※この作品はR-18です。

範馬道 神室町の蜚蠊幼女(ヤマトゴスロリ)   作:贋海王

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糞犬ゲーム

 表向きは一般的な貸し倉庫である。

 神室町近郊の埠頭に列び建つ貸し倉庫群。

 コンテナタイプの倉庫の地下に、源王会の組員やその周辺者が出入りする特別な“倉庫”が存在している。

「そうだ、お前ら、ちょっとゲームしねぇ?」

 

 竹内嘉信(よしのぶ)は、薄暗がりとしたコンテナの中で、そう切り出した。

 この倉庫の主である代議士竹内政信の息子だ。

 コンテナ内には、亜細亜街の中華料理屋で扱われる食材などが保管されている。

 下の“倉庫”で解体された少女は、一旦冷凍された肉や魚等の食材と共に中華料理屋に運ばれる。

 そして、そこで不要な部分……例えば骨などを処理するのだ。

 必要な臓器は台湾黒社会や中国マフィアが回収し、不要な人骨や人皮は、調理の際に生じる屑肉や獣骨と共にゴミとして処分される。

 また臓器以外の人肉は中国の貧民街で食材として売られ、貧民達の食卓に並ぶのである。

 “倉庫”に搬入された少女の中で、性欲処理人形に適さなかった者、年齢のピークを過ぎた者の最期は概ねこう言った顛末だった。

 

 嘉信は真冬をレイプするために様々な道具を用意しており、彼に関して言えば、もはや凌辱ではなく、拷問を目的としている様だった。

 

「ゲーム?」

 六人集まったメンバーの一人で、リーダー役の木村が言った。

 彼がリーダーの座に着いている理由としては喧嘩が一番強いからなのだが、金などを出して実質的にチームの方針を決めるのは嘉信だった。

 

「あぁ、あのクソガキ、犬助ける為にしゃしゃり出て来やがっただろ?」

 

 嘉信は、地下へ向かう階段の側に置いてあるケージを指差した。

 他のメンバーもこのコンテナに入った時点で気付いていたが、犬がけたたましく吠えている。

 甲高い鳴き声から察するに、小型犬か仔犬であろう事は窺い知れた。

「あ?もしかして、あの時の糞犬か?」

 肥満体の男、山村岳士が忌々しげに尋ねた。

 彼も真冬、陵伽、柴千春と交戦した際に参加していたひとりである。

 ケージを覗き込み、乱暴に拳を三度打ち付けた。

 犬は怯えたのか鳴くのを止め、逃げ出したいのかケージを中から何度も爪で引っ掻いている。

 悲鳴のようなか細い鳴き声も聞こえた。

 

「いんや、別の犬。どこぞの汚ねぇジジイが連れてた犬を奪ったンよ」

 嘉信は、何が面白いのか大声で笑う。

 その嘉信の言葉を受けて他のメンバーである、バンダナを巻いたロン毛の柳田洋一と、筋肉質で180cm近い大柄な男新谷健太郎が手を叩き同調するかのように下品に笑っていた。

「うるせぇぞ!糞犬」

 そう怒鳴りケージを蹴飛ばしたのはパンチパーマの若松宏治だ。

 

 高く悲鳴を上げてからは、声音を押し殺す様な鳴き声と息づかいを続ける犬をケージ越しに見やる。

 ──まだ若い、生後二ヶ月程度のゴールデンレトリーバーだ。

 仔犬と言っても差し支えがない。

 突然飼い主から引き離され、メンバーが集合するまで嘉信に虐待されていたのか、随分憔悴している。

 この個体なら餌は一日四回は与えるのが普通だろう。

 だが、当然のように餌を与えることは無く、水すら飲ませていない。

 直接的暴力は加えていないが、ケージを蹴っては壁にぶつけると言った行為を何度も続けていたのだ。

 

「んで?ゲームって?」

「おう、この糞犬使ってな。あのクソガキの精神もっとズタボロにしてやろうぜ」

 

 嘉信は、更に近くに置いていた肩掛けポーチと女児用のシューズを見せた。

「これ、クソガキの持ち物なンだけどな……とんでもねぇクソガキだぜ、見ろよ」

 

 ポーチの中に入っているのはアートナイフの替え刃、五寸釘、彫刻刀、靴には針が仕込まれている。

 

「この釘を糞犬に打ち込ませようぜ」

「そりゃあ、面白ぇな!」

 

 あの夜、仔犬を助けようとしていた真冬。

 犬好きであろう事は、想像に容易い。

 そんな真冬に犬を虐待させるのだ。

 どれだけ苦しむか考えると笑いが延々と込み上げて来るのを、嘉信は抑えられない。

「で、ある事をしたら、この糞犬には釘を打ち込まなくて良いって条件は出すのよ」

 

 そして、彫刻刀を振る。

 丸刀と言う、刃先が円くなっている彫刻刀である。

「こいつを、マンコ……いや尿道口に自分でぶっ刺せって言ってヤるンよ」

「奥までぶちこめってか!」

 新谷は他の彫刻刀も取り出して眺めた。

「そりゃ、流石にあのクソガキでも犬に釘打ち込むだろうよ」

 若松はまたケージを蹴りつける。

 かなり力を込めて蹴ったのかケージが跳ね上がり、転がった。

 仔犬が痛みを訴える様に甲高く鳴いた。

 

「真冬も、テメエで犬虐待するんじゃあ、世話ねぇよな」

「で、そんな悪いクソガキには、こいつでお仕置きよ」

 例の改造ガスガンだ。

「こいつを尻穴にぶちこんでBB弾の40連射ってな」

 

 木村が楽しそうに嘉信にヘッドロックをかける。

「最低だな、ヨッちゃん」

 木村は、嘉信に最低とは言うが、それは褒め言葉なのだろう。

 その証拠に二人は心底楽しそうだ。

 

「この替え刃何か使えねぇかな」

 柳田はアートナイフの替え刃を数枚取り、仲間に見せる。

「あー、それね」

 

 女子割礼──

 アフリカなどで行われるそんな文化がある。

「真冬ちゃんのクリトリス、切り取ってやろうぜ」

 

「鬼かよ!面白(おんも)れぇな!おいッッ」

 柳田は地団駄を踏み爆笑する。

「アフリカの土人にはよ、クリトリス切ったら処女性が守られるって話あるンだぜ。真冬ちゃんの汚ねぇ、非処女マンコにも処女性戻してやろうや」

 

 酒に酔ってはいない。

 現在は違法薬物も使用していない。

 しかし、彼らは明らかに狂気染みてきた。

 幼い少女を嬲り、甚振る事に狂喜しているのだ。

「流石、ヨッちゃん優しいじゃん!」

 

「でな、お前ら、ゲームの話しだ──」

 嘉信は、一旦間を置いた。

 態とらしく、一行を見渡した。

 

「あのクソガキが犬に釘打ち込むか、自分のマンコに彫刻刀ぶっ刺すか──賭けようぜ、名付けて糞犬ゲーム!」

「ちょっとは捻れよ、バーカッッ」

 嘉信のネーミングセンスにクレームを入れる木村。

 

 嘉信達にとっては賭けにもならない賭けの筈だ。

 どう考えようと、真っ当な精神状態なら、どれだけの動物好きであっても前者を選ぶだろう。

 

「当てた方で賭け金山分けだ、因みに俺は、500万賭ける。お前らは十円とかでも良いぜぇ」

 

 嘉信の思惑は、外れた者はより真冬へ憎悪を向ける。

 そうした人間はより惨たらしく真冬を責め立てるだろう。

 それが楽しみだった。

「ほらほら、予想と名前書いてその箱に入れてくれや」

 

 適当な紙を配り、それぞれ何に賭けたかは秘密にして箱に封印する。

 こうして、糞犬ゲームが始まった。

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