け、引き千切った。
『仕切り直し、没ネタエピソード』は削除し、残骸置場に入れた方が良いですか?
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そのままで良い
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残骸置場行きが良い