※この作品はR-18です。

マンコ相撲〜土俵際の乙女たち〜   作:ろくさん

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【幕間】 横綱土俵入り

 

『天下一番相撲会』の、とある一日。

 

幕内力士四十名による華やかな土俵入りが終わると、両国国技館の空気は一変する。それまでの賑やかなお祭りのような雰囲気はどこかへ消え、まるで神社の本殿にでも足を踏み入れたかのような、静かで厳かな緊張感がその場を支配した。

 

絶頂川アナ:「…さあ、皆様。お待たせいたしました。この国技館に一日に一度だけ訪れる、最も神聖な時間。マンコ相撲の象徴。そして我らがネオジャパンの“母”。絶対王者、龍炎寺貴和子による、『横綱土俵入り』のお時間です…!」

 

絶頂川の、そのいつもとは違う囁くような、しかし魂の底から震える声に、観客は固唾をのむ。

 

やがて東の花道から、その行列は現れた。先頭を歩くのは、露払(つゆはら)いを務める関脇・霧島カレン。そしてその後ろに満を持して、絶対王者、龍炎寺貴和子がその神々しい姿を現す。その腰には、もちろん、あの国宝『鳳凰の化粧まわし』。そしてその後ろからは、太刀持(たちもち)を務める大関・九重凛が続く。同門である龍炎寺部屋のトップ力士たちを脇に従え、貴和子はゆっくりと土俵の中央へと進み出た。

 

(…よし)

 

貴和子は内心、己に言い聞かせる。(…大丈夫よ、龍炎寺貴和子。あなたは女王。あなたは女神。あなたは今から、一万五千人の観衆の前で、自分のおマンコをおっ広げる、ただの三十路過ぎの女ではない…!)

 

土俵の中央に立った貴和子の両脇を、霧島と九重が固める。彼女たちの役目は“捲(めく)り役”。二人は厳かな所作で、貴和子のその豪華絢爛な化粧まわしの裾を掴んだ。

 

天知:「…横綱土俵入り。それは、その場所に君臨する最強の力士が、全ての力士を代表し、神と観衆に三つの“誓い”を立てるための、神聖な神事であります」

 

霧島と九重が、ゆっくりと、そして高く、その化粧まわしを捲り上げていく。貴和子のその完璧に手入れされた、国宝級の下半身が白日の下に晒される。

 

(…来た! 風が! なぜ、国技館はいつもこんなにスースーと風が通るのよ!)

 

貴和子は、その涼やかな顔の下で必死に平静を装っていた。

 

天知:「誓いの一つは、『不正は無い』という、潔白の証明。我々は、その肉体の全てを晒し、公明正大に戦うことを誓います、と」

 

貴和子は、その場でゆっくりと腰を下ろしていく。そして、相撲の四股とは全く違う特殊な型。両足を限界まで大きく開き、その体を深く、深く沈めていく。

 

天知:「誓いの二つ目は、『これは神聖なる神事である』という宣言。我々の戦いは、子を成し、国を繁栄させるための神への祈りそのものです、と」

 

そして、ついに、その瞬間が訪れる。貴和子は、その開かれた両足の中心。その一点に全ての意識を集中させた。(…恥ずかしくない、恥ずかしくない、恥ずかしくない、恥ずかしくない、恥ずかしくない、恥ずかしくない…!)心の中で般若心経のようにその言葉を唱えながら。

 

くぱあっ…!

 

魂にしか聞こえない、その神聖な開放音と共に。貴和子のその“魂の器”が、天と地と、そして観衆に向けて大きく大きく開かれた。

 

天知:「そして、誓いの三つ目。『子種拝領の準備はできている』という母としての覚悟の表明です。ご覧ください。あの完璧な開きの角度。そして、粘膜を覆う潤沢な“濡れ”。まさに、いつでも最高の子種を受け入れられるという絶対王者としての自信と誇りに満ち溢れている」

 

貴和子は、その全てをおっ広げたままゆっくりと、その片足を天へと掲げる。その瞬間、一万五千人の観客の声が一つになった。

 

「「「「「よいしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」」

 

その地鳴りのような掛け声と共に。貴和子の足が力強く土俵を踏みしめる。ドンッ!という神聖な音が響き渡り、この土俵に宿る全ての邪気を祓った。

 

儀式は終わった。貴和子は、何事もなかったかのように静かに立ち上がると、その完璧な女王の微笑みを浮かべ、ゆっくりと花道へと引き上げていく。その神々しいまでの姿に、観客はただ万雷の拍手を送るだけだった。

 

(…勝った。あたしは今日も、“恥ずかしさ”に勝った…!)

 

その胸の内での、あまりにも人間臭い勝利の雄叫びを知る者は、もちろん誰もいない。女王とは、常に孤独。そして常に人知れず戦い続ける生き物なのである。

 

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