サイバー忍者、VS エロ触手怪異 ~洗脳焦らし攻撃に瞑想で対抗せよ~ 作:笹にとろん
時は陰の時代。
暗君が力で世を支配し、民を苦しめる時代。
皇帝の税、過剰な検閲、搾取、そして────
「うわああああぅ! また皇帝の
「だれかー! たすけてえええ!」
「────ふじゅううぅぅっ!!」
獣がアスファルトを砕き、窓ガラスに悲鳴が響きわたる。
その全身は筋肉が剥きだして、体中から幾本もの手足、触腕を蠢かせる。
頭部が何処かもわからぬ異形に、人々はパニックに陥っていた。
……怪異。
圧倒的な暴力、理解不能の獣。
これぞ、世の災い。人類の絶望。
──果たしてこの世界には、救い手がいないのか?
否。
「……ふじゅう、ぐぶっ……」
「えっ! か、怪異が……
突如、赤い影が二つに引き裂かれる。
どちゃ、と血だまりを残して動きを止める。
静寂の中から、人々の喝采が街に広がる。
「まただ! また、”忍者”が助けてくれたんだ!」
「ありがとう、”忍者”!!」
怪異の死体が煙に消えていき、ふたたび世に日常が取り返された。
無辜の民を救った、それは──
「────目標、撃破したよ。ふっ……」
────少女は、摩天楼の上に立つ。
──忍者。
白昼堂々、しかし誰も気づかない。
その身を包む装束は、闇に溶け込む黒────ではなく、輝く銀。
光学迷彩に身を包み、薄い装備はほっそりとしたラインを浮き出させながらも、その露出はほぼゼロ。
白い髪をたなびかせ、いまだ騒乱に包まれた現場を見下ろす。
般若の仮面に手を当て、鈴のような声で
「
旧き時代から連なり、新たな技術を取り込み、世を正す。
正義の、
「──余裕だった。安心してよ、お姉ちゃん」
現
最強の個、時代錯誤の天才。
しかして世の敵蔓延るならば、陽をすりぬけこれを討つべし。
「私に倒せない怪異は、いないよ」
齢十五歳。
少女は怪異を殺す
ごうごう、ダクトの中に雑音。
石床に光を失った
そして肉獣のうめき声がこだまする。
「ふじゅ、ぐじゅじゅ、ぐ」
「──くっ、不覚……!」
「ぐ、ぐじゅ、う゛」
得てして、天才や完璧と称される人間こそ、その
「こ、のっ……! 放せっ!」
「ふじゅじゅーっ」
カナメは手足を肉の壁に埋め込まれ、首元を浅く触手で絞めつけられていた。
白い髪は肉に取り込まれ、その姿に流麗さの欠片もない。
恐ろしい形相の仮面の下で、焦りが滲む。
「民間人に気をとられ……彼らは無事に逃げ出せただろうか、クソっ……ほどけないっ」
「う゛ーぐ、ぶじゅぅう……」
カナメの細い腕がもがき、すると肉膜を歪める。
触手の繊維が、ブチブチと音を立て、わずかに隙間が産まれるも、即座に赤い煙で塞がれる。
(! 修復が
赤煙が収束、ぎっしりと詰まった剥き出しの筋線維が顕れる。
締め付けは、より強くなった。
「かはっ……」
だん、背に衝撃。
密着した肉塊が、脊椎にべったりとした熱を伝える。
(……不快だね)
首元をしゅるりと摩る触手だけが、嫌にやさしい加減だ。
サイバー忍者の主武装は脚、手、腰に集中している。
この状態から、反撃することは難しい。
(だが、忍化鋼で織られたスーツの強度に対し、貫通能力は無いらしい。時間を、稼げば……)
確かに、触手は幾度もカナメの肢体を這いまわるも、スーツ内部への糸口を掴めていないようだ。
すると、怪異はゆるり。
太い触手をもたげ、カナメの仮面に垂れさせる。
訝しむも数瞬、
「……んぱっ」
「────!」
まず、カナメの頭が勢いよく揺れる。
「がっ……」
視界、ぐらつく。
それからピンク色の残影を、ぴちゃりと粘液のしぶきがなぞる。
からん、と乾いた音に合わせ、カナメの面が転がる。
少女の顔が歪む。
忍術で固定された面をあっけなく剥がされた驚愕と、直接目で見る怪異の剛腕への。
「なっ──ぐっ、ん────!?」
「じゅふっ、ぐぷぷぷぷぅ…………」
そのまま、触手がカナメの顔に張り付く。
切れ長の目、可愛らしい小鼻。
美少女のカタチを弄る触手。
さわさわ、くすぐったい。
「ぶぐっ……んっ……!!!」
「じゅ、じゅるるっ」
血色の薄いぷるりとした唇、比して艶やかな紅色の頬。
触手は耳朶を包み、髪をかき分け、赤い潮流はカナメの頭部全体を覆う。
「んっ、ん、……っ、…………!」
呼吸、できない。
──分厚い暗闇。
耳も肉塊に防がれ、『ごおごお』という異音ばかり。
「んぶ、ん、ぐっ……、……!」
顔全体を埋め尽くす、肉の原。
耳目口はサイバー式・従来式両方の忍術で保護されているものの、上から
毎朝、姉が施してくれる化粧も、粘膜に剥ぎ取られる。
表皮と粘膜がざらざらと触れ合う。
不快感。
顰め顔すらできぬほどの密着、絞めつけに。
「────……んんっ──ぐっ、んんっ……」
直ぐに、苦しさがこみ上げる。
後頭部を包む肉膜が、解けた白髪が波打つ。
弾けたおさがりの髪飾りが、重力に従って肉塊に包まれていく。
「んんんっ、──っ、────ッ──……」
──少女は、思考する。
することしかできない。
酸欠、窒息。
抵抗、無駄。
怪異、忍者。
使命。天才。
────失敗。
(────
噴出する焦燥感のままに、もがいて、もがいて、もがき──
「ぷはっ!?!!」
やっと息を吸い、直ぐに光をも取り戻し、周囲の音がよく聞こえるようになって。
「────カナメは、みなさまの
自分の言葉が信じられず、つんのめる。
でも言いたい。
言いたくて
言葉の意味も分からないのに。
(それを、言っては、たぶんダメな気がする。の、……に……?)
思考が、何かに染められる。
さっきから、何ども、先ほどの
恐らく。この怪異の特殊能力。
「……っ。すーっ、ふーっ。すーっ、ふーっ。すーっ……」
息を整えて。
必死に、口をつぐんだ。
(……落ち着け、大丈夫だ。このサイバー忍スーツの緊急次元凍結機能を思い出せ)
緊急時、例えば窒息死、毒死、失血死の寸前。
科学技術の粋を凝らされたスーツには、思考も行動も停止する代わりに、あらゆる干渉を停止させる自動安全装置がある。
自信が頼る機会はなかったが、同朋を救助したときにそのダイヤモンドより硬い安全状態は何度も目で見ている。
ともかく、カナメは命の危機が無いと理解し。
(この怪異は強力だが、私という
安堵したならば、即座に怪異を討つべく思考を回す。
カナメは体の内側に気を練り、古代より受け継がれる技を使う。
彼女が意志を巡らせるたび、気は力となり、流れとなり、そして現実に摩訶不思議を呼び起こす。
──従来式忍術。
唇を縛り、指一本動けずとも、術を成立させていく。
(怪異一匹撃てないなんて屈辱、でもそれはそれ。
ならば、より重い
彼女の思考、能力は、常に怪異を殺すために最適化される。
「……」
「ぐ……ぐじゅ……」
骨一本一本が、重い。
増した重量を抱えきれず、徐々に触手の塊が、工場の壁面からずり落ちていく。
(──忍法、鉄絶!)
術者にかかる重量は気合と体力でカバー。
腕力で勝る怪異に対し、質量百倍は微々たる抵抗にすぎぬかもしれないが、なに。
────自らを毒とする術は、まだまだある。
カナメの重みを感じたか、怪異が不服そうに鳴く。
僅かな反撃の証に気を良くし、次の気を練り上げる。
「ぐじゅぐじゅ、ぐじゅ……」
(触手は身体のあちこちを這いまわるだけで、やはりスーツを貫通する様子もない。時間を稼いで、救援が怪異を倒すのを内側から支援。ああ、帰ったらスーツを脱ぐため、の、あ……は────)
カナメは、考える。
触手から解放された顔で空気を吸って。
後頭部に、
考えて。しまうから。
「そう、だから。
唇は震えながら、秘密を紡ぐ。
情報漏洩だ。
意志はねじ曲がり、さっきから身体の疼きが止まらない。
(──駄目だ。是は、考えちゃいけない敵だ────)
カナメの中に、まだ油断があったというのか。
あるいはきっと、これはもう
「きゅ……ぜろ……ごっ……」
「ぐじゅ……ふじゅ……?」
「……っ、………………、………………」
「ふじゅじゅじゅーっ、ふーふごごご?」
「…………」
少女の言葉が、止まる。
(……、……──
無の、思考。
技術的に、何も考えない状態を作る。
意識して無意識の状態を導くという矛盾。
「……」
あえて、カナメにソレができた理屈を言うならば。
完璧な人間がいないのと同じように、真の天才は何事も
「ふじゅじゅ、ぐじゅじゅっ」
「……すぅ……ふっ……すっ……」
不満げに揺れる触手も、ゆさゆさと波打つ肉のソファーも、瞑想を打ち破れない。
──瞑想直前に、彼女が閃いたこと。
……恐らくこの怪異は────
……思考の上書き、催眠能力を持つ────
……今、
……だから、一切の思考を、しなければ────
「ふぐじゅ」
「……」
これすなわち、鉄壁。
心頭滅却。明鏡止水の境地。
恐怖と焦りに滲んだ少女はもういない。
「すぅ……ふっ……」
彼女は、一人の鋼の精神を持つ……忍者。──耐え忍ぶものだ。
──その名、歳刃カナメ。
心、体、技、完璧の域まで練り上げられた個。
非科学的な忍術と、超自然的な科学技術。
その為のすべてを持ちあわせた、対怪異のスペシャリスト──サイバー忍者である。
「すぅ……ふぅ……」
「……じゅる」
もはや、怪異がどれだけ彼女の思考を覗こうとも、その精神がカラである以上意味は無い。
怪物の腕力で抑え込めても、気と量子科学の力で護られたサイバー忍スーツは突破できない。
「ふじゅじゅ、ぐじゅ」
「……」
「ぐじゅ、ぐちゅっ」
無意味に。
ぬちぬちぬち。
──
十五歳。高校一年生。
やや小ぶりな背丈、慎ましい胸、発達の良い尻。
「ぐちゅ、ぐにゅ」
「……」
日本人離れした白い髪は、神血の先祖返りだという。
ほそりとした手足に、鬼神のごとき怪力。
ミステリアスにして、時折のぽわぽわとした気配が、無自覚に学生をドキドキさせること多数。
「にゅりゅりゅ、ふじゅーっ」
「……」
家族愛と忍者の使命で育まれた、健全にして頑強な精神の持ち主。
日々圧政に苦しむ民の、正義の味方。
「ふじゅっ、ぐーっ、ぐっるぐにゅん。ぐちゅ、ぶっ」
「…………………………」
両脚で大地に立ってから、約十五年間。
文字通り毎日、忍者として怪異を倒す訓練をしてきた。
──そればかりの人生だから、知らなかった。
「ぐー、んじゅっ」
「………………………………」
思考は揺ぎなく。言葉も発さず。
びくびくと、
「……っ、……。…………」
「にちゅっ、にゅる。にゅっ、にゅっ、くちゅっ」
「……、……っ、──────」
生理は、体験していても。
生殖も、理解していても。
その身に這う触手が齎すものが、”性的快感”だとは────。
「じゅるうぅ、ぎゅうっ」
「……っ、……はっ……はっ……」
乱れた呼吸。
お椀のようなスーツのふくらみが、ピンク色の触腕に撫でられて形を歪める。
じっとりと押し込まれた腹肉が、臍の凹みに引っかけられた触手で刺激される。
銀色のスーツは柔肌に密着していて、彼女の体の震えも触手のざわめきも、余すことなく伝達しあう。
「ふじゅーっ、ぐじゅーっ」
「……っは、ふ……すーっ、っは、っは」
「じゅるじゅる」
未熟に花開く快感を、意志に感応する怪異が、捉える。
(……────────…………かんが、えない)
「じゅる」
こじ開けた隙間を、優しく、壊さない様に。
傾いた視線に、愛情を込めるように。
(かんがえない……かんがえない、わたしを……)
「じゅるじゅる、るっ」
「ぅ、すぅー、んく、はっ……! ふ、っ、すっ、はっ……あぁ……」
もっとも、怪異に目玉も、
ねちねちと、暴力的な愛撫が股座を覆う。
秘部を覆う銀色のクロスが、粘液でテカテカと滑る。
性感マッサージによって、無垢な肉体はついに発情し始めた。
「……っ、……」
「ゅる~っ、ぱっ」
「……、…………」
しばらく蟲の様に暴れ狂い、ぱっと中央から離れる。
ぷっくりと、割れ目が浮き上がったスーツは、だが破けてはいない。
「ふじゅじゅ……」
「っは、ふっ、すーっ、ふ────う、すーっ、ふっ……ひゃ……」
ぐに、と割れ目にめり込むように、触手が突き立てられる。
ドリルの様に身を捩じり、スーツの柔軟が許す限り内側に入り込もうとする。
(かんがえない、かんがえない、わからないこれはなにこわいへん、かんがえない────)
まだ、無意識と呼べるだろうか。
触手の精神の影は感じない。
だが自分が徐々にオカシクなっていると、思考せずとも理解し始めていた。
「ぅ、っは、…………。ふぅ、はぁ」
「にゅり」
「っぅは!?!?! っ」
ぞりと、肉の刃が胸をなぞる。
頂点の、膨らみにそって、まっすぐ横に。
「ひ、ぃ、あ……!?」
「にゅる!」
「っぁ、だめ、かんがえてない、かんがえてない」
そのまま胴体を両断せんとばかり、ぎざぎざの鋸状の波刃が左右、交互に引かれる。
するどい攻撃は、スーツの防刃性に弾かれ、唯の刺激と化す。
「ぁああ、ぁっ……」
「ふじゅる、じゅ」
「あぐ、ぁ」
カナメの首筋から、ぞくりと逆毛がたつ。
知らない感覚に、状況も忘れてゆだねてしまいそうになる。
──だって、こんなの知らないし。
命の危機も無ければ、できる事はたかが知れてる。
「あ、かんがえない、かんがえない」
──そもそも、こんなふざけた相手、私がやる必要あるのかな。
ピンク色で、大柄で、どことなく犬っぽい。可愛くも見える。
おそらく、下忍でも十か百か数揃えたらかてるのではないか。
「かんが、っ、かんがぁ、えない。いぁ、か、んがっ」
「じゅるる、にゅるっ」
「かう、くぁ……。ぁ、ああぃ、ふぁ」
──それにしても、さっきからわたし、何をいっているんだろ。
(なにか、かんがえなきゃいけないことが、あった。……っけ?)
ふと、絶え間なくカナメの胴体を──そう、彼女の手足が固められてから
ふわふわとした感覚が、ふいに遠ざかる。
カナメは浮かんだ疑問──
だから、大の字のから姿勢が変わるをただ眺めることしかできない。
「……?」
肩から先は変わらず肉固めのままだが、脚は膝下まで拘束範囲が下がり、腹部から股座、ふとももまでが良く見える。
脚を持ち上げられ、前屈の様に前に曲げられる。スーツの前面は粘液に塗れて、テカテカに光っていた。
体中、ぴくぴくと震えている。
どろりと濁った粘液溜まりが、スーツの凹凸を伝ってぽたぽたと垂れる。
「っぁ、ひ……?」
その、わずかな刺激、空気に触れた些細な冷感に、声が漏れた。
「ふーっ、ふーっ」
カナメは解らない。
発情だとか、性感開発だとか。
あるいは、目の前の触手の
「ぐぽっ」
「ひっ」
内ヒダにイボと峰が張り巡らされた、イカの口のような肉の塊。
大きさは握り拳程。
「ぐにゅっ!」
「っっあ……────!」
それが、勢いよく。
股座を覆うスーツを強調する、一点の膨らみに噛みつく。
「あ、う、……!?」
「ちゅるちゅる」
「い゛っ!? はぁ、あああっ、うあ゛──っ!?」
──あるいは、これから識るのだ。
自分の体が、何のために産まれてきたのか。
育ってきたのか。
──どれだけ無垢でいられたのか。
「はっ、はっ!? うぁ、なにこれっ。あああ、ううう~~!」
「にゅぷにゅぽ」
「おぉぉおおおおお~~っ!?!?!」
少女は端正な目を吊り上げ、大口を開けて息を吐き抜く。
ばくばくと爆発する心拍、下腹部は切なく揺れ、全身の筋肉は緊張状態。
クリトリスを生地越しに、ごりごりと強すぎる愛撫で責めたてる。
それが、サイバー忍スーツの防御力に遮られ、未熟な少女にとって
「……は、っ、うぁ! うう、ううう~~!」
「にゅる、ぐじゅっ、じゅぶ」
「ふ、っぁ」
だが。
意外なことに、少女はまだ絶頂していなかった。
どれだけ昂っても、どれだけ思考がブレても。
彼女は対怪異のプロ、サイバー忍者。
「ふーっ、ふぅーっ、うぅ……!」
「ずるる、じゅう」
──その不屈さにうんざりしたのか。
「っぁ!? はーっ。ふーっ、うーっ」
きゅぽんと、音を立てて怪異が
スーツの銀色は、いっそう艶やかに濡れそぼっているが。
科学技術の粋を凝らした生地はいまだ、雫ひとつ通していない。
まだ、少女の愛液は混じっていないのだ。
このままでは、怪異は
このままでは。
怪異の触手が、ふたたび細かく
「……っ、な、に……?」
「ふじゅる」
細い、筆先のような先端。
それが二つ、ぴとりと鼠径部にあてがわれる。
「……っ」
つぅ、とスーツの上をなぞる。
上から下、右左細かく。
「…………、っは……ぅ」
円を描く。
つつく様に。時に大胆に、太ももをおおきくなぞり、しかし。
「……、なに、これ……」
決して。
中央で存在を主張する
「しつ、ように……またのまわり、さわ、さわ、するなぁ……」
「しゅるしゅる~~」
「う、ああ、じれったい……ぃ」
今度は臍を通り過ぎ、二筆は胸部をなぞる。
あばらをなぞって斜め上、正中線に寄せては返し、ジグザグに体を登っていく。
「んっ、ふっ……ぁ……これ……ぁあ」
「しゅーっ、しゅる、しゅっ、しゅっ」
「くぁ、あ……っぁ、き」
身体は逆に折り反られ、胸を張りだすような姿勢で固められる。
僅かな抵抗も許さぬように、少女の膨らみがさらけ出される。
そしてやはり、双丘に浮きだす二つの点に。
「……ぅ、うう~っ!」
「しゅる、しゅるる~」
「っああふっ、っく、ひあ……あひっ」
触手は、触れない。
もどかしい。
さっきからずっと、くすぐったいのに、どうしてか笑えない。
(笑えないのに、どうして)
触手の筆は、脇から肩、鎖骨に掛けて、行ったり来たりを繰り返す。
「き、もちいい……」
「しゅるる」
「ぅ、…………っ────」
突如、肩が重くなる。
ぐにゅりと、四肢の拘束が緩んだ。
とはいえ、決して抜け出せない様に、奥の方はがっちりと掴まれたままだが。
胸に響く、じんじん、という熱に舌が痺れる。
(こ、れで、少し自由が────?)
べちゃり、という音──。
発生源を見下ろせば。
「──なに、これぇ……!?」
「じゅぶぶぶ……」
「……っ! …………、……」
臍に押し当てられたのは、巨大な
太さは、三十センチほど。
「っは、っ。そん、なの……」
「じゅるじゅる」
「っあ、ああ……」
触手の毛、一本一本が意志を持つようにスーツの上を這いまわっている。
その蠢きに、カナメの喉が震える。
「じゅう」
「ひぁ…………!」
躊躇なく、大筆は下からなぞりあげた。
少女の纏うスーツを用紙に、
「ふと、あっ……い……、…………」
「ゅる」
太いから、避けられないわけだ。
右胸を、触手の束が覆う。
胸が
はて、肩の拘束は緩いのに避けられないのは、気のせいか。
「ぁ……。……」
とろりと、少女の瞳がおちる。
ぶるりと、背骨が震える。
(──
瞬間。
ばくり、と顔が触手の花に喰われるも、どうでもよかった。
覆われた肉壺の中、見えない肉筆の軌跡に集中する。
(あぁ……)
カナメの右のふくらみから、首筋へ。
「じゅるじゅる」
「ふがっ、……っ、……」
息もつかぬ間、右肩をざわ、ざわ、揉むように。
べちゃべちゃと、一押しごとに粘液の輪が滲む。
「……っ、ごぼ、…………」
「じゅるっ」
そっと、優しく掠めるように左の乳首を払れる。
毛先で削り取られ、いやいやと背筋が左右によじれる。
「……っ! ……、……!?!?!」
「じゅぬぅる~~っ」
「~~~~────ッ!!!!」
ようやく、呼吸を思い出した。
体がじたばたと暴れ、策も技もなく我武者羅に悶える。
カナメの挙動に、もはや天才性は伺えない。
窒息寸前、ふたたび花から解放される。
「ぶはっ!? ごほっごほっ、ぜひゅーっ、かひゅーっ! ふぅっ、ふっう゛っ、けほっ……えほぉ゛……」
咽るカナメを甚振る様に、ふたたびべちゃり、肉筆が押し付けられる。
腹部を覆うサイバースーツに、触手の毛束が広がって。
そこは、一番せつないところの──少しだけ上で。
「っぁ……」
「じゅ」
「……」
カナメは内臓の痛みを感じていた。
心臓ははり裂けそうなほど早鐘を打つ。
幾度も締め付けら、首筋に負傷が残ったかも。
強靭なはずの体幹は、まるで生まれたての小鹿のよう。
頼りなくて、一人ぼっちで。
──何より、
「だ……だか、らっ……」
「ゅ?」
「……っ、……」
カナメは歯ぎしりした。
どれだけ目の前の触腕を睨んでも、息を吹きかけても。
──怪異と、意思疎通などできない。
「……っ、うご、いてよ……」
「じゅ」
「……っ! だか、らぁ……」
あれほど激しかった、触手のざわめきが。
ぴたりと、臍の僅か下で停止している。
あと少し、あと少し下にあてがってくれたら──。
「っは、も、もう……うう、こんなっ……」
「じゅ」
「……」
カナメは唾を呑み込んだ。
腹に、力を入れて。
「そ、そっと……」
「……」
結局、最後まで怪異は動かなかった。
だからこれは全て、
──少女は腰を持ちあげて。
「か、っは……」
触手の毛並みに向かって、股間を突き上げる。
「────。~~~~────っ!!!!」
そしてついに、動きが産まれる。
細い毛並みが勃起したクリトリスを掴み、撫で、吊り上げる。
じょりじょり、ぐちゅぐちゅと音を立て。
「~~~っ、~~ぁ! か、い? …………、はっ♡」
まるで高周波ブレードの振動のようだ、と。
びるびる、と甲高い音とともに、ブラシで機械を磨く様に。
女性器が──それを覆うスーツ越しに──愛撫される。
輝く生地に、濁った泡立ちがこびりつく。
「ぎゅ、ああ♡ おぉお、くぁ♡!?」
がくがくと腰が抜ける。
がちがち、顎から音が鳴る。
視界は上下に揺らぎ、耳鳴りと鼓動で、周りの音が聞こえない。
息は張り詰め、自分が呼吸しているのか、生きているのかもわからない。
さっきよりずっと苦しく、不自由に感じるのに。
「ぎぅ♡ ぎもちい……っ!? ~~~~────ッ♡♡♡!?」
ばん、と。
バネ仕掛けの様に跳ねた少女の腹が、太鼓のように衝撃波を放つ。
歳刃カナメ。
十五歳、初めての、オーガズムは。
「き、い……っ♡」
「じゅるりゅう」
「うああっ♡!? それだめそれっ♡うあぁ、あっ」
醜い触手の怪異に、ほだされた結果に終わった。
──もとい、始まった。
少女の体が、ふたたび触手に覆われていく。
誤字報告・感想等お待ちしております