そのノートは名前を書いただけで対象を絶頂に至らしめることができるものだった?!
夜神月は奇妙なノートを拾った。
(エロ NOTE……?趣味が悪いにも程がある……)
しかし、夜神月とて一青年。
ませてるとはいえエロに興味がないわけではなかった。
(ひ、人目がある以上これは持って帰ろう。この僕が落としたものだと思われたら困るからな。僕が責任をもって処分しよう)
家に帰ってノートをひらひらめくる夜神月。
「ない!ないじゃないかぁ!」
「ど、どうしたのお兄ちゃん」
「いや、何にもないよ。問題が難しくね(爽やかボイス)」
(クソッ、誰かが落とした同人誌かと思ったらそうではない!これはただの白紙のノートじゃないか!)
怒りのあまりノートを乱雑にゴミ箱に投げ捨てようとしたライトであったが表紙の裏に書かれている文言を見てその手が止まった。
(指名した人物を強制絶頂……?秒数も指定できる……?ハッ、また馬鹿なことを……。表紙だけではなく中身もふざけた内容だな)
やれやれといった感じでノートを捨てようとするライト。
しかしふとライトの脳裏にあることが浮かぶ。
(も、もしこれが本物だったら……)
ライトも"時間停止物"とかが好きなお年頃であった。
(と、ともかく試してみないことにはわからないからな)
ライトの手はゴミ箱から遠ざかった。
(これをどうやって試すかだが……)
聡明なライトの頭脳はある一つの結論を導き出した。
(テレビのアナウンサーにしよう。身内に迷惑をかけずに実験ができるしな)
おもむろに部屋を出てあたかも気分転換するようにリビングへ向かう。
(妹は自室、親はどちらも外出中。ぴったりなタイミングだ。)
goodタイミング。神は夜神月に味方していた。
(チャンネルはn○k……。生放送かどうか……。よし、生放送のニュースだ……。女性アナウンサーの名前は……?)
運良くテロップが表示される。
ライトの聡明な頭脳は一瞬表示されたの名前を捉えた。
『三原めぐみ』
ライトは素早くノートに書き込んだ。
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三原めぐみ 3秒
三原恵 3秒
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(漢字かもしれないことを踏まえた完璧な布陣だっ……)
夜神月はノートを書き終えると、自分の部屋へと戻った。ゴミ箱に捨てようとしたはずのノートが、今やライトにとって世界を変える可能性を秘めたアイテムに見える。
(くっ……まさか、こんな馬鹿なことが……いや、ありえるはずがない)
理性では否定しようとするが、もしもという期待が心を占めていく。リビングに戻って5秒。ライトは腕時計に視線を落とした。
「……3、2、1……」
そして、何事もなかったかのように自室に戻り、再びテレビをつける。ニュース番組のキャスターは、先ほどと変わらずに真剣な面持ちで原稿を読み上げていた。
(クソッ……やはり、ただの悪趣味なノートか……)
ライトは安堵と落胆が入り混じった表情を浮かべた。しかし、その瞬間、女性アナウンサーの顔が赤くなり、わずかに声が震えたように聞こえた。
「続いては、地球温暖化に関する…」
彼女は言葉を詰まらせ、マイクから顔をそむける。そして、画面は別のニュース映像に切り替わった。ライトは思わず身を乗り出した。
(こ、これは……まさか……)
その直後、テロップが流れた。
『三原アナウンサー、体調不良のため退席』
ライトはノートを強く握りしめ、胸の高鳴りを感じた。ノートに書かれた効力が、本当に発動したのだ。
(まさか……本当に…)
これはただの偶然ではない。完璧なタイミングと、アナウンサーの不自然な退席。聡明なライトの頭脳は、この二つの事実から一つの結論を導き出した。
(このノートは、本物だ……!)
「三原めぐみ 3秒」と書かれた文字が、まるで勝利の証のように輝いて見える。
(だが、どういう原理で効力が発動したんだ……?本当に白紙のノートに書くだけで……?)
ライトは混乱し、興奮していた。これは、世界を変える力を持つノートだ。いや、もしかしたらそれ以上の力かもしれない。
(このノートがあれば、僕は……)
彼はこのノートの本当の使い方を考え始めた。全国民を強制絶頂させる?それは確かに快感かもしれないが、それでは世界は変わらない。ライトは、より高みを目指すことを決意した。
「このノートを使って、世界中の人々を僕の理想とする世界へと導いてやる」
夜神月は、ゴミ箱に捨てようとしたノートを手に、そう誓った。そして、彼の次の標的は、彼の理想の世界を阻む者たち?だ。
(まずは、日本からだ……。この国を、僕が作ったルールでAVの中の世界のように支配してやる……)
彼の視線の先には、再びテレビ画面があった。画面には、政治家が映っている。ライトの瞳は、まるで獲物を狙うかのように鋭く光っていた。
ほんとになんなんだこれ