TSサキュバス after ~エロい女とヤってから俺のカラダがおかしいんだが~ 作:ゔぁいらす
夜の繁華街はまるで欲望と喧騒が渦巻く生き物のようだ。
酒と汗とタバコの匂いが空気に混じり合い、ビルの隙間から漏れる音楽のビートが街全体を脈打つように震わせている。
そんな街を我が物顔で歩く青年が一人。
彼は色黒の肌に金髪、筋肉質な体躯をタイトな黒いシャツで包み、自信満々の笑みを浮かべている。
そんな青年がとあるクラブのに近づくと、そのクラブの前でスマートフォンを弄っていた二人の男が彼のもとへ駆け寄ってきた。
「遅ぇぞ玲斗!」
「何してたんだよ、ったく……!」
「ああ、悪ぃ悪ぃ。ちょっとミホのヤツがしつこくってよ」
表情に苛立ちを滲ませた二人の男に、玲斗は軽く肩をすくめて答える。
「おいおい玲斗、彼女ほったらかしてこんなトコで遊んでて良いのかよ?」
「ンだよ、うっせぇなぁ……お前らだけじゃ女に相手にされねぇだろ? 俺がいねぇと始まんねぇんだからよ、さっさと行こうぜ?」
一人が呆れたように言うと、玲斗はニヤリと笑って返した。
「ま、そうだよな。今日もおこぼれに預からせてもらうぜ」
三人は下品に笑い合いながら、クラブの重いドアを押し開けて中へと足を踏み入れていく。
彼の名は[[rb:高梨 玲斗 > タカナシ レイト]]、その日暮らしのスキマバイトを生業とする25歳のフリーターだ。
彼の趣味は夜な夜な悪友と繁華街のクラブに出向いては女を口説き、夜を遊び尽くす事。
それが玲斗の生きがいで他には何もいらないというほどに毎日が充実していた。
甘いマスクに他の男達より一つ頭抜けた高身長。
更に色黒の肌と鍛え上げた身体、そして何よりそのルックスを誇示する自信が女性たちを引き寄せる。
さらに夜のテクニックも一流で、毎晩違う女性を虜にする充実した毎日を送っているのが彼の自慢だ。
付き合っている彼女のミホもそんな玲斗に惚れて自分から迫ってきた一人で、玲斗の生活費を全額援助するどころか女遊びを黙認するほど彼の魅力に溺れていた。
クラブに入ると、玲斗はいつものようにバーカウンターで酒を煽りながら仲間と下らない話で盛り上がった。
玲斗の視線に気づいた女性たちがチラチラとこちらを見ながら微笑む。
彼らはグラスを傾けながら獲物を物色するような目つきでそんな女性たちを品定めする。
「なぁ見てみろよ。あの女俺のことガン見じゃね?」
彼が目をやる方では赤いドレスの女が、フロアの端で髪をかき上げながらこちらを見つめていた。
「そりゃ玲斗だからだろ。俺らじゃ無理だわ」
仲間の一人が悔しそうに呟く。
「まぁな。俺がちょっとばかしイケメンすぎるからな」
玲斗はドヤ顔で肩を叩き、自信満々に言い放つ。
「ちょっと声かけてくるわ」
グラスを置くと、玲斗は軽いステップでフロアに降りて赤いドレスの女性に近づいていく。
「よぉアンタ、俺のこと見てたろ? 一人?」
女性がクスクスと笑い、玲斗の腕に軽く触れる。
「うそ、気づいてた? ねぇ、一緒に踊らない?」
「いいぜ。俺と踊れるなんて運がいいな。忘れられない夜にしてやるよ」
玲斗は女の手を引き、フロアの中央で踊り始めた。
女の甘い香水の香りが鼻をかすめ、玲斗の気分をさらに高揚させる。
そんな調子で夜が更けるまで彼は酒と女を楽しむのだった。
今夜もクラブを堪能した玲斗は仲間と別れた後、一人で街を歩いていた。
酔いが回り足取りは少しふらついているが、玲斗の顔には満足げな笑みが浮かんでいる。
「やっぱ俺、最高だな……今夜もいい女ゲットしたし俺の人生完璧すぎるだろ」
酔いのせいか気分が良くなった玲斗はそんな事を呟きながらよろよろと歩いていると、路地裏から何やら甘い香りが漂ってきているのに気付いた。
「ん? 何だこの匂い……」
その妖しい匂いに吸い寄せられるように人通りのない路地裏へ進んでいくと、その先では街灯の下に妖艶な女が一人立っていて彼の方を向いて妖艶な笑みを浮かべていた。
その女の黒い髪は風に揺れ、露出度の高い衣装が彼女の曲線を際立たせている。
玲斗が彼女を目にした瞬間すっと酔いが引く感覚を覚え本能が疼いた。
(すげぇ上物の女だ……今夜の酔い冷ましはこいつで決まりだな)
軽い気持ちで近づき、得意の口説き文句を繰り出す。
「なぁ、そこのおねーさん? こんなところで一人でなにしてんの? 俺が相手してやろうか?」
すると女はクスリと笑い玲斗を見上げる。
その瞳は深く、じっと見つめていると吸い込まれるような錯覚に襲われるようだった。
「ふぅん……自信満々なのねアナタ。いいわ、私も退屈してたところだし……満足させてよね♡」
彼女の声は耳に絡みつくように甘く、玲斗の心を一瞬で掴んだ。
その後女と共に、近くのラブホテルへ入ったのは覚えている。
部屋に入り、彼女の柔らかな肌に触れ、甘い香りに溺れた瞬間までは鮮明だ。
そこで
「なぁ、名前くらい教えてくれよ。俺は玲斗。覚えておけよ、忘れられねぇ夜にしてやるから」
軽い口調で言うと、女はクスクスと笑った。
その声はには頭に直接響き、蕩かせるような色っぽさがあった。
「私の名前? りおんよ?」
「りおんちゃんか……結構可愛い名前してんじゃん」
「でしょ? 私も気に入ってるの。それじゃ、私の方こそ忘れられない夜にしてア・ゲ・ル♡覚悟しててね? 玲斗くん♡」
「くん、だと?」
玲斗はこちらがリードするはずが、そんな彼をまるで子ども扱いする様なその呼び方や優しい口調が妙に鼻につき声に僅かな苛立ちを滲ませる。
しかしホテルの薄暗い照明の中にはそんな事など一切意に介していなさそうな鋭い目つきと艶やかな唇が浮かび上がった。
眼の前の女は確かに美人だ。
いや、美人なんて言葉じゃ足りない。
底しれない妖艶さや魅力が身体から滲み出している。
それ以上に彼女から獲物を前にした肉食獣みたいな雰囲気がするような気がして玲斗の心を本能的にざわつかせた。
しかし玲斗はそれもいい女を前にした武者震いだと考え彼女と身体を重ねる。
それからのことは酒のせいかあるいは彼女の魔性のせいか記憶が曖昧で、
今までに感じたこともない夢のような心地よさを感じたという断片的な記憶を最後に玲斗の意識は快楽に包まれながら闇の中に落ちていく。
この夢のような夜の出来事が玲斗の「完璧な人生」を終わらせ、新たな始まりを告げる夜になるとは今の彼自身まだ知る由もないままに……