※この作品はR-18です。

TSサキュバス after ~エロい女とヤってから俺のカラダがおかしいんだが~   作:ゔぁいらす

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第4章:彷徨 ~満たされない欲望~

 ミホに逃げられ、遊び仲間にすら女としてナンパされる現実が玲斗のプライドを粉々に砕き、彼は完全に男としての自信を失っていた。

「ちくしょう……なんでこんな目に遭わなきゃなんないんだよ……」

 部屋の隅に座り込み、ブカブカのパーカーを深く被る。

 最早鏡を見る勇気すらなく、ただ部屋の隅で頭を抱えて震えていた。

 空腹感と渇きは増すばかりでどれだけ水を飲んでも満たされる事はなく、身体の奥から疼く感覚が日に日に彼の頭を支配し始めている。

 

 あれから数日間、玲斗は家から出ずにフードデリバリーで適当な食事を注文し、配達員と顔を合わせないようドアの前に置いてもらう日々を送っていた。

 しかし、どれだけ食べても空腹感は消えず、むしろ乾きは強くなる一方だった。

 ピザやハンバーガー、インスタントラーメン──何を食べても味が薄く感じられて、胃に入れるたびに不快感は増すばかり。

 しかし唯一、ミホが大量に買い込んでいたイチゴヨーグルトだけは何故か身体が僅かに受け入れるようで気づけばそればかり食べていた。

「んっ……これ、なんとか食えるな……」

 ヨーグルトのどろりとした食感が口に広がると、わずかながら空腹が和らぐ気がした。

 だがそれも一時的なもので、すぐにまた渇きが襲ってくる。

 大量に買い込まれていたヨーグルトも底をつき、とうとう冷蔵庫は空っぽになった。

「チッ……もう何もねぇのかよ……」

 冷蔵庫のドアを閉め、玲斗は再び部屋の隅に座り込む。

 

 原因も分からないまま、身体の変化は更に加速していた。

 髪は腰近くまで伸び、風呂にも入っておらず、手入れもしていないはずなのにブロンドの輝きがさらに鮮やかになっている。

 さらに胸もシャツを押し上げるほど膨らみ、ズボンを下ろすとかつての巨根はほとんど見えないほどに縮んでいた。

「やっぱなんかの病気か……? いや、こんな訳わかんねぇ病気ねぇだろ……」

 長い髪をくしゃくしゃと掻きながら考えても、答えは出ない。

 玲斗はスマホを取り出し、自身の症状を検索してみることにした。

【身体が女っぽくなる 病気】

【胸が膨らむ 男】

【男 声が高くなる 原因】

【顔が女みたいになる】

 など検索をかけるが、ヒットするのは医学的な情報よりも、エロ漫画や怪しげなフィクションばかりだった。

【性転換ファンタジー! 泉で溺れた俺が美少女に!?】

【ニートの兄に薬を盛って女にした結果wwwww】

【中年サラリーマンの悪役令嬢転生生活!】

【男が女に変わる!? 夢のTSサキュバス化ストーリー!】

「ふざけんなよ……!」

 役に立たない検索結果に苛立ちながらスマホを投げ出し、玲斗は頭を抱える。

 だが、検索結果の中の【サキュバス】という言葉が頭に引っかかった。

 あの夜出会った妖艶な女、甘い香り、ラブホでの一夜──一週間ほど前の記憶がよぎる。

サキュバスなんてものが現実にいるとは信じていなかったが、直感的にあの日の経験や彼女のことを形容するにふさわしい言葉だと感じた。

(あいつ……もしかして何か知ってたりすんのか? 確かにあの夜から身体がおかしくなり始めたんだ……)

 そして玲斗はあの夜出会った女性が身体の変化の原因ではないかと仮説を立てた。

 確証はないがそれ以外に今身体に起こっている異変の原因も分からず、僅かでも可能性があるならと藁にもすがる思いであの夜出会った女性を探すことを決意する。

「見つけてやる……俺をこんな身体にした原因、突き止めてやるよ……」

 玲斗はブカブカのパーカーを着込み、フードを深く被って部屋を飛び出した。

 

 「うう……頭…………クラクラする…………なんか美味そうな匂いもするし…………」

夜の街はかつての玲斗にとって遊び場だった。

 しかし今は違う。

 パーカーのフードを深く被って街を歩く男性から目を逸らし、怯えるようにように歩く。

 それなのにすれ違う男たちの視線や匂いが気になり、男とすれ違う度身体が熱くなっていく。

 そして気がつけば男を避けるように道の隅を歩いていた。

(くそっ、何だよ……皆そろって俺のことジロジロ見やがって………………それに俺、野郎の視線で感じちまってるのか…………それに男に抱かれたいなんて……やめろ!俺は男だぞ……?男に抱かれてぇ訳なんか…………ない…………)

 夜の街は彼にとって今や謎の乾きと火照りを刺激する生き地獄と言っても過言ではない場所に変わり果てていたのだ。

 

 何度も意識が飛び道行く男に飛びかかってでも抱かれようとする衝動を理性で抑え込むが、身体の奥が疼き脳裏には男に抱かれる自分のビジョンがちらつき息は荒くなり足がふらつく。

「くそっ……集中しろ、俺……」

 少しでも気を抜けば道行く男に目を奪われ、理性を失いそうになりながらも記憶を頼りにあの夜出会った女性……里苑を探す。

 しかし、繁華街の人混みからアテもなく一人の女性を見つける事など不可能に近く、その日は結局彼女の見つけることはできなかった。

 それにこれ以上繁華街の人混みに当てられていたら本当に頭がおかしくなってしまいそうで、玲斗はとぼとぼと帰途についた。

 

 その道中、とうとう限界に近い空腹にも耐えきれなくなった玲斗は帰り道のコンビニに立ち寄った。

 そこで弁当や菓子、それに異様に美味しく感じたヨーグルトを大量にカゴへ入れる。

 更に酒も手に取ろうとしたが以前のクラブでの年齢確認がトラウマになっていて、渋々ペットボトルのコーラを三本カゴへ入れレジに向かった。

 

 会計を終え、接客をしていた男性店員がお釣りを渡すために手を出した手が玲斗と触れ合ったその時だった

 玲斗の身体に静電気、いやそれ以上の電流の様な疼きが彼の身体に走る。

「ひゃわぁっ♡」

 甘い声が漏れ、更に男の汗と体臭が鼻をつき下腹部がじんわりと熱を増した。

 そして脳裏には眼の前の店員に抱きつき、艶めかしい声で誘惑して抱かれようとする自分自身のビジョンが今まで以上にはっきりと浮かぶ。

「お客様、大丈夫ですか?」

 店員が怪訝そうな顔で見つめてくるが、玲斗はその声で正気を取り戻しつつも彼の視線に心臓が飛び出すほど鼓動を高鳴らせ慌てて首を振る。

「な、なんでもねぇよ!!」

 声が裏返り、少女のような声が店内に響き渡った。

 店員が目を丸くしたのを見るや否や、玲斗は袋を掴んで逃げるようにして店を飛び出す。

「クソッ!」

(なんなんだよ今の……俺、とうとう頭までおかしくなっちまったのか!?)

 

 やっとのことでマンションに戻り、ドアを閉めると同時に玲斗は床に崩れ落ちる。

「はぁ……はぁ……腹、減りすぎて死にそう……」

 最早空腹も限界でコンビニで買った袋を床に置き、息を整えながら中身を取り出した。

 弁当、おにぎり、サンドイッチ、そしてヨーグルトが数個。

 空腹感に耐えきれず、玲斗はまず弁当を開けて貪るように食べ始めた。

 更に続けておにぎり、サンドイッチと、次々に買った商品を激しい空腹とそれ以上に身体の奥底から湧き上がる疼きをかき消すように口に詰め込む。

 しかし、どれだけ食べても空腹感は満たされない。

 それどころか、味すらまともに感じなかった

 しかし食べたものが腹に溜まる感覚だけはあり、無理やり大量に食べすぎたせいで、胃が締め付けられるような感覚が襲ってくる。

「うぇっ……気持ち悪ぃ……」

 とうとう吐き気が込み上げ、玲斗は慌ててトイレに駆け込み胃の中に詰め込んだものを全て吐き出してしまった。

 酸っぱい臭いが鼻をつき、玲斗は床にへたり込む。

「何だよ、これ……何でこんなことに……メシさえロクに食えなくなっちまったのかよ……」

 吐いたことで一時的に胃は楽になったが空腹感はさらに強まり、身体の渇きも限界に達していた。

 よろよろと部屋に戻るとコンビニの袋には、ヨーグルトだけが残っている。

 正直な所見るだけでミホを思い出し、更に元より乳製品が苦手で食べたくもないどころか本来であれば見たくもなかったのだが今はそんな事も言っていられず力なく袋からヨーグルトを取り出して蓋を開けた。

「もうこれしかねぇのか……」

 蓋を開けた瞬間ツンと鼻を突くヨーグルト特有の匂いに顔を歪めながらスプーンで恐る恐る掬い、口に運ぶとどろっとした食感と濃厚な味わいが舌に広がった。

「んっ……何だこれ、やっぱすげぇうめぇ……」

 一口食べた瞬間、身体が反応する。

 空腹感がわずかに和らぎ、渇きが一瞬だけ遠のく。

 玲斗はその感覚に目を輝かせ、それからは狂ったようにヨーグルトを貪り始めた。

 気づけば1つ、更にもう1つと食べ進めていきスプーンを持つ手が震え、ヨーグルトを口に運ぶたびに甘い声が漏れる。

「おいひぃ……♡ これぇ、おいひいのぉ……♡」

 少女のような甘い声が部屋に響き、玲斗はなにかに取り憑かれたように我を忘れてヨーグルトを貪る。

 中でもタンパク質の多く配合されたヨーグルトがなぜか他のものよりも身体に馴染むことに気づき、夢中で食べ続けた。

 次々とカップを開け指や舌で残ったヨーグルトを掬っては舐め取り顔中に飛沫を飛び散らせる。

 その姿はまるで飢えた獣のようだった。

 

「はぁ……はぁ……何だよ、これぇ……」

 気づけば買い込んだヨーグルトを全て食べ終えてしまったことに驚きを隠せなかった玲斗だが、そのおかげか多少乾きが和らいだ気がした。

 しかしその代わりに別の衝動が湧き上がってくる。

 身体の火照りがさらに強くなり、下腹部が疼きはじめたのだ。

「くそっ……どうなってんだよ……これぇ……」

 性衝動が抑えきれなくなり、この火照りを収める為にオナニーでもしようと玲斗は息を荒げながらズボンを下ろした。

 

 包皮につつまれ最早子どもの親指程度に小さくなった男性器を指でつまみ、必死にしごく。

「はぁ……はぁ……くそっ、勃てよ……男だろ……!」

 だが、いくら刺激しても男性器は全く大きくならない。

 それどころか、触れるたびにさらに小さくなっていく様な気さえした。

「何だよ、これ……! 全然気持ちよくもならねぇ……! 」

 苛立ちと絶望が胸を締め付ける。男としての自信を失い、身体が言うことを聞かない現実に、玲斗の心は軋む。

(俺は男だ……こんなんじゃ、ダメだろ……!)

「クソッ……! 勃起しろ! 勃起しろ……! 勃起しろよぉ!! なんで勃起しねぇんだよぉ!!」

 必死に脳裏にこれまでとっかえひっかえ抱いてきた女のことを浮かべながら男性器をしごき続けるが、大きくなるどころか僅かな快感さえ得られない。

 しかし性衝動だけは膨らんでいき、頭の中がいっぱいになる。

 玲斗は気づけば男性器を弄っていない方の震手で膨らんだ胸に触れていた。

「んぁっ……♡ 何だよ、これ……!」

 胸を軽く揉んだ瞬間、鋭い快感が全身を貫き、少女のような甘い声が漏れる。

 男性器への刺激では得られなかった快感が、胸から一気に広がっていく。

「あぁっ……ダメだ……っ……俺、男なのに……! あんっ♡」

 頭では抵抗するが、身体はそれを裏切るように反応する。

 玲斗は胸を揉みしだき、指先で敏感な部分を刺激しながら、片手で男性器をしごき続けた。

「んっ……あぁっ……何で、こんな気持ちいいんだよ……!」

 胸への刺激が強まるたび、快感が波のように押し寄せる。

 それに比例するように小さな男性器を激しく扱くがやはり胸を触った快感には程遠い。

「んっ♡あっ♡こんなの止めないと……っ♡俺……胸で……ひゃうっ♡気持ちよくなってぇ……イっ……♡」

 次の瞬間、男性器から薄い精液が垂れ流されるように力なく漏れ出した。

 だが、それは射精というよりもただの分泌物に近い感覚だった。

「はぁ……何だよ、これ……射精したのか……? それなのに全然気持ちよくねぇ……」

 かつての射精の快感はなく、ただ虚しさが残るだけだ。

 玲斗の目は涙で潤み、男としてのプライドがさらに砕け散る。

 それでも性衝動は収まらず、玲斗は葛藤しながらも胸に集中する。

(俺、男なのに……こんなんで気持ちよくなるなんて……!)

 抵抗する心とは裏腹に、両手で胸を揉みしだき、敏感な部分を執拗に刺激する。

「あぁっ……んぁっ♡俺男なのにこんなのっ……はぅっ♡でも、気持ちいい……! 手、止まらねぇっ♡」

 快感が限界を超え、玲斗の身体がビクビクと震える。

 だが、それは男性器から得られる快感とは全く異なるものだった。

 玲斗は目を閉じ、震える手で再び胸に触れる。

 女性のように柔らかく膨らんだ胸は、触れるたびに鋭い快感を呼び起こし、玲斗の心をさらに混乱させる。

(何だよ、これ……! 胸だけで、こんなに気持ちいいなんて……! 俺、男なのに……こんなの、ありえねぇだろ……!)

 嫌悪感と戸惑いが頭を支配する。

 男としてのプライドが、こんな快楽に溺れる自分を拒絶しようとする。だが、身体は正直だった。

 指先が敏感な先端を軽く摘まむと、電流のような快感が全身を貫き、玲斗の口から思わず甘い声が漏れる。

「んぁっ♡ こ、こんな事してたら変になるぅっ……でも、ダメだ……気持ちよすぎる……!」

 玲斗は必死に抵抗しようとするが、手が止まらない。

 両手で胸を揉みしだき、敏感な部分を執拗に刺激するたび快楽の波が押し寄せる。

 その度頭の中が真っ白になり、男としての意識が薄れていく。

(俺、男なのに……! 胸で、こんなに感じちまうなんて……! ダメだ、こんなの……でも、もっと、もっと気持ちよくなりたい……!)

 嫌悪感と快楽の間で葛藤しながらも玲斗の身体は快楽を求めて指を動かし続けていた。

 指先がさらに強く胸を刺激し、敏感な先端を摘まむたびに、鋭い快感が脳を突き抜ける。

 玲斗の身体が弓なりに反り、甘い声が止まらない。

「あぁんっ♡ ダメ、ダメなのにぃ……! 俺っ、男なのにぃ……! 乳首こんな気持ちいいなんてぇ♡とめらんねぇっ♡指とまんねぇよぉっ♡」

 快楽が限界を超え、玲斗の心もその快楽に支配されていく。

 男としてのプライドが音を立てて砕け散り、ただ快楽を求める本能だけが残胸を弄る手がさらに激しくなり、下腹部に熱い疼きが広がる。

(気持ちいい……! 何だよ、これ、こんなの知らねぇ……! もっと、もっと……!)

 玲斗の身体が快楽に支配され、思考もどろどろと蕩けていくような感覚に支配され、

 女性のように膨らんだ胸を弄ることで得られる快感は男性器のオナニーでは決して味わえなかったものだった。

 嫌悪感や戸惑いは次第に快楽の前に薄れていき、玲斗は完全にその虜になっていた。

 そしてついに絶頂が訪れ、意識が白く染まる。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」

 少女のような叫び声が部屋に響き、玲斗はそのまま床に倒れ込んだ。

 感じたことのないあまりの快感に意識が遠のいていき、玲斗は気を失ってしまったのだ。

 

 それからどのくらい経ったのか、玲斗は寒さで目を覚ました。

 彼は床で倒れて気を失っていたので身体が冷え切り、汗で濡れた服の気化熱が更に彼の身体から熱を奪っていて震えが止まらない。

「うぅっ……寒ぃ……」

 身体が妙に軽く感じたが、身体が冷えているからか尿意を催し玲斗はトイレへ向かう為立ち上がろうとした。

 だが、身体のバランスが取れず、足元がふらつく。

(何だよ……? 何でこんなに歩きづらいんだ……?)

 理由は分からないが、身体の重心がいつもと違い、思うように動けない。

 よろめきながらも壁に手をつき、なんとか壁伝いに必死に尿意を我慢しながらトイレへ向かった。

 

 いつも通りの習慣で、立ったままズボンを下ろして小便をしようとするがその瞬間、違和感が全身を襲う。

 慌てて股間を見下ろすと、そこにあるはずの男性器はなくなっていて、そこには毛一つ生えていない滑らかな肌の僅かな膨らみだけが広がっていたのだ。

「ふぇぇっ!?」

( 俺のチンコがなくなってる……!?)

 思わずそんな声を出してしまい驚愕のあまり手が震えたが、最早尿意を抑えることも出来ずそのままの勢いで、尿がトイレの床に撒き散らされてしまった。

「お、おいウソだろ……どうなってんだよこれ……!? 俺、この歳で小便漏らしちまったのか……?」

 トイレの床に飛び散った尿を見つめ、玲斗は呆然とする。

 足元が濡れ、ズボンにも尿が飛び散り、現実を受け入れられないまま頭が真っ白になる。

 

 慌ててズボンをその場に脱ぎ捨て、よろめきながら洗面所へ駆け込む。

 服を脱ぎ捨て、恐る恐る鏡を見つめるとそこには目に涙を浮かべた全裸の少女が立っていた。

 長い金髪が腰まで伸び、艶やかに輝いている。

 顔の輪郭も更に丸みを帯び、目は以前見たときよりもぱっちりと開き吸い込まれそうな瞳をしていてまつ毛も更にピンと伸びており上を向いていて、唇には妖艶な艶がある。

 胸は豊かに膨らみ、ウエストは細く女性的なくびれが出来ていた。

 そして、まじまじと鏡越しに見つめた股間には男性器の痕跡は完全に消え、女性器がその存在を主張している。

(俺のチンコ……本当になくなっちまったのか……?)

 かつての筋肉質な体型も最早見る影もなく彼のボディラインは華奢で女性的な曲線を描いていた。

「う、嘘だ…………俺じゃねぇ……こんなの、俺じゃねぇよ……」

 鏡に映る姿を見て、玲斗は呆然とする。

 震える手で自分の顔を触ると、滑らかな肌と柔らかい頬の感触が手に伝わってくる。

 更に鏡に触れてみたり表情を変えてみたりと鏡に映る少女が自分では無い可能性を模索するが、そのたびに全てが現実の自分自身の姿であることを突きつけてくる。

「俺、本当に女に……なっちまったのか……?」

 完全に女の身体になってしまった事実に玲斗の心には絶望が満ちていた。

 男としてのプライド、自信、アイデンティティそんな全てが粉々に砕け散り、胸が締め付けられるような痛みが襲う。

「クソっ! 何でだよ……何で俺がこんな目に……!」

 鏡に映った少女めがけて拳を叩きつけるが、力が弱くただ軽く当たるだけだ。

 喉から出る声も甘く高いまるでアニメに出てくるあざとい少女の様なものに変わりきっていた。

 気づけば玲斗は膝をついて床に崩れ落ち、その瞬間突然込み上げてくる感情が抑えきれなくなる。

 最早理由も分からず、玲斗の口から笑い声が漏れ出した。

「ははっ……ははははっ……何だよ、これ……俺、女だろ? 女になっちまったんだろ? あはははっ……!」

 笑い声は次第に狂気を帯び、涙が溢れ出す。

 笑いながら泣き、泣きながら笑う。

 頭の中が混乱で埋め尽くされ、玲斗は床に突っ伏して身体を震わせた。

(俺、どうなっちまったんだよ……もう、元には戻れねぇのか……?)

 絶望と乾きが彼の心を支配する。

 空腹感はさらに強まり、ヨーグルトを食べても少しマシになる程度で以前のようには満たされない。

 身体の奥から湧き上がる性的渇望が、玲斗の理性を更に蝕んでいく。

 誰かに助けてほしい。

 このままではどうにかなってしまいそうだと縋るように震える手でスマホを取り出し、通話アプリの連絡先をスワイプする。

 そしていつも連絡を取り合っていた取り巻きの遊び仲間に通話をしようと画面を開く。

 しかし彼らにあの日向けられた視線、そして何より男の声を聞いてしまえば昨日街に出た時の様に更に身体の火照りが悪化してしまうかもしれないと通話ボタンをタップする直前で指を止めた。

(だ、誰か……助けてくれ……そうだ……ミホ!)

 気づけば彼はミホに通話をかけていた。

(頼むミホ……助けてくれ……もうお前だけなんだ……)

 しばらく呼び出し中の画面が続きやっと繋がった瞬間、未だ着信拒否もせず通話に出てくれたという安堵感を打ち壊すようにミホの不機嫌そうな声が響く。

『何?』

「あっ、ミホ! 俺だ、玲斗だ!!」

 必死に低い声を作りそう訴えるが、

『はぁ? 玲斗? 何アンタ? ふざけてんの?』

 帰ってきた彼女の反応はとても冷ややかな物だった。

「ふざけてねぇよ! 俺、なんかおかしくなってて……とにかく助けてくれよ!もうお前くらいしか頼れるヤツ居ねぇんだよ!頼む!この間のこともお前のことほったらかして遊び歩いてたのも全部謝るから……なぁ?」

 どれだけ必死に呼びかけても変わり果てた声ではミホが彼を玲斗と認識するどころか彼女の怒りの炎に更に油を注ぎ……

『はぁ?さっきから気持ち悪いんだけど…… てかまずあんた誰? 玲斗がそんなふざけた気持ち悪い声してるわけないじゃない! もしかして新しいアイツの彼女?』

「ちげーよ! 俺だよ! 俺が玲斗だっつってんだろ!!」

 ミホに言葉を荒げられた反動で玲斗も声を荒げて自分が玲斗であると何度も電話越しの彼女に伝えるがやはり彼女はその声を玲斗だと認識することはなく……

『こんなしょうもない嫌がらせして当てつけのつもり? もう二度と連絡してこないでって玲斗に伝えといて!』

 ミホが大きなため息をついた後そう吐き捨てた瞬間通話は切られ、玲斗は失意の中スマホを落とす。

 

 しかし玲斗は諦めきれずそれから何度もミホとの通話を試みたのだが、彼女が二度と反応することはなかった。

「ミホ…… ミホも俺だって分かってくれねぇのかよ……ンだよ……俺のこと好きだってあんなに言ってたじゃねぇかよ…………」 

 絶望が胸を締め付け、涙が溢れそうになる。

 だが、空腹感と身体の火照りは収まらず、むしろ強くなっていた。

「くそっ……なんでだよ……なんで辛ぇのになんでこんなムラムラすんだよ!!」

 身体の奥から湧き上がる熱が、まるで内側から燃えるように玲斗を苛む。

 頭では拒絶しているのに、身体が勝手に疼き、まるで別の存在に支配されているかのようだった。

 心臓がドクドクと激しく脈打ち、息が荒くなる。

 皮膚が熱を持ち、汗が額から滴り落ちる。

(何だよ、この感覚……! )

 必死に理性で抑え込もうとするが、身体の渇望は抑えきれず、玲斗はよろめきながらベッドに倒れ込んだ。

 冷たいシーツが背中に触れると、ゾクッとする感覚が走り、火照りがさらに強くなる。

 身体が熱いのに、背中が冷たく、寒暖の差が頭をさらに混乱させる。

 震える手が自然と胸に伸び、膨らみをそっと触れる。

 指先が触れた瞬間、鋭い快感が全身を貫き、玲斗の口から思わず甘い声が漏れた。

「あんっ♡」

 その声は、玲斗がこれまで出したことのない、甘く高い少女の声だった。自分の声に驚き、玲斗は慌てて手を離そうとする。

(何だよ、これ……! こんなの俺の声じゃねぇ……! 俺は男だぞ!?)

 頭の中では恐怖と拒絶が渦巻く。

 男としてのプライドが叫び、こん快感に身を委ねるなんてありえないと訴える。だが、身体はまるで別物のように反応し、指を止めようとする意志を無視して、再び胸に触れてしまう。

「んっ♡」

 膨らんだ胸を軽く揉むと、電流のような快感が全身を駆け巡り、玲斗の身体がビクッと跳ねる。柔らかい感触が指先に伝わり、胸の先端が硬く尖っているのが分かる。指がその敏感な部分に触れると、鋭い快感が脳を突き抜け、玲斗の口から再び甘い声が漏れる。

「やめろって……俺は男……あんっ♡ なんなんだよ、この身体……! ちょっと触っただけで女みたいな声だしやがって……」

 呟きながらも、声が裏返り、甘い喘ぎ声が混じってしまう。

 頭では「やめろ」と叫んでいるのに、手は勝手に動いて、胸を揉みしだく。

 更に尖った爪は胸の先端の突起を部分を執拗に擦り、快感が波のように押し寄せる。

「あぁんっ♡ゆび……と、止まらねぇ……」

(何でだよ……! 俺、こんなんじゃねぇだろ! 気持ちいいけど……いや、ダメだ! 止めないと……止めないと……)

 快楽と恐怖が交錯し、玲斗の心は混乱でいっぱいになる。

 男としての自分を必死に保とうとするが、身体はそれを裏切るように快感を求め続けるが指が勝手に動き、胸の先端を摘むと、鋭い快感が全身を貫き、玲斗の身体が弓なりに反る。

「んっ♡ あぁっ♡こんなのが気持ちいいなんて……ひゃぁぁぁんっ♡胸っ♡ちくびぃっ♡気持ちいいっ♡」

 理性で制御しようとするが、指はまるで別の意志を持っているかのように動き続ける。胸を揉む手が止まらず、快感を貪るように執拗に刺激する。

 玲斗の頭は混乱と恐怖でいっぱいになりながらも、身体が求める快楽に抗えない。

 すると、もう一方の手が自然と下腹部に伸びていく。

 初めて触れる女性器は熱く濡れており、指が触れた瞬間、電気が走ったような感覚が広がった。熱い粘液が指先に絡みつき、玲斗の身体が震える。

「んぁっ♡ ここ……! こんなに濡れて……♡」

 その感覚に、玲斗の身体がビクッと跳ねる。

 最早そこに触ってしまえば自分が男でないことを認めることになってしまう。

 理性はそう呼びかけるが、指は勝手に動き熱く濡れた部分をなぞり始めた。

「ん”あぁぁぁぁぁぁっ♡」

 滑らかな肌と、敏感な部分に触れるたび鋭い快感が全身を駆け巡る。

(やめろ……やめろって……! 俺、こんなことしたくねぇのに……!)

 必死に理性で抑えようとするが、身体の渇望に抗うことが出来ない。

 指が本能的に快楽を求め熱く濡れた部分を執拗に刺激する。

 指先が敏感な突起に触れると、電流のような快感が脳を突き抜け、玲斗の口から甘い声が漏れていく。

「んっ♡ あぁっ……何で……なんでこんな気持ちいいんだよ……! やめろ……あんっ♡指ぃっ……とめられねぇっ……あぁんっ♡」

 指が勝手に動き、快楽を貪るように女性器を刺激し甘い声を漏らし続ける。

 頭では拒絶しているのに、身体が求める快感に抗えず、玲斗の理性はどんどん崩れていく。

 その快楽はこれまで幾度となく女性を抱いてきた時より遥かに気持ちが良く、胸を揉む手も止まらず、両方の手が同時に快感を追い求めていた。

(こんなの知らねぇ……! やめたいのに……とまらねぇっ……なんでこんな気持ちいいんだよぉ♡)

 初めての女性としての快感に玲斗は恐怖と快楽の間で揺れ動く。

 身体が求める快楽に抗えず、指はとめどなく勝手に動き続ける。

 胸を揉む手が敏感な部分を摘まみ、女性器を刺激する指がさらに深く動くと、快感が限界を超えた。

「あっ♡ あぁんっ♡いやっ♡……んんっ! なんか……くるっ♡」

 甘い声が部屋に響き、玲斗の身体がビクビクと震える。

「あっ♡いひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」

 快感が波のように押し寄せ、やがて玲斗は悲鳴と快楽の入り混じった声を上げ、初めての女性としての絶頂が訪れた。

 

「はぁっ……はぁ……」

 初めての女性としての絶頂を経験し、余韻も冷めやらず身体がビクビクと震えて意識が白く染まる中、玲斗は息を荒げながらベッドに倒れ込んだ。身体が熱く、汗がシーツに染みを作り、頭がぼんやりとする。快感の波が引いていく中、背中に違和感を覚えた。

(何だ……? 背中に変な感じが……)

 何か硬いものが背中に当たっているような感覚があったのだ。

 玲斗は恐る恐る手を伸ばして触れてみると、背中から何かが突き出ているような感触があった。

 指先に触れるのは、滑らかな表面と、わずかにざらつく質感。

(何だ、これ……? 背中に何か生えてる……のか?)

 混乱の中で、それが何なのか理解できないまま、玲斗は重い腰を上げてベッドから起き上がり、再び洗面所の鏡の前へ駆け寄り背中を鏡越しに背中を確認した。

 するとそこには黒い小さな翼と、腰回りには短い尻尾が揺れているのが映っている。

 翼は未発達な雛鳥の翼の様で、尻尾も細く短いが確かに自分の尾てい骨の当たりから生えていた。

「おい……なんだよこれ……」

 鏡に映る本来人間の身体にあるはずのないその部位が生えた自分の姿に、玲斗の目が恐怖で見開かれる。

 更に玲斗の意志でわずかに動かすことができ、翼と尻尾がピクピクと震えてその感覚が体を通して伝わってきた。

(何だよ、これ……動かせる……? 気持ち悪ぃ!)

 自分の体に生えた人間にはあるまじき異物を引き抜こうとすると鋭い痛みが走り、玲斗は思わず声を上げる。

「 痛ぇっ……! 何だよ、これ……本当に俺から生えてんのか……?」

 痛みを感じたことで翼と尻尾が自分の身体の一部として繋がって……いや身体から生えていることを玲斗は身を持って理解する。

 そんな痛覚のあるものを引き抜くことなど到底できず、玲斗の心に新たな恐怖が広がった。

「何だよこれ…………俺、女になったどころかバケモンにでもなっちまったのか?」

 鏡に映る姿は、金髪の美少女に異形の特徴が加わったものだった。

 長い金髪、艶やかな肌、豊かな胸──そして背中の小さな翼と尻尾。

 男だった玲斗は消え、人間の女ですらない怪物のような存在がそこにいた。

 絶望が心を埋め尽くし、玲斗は再び膝から崩れ落ちて頭を抱える。

「助けてくれ……誰か……俺を元に戻してくれよ……俺は男なんだよぉ……これじゃもう男どころか人間ですらないじゃねぇかよ……」

 涙が溢れ、甘い声で嗚咽が漏れる。

 絶望が心を埋め尽くす中、涙に震えた可愛い声でそう呟くが一人の暗い部屋にその高い声が響くだけで誰もその声には答えることはなかった。

 それからはゆっくりと時間が過ぎていき、その間にも空腹感と渇望がさらに強まっていく。

「もう……限界だ……」

 玲斗は震えながらよろよろとベッドに倒れ込み、完全に男としてのアイデンティティを打ち砕かれたどころか人間ですらなくなってしまったかもしれないという恐怖を感じていた。

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