サイバー忍者、VS エロ触手怪異 ~洗脳焦らし攻撃に瞑想で対抗せよ~ 作:笹にとろん
怪異に捕縛され、洗脳を受けて、忍者の少女は初めての絶頂を体験した。
快楽の波が引くころに、一度思考がまっさらになる。
(──あ、そうだ。かんがえない、かんがえない──)
一瞬、シャットダウンした思考が正気に戻り。
「──じゅぶ」
「っあ…………ぁあ……♡♡」
柔らかく太ももをなぞられ、甘く蕩けた声が漏れる。
自分の喉から出たとは信じられない。
腰が勝手にふりふりと揺れる。
そうすれば、だって、あんなに──
「……じゅる」
「……、あれ、また……?」
おあずけ、だろうか。
ふたたび触手の波が引いていく。スーツにこびりついた粘液がカナメの汗の様だ。
快楽を求める少女の腰はへこへこと空ぶり続ける。
性的知識の乏しいカナメの求愛ダンスは未熟でいて、力強い。
かく、かくと突き出されるたび、胸がぷるりと揺れる。
確かな体幹で、一心不乱に腰をくねらせる。
──こんな、いやらしいこと、知らないはずなのだが。
「はっ……♡ はずかしい……これ……はやく……!」
「じゅるじゅる」
触手が地面に広がる。
形を大きく変え、蛇の様に這って行く。
「……あれ……?」
それは少女から遠ざかっていく。
もっとも、背後に肉塊の大部分がそびえ立ったままだが。
待っていろと、四肢を拘束する触手は動かない。
先走った腰振りが空を切る。
(ああ、なんて。──なさけない……)
恥。
かつてはあんなに気にしていたのに。
(せつない)
今はその焦燥すら、どこか心地佳い。
すっかり、怪異を倒そうという気概は失せてしまったのかもしれない。
(……)
そうして莫迦らしくなって、考えることを再び辞めた。
萎えた精神に引きずられ、身体の動きも静まる。
「……はぁ」
──このまま何も起きないなら。
まあ、それもいいだろう。
救援に怪異が倒され、それでおしまいだ。
どうせ抵抗もできない、やることがない────
「──じゅる」
「あ……」
──カナメが無気力に包まれる、寸前。
「え」
「じゅる……!」
「……!」
伸びた触手が戻る。
その先端に掴んだサイバー忍具は
(──え、嘘?)
カナメの頭脳は、即座に理解する。してしまった。
その最大出力は、
(──しぬ……)
先ほど漏らした暗証番号は、総当たりで解読できるかもしれない。
だが
逆に言えば、
(頭が、良すぎるッ!)
──それはサイバー忍者にとっての理不尽。
この怪異には、
そして自分がこうなっている今。
(たすから、ない?)
この怪異に勝てるサイバー忍者は、もう存在しないのだ。
──いまやレーザーブレードを構えた怪異に、全力の
「──あ」
天才だから、よく理解できる。
「じゅる……」
「ひっ」
刃渡り数メートル。
光刃の先端が、正中線にあてがわれる。
胸元から気管支、背骨までを突き抜けるコース、ゆっくりと。
今すぐ脳天からカチ割ることもできるだろうに、悪辣な怪異だ。
そこに、──高い知性を感じられる。
ちくり、胸元に鋭さが滲んでいた。
(──こわい────!!!)
がちがちと、歯が。
必死に。焦りのまま、思考して。
今まで、怪異を討ち続けた自分を──
「──た、たすけてっ」
カナメは
使命も善意も、
そして、これが最適な生存ルートであること──この怪異の
はじめに植え付けられ、ずっと燻っていた
カナメの睚から、ぼろぼろと涙が溢れる。
「──私は、あなた、怪異をご主人とし、
「……じゅる」
ひきつった喉から、悲痛な叫びがこだまする。
それを聞いた、怪異は。
────すぱっ、っと。
呆気なく。
「……ぅ」
────全てを護ってくれていた、サイバー忍スーツが、切り裂かれる。
カナメの肌は薄皮一枚切り裂かれていない。
「じゅる、じゅるう」
「ぁ……あは、ぁははは……」
むわりと、これまで溜め込まれていた熱気と汗、カナメの気が解放される。
突如主機能を喪失したスーツは、サブ回路の励起すら
すなわち、もうカナメの生命を守る次元凍結装置も働かないということだが────
「……っ、はっ……♡」
突き付けられる、男根そのものの触手を見つめるカナメが。
きっと、嬉しそうだから、よいのであろう。
「じゅるる」
カナメの顔の前で、また肉の花が咲く。
──きっと、この怪異にはちゃんと意志がある。
思考し、感情を持ち、きっと今のカナメを嗤っている。
そしてカナメは
「──ちゅ、ぐぶっ……」
目を細め、唇で花の蜜を吸うように顔を寄せ、そのまま蜜壺に包まれる。
ぐちゅぐちゅと、うがいの様に顔を揉み洗いされた後、ぺっと吐きだされて。
「……はっ。そ……っか……」
今度こそ、カナメは自分が産まれてきた意味を──育ってきた意味を──
──この五臓六腑に宿る使命を、理解した。
唾液まみれの顔に、仄暗い笑みが浮かぶ。
「私……
「いゅる!」
「この、おっぱいも……」
触手の、亀の手のような腕が、小ぶりな乳房を撫でまわす。
「んっ♡ この、おへそも……」
「じゅりっ」
先ほどの筆より細長い先端が、臍を通じて体の中に────
「ひっ……あ、
「じゅる、じゅる」
カナメの後頭部に張り付いた触手が一度ざわめいて、津波のあとのように、肉の海に還っていく。
もう、彼女の思考は、
「ご主人様の、
「じゅる」
触手が喜びを伝えるように、彼女の頬を撫でる。
頬を染め、少女は恋するように、微笑んだ。
「──もう、かんがえなくて、いいんだ♡」
「じゅるる~~っ!」
怪異が歓喜に打ち震えた様に、全身を波立たせる。
カナメの手足が解放された。
放りだされ、軽やかに着地する。
忍術は、とっくに解いていた。
体内への侵入を防ぐ防御も、怪異の体を抑える妨害術も、何もかも。
──最後に手足にしがみついたままの、鉛色の襤褸切れを剥ぎ棄てる。
カナメは産まれたままの姿で、ゆっくり怪異に向き直る。
白い髪を揺らし、地に指先を突き、尻を突き出して、こうべを垂れた。
「ご主人様、今後……歳刃カナメは忠誠を誓います」
「じゅるる」
怪異が脚で踏みつけるように、カナメの肩に触手を乗せる。
「先ほどまで、っ、歯向かって、も、もう♡ もうしわけ、ありません……♡」
「じゅるー」
首筋を通って、垂れさがる乳房をゆるゆると掴む。
所有物を、じっくりと愉しんでいる。
「私のカラダ、性開発、食事、排泄っ、……♡」
たぷたぷと、悪戯の様に乳を揉まれ。
逆の乳房は、ちろちろと舐められ、少女の甘い声が響く。
「あなたの、おせわに、なります♡ よろしく、おねがいいたします……っ♡」
じくりと、カナメの恥部から愛液が垂れる。
怪異の切っ先がそれをひと舐めして、少女のカラダは跳ねた。
「っあ……。ふぅ、ふぅ」
たぷたぷ、たぴたぷと。
舐め取られ、揉まれ、噛みつかれ、組みし抱かれ。
「ぁ……♡」
強がりの自分にさよなら。
胸に抱えた芯を融かす熱に心を捧げる。
もとの、優しく、可愛く、いたいけな少女に。
ありのままの、いやらしく、考えることもない、愛玩動物に。
「ふゅ、あぃ♡ だい、じょうぶです♡ なんにも、かんがえてませんから……♡」
触手の腕が、カナメの首を締め付ける。
脳髄が最大限に鳴らす危機感を無視するのは、たいそう気持ちが良かった。
「ぐひっ!? か、ぁ、はぅ…………!」
ああ、お姉、ごめん。
歳刃のみんな、ごめん。
──あ、ご主人様、ごめんなさい。
(いま、かんがえること、やめます────♡)
カナメは股を開いた。
ぬるりと、触手が突き入れられる。
「お゛っ……♡!」
男根を模したソレはカナメの膣を捩じ開け、内臓を圧迫する。
頑丈な躰は、不釣り合いなそれを受け入れ、幼い生殖器に過ぎた刺激を与える。
カナメの白い腹が、押し上げられて膨らみを描く。
(──かっ、かんがえ、ない。
ずりずりと、薄れゆく意識の中で不快感が体中で踊る。
苦痛が快楽にすり替わっていく違和感も、また不快。
でも、カナメは気持ち悪くは無かった。
だって
「ごひっ♡ お……お……、……」
かくかくと、カナメの脚が揺れる。
少女の顔は真っ赤に染まり、頬に涙が伝う。
じゅぶじゅぶと、イチモツを咥えた女性器から粘液が零れる。
触手が動くたび、カナメは絶頂を繰り返し、数度の絶頂の合間に精液を注がれる。
ごぼり、膨れ切った腹部──有りえざることに、まるで妊婦の様──は、溢れた白濁を吐きだすたびに萎れる。
「ぎっ…………、────はっ………………♡」
口角に泡が立つ。
既に意識は途絶えている。
下腹部の結合部から、とめどなく精液が滲む。
「…………」
「じゅる、じゅる」
歳刃カナメ。サイバー忍者、最強の存在。
彼女は今日、怪異に敗北した。
「じゅるる~」
怪異の触手が、気絶した少女の体に巻き付き、持ち上げる。
そうした内の数本が、カナメの顔に張り付いた。
柔らかな皮膚が、タコのような鋭い吸盤でひきつる。
「じゅるる」
「…………♡」
それは、新たなカナメに相応しい、笑みだったのかもしれない。
ぼたりと、白濁の溜まりだけを残して、
それだけの痕跡も、やがて消え失せた。
それから、いつかの日。
「おっ♡ おおっ♡ おぐっ♡」
数か月後。
「いえっ、いぇは地下構造があって、そこ、あっ、秘密の部屋のいち、あああっ……」
「いや、い、やだ、あぅ……。い、いいます、もうかんがえませんっ」
「ふーっ、ふ、はひ、忍術は従来式とサイバー式があって、じゅ、じゅうらいはおもに江戸時代のっ、ひぎっ♡」
──歳刃流は滅びた。人々を救う忍者は、ひっそりと影の舞台から姿を消した。
──地方新聞の一角で、由緒正しき武家屋敷の蒸発騒動が載った。
──それで、すべては終わった。
「あああ、あああああ。あああああ…………!」
「で、データキー、解除ロックは一二五四六四五一九八七七二────」
「……っはー、かふっ、こは、は、は、あ♡ おめぐみ、ありがとうごあいあふ……♡♡」
「あああああもうやだあああああ!!!?? かんがえたくない、かんがえたらだめ、ああ、ひみつ、それ、あひ」
──一方で、悪しき皇帝もいつの間にか姿を消していた。
──怪異と呼ばれていた、怪奇現象も現れることは無くなった。
──陰の時代は終わった。
「……家族構成は母親と姉、三親等まで男六人で女三、縁戚を含めると歳刃の名を持つ忍者は五十九、もとい五十八人です」
「────っぁああああ゛ぁあ!! もうごほうび、ごほうびくださいっ♡ かんがえてごめんなさい♡ でももうむりだよっ、げんかい!! おねがいごしゅじんさま♡」
──この国は理不尽な危機を脱した。
──人々は、恐怖が日々から過ぎ去ることを願いながら、日常を取り戻した。
──よく理解していた。きっと、忍者が助けてくれたのだ。
「あ……あひ……♡ かなめ、どうなっちゃったの……♡?」
「ごびゅ、ごぶ。ぶごごごごごっ、ごがが」
「おっ♡ ずぼずぼ♡ ぐぽぐぽも好き♡ あぐ、ちが、かんがえない、かんがえてない、かんがえてない」
──姿を現すことなく、正義の味方は姿をくらました。
──そうして、また記憶に、噂に、伝説へと、彼らの存在は移ろっていくだろう。
「ぎゅあああああああああっ♡♡ びりびり♡ これびりびりくる♡ おぎゃあぁあああああっ♡♡」
そのすべてに、一つの背景があるとすれば。
それは、一人の少女が。
──ではなく。
「んっ♡ ごしゅじんさま、ゆるして♡ かんがえてない、なんにもぉ、かんがぁ……っ♡ ぶちゅっ、じゅるる……ぐ、ご、かはっ……!」
「────だずげでえええ!! ごめんなさいごめんなさい、ゆるして、ああっ、おかあさっ……。…………────」
「じゅる、じゅるじゅる」
「……──はっ」
「んーっ♡ ごめんなさい、わたしまた間違えちゃいました……。ごしゅじんさまぁ、ゆるして♡?」
ある玩具が、永遠に愛されていること、かもしれない。
というわけでサクっと前後編完結です。
ご覧いただきありがとうございました。