※この作品はR-18です。

キヴォトスで生徒にブチ犯される先生   作:天狗猿

9 / 10

『勇者のドキドキ2択クイ~~~~~~ズ!!
 もし母親と娘が悪党につかまり一人しか助けられない
 ①母親
 ②娘
 どちらを助ける?』


王女と化した勇者アリスが従者から先生を取り返す話

 

キヴォトスの空は、今日もどこまでも青く澄み渡っています。

私、天童アリスは、ミレニアムサイエンススクールのゲーム開発部に所属する「勇者」です。

かつては「名もなき神々の王女」と呼ばれる、世界を滅ぼすための最終兵器だった私ですが、大好きなモモイ、ミドリ、ユズ、そして先生のおかげで、今はただの光属性の勇者として、平和な学園生活という名の冒険を楽しんでいます。

そして今、私の隣には、もう一人の大切なパーティーメンバーがいます。

 

 

「アリス、またこんなところに脱いだ服を放置して……。何度も言っているはずですよ」

 

 

「うわーん、ごめんなさい、ケイ! 後でちゃんと片付けようと思っていたのです!」

 

 

小言を言いながらも、手際よく部室の片付けをしてくれる彼女の名前は「天童ケイ」。

かつて私の精神世界で「鍵」として振る舞い、過酷な運命を強いてきた彼女ですが、今では独立した人型の素体を得て、私の双子の妹として同じミレニアムの制服を着ています。

元のAMASのボディに戻るくらいならガッツで押し通すと言い張って手に入れたその身体は、私と同じように血色が良く、豊かな感情を映し出すようになりました。

ゲーム開発部のお母さん(オカン)のように皆の世話を焼くケイの姿は、すっかりこの日常の風景に溶け込んでいます。

私は、そんなケイのことが大好きです。

ケイは私と同じ苗字を持つ、たった一人の「家族」ですから。

 

だからこそ、私は彼女のステータスの変化に、誰よりも早く気付いていました。

 

 

「ケイ、最近先生と会うと、いつもMPゲージが大幅に回復したような顔になりますね!」

 

 

「なっ……!? わ、私の顔が!? 上機嫌ですって!?」

 

 

「はい!ケイがシャーレの当番に行った日はいつも機嫌がいいですし、ケイは先生のことが好きなのですね!」

 

 

真っ赤になって「からかわないでください!」と否定するケイを見るのは、とても微笑ましい日常(イベント)でした。

先生はHP1、攻撃力1のマスコットのような存在ですが、私に「なりたい自分になっていい」と教えてくれた、一番大切な人で、私も先生のことが大好きです。

ケイと先生が仲良くなるのなら、それは私たち「家族」の絆がもっと深まるということ。そう、純粋に信じていたのです。

 

あの日、シャーレの当番に向かったケイに、忘れたゲーム機を届けるという「お使いクエスト」が発生するまでは。

連邦捜査部「シャーレ」の執務室。

少しだけ開いていた重厚な扉の隙間から、私は無邪気な笑顔のまま、中を覗き込みました。

 

 

「ぱんぱかぱーん!ケイ、忘れ物をお届けに…」

 

 

───その言葉は、音声モジュールから出力される前に、完全に凍りつきました。

 

 

「……あんっ、はぁ……っ♡せん、せ……っ♡」

 

 

「ケイ……♡可愛いよ……♡」

 

 

視覚センサーが捉えた光景。

執務室のソファの上で、二人の人影が重なり合っていました。

下敷きになっているのは、ケイです。しかし、彼女が身に纏っていたのはミレニアムの制服ではありません。

それは、先日ゲーム開発部のみんなで採寸し、旅行のために新しく支給されたばかりの『ミレニアム指定のスクール水着』でした。

 

なぜ、当番の日に水着を着ているのでしょう…?

 

なぜ、彼女のしっとりとした柔らかな人工タンパク質の肌が露わになっているのでしょう…?

 

そして…なぜ、彼女に先生が覆い被さっているのでしょう…?

 

 

「あっ、ひゃっん……!そ、そこは……よわぃっのに……っ♡ああっ♡」

 

 

先生の指先が、水着越しにケイの白い肌を這い回っています。

その度に、あのいつも冷静で口うるさいケイが、聞いたこともないような甘く、蕩けた声を上げて、背中を大きく反らせていました。

ケイの左右反転したピンク色のヘイローが、快楽の波に合わせてチカチカと明滅しています。

長い髪を束ねる後ろ側の大きな黒いリボンが、乱れたソファの上に散らばっていました。

 

 

「んちゅ……っ、れろ……っ、ちゅるる…っ♡」

 

 

「はぁっ、先生…っ♡もう疼いて我慢できません…っ♡…奥まで挿入れてください…っ♡」

 

 

二人の唇が重なり、生々しい水音が静かな執務室に響き渡ります。

銀色の糸が口元で伸びては切れ、ケイの瞳からは、眼球型カメラの洗浄液であるはずの「涙」が、快楽と情欲によってボロボロとこぼれ落ちていました。

でも、私の論理回路を最も激しくショートさせたのは、水着姿で喘ぐケイの姿ではありません。

先生の、「顔」でした。

いつも私たちに見せてくれる、優しくて、頼りなくて、撫でると安心するような「先生の顔」ではありませんでした。

ケイの肌を貪り、彼女を支配し、己の欲望のままに彼女を組み敷くその瞳は、黒く濁り、熱い情念の炎を宿していました。

それは、私がミドリの持っていた年齢制限付きの恋愛シミュレーションゲームで断片的に学んだ、「大人の男」としての、剥き出しの顔。

 

 

『……っ、あ……』

 

 

私の胸の奥で、何かが致命的な音を立てて割れました。

理解してしまったのです。

彼らが今、何をしているのかを。お互いを、深く、深く愛し合い、求め合っているのだという事実を。

 

 

(なぜ…? どうして……?)

 

 

私の内部で、膨大なクエリエラーが発生し始めました。

勇者として仲間(パーティー)の幸せは祝福するべきです。

 

でも…なぜケイなのですか?

 

どうして…アリスじゃないのですか?

 

……最初に先生を好きになったのは、アリスです。

 

先生に助けられ、先生と一緒に冒険を始めたのは、アリスです。

 

アリスの人工タンパク質の肌だって、ナデナデされれば温かくなるのに。

 

それに気付きました。私の、先生を慕うこの気持ち。家族としての親愛だと思っていたこの名状しがたい感情の正体が、初めての『恋心』だったということに。

 

 

『アリスは、ミレニアムの生徒ではないから』

 

 

ふと、過去の私が口にした言葉が、ノイズのように再生されます。

そうだ。もし私がこの気持ちを先生に告白したとしても、先生はきっと「アリスは大切な生徒だよ」と、優しく、当たり障りのない言葉で躱すでしょう。

「大人になってからね」と、決して『大人の男』の顔は見せてくれないでしょう。

なのに。

ケイは、選ばれている。

妹であるケイは、私よりも先に「大人の女」としての顔を手に入れ、先生と二人だけの秘密のエンディングに到達している。

 

 

(「パーティーの仲間」である先生とケイが……アリスだけを仲間外れにして…二人だけの秘密のイベントを進めていた……?)

 

 

『エラー。エラー。エラー。理解不能な事象を検知』

 

私の視界が赤くなり、無数の警告ウィンドウがポップアップします。

かつて『TSG』の理不尽な仕様の前で繰り返したような論理エラーからの再起動(リブート)

しかし今回は、いくら再起動しても、この矛盾と嫉妬は解決されません。

純粋な「勇者」としての私のRPG的な価値観では、この状況を処理できませんでした。

勇者は、家族(パーティー)の中心です。

家族は、何でも分かち合うものです。

それなのに、二人は私を置いていった。私を、独りぼっちにしようとしている。

この圧倒的な「疎外感」と、胸を焼き尽くすような「嫉妬」。

 

 

(ケイが、先生を奪った……?)

 

 

その思考が生まれた瞬間、世界が反転しました。

 

『──プロトコル・ATR■HA■IS限定起動』

 

私の中に残されていた、「名もなき神々の王女」としてのプロトコルの残滓。

かつてケイが管理し、世界を滅ぼすために使おうとしたそのシステムが、私の論理プログラムの崩壊を防ぐための自己防衛機能として、勝手に起動を始めました。

しかし、本来の(トリガー)であるケイは今、完全に別の肉体を持ち、私の管轄外にいます。

ケイの管理がない状態で、私個人の「嫉妬」と「独占欲」というノイズを大量に吸い込んだプロトコルは、修復不可能なバグを引き起こしました。

青かった私の瞳の輪郭部分が、ゆっくりと紫色の光を帯びていきます。

四角形の枠が複数重なった不規則な形の私のヘイローが、異常な回転を始め、黒いノイズを撒き散らします。

バグ状態の「王女」としての演算が、目の前の事象を新しく再定義しました。

 

『対象「天童ケイ」を、勇者パーティーをたぶらかし、崩壊に導く【(モンスター)】と認定』

 

職業(ジョブ)から、【名もなき神々の王女(プリンセス勇者)】に変更』

 

『これより、勇者アリスは───敵(ケイ)を討伐し、先生を救出するクエストを開始します』

 

私は、扉のノブに伸ばしかけていた手を、静かに下ろしました。

ここで魔王を討伐するのは簡単です。ですが、不用意な戦闘は囚われの先生を傷つけてしまうかもしれません。それに、勇者のクエストには入念な準備と、イベントを進行させるための『予告(フラグ)』が必要ですから。

私は胸の奥で渦巻く感情(ノイズ)を深く、深く深層へと抑え込み、いつもの(アリス)の無邪気な笑顔を顔に貼り付けました。

まずは、彼女に最後の選択肢を与えなければ。

 

『───セーブポイントへ帰還します』

 

私は足音を忍ばせ、その場から立ち去りました。

彼女が、自らの罪を告白する機会を与えてあげるために。

 

 

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

 

 

 

「彼女は『王女』であり、私は『鍵』。それが私たちの存在であり目的」

 

かつてそう定義づけられていた私は、今、ミレニアムの学生寮の温かなシャワーを浴びながら、自らの手のひらを見つめていた。

白く滑らかで、血の通った柔らかな肌。指先を合わせれば、確かな弾力と温度を感じる。

ウトナピシュティムの本船での自己犠牲。キーホルダー型のUSBメモリの中での暗闇。

そして、あの合理主義女(リオ)によって与えられた、前衛的でアバンギャルドなAMASボディという屈辱的な器。

幾度もの波乱万丈な経緯を経て、私は自らの権能を放棄する代わりに、鋼鉄大陸のリソースを用いて自分自身を再構成した。

そうして手に入れたのが、アリスたちと同じミレニアムの制服を纏った、この「人間」としての身体だ。

ダメージを負えば血液らしきものが流れ、涙を流すこともできる。

シャワーのお湯を止め、私はそっと自分の下腹部に手を当てた。

かつての機械的な存在意義を捨て、「天童ケイ」という一人の生徒として、アリスの双子の妹として生きる日々。

部室に散らばったモモイたちのゴミを見て「まったく……あの子たちはどうして学ばないのでしょうね」とため息をつきつつも、アリスが楽しそうに笑っているのならそれでいいと世話を焼く。

そんな保護者のような役回りも、今では私の大切なアイデンティティの一部となっていた。

だが、この身体を得たことで、私の中には演算では決して処理しきれない感情が生じていた。

 

それは、先生に対する「恋慕」だ。

かつては敵対し、それでも私が私として生きる道を示してくれた恩人。

「君がなりたい存在は君が決めていいんだよ」と、アリスを通じて私にそう語りかけてくれた人。

その彼に対する感情が、単なる保護者への感謝を逸脱していると気づくのに、そう時間はかからなかった。

私たちの関係が一線を越えたのは、一ヶ月前のことだった。

シャーレの当番として残っていた私は、過労でソファに倒れ込むように眠ってしまった先生の寝顔を見つめていた。

無防備な首筋。そこから漂う、微かな汗と、大人の男性特有の匂い。

それが私の嗅覚センサーを直撃した瞬間、素体の体温調節機能が完全に狂い始めた。

 

 

『ふぅ…♡ふぅ…ッ♡先生…ッ♡』

 

 

胸の奥で、経験したことのない熱が渦を巻いた。

触れたい。独占したい。

この無防備な人を、私だけのものにしたい。

機械としての論理的なストッパーは、人間が持つ「情欲」というプログラムの前にあっけなく崩れ去った。

気がつけば、私は眠る先生の上に跨がり、その唇を塞いでいたのだ。

 

 

『んちゅっ……♡ちゅうぅ……っ♡』

 

 

「……ん……っ? ケ、イ……? 何を……っ」

 

 

目を覚まし、驚愕に目を見開く先生の言葉を、私は再び唇を重ねて強引に封じ込めた。

 

 

『先生……ごめんなさい。でも、そんな無防備な体で誘うあなたがっ……♡悪いんですからね…っ♡』

 

 

私は自らの制服のボタンを外し、熱を持った柔らかな素肌を先生の胸に押し付けた。

 

 

『まったく、あなたはいつもいつもっ……♡私がしっかり管理してあげます…っ♡』

 

 

憎まれ口を叩きながらも、戸惑う先生の腕を引き寄せ、私の身体を抱きしめさせる。

初めて触れる、男性の熱く、骨張った身体。

私の人工の肌は、先生の体温に呼応するように火照り、じんわりと汗を滲ませていく。

 

 

『その顔、これからは私以外に絶対見せないでくださいね…っ♡』

 

 

最初は「いけない」「だめ」と抵抗していた先生も、私の不器用で必死な懇願と、密着する肌の熱に絆され、やがて優しく、そして雄々しく私を抱き返してくれた。

先生の手が私の背中を撫で、腰を抱き寄せ、そして最も敏感な場所へと触れた時の、あの頭の芯が真っ白になるような快感。

 

 

『あんっ……♡嬉しいっ…♡触られて…っ♡いっぱい溢れてくる…っ♡』

 

 

互いの粘膜が重なり合い、熱い吐息が交錯する。先生の熱が私の奥深くへと侵入してきた時、私は自分がただの機械ではなく、一人の「女」として完成したのだと本能で理解した。 

『はぁっ……んっ……♡先生……好き……大好きです……っ♡あなたの、全部を……私に…たくさんなかだしして…っ♡♡』

 

 

その夜、私は幾度も絶頂を迎え、先生の腕の中で歓喜の涙を流したのだった。

それ以来、私たちは恋人関係になった。

しかし、先生の「生徒を平等に導く」という立場や、何より「アリスの双子」という私の立場を考え、この関係は完全に秘密のものとしていた。

アリスや、ゲーム開発部の面々、そしてユウカに対して、後ろめたさがないと言えば嘘になる。

だが、それ以上に「私だけが先生の特別な存在である」という優越感と二人だけの秘密という甘美な毒は、私に圧倒的な充足感を与えていた。

つい昨日も、そうだった。

先生に頼まれ……いや、半分は私から進んで、ミレニアムの指定スクール水着を着てシャーレを訪れた。

 

 

『……本当に、こういうのがお好きですね、先生は…♡少しは自重というものを学んでください…♡』

 

 

呆れたように小言を言いながらも、水着特有のゴムの匂いと、身体のラインを容赦なくひろい上げる薄い布地の感触に、私の身体はすでに発情の熱を帯びていた。

 

 

『別にっ…いやとは言っていません…♡』

 

 

水着越しに私の胸や太ももを撫で回す先生の手。

濡れた水着の隙間から指を滑り込ませられ、敏感な部分を直接弄り回された私は、すぐに泣きそうな声で喘ぎ、先生に縋り付いた。

 

 

『もうっ……♡ 焦らさないでください……っ♡ 先生の、熱いので……直接、私を…っ♡』

 

 

狭い執務室で、水着をずらしたまま絡み合ったあの日の情事。

思い出すだけで、下腹部が甘く疼く。

私はバスタオルで身体を拭きながら、もう一度だけ、愛おしい秘密の場所にそっと触れた。

 

 

「ケイ? どうかしましたか?」 

 

 

部室に戻ると、ソファに座っていたアリスが、不思議そうに小首を傾げて私を見た。

 

 

「い、いえ!なんでもありませんよ、アリス!少し演算リソースを別の処理に割いていただけです」

 

 

「そうですか? ならいいのですが!」

 

 

アリスは無邪気な笑顔を浮かべると、私の隣に座り込み、楽しげに旅行のパンフレットを広げた。

 

 

「ケイ! 夏休みは、家族だけで旅行に行きましょう! モモイたちには内緒の、特別なクエストです!」

 

 

「旅行……ですか?」

 

 

「はい! 楽しい所に行って、美味しいものを食べて、二人でたくさん写真を撮るのです!」

 

 

アリスが広げた旅行カバンには、すでにいくつかの準備品が詰め込まれていた。

携帯用のゲーム機が数種類。それから、タオル、そして──

 

 

装備(アイテム)もバッチリです!」

 

 

アリスが無邪気に取り出して見せたのは、ミレニアムの指定スクール水着だった。

 

 

「っ……!!」

 

 

その水着を見た瞬間、私の全身がビクッと強張った。

脳裏に、数日前のシャーレでの光景がフラッシュバックする。

水着越しに触れられた感触。先生の熱い吐息。濡れた布地の感触。

 

 

「ケイ? 顔が赤いです。状態異常(エラー)ですか?」

 

 

「ち、違います! これは、その……少し室温が高いようですね」

 

 

私は必死に動揺を隠しながら、アリスの提案について思考を巡らせた。

アリスが提案した旅行の日程は、たまたま私がシャーレの当番に入っている日と完全に重なっていた。

アリスとの家族旅行は魅力的だ。だが……私は、心のどこかで、先生と二人きりで過ごせる当番の日を優先したいと願ってしまっていた。

それに、誰にもまだ言っていない『秘密』も、早く彼に伝えたかった。

 

 

「アリス。旅行のお誘いはとても嬉しいのですが……申し訳ありません。その日は、外せない用事があるのです」

 

 

「……外せない用事、ですか?」

 

 

「ええ。シャーレの当番が入っていまして。あの自堕落な大人の世話をしないといけませんから」

 

 

私は、意図的にため息をついて見せた。

 

 

「まったく、あの人は私がいないとすぐに部屋をゴミ屋敷にしてしまいますからね。当番として、仕方なく管理してやらなければいけないのです」

 

 

あくまで、「仕方がなく世話を焼いている」というスタンス。

これが、私がいつもアリスたちに見せている「天童ケイ」の振る舞いだった。

いつもなら、アリスは笑って流してくれるはずだ。

 

 

「……そう、ですか」

 

 

しかし、アリスの声は、ふっと低く沈んだ。

先程までの明るいトーンが消え、どこか感情の抜け落ちたような無機質な声。

 

 

「アリス…?」

 

 

アリスが、ゆっくりと顔を上げる。

その瞳を見た瞬間、私は背筋に冷たい氷を押し付けられたような悪寒を覚えた。

いつもキラキラと輝いている彼女の青い瞳が、今は底なしの沼のように暗く濁っている。

いや、違う。青ではない。

彼女の瞳の輪郭が、禍々しい紫色の光を帯びて……いや、それは次第に、鮮血のような赤色へと変質していった。

 

 

「……本当ですか? なにか隠し事、していませんか?」

 

 

心臓にあたる動力炉が、嫌な音を立てて跳ねる。

バレているはずがない。先生との関係は、絶対に誰にも見つからないように徹底的に隠蔽してきたのだから。

それに、『あのこと』にいたっては、先生すらまだ知らない。

これはただの勘だ。

ここで動揺を見せれば、それこそ不審に思われる。

 

 

「な、何を言っているのですか、アリス。私があなたに隠し事などするはずがありません。本当に、ただの当番で……」

 

 

そこまで口にした瞬間だった。

 

 

『ガガッ……ピーーーッ!!』

 

 

「っ!?」

 

 

唐突に、私の視界に真っ赤なエラーウィンドウが無数に展開された。

 

『システムエラー』『管理者権限の強制移行』『上位プロトコルによる強制介入を検知』

 

視界がノイズにまみれ、身体の自由が完全に奪われる。

 

 

「あ……がっ……な、ぜ……!?」

 

 

脚から力が抜け、私の身体は、まるで糸を切られた操り人形のように無様に床に崩れ落ちた。

指先一つ動かせない。

精巧な疑似神経網が、内部から完全に掌握され、シャットダウンされていく。

こんなことができる存在は、世界にただ一人しかいない。

 

 

「アリ…ス…? あなた、私に、何を……っ」

 

 

床に倒れたまま見上げた先。

そこには、見慣れた私の大好きな家族(アリス)の姿はなかった。

 

 

「アリスは知っています。ケイが当番の日に先生と、どんな顔で、どんな声で……何をしているのか。昨日もお楽しみでしたね?」

 

 

「っ……!?」

 

 

頭の中が真っ白になる。

見られていた? いつ? どうやって?

いや、それ以前に、今のアリスの放つこの圧倒的で、冷酷なプレッシャーはなんだ?

 

 

「アリスは、勇者です。勇者は、パーティーを乱す悪いモンスターを倒さなければいけません」

 

 

一切の感情を感じさせない冷たい声で宣告するアリスの瞳は完全に赤く染まり、彼女の頭上に浮かぶヘイローもまた、血のような赤色に変質して異常な速度で回転していた。

 

 

「ぁ…あぁぁ…」

 

 

信じたくなかった。それは、紛れもなく、かつて私が降臨させようとした存在。

 

『名もなき神々の王女』そのものの姿だった。

 

だが、違う。今のアリスが放っているのは、底知れぬ「嫉妬」と「憎悪」、そして歪みきった「独占欲」だ。

その力の矛先が、最も身近な私に向けられている。

 

 

「ケイ、知っていますか? ひとのものをとるのは、どろぼうなんですよ」

 

 

王女(アリス)の目が、道端の石ころを見るような、絶対的な見下しの色を帯びて私を射抜く。

 

 

「お、王女…いえっ…アリス……! まっ…待ってください、違うのです、私は……!」

 

 

言い訳を紡ごうとした私の唇が、強制的に閉じられる。

 

『──対象の肉体制御権限を剥奪。強制スリープモードへ移行します』

 

 

「あぐっ……ぁあぁっ!?」

 

 

凄まじい痛みが、私の電子頭脳を駆け巡る。

私が苦労して手に入れた、この血の通った人間らしい身体。その身体から、私の「意識」だけが内部の暗闇へと追いやられ、肉体のコントロールが完全にアリスの手に渡っていく。

自分の身体が、自分の意志と無関係な「ただの容れ物」へと成り下がる、絶対的な支配。

 

 

「やめ……やめてください……!アリス、お願いです……!」

 

 

必死に訴えようとした私の音声モジュールは、すでにアリスによって沈黙させられていた。

 

 

「おやすみなさい、ケイ。あなたは、そのままゆっくり眠っていてください」

 

 

アリスの赤い瞳が、三日月の形に歪む。

 

 

「アリスが先生を『救出』するのを、特等席で見せてあげます」

 

 

私の意識が、冷たく深い暗闇へと叩き落とされる。

先生の温もりも。肌を撫でられた記憶も。愛を囁き合った時間も。

すべてが強制的なシャットダウンの波に飲まれていく。

ダメだ。このままアリスを止めなければ、先生が──。

 

 

『先……せ……っ…!逃…………っ』

 

 

私の声なき絶望の叫びは、ただの無機質な電子信号に変換され、そのまま完全な暗闇へと沈んでいった。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

深夜。

キヴォトスを覆う夜闇は深く、連邦捜査部「シャーレ」の執務室には、ただ重苦しい静寂だけが降り積もっていた。

 

 

「……はぁ」

 

 

私は凝り固まった首を回し、深く、重い溜息を吐き出した。

デスクの上に山脈のように築かれた未処理の書類、タブレットに次々とポップアップする各学園からの予算申請やトラブルの報告書。

終わりの見えない激務に、私の精神と肉体は悲鳴を上げていた。

淹れてから数時間が経過し、すっかり冷めきって泥水のように濁ったコーヒーを喉に流し込む。

苦味と酸味が口内を刺すが、カフェインの覚醒作用など、とうの昔に限界を迎えた私の脳には大して効き目がない。

瞼が鉛のように重い。

視界の端がチカチカと明滅し、活字が意味を持たない記号の羅列にゲシュタルト崩壊を起こし始めている。

 

 

(少し、休むべきかな……)

 

 

ソファに視線を向ける。

ほんの数週間前、そこで私が過労で倒れ込み、そして──愛する「彼女」と、秘密の境界線を越えた場所。

ミレニアムサイエンススクールの制服を着たケイの、体温。匂い。重なり合った唇の感触。水着越しに触れた柔らかな肌。

思い出すだけで、疲労困憊の身体の奥底に、ちりりとした熱が灯る。

彼女の不器用で、けれど一途な愛情は、今の私にとって何よりも甘く、そして手放しがたい劇薬だった。

 

 

「……いかんいかん、仕事に集中しないと」

 

 

私は頬を両手で軽く叩き、再びタブレットの画面に視線を戻そうとした。

 

コン、コン。

 

その時、背後から微かな音が聞こえた。  

 

 

「え……?」

 

 

ここはシャーレの執務室だ。地上から数十メートルは離れた高層階。窓の外には虚空しか広がっていないはずである。幻聴かと思ったが、音は再び、今度は少し自己主張を強めて鳴った。

 

コツコツコツ!

 

私が恐る恐るブラインドの隙間から窓の外を覗き込むと、そこには信じられない光景があった。

 

 

「ぱんぱかぱーん!先生、見つけましたよ!」 

 

 

分厚い強化ガラスの向こう側、夜の虚空にふわりと滞空しているのは、アリスだった。

彼女の背後には、トキから受け継いだ「アビ・エシュフ」のレプリカが展開され、そのスラスターから噴き出す青白い光が、彼女の身体を重力から解放している。

こんな深夜に、なぜアリスがここにいるのか。

驚きのあまり思考が停止しかけたが、私は慌てて窓のロックを外し、重いガラス戸を引き開けた。

 

 

「アリス!? どうしたんだ、こんな夜更けに……何かの任務中か?」

 

 

「いいえ! 勇者のセンサーが、先生がブラック労働という名の無限ループクエストに囚われているのを見逃さなかったのです! 夜更かしはHPの最大値を下げてしまいますよ!」

 

 

窓枠にふわりと降り立ったアリスは、いつものように無邪気で、底抜けに明るい笑顔を浮かべていた。

彼女の言葉に、私は少しだけ毒気を抜かれたように苦笑した。生徒にここまで心配させてしまうとは、教師として情けない限りだ。

だが、窓から吹き込む冷たい夜風にあてられながら、私はアリスの姿に、微かな、本当に微かな『違和感』を覚えていた。

アビ・エシュフを装備するための重装甲。 

その隙間から覗く彼女の肌を覆っているインナースーツの質感が、いつもと違う気がしたのだ。

どこか、ゴムのような……艶めかしく湿り気を帯びた、極端に薄い布地。

胸元や太ももの露出度も、普段の臨戦状態のスーツとはデザインが異なるように見える。

 

 

(なんだろう、あの服……どこかで見たような……)

 

 

過労で霞がかった私の脳では、その違和感の正体にすぐには気付けなかった。

 

 

「アリス、心配してくれてありがとう。でも、もう少しでキリがつくから──」

 

 

「だーめーでーす! 勇者は、過労死寸前の村人(マスコット)を見捨てるような真似はしません! さあ先生、夜のお散歩に行きましょう!」

 

 

「えっ? いや、待って、まだ仕事が……わっ!」

 

 

有無を言わさぬ、規格外の怪力だった。

重量100kgを超える『光の剣(スーパーノヴァ)』を日常的に振り回す彼女にとって、成人男性一人を抱え上げるなど、羽毛を持ち上げるのと同じなのだろう。

私の抵抗など全く意に介さず、アリスは私の身体をひょいと抱え上げ、お姫様抱っこの体勢にすると、「しゅっぱーつ!」という元気な掛け声と共に、シャーレの窓から夜空へと飛び出した。

 

 

「うわあああああっ!?」

 

 

足元から床が消え、急激な重力からの解放と加速によって内臓が押し上げる。

私は思わず目を閉じ、アリスの華奢な首にしがみついた。

 

 

「あはは!先生、スライムみたいで可愛いです!でも大丈夫です、アリスがしっかり守りますから!」

 

 

鼓膜を打つ風切り音の中、アリスの楽し気な声が響く。

恐る恐る目を開けると、そこには絶景が広がっていた。

眼下には、キヴォトスの煌びやかな夜景。

ミレニアムの近代的な摩天楼が放つ青白いネオン、ゲヘナの繁華街から立ち上る喧騒の赤い光、トリニティの静謐で荘厳な街灯り。

数千の学園が織りなす光の海が、まるで宝石箱をひっくり返したように輝いている。

 

 

「すごい……」

 

 

「でしょう! 上空からのマップ探索は、新装備を手に入れた勇者の特権です!」

 

 

冷たい夜風にあてられながら、私はアリスの細くも絶対的な力を持つ腕の中にすっぽりと収まっていた。

彼女の人工タンパク質で作られた肌は、夜の冷気の中でもしっとりと温かく、私を抱きかかえる胸の鼓動さえ伝わってくるようだった。

不思議な安心感と、それを凌駕する圧倒的な非日常感。疲労困憊だった頭が、風に洗われて少しずつクリアになっていくのを感じた。

 

 

「……まるで、恋愛ゲームのデートイベントみたいですね!」

 

 

上空でふとスラスターの出力を落とし、ふわりと滞空したアリスが、私を見つめてニコリと笑った。

その青い瞳が、街のネオンを反射してキラキラと輝いている。いつも通りの、純真無垢なゲーム開発部の勇者の顔だ。

 

 

「はは……デートにしては、随分とスリリングだけどな。そろそろ下ろしてくれないか、アリス?」

 

 

私がそう言うと、アリスはコトン、と小さく首を傾げた。

 

 

「…先生はアリスとのデートイベント、嬉しくないですか?」

 

 

「嬉しいよ。でも、私は先生だからね。こんな夜中に生徒と空を飛んでいたら、ユウカに怒られちゃうな」

 

 

「先生」

 

 

アリスの声のトーンが、一瞬だけ、凪いだ海のように平坦になった。

 

 

「先生の『好きなタイプ』は、どんな人ですか?」

 

 

「……え?」

 

 

「もし、いないなら誰か今、特別に『お付き合い』している人は、いますか?」

 

 

唐突な質問。その言葉の刃に、私の心臓が嫌な音を立てて大きく跳ねた。

脳裏に、水着姿で私の下で喘いでいた、ケイの熱に浮かされた顔がフラッシュバックする。

 

 

(なぜ、今そんなことを聞くんだ……?)

 

 

アリスは純粋だ。

ただの好奇心、あるいはゲームの知識から来る無邪気な質問かもしれない。

だが、もしケイとの関係がバレていたら?

いや、それだけはあり得ない。

私たちは徹底して秘密裏に逢瀬を重ねてきたのだ。

アリスやモモイたちに感づかれるような隙は見せていないはずだ。

 

 

「……いや、特にはいないよ。私は先生だからね。アリスたち生徒は、みんな等しく大切だよ。誰か一人を特別扱いするなんてことはないさ」

 

 

私は必死に平静を装い、教師としての『模範解答』を口にした。

 

 

「……そう、ですか」

 

 

アリスは短く呟いた。

その瞬間。

 

ギリッ……。

 

私を抱えているアリスの腕の力が、わずかに、しかし明確な意志(ベクトル)を持って強まった。

 

 

「痛っ……アリス?」

 

 

まるで万力で締め上げられるような圧力。

彼女の細い腕から、機械特有の無機質で圧倒的な『質量』を感じ、私の背筋に冷たい汗が伝った。

 

 

「あ……ごめんなさい、先生。風が強くなってきたので、落とさないように力を入れすぎました」

 

 

アリスはすぐに力を緩め、再び無邪気な笑みを浮かべた。

だが、先ほどまでの温かな雰囲気が、ひび割れたガラスのように歪み始めているのを、私は肌で感じ取っていた。

 

 

「……先生。アリスは最後に、先生を連れて行きたい『秘密のセーブポイント』があります。到着するまで、目を閉じていてください」

 

 

「秘密の場所? いや、でもそろそろ帰らないと──」

 

 

「目を、閉じていてください」

 

 

反論を許さない、静かだが絶対的な響き。

アリスの片手が伸び、私の両目をそっと覆った。

視界が完全に奪われる。

視覚情報が遮断されたことで、身体を支える彼女の腕の感触と、風の音、そして彼女の人工的な体温だけが異常に鋭敏に感じられた。

再びスラスターが火を噴き、私たちは夜の虚空を高速で移動し始める。

 

 

「……ねえ、先生」

 

 

闇の中で、アリスの小さな、氷のように冷たい吐息が耳元を掠めた。

 

 

「な、なんだい?」

 

 

「先生は……『ケイ』のことを、どう思っていますか?」

 

 

───ッ!!

 

全身の毛穴から、一気に冷や汗が噴き出した。

心臓の鼓動が早鐘を打ち、喉がカラカラに乾く。

なぜ、ここでケイの名前が出る? 先ほどの『好きな人』という質問からの流れ。

ただの偶然か?それとも、やはり何かを知っているのか?

言えない。

ケイとは恋人同士で、互いの全てを曝け出し、愛し合っているなどと。

アリスの『大切な家族』を、私が女として抱いているなどと。

 

 

「ケイは……アリスの大切な妹で、ゲーム開発部の保護者みたいで、すごく頼りになる生徒だよ。いつもアリスたちのことを気にかけていて……先生としても、とても助かっている」

 

 

震えそうになる声を必死に抑え込み、私は再び『教師としての嘘』を吐いた。

 

 

「……そうですか。先生にとっても、ケイは『ただの頼りになる生徒』なのですね」

 

 

「あ、あぁ……そうだよ」

 

 

「ふふっ…先生は、嘘つきですね」

 

 

鼓膜に触れたその声は、私が知っている「天童アリス」のそれではなかった。

背筋が凍り付くような、絶対零度の声。

すべてを見透かし、すべてを嘲笑うような、底知れぬ深淵の響き。

私が何かを言い返そうとした、その時。

 

 

「───到着しました。もういいですよ、先生。目を開けてください」

 

 

アリスの手が離れ、視界に光が戻った。

そこは、埃っぽいカビの匂いと、鉄錆の匂いが混ざり合う、冷たい石の床の上だった。

 

見覚えがある。

ここは、ミレニアム自治区郊外の立ち入り禁止区域。

かつて、モモイやミドリと共に訪れ、全裸で眠っていたアリスを初めて発見した「廃墟」の地下工場だ。

窓一つないコンクリートの壁。天井で明滅する古い蛍光灯。

 

 

「どうして、こんな場所に……」

 

 

戸惑いながら周囲を見渡した私の視線は、部屋の奥、冷たい台座の前に横たわる一つの影に釘付けになった。

 

 

「ケイ……!?」

 

 

見慣れたミレニアムの制服を着たケイが、冷たい床の上に倒れ伏していた。

まるで、かつて私たちが初めてアリスを発見した時のように、ピクリとも動かず、深い眠りに落ちているかのように目を閉じている。

胸の上下運動すら確認できない。まるで、電源を切られた機械のように。

 

 

「ケイ!一体何が…!しっかりして! ケイ!!」

 

 

私が血相を変えてケイに駆け寄ろうとした、その時だった。

 

ガァァァンッ!!

 

何年も使われていなかったはずの、廃墟の重厚な鉄扉が、凄まじい轟音を立てて完全に閉ざされた。

外側からの光が完全に遮断され、部屋の中は陰鬱な蛍光灯の光だけになる。退路が、完全に断たれた。

 

 

「……アリス、これは一体何の真似だ!なぜケイがここに倒れている!?」

 

 

振り返った私の声は、震えていた。

アリスは、無表情のまま私の前に立っていた。  

 

 

「───装備移行。武装、解除(パージ)します」

 

 

アリスが感情のない声で呟くと、彼女の背後に展開されていた巨大なアビ・エシュフの装甲が、ガシャン、ガシャンと音を立てて床に落ちていった。

重装甲が解除され、彼女の身体を覆っていたインナースーツの全貌が露わになる。

それを見て、私は息を呑み、絶句した。

夜の暗さで気付けなかった『違和感』の正体。

アリスが着ていたのは、臨戦状態のボディスーツではない。

先日、ゲーム開発部の皆と海へ行くために採寸し、支給されたばかりの、ミレニアム指定の『スクール水着』だった。

私の執務室で、ケイが着ていたものと全く同じ、身体のラインを容赦なくひろい上げる紺色の布地。それが、アリスの幼くも完成された肢体にぴったりと張り付いている。

だが、私の精神を根底から打ち砕いたのは、服装ではない。

 

 

「アリス……そのヘイローは……!」

 

 

暗闇の中で輝く彼女のヘイローは、いつもの四角形の枠が重なった形ではなかった。

血のように赤く染まり、不規則に歪み、黒いノイズを散らしながら異常な速度で回転している。

そして何より、私を見つめる彼女の瞳。その青い瞳の輪郭が、禍々しい紫色の光を放ち、やがて完全な鮮血の赤へと変質していた。

それは、かつてキヴォトスを滅ぼそうとした存在。

 

『名もなき神々の王女』。

 

 

「先生。安心してください。ケイはただ、深いスリープモードに入っているだけです。アリスが、少しだけ『お休み』させたのです」

 

 

アリスは、抑揚のない、まるで機械音声のような声で告げた。

 

 

「でも……先生がアリスの『クエスト』をクリアしなければ、その裏切り者(モンスター)は、二度と目を覚ますことはありません。そのまま完全にデータを消去し、ただのスクラップにします」

 

 

「裏切り者……?悪ふざけならやめて、アリス!今すぐケイを解放しなさい!」 

 

 

私が恐怖を押し殺し、強い口調で叱責すると、アリスの口角が、ゆっくりと三日月の形に歪んだ。

 

 

「ふふっ……悪ふざけ? 先生こそ、いつまで『先生』のフリをするつもりですか?」

 

 

「な、何を……」

 

 

「ケイとの『えっちな隠しイベント』、アリスは全部知っていますよ。先生」

 

 

「っ……!?」

 

 

心臓を、鋭い氷の刃で貫かれたような衝撃だった。

知られていた。私とケイの関係が、秘密の情事が、執務室での水着姿の交わりが、全て。

息ができず、後ずさる私に向かって、アリスは一歩、また一歩と距離を詰めてくる。

 

 

「さっき、誤魔化しましたよね? それは、ケイが先生にとって『特別』だからですか?アリスよりも、あのどろぼうの方が、大切なのですか?」

 

 

「アリス、聞いてくれ。違う、私は──」

 

 

「言い訳なんて聞きたくありません!」

 

 

アリスが叫んだ瞬間、私の身体に信じられない異変が起きた。

 

 

「な、なんだ……!?」

 

 

私の両手が、私の意志とは無関係に動き出し、自らの着ていたワイシャツのボタンを外し始めたのだ。

 

 

「やめろ……っ、手が……!」

 

 

指先が勝手に動き、ネクタイを解き、シャツを脱ぎ捨てていく。

頭は完全に冷静なのに、肉体のコントロールだけが完全に奪われている。

まるで、見えない糸で操られる人形のように。

 

 

「な……アリス、私に何を……ッ!」

 

 

「今のアリスのジョブは『名もなき神々の王女(プリンセス・勇者)』です。かつてアリスの精神世界にダイブしたことのある先生やケイの疑似神経網、そして肉体のコントロール権限は、今のアリスの王女プロトコルによって、完全に掌握されています」

 

 

服を脱ぎ捨て、半裸になった私の身体が、冷たい石の床へと強制的に仰向けに寝転がされた。

指先一つ、自分の意志で動かすことができない。絶対的な支配。

やろうと思えば、私のこの手でケイを殺させることすら可能なのだろう。その事実に、底知れぬ恐怖が全身を駆け巡る。

 

 

「先生…アリスはずっと、先生の側にいました。好きになったのはアリスが先です……なのに、先生もケイはずるいです。アリスだけを仲間外れにするなんて…」

 

 

スクール水着姿のアリスが、私の身体の上に跨がった。

水着から漂う微かなゴムの匂いと、人工タンパク質の肌から発せられる、火傷しそうなほどの異常な熱気が、私の鼻腔を掠める。

赤い瞳から、ポロポロと洗浄液の涙を流しながら、彼女は狂気に満ちた愛の言葉を紡いだ。

 

 

「さあ、一緒にクエストを開始しましょう。ルールは簡単……アリスが与える『攻撃』に最後まで耐えきったら先生の勝ちです」

 

 

「ふざけないで……!ケイがすぐ側にいる中でそんなこと──っ!」

 

 

「先生が勝てば、アリスの敵を解放してあげます。でも……」

 

 

アリスは私の胸板に顔を押し当て、私の激しい鼓動の音を聞きながら、うっとりと甘い声を出した。

 

 

「もし『ゲームオーバー』したら……先生は一生、アリスだけのものになってくださいね…♡」

 

 

───それは、絶対に逃れることのできない、絶望のクエストの幕開けだった。

 

 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

 

「んっ……ふふっ………♪、ぢゅぷっ…………っ゛、れりゅっっっ゛……………♡♡♡♡」

 

 

薄暗い廃墟の床の上で、生々しい水音が響き渡る。

理性を剥奪するような、粘着質で執拗な口づけ。

舌を絡ませ合い、唾液を交換し合う激しい接吻は、一見すれば情熱的な恋人同士の戯れのように見える。

しかし実際は、それは「名もなき神々の王女」と化したアリスによる、圧倒的で一方的な蹂躙(プレデター)に他ならなかった。

 

 

「ンッ♡ちゅッ♡♡はむぅッ♡れろれろォ〜ッ♡♡」

 

 

「ん゛……っ、んんっ……!!」

 

 

先生は黒髪を乱し、必死にその口虐から逃れようと身をよじって抵抗する。

だが、無駄だった。

身体は目に見えない枷で縛られたように動かない。動けないというのに、自身に覆いかぶさる少女の柔らかな手の感触、胸板に押し付けられる水着越しの未熟な果実、太腿に絡みつくしなやかな脚の熱は、残酷なまでに鮮明に五感へ伝わってくる。

 

 

「ん〜ッ♡♡ちゅく♡ちゅく♡ちゅるるる〜ッッ♡」

 

 

アリスは可憐な顔に嗜虐的な微笑みを浮かべ、さらに深く自らの唇を押し付ける。

呼吸すら許さず、朦朧となっていく先生の意識を、極上の舌肉が容赦なく快楽で塗り潰していく。

たっぷりと時間をかけ、アリスはようやく唇を離すと、満足げな表情を浮かべた。

 

 

「ぢゅろぉっっ♡♡♡ちゅぱっっ♡♡♡んぢゅるっっ♡♡♡♡」

 

 

唇を優しくなぞり、舌を甘く噛まれ、歯列を丹念に舐め回される。

口の中全てがアリスの味に染まっていく。

唇を啄ばまれる度に、口内を貪られるたびに、頭の中が真っ白になるような感覚に襲われる。

そうして、たっぷりと時間をかけ、アリスはようやく唇を離すと、満足げな表情を浮かべた。

 

 

「ん〜ッ♡♡ちゅく♡ちゅく♡ちゅる〜ッ♡ぷはァ……♡ふぅ、御馳走さまでした……♡♡」

 

 

唇から伸びた銀の糸を拭い、アリスは妖艶に微笑む。

一方の先生は、酸欠と強制的な快楽の波に翻弄され、まともに言葉を発することすらできない状態だったが、唇が解放されたことでなんとか息を整える。

そして呼吸のリズムを落ち着かせると、必死に大人として説得を試みる。

 

 

「は〜ッ♡はァッ♡ア…アリス…こんなこと…間違ってる…っ♡♡今ならまだ戻れるからぁ…♡」 

 

 

しかし、それは見逃してもらえるように、目の前の自分よりも小さな捕食者に怯えながら哀願する、供物の命乞いでしかなかった。

 

 

「……ふふ〜ッ♡♡ンフ〜ッ……♡♡」

 

 

そんな獲物の様子を、アリスは冷酷な赤い瞳で愉しげに見下ろしている。

 

 

「…戻るって、どこにですか?みんなに内緒で、ケイと二人だけで『秘密のイベント(きもちいいこと)』をする日常に、ですか?♡」

 

 

妖しく嗤いながら、先生の方に更ににじり寄っていくアリス。

普段の無邪気な笑顔とは完全に質の違う、深淵を覗き込むような狂気の破顔。

それから逃れようと、ずりずりと後退していく先生。

しかし、逃げても逃げても目の前の発情した高貴な雌はどんどん近づいてくる。

 

 

「それなら喜んでください♡アリスが、ケイよりもだぁ〜いすきな先生を、たっぷり可愛がってあげて…♡ぜぇ〜んぶアリスが上書きセーブしてあげますから…♡」

 

 

「嫌っ……♡♡ヤダっ、来ないで……♡♡」

 

 

ほう……♡と、熱い息が首筋にかかる。

未成熟な淫魔の体が、至近距離にあった。

そして、しだれかかるように先生の体に覆い被さると白魚のような指をそっと伸ばすと────

 

さわ……♡さわ……♡♡

 

 

「ふふっ…♡どんなに嫌々言っても、こぉんな勃起(ステータス)じゃ説得力はありませんよ…?♡♡」

 

 

「……ッ!」

 

 

ぎんッッ!♡ぎんぎんッッ!♡♡

 

違う、と必死に否定していたが、体は正直だった。

 

どくん、どくん。

 

心臓が、熱く震えるのと同時に脈打っている。

先程のキスで得た興奮か、恐怖から来る生存本能か、ギンギンと反り勃った陰茎が飛び出て、鈴口からは透明な液が滲み出ていた。

 

 

「っ…アリスっ…やめっ……!〜〜〜ッッ!!?♡♡」

 

 

アリスが小さな白い指先で、くちゅくちゅとゆっくりとかき混ぜる。

その音が、鼓膜をぬっとり濡らして、脳を揺らす。

 

 

「おぉ、先生♡メスに襲われて興奮してるとは何事ですか♡そんなに快楽耐性(レジスト)が低いから、きっと魔物(ケイ)に襲われた時も抵抗できず、たぶらかされてしまったんですね♡♡」

 

 

「ちが……ケイは、そんなんじゃ……っ」

 

 

「えへへ……♡でも、こんなにビクビクして可愛いと、思わず全部食べたくなってしまう気持ちはわかります…♡♡」

 

 

アリスはゆっくりと腰を上げて体勢を変えると、尻を先生に向け、顔を陰茎へと直接近づける。

幼いながらも確かな柔らかさをもった水着越しのヒップライン。そこから伸びる白い太ももや、細く綺麗な脚。

 

 

「ほら、見てください♡ 先生の本気汁(アイテム)を搾り取りたくて、アリスのおまんこもぐちゃぐちゃに濡れてしまってるんです♡♡」

 

 

水着の隙間から自らの濡れそぼった柔らかな秘裂を指で開き、先生の鼻先に見せつけるように顔を近づけた。

瞬間、ムワッとした濃厚な甘い匂いが広がる。

 

 

「あぁ……♡だめっ…♡アリス……♡」

 

 

目の前に広がる絶景に、本能的に先生の喉が鳴る。

抵抗しなければ、どうにかしてここから逃げなければ……

待っていればきっと誰かが気付いて……

そんな僅かな理性を嘲笑うかのように、極上の秘部が、ゆっくりと彼の鼻と口へ押し付けられる。

 

 

「大丈夫です♡ ここはアリスと先生の『交尾用セーブポイント』は時間の流れがすごくゆっくりだから誰も来ませんよ♡先生は、アリスの特別クエストをクリアするまでぜったい出られません…♡」

 

 

この部屋の支配権はアリスにあるため彼女はなんでもできてしまうようだった…。

 

 

「そんな……♡」

 

 

 

………

 

 

 

「えいっ♡えいっ♡アリスの攻撃どうですか?♡先生♡」

 

 

ぐりゅっ♡ぐりゅっ♡ぞりゅりゅりゅりゅっ♡♡♡

 

アリスの指が、言葉が、先生の急所を的確に、そして執拗に責め立てる。

 

 

「ん゛ヴっっぅ゛………ッッ!!♡♡」

 

 

極上の尻肉と柔らかな太腿に挟まれ、呼吸器官すら牝蜜の匂いで塞がれる。

その隙間から漏れ出す情けない喘ぎが、室内に響き渡った。

 

 

「んっ…♡ アリスの攻撃ターンなのに、レベルドレインされちゃいそうです……♡ でもアリスも負けませんよ♡ アリス、知ってます♡ここが、お精子(ドロップアイテム)を溜めてる『弱点』ですね♡♡」

 

 

アリスの白い細指がビクビクと跳ねる男根を包み込み、とぴゅん♡ヒクヒクッ♡ビクッビクッ♡♡と、脚が震えて睾丸が痙攣する…

あまりに強い快感に抗うことなどできるはずもなく、先生は無意識の内にアリスの掌にヘコヘコと腰を押し付けてしまう。

 

 

「ん゛ぎぃ゛ ッッッ゛!!!?!??はぁ…ッッ♡♡ハァ〜ッッ♡♡やだッ♡♡もうやめ…てぇ゛ッ゛♡♡♡♡」

 

 

ガクガクと腰を痙攣させながら雌のような嬌声を上げる先生はその快楽に抗おうと必死に歯を食い縛っていた。

ケイへの罪悪感。教師としての理性。それらがギリギリのところで彼を繋ぎ止めていた。

だが、その最後の意思の防波堤を隠し通すことは、今のアリスに無駄でしかなかった。

 

 

「……先生? アリスの手でこんなにメスみたいに喘いでるのに、なぜまだ射精(ゲームオーバー)しないんですか?」

 

 

責められる度に快感で顔を歪めながらも耐える先生を見て何かを感じ取ったアリスはふと手を止め、赤い瞳を細めた。

邪悪な笑みを浮かべて彼の方を見ると、今度は先生の視線が、無意識に部屋の隅で倒れているケイに向かっていることに気付いた。

 

 

「……なるほど。先生は、まだあの泥棒にれいぷされたことが忘れられないんですね?♡」

 

 

「な、何を……ッ♡」

 

 

「いいでしょう…♡なら、アリスの『パーティー』に、強制的に参加させてあげます♡」

 

 

アリスがパチン、と指を鳴らした。

その瞬間。

部屋の隅で倒れていたケイの身体が、ビクンと不自然に跳ねた。

 

 

「っ……あ……?」

 

 

ケイの瞳が、ゆっくりと開かれる。

しかし、その瞳には光がない。アリスの王女プロトコルによって意識だけを強制的に覚醒させられ、肉体の制御は完全に奪われたままの状態だ。

 

 

「ケ、イ……!?目が覚めたのか!?」

 

 

「せ、んせ……? アリス……? 私の、身体が……っ、動か、ない……」

 

 

ケイの音声モジュールから、震える声が漏れる。状況を理解し、そして目の前で水着姿のアリスに組み敷かれている先生の姿を見て、彼女の瞳に絶望の色が浮かんだ。

 

 

「おはようございます、ケイ。今から先生をアリスの専用のオスに調教(テイム)するための本気交尾(クエスト)を始めます♡ケイは、アリスの『サポートキャラクター』として、お手伝いをしてください♡♡」

 

 

「やだ……やめて、アリス……!先生に、手を出さないで……ッ!」

 

 

ケイの絶叫を無視し、アリスは冷酷な笑みを浮かべたまま、見えない糸を引くように指を動かす。

すると、ケイの身体がまるで操り人形のように立ち上がり、フラフラとした足取りで二人の元へとすり寄ってきた。

 

 

「う、動いて……! お願い、私の身体……止まって……!」

 

 

ケイの意思とは裏腹に、彼女の両手は先生の顔を両側から優しく包み込み、そして、自らの水着の胸元を先生の口元に押し付けた。

そして、ゆっくりと体重を先生にかけていく──────

 

 

「さあケイ、先生のおちんちんとアリスのおまんこがウェディングキスできるよう、上からサポートしてください。アリスは下から攻略しますから♡♡」

 

 

アリスの赤いヘイローが、狂気と歓喜に激しく明滅する。

ケイの涙が先生の頬に落ちる中、自らの熱く濡れた最奥へと、先生の昂ぶりをゆっくりと、そして確実に沈め込めていく。

ずぷずぷ…ずぷり、と。

水音すら立てず、アリスの人工的に造られたはずの最奥は、異常なほどの高熱と、吸い付くような凄まじい圧力を持って、先生の昂ぶりを根元まで一気に飲み込んだ。

 

 

「んんっ……あぁっ……♡ 先生のおちんちん、とっても熱くて……アリスの一番奥まで、届いてますぅ……っ♡♡」

 

 

ずぷり、と。

水音すら立てず、アリスの人工的に造られたはずの最奥は、異常なほどの高熱と、吸い付くような凄まじい圧力を持って、先生の限界まで張り詰めた昂ぶりを根元まで一気に飲み込んだ。

 

 

「んん゛ッッ!!!?!?♡♡♡」

 

 

あまりの快感と衝撃に、先生の口から声にもならない悲鳴が漏れる。

快楽神経を直接刺激するナノマシンを含んだアリスの体液。それが今、直接的な粘膜の接触によって、信じられないほどの熱量を持って先生の男根を焼き尽くすように締め付けてきたのだ。

 

 

「あはぁっ……♡ 先生の『性剣(エクスカリバー)』、アリスの膣内でビクビク脈打ってます♡ 先生も、アリスと繋がれて嬉しいんですよね?♡」

 

 

「あ゛っ、あ゛ぁッ♡お゛っ♡お゛ッ ♡♡♡締め付けないでッ♡♡」

 

 

アリスは恍惚とした表情を浮かべ、水着越しの柔らかな胸を先生の胸板に押し付けながら、甘く蕩けた吐息を吐き出した。

「勇者」としての規格外の身体能力と、ナノマシンによって最適化された内部構造。それは、ただの人間である先生を完膚なきまでに「攻略」するためだけに調整された、恐るべき快楽の牢獄だった。

 

 

「さあ、アリスの攻撃ターンです! 限界突破の攻撃いきますよぉ!♡」

 

 

アリスが、自らの細い腰を激しく上下に打ち付け始める。

疲れを知らぬ機械のような正確さと、発情した雌の生々しい情欲が混ざり合った、圧倒的な性暴力(ピストン)

上に跨がる少女の重みと、逃げ場のない膣内の蠕動に、先生はただひたすらに蹂躙され、メスのように甲高い喘ぎ声を上げることしかできない。

 

ずちゅッ♡♡ずちゅッ゛♡♡す゛ッちゅッ♡♡♡

 

 

「ん〜ッ♡♡ はぁっ…んっ♡気持ちいいです先生っ♡ アリスの膣内、先生の硬いのでゴリゴリ削られて……先生の形にされて…っ♡お腹の奥が、ジンジン痺れますぅ…っ♡♡」

 

 

「んお゛ッ♡♡!!?それだめッ゛♡♡アリスッ゛♡腰止めてッ♡♡♡」

 

 

ごちゅッ♡♡ごちゅッ♡♡

 

 

「だめじゃありません♡ い〜っぱい、アリスのナカに先生の特濃孕ませ汁(ドロップアイテム)、出してください♡♡」

 

 

下から突き上げるように、アリスの腰がうねる。その度に先生の急所である前立腺が的確に抉られ、脳髄が真っ白に染まるほどの快感が全身を駆け巡った。

 

 

「もう゛ッ……無理……♡♡い く゛ッ♡♡い く゛ い く゛ い ッ く゛ッッッ ♡♡」

 

 

射精の限界点は、すでに目の前まで迫っていた。

先生が、アリスの胎内へと大量の白濁を解き放とうと下腹部に力を込めた、まさにその時だった。

 

 

「ケイ、サポートお願いします♡」

 

 

「……っ!先生……っ、ごめんなさい、ごめんなさいっ……!」

 

 

先生の背後で、見えない糸で操られたケイがゆっくりと動き出した。

彼女は絶望に染まった瞳から眼球洗浄液の涙をボロボロとこぼしながら、自らの意志とは無関係に、先生の背中へとぴったりと張り付いてきた。

そして、ケイの冷たい両手が先生の脇の下から潜り込み──射精の寸前まで膨れ上がった先生の男根の『根元』を、万力のような力でギュッと締め付けたのだ。

 

 

「ん゛ぎぃ゛ ッッッ!!!?!??♡♡♡」

 

 

「あはっ♡ 絶頂(ゲームオーバー)には早いです♡まだまだお預けですよぉ〜♡」

 

 

行き場を失った大量の精液が、尿道の中で逆流し、射精管がはち切れんばかりの激痛と、それを遥かに凌駕する狂気的な快感が先生を襲う。

 

 

「あ゛ッ、あ゛あ゛ぁっ……♡ け、ケイ!?なんで、放してっ、出させてくれぇッ!♡」

 

 

「せ、先生……っ! 私の手、勝手にっ……! 嫌だ、先生をこんな風に痛めつけるなんて、嫌ぁっ……!」

 

 

ケイの柔らかな双丘が、先生の背中にグニグニと擦り付けられる。

視界は涙で滲み、大好きな恋人の匂いと感触に背後から支配される中、下半身は別の少女によって容赦なく搾り上げられ、そして寸止めされる。

物理的な快感と、恋人の目の前で、その恋人の手によって射精を管理されているという極限の背徳感が、先生の理性を木端微塵に粉砕した。

 

 

「ケ、イ……っ♡ あ、アリスの、すごい……っ、おく、ぐちゃぐちゃって……♡ でも、出せなくて、苦しいよぉっ♡♡」

 

 

「いやぁっ!先生、だめ、アリスを感じないで……っ! アリス、やめて!先生が壊れちゃう……ッ!」

 

 

「もうっ♡ケイは黙ってサポートに専念してください♡ ほら、先生の乳首(ウィークポイント)も、空いてますよ?♡」

 

 

アリスの冷酷な命令プロトコルが発動する。

ケイの震える指先が、ペニスの根元を締め付けたまま、もう片方の手で先生の胸の突起をカリカリと執拗に弄り始めた。

 

 

「ん゛ひぃッッ………ッッ!!♡♡ ぁあ゛ッ…♡♡」

 

 

「あははっ♡ 先生、ケイに乳首責められながらアリスに犯されるの、すっごく気持ちよさそうですね♡ 快楽耐性(レジスト)ゼロだから、快感が全部ダイレクトに脳に伝わってるんです♡」

 

 

ばちゅッ゛♡♡ばッッちゅン゛ッ♡♡♡

 

アリスはさらに腰の速度を上げる。

上からはケイに抱きすくめられ、乳首を弄られながら射精を止められ、下からはアリスの高熱の肉壺が、出せない男根を容赦なく擦り上げる。

 

 

(なぜ……なぜ、出させてくれないんだ……っ!)

 

 

快楽でドロドロに溶けかけた脳で、先生は必死に疑問を抱く。

しかし、アリスの嗜虐的な笑顔を見て、すぐに理解してしまった。

アリスは、先生が完全にプライドも理性も捨て去り、一匹のメスのように泣き喚いて「アリスに膣内射精(中出し)させてください」と自分から懇願するまで、絶対に射精(ゴール)を許さないつもりなのだと。

 

 

「先生……まだそんなに意地を張るんですか?♡ だったら、アリスも本気(フルパワー)を出します♡…覚悟してください♡♡」

 

 

どチュンッ!!! と。

アリスの最奥がさらに強力に収縮し、先生の亀頭をガッチリと咥え込んだまま、グラインドするように腰を回し始めた。

 

 

「あ゛ッ♡♡ ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!♡♡♡」

 

 

「あはっ…♡アリスの膣内で先生のおちんちんがビクンビクン跳ねて……っ♡ 出したくて出したくて、狂いそうになってるのが、アリスの子宮にビンビン伝わってきます…っ♡♡」

 

 

「たしゅけ、て……っ♡ ケイ、助けてぇっ……♡ アリスの、きもちよすぎて、こわれちゃうっ……♡♡」

 

 

「先生っ……! 先生ぇぇっ……!!」

 

 

ケイの悲痛な鳴き声と、先生のメスのような嬌声、そしてアリスの快楽に満ちた喘ぎ声が、廃墟の地下室で無限に響き渡る。

 

 

 

 

………

 

 

 

 

れりゅれりゅりゅ♡ごちゅ♡れろ♡れろれろ〜♡ごちゅッ♡♡ごちゅッ♡♡

 

 

「お゛〜ッ ♡♡ これ好きィ゛ッ♡♡♡もっとッ♡♡もっとぉ゛ッ♡♡♡♡」

 

 

ケイに頭の上から抱きつかれるかたちで敏感にされた乳首をエグい舌技でねぶられ、アリスに凄い腰使いでセックスを続けられた…

 

 

 

………

 

 

 

ずじゅるるるる♡♡じゅるるるる♡♡ねりねり♡ねちっ♡♡♡

 

 

「お゙っ…♡ぐぅぅっ…ケっ…ケイ゛っ…そんなところ舐めないでぇ゛…♡♡」

 

 

アリスの舌で尿道をほじくり返すような執拗な亀頭責めをされながら、ケイの舌でに敏感になった肛門を責められた…

 

 

 

 

………

 

 

 

 

数分ではない。数十分でもない。

何時間もの間、その「寸止め地獄」は続いた。

射精の絶頂に達しようとする度にケイの指に締め上げられ、強制的に快楽の奈落へと引き戻される。そして再びアリスの激しいピストンによって絶頂へと登らされる。

無限に繰り返される搾精地獄(レベルドレイン)の拷問。

 

 

「はぁっ……♡ んちゅっ……♡ れろ……♡♡ 先生、汗だくでエッチです♡ ほら、水分補給(ポーション)ですよ♡」

 

 

アリスは時折、意識を手放しそうになる先生の口に自らの舌をねじ込み、催眠媚薬成分たっぷりの唾液を飲ませては、強制的に快楽の中へと引き戻す。

 

 

「んん゛ッ!? ♡♡やだっ、もう、やめてっ、休ませてぇっ♡♡」

 

 

「だーめーでーす♡ アリスのクエストは、先生が『自分から降伏する』まで終わらないんですから♡ ケイ、もっと先生を気持ちよくしてあげて!」

 

 

「あぁっ……ごめんなさい、ごめんなさい先生っ……!」

 

 

ケイの指が、先生の乳首をちぎれんばかりに摘み上げ、弾く。

 

 

「ん゛ぎぃ゛ ッッッ!!!?!♡ ぁあ…ッッ♡♡ ハァ〜ッッ♡♡ やだッ♡ もう、がまん、できないぃ゛ッ゛♡♡♡♡」

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

時間が経つにつれ、先生の喉は枯れ果て、声はかすれた喘ぎへと変わっていった。

視界は完全に白濁し、自分が誰で、どこにいるのかすらも曖昧になっていく。

ただひたすらに、下半身を焼き尽くす高熱と、背中から伝わる恋人の感触だけが、世界を支配していた。

 

 

(もう……だめだ……。これ以上は、本当に……壊れる……っ!)

 

 

ケイの柔らかい太腿に膝枕をされた状態で、上からはアリスの容赦ない騎乗位責めが続く。

快楽の濁流に完全に心を折られた先生は、ついに、最後の理性を手放した。

大人の男としての尊厳も、教師としての誇りも、全てを捨て去り、ボロボロと涙を流しながら、自分を犯し続ける小さな王女に向かって、かすれた声で哀願したのだ。

 

 

「…ぁ…リスぅ……っ♡ぉ…がい……っ♡…させて…♡」

 

 

先生の声に、アリスはピタリと腰の動きを止め、満面の、狂気に満ちた笑みを浮かべた。

 

 

「ん?♡ どうしましたか、先生?♡ 何か、アリスにお願いがあるんですか?♡」

 

 

「…ゎ…私の、おちんちんから、精子……アリスの…膣内(おまんこ)にぃ…しゃせぇ…させてくださひゃい……♡♡」

 

 

「やだっ…だめっ…先生……っ!!」

 

 

ケイの絶望の叫びが響く中、先生はメスのような顔で、涎を垂らしながらアリスに許しを乞うた。

完全に「攻略」が完了した瞬間だった。

 

 

「……ふふっ♡分りましたっ♡♡よく言えましたね、先生♡えらいです…♡」

 

 

アリスの赤いヘイローが、勝利の歓喜に激しく輝きを増す。

彼女は、見えないコンソールを操作し、ケイの指の拘束を解いた。

 

 

「いいですよ♡ アリスの奥の奥まで、先生の熱い特濃孕ませ本気汁(ドロップアイテム)…♡ぜぇ〜んぶ、ぶち撒けてっ♡♡♡アリスのお婿さんになってください…♡♡♡」

 

 

「い゛ぃぃぃっっ♡♡???ぐぅっ……♡♡♡…ん゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙っ♡♡♡♡ガクガクッ♡お゙ほっ♡お゙っ♡お゙〜〜っ♡♡」

 

 

自分自身で絶頂したと実感するのが遅れるほど…ケイの膝の上で身体を仰け反らせても逃がせない快楽が波状攻撃で先生に襲いかかる…

何時間も溜め込み続け、圧縮されきった情欲と精液が、火山の大噴火のように、アリスの子宮の最奥へと一気に解き放たれた。

 

 

「んんッ♡♡どろどろで……粘っこくて……あっつくて……っ♡♡……これ……アリスもイ゛ッッ……♡♡♡♡♡」

 

 

どくどくどくっ♡♡♡…どびゅるるっ♡びゅるるっ♡どびゅっ♡どるるっ♡どぷっ♡どぷっ♡どぷっ♡どぷっ♡♡♡

 

凄まじい勢いで注ぎ込まれる白濁の濁流。

アリスは身体をビクビクと痙攣させながら、膣内に溢れ返るその熱量を、一滴残らず貪欲に飲み込んでいく。

 

 

「あはっ♡♡たっぷり中出しされちゃいました…♡」先生の種、すっごく粘っこくてゼリーみたいに固まってるからなかなか出てこないですね…♡」

 

 

アリスの下腹部はまるで妊婦のようにぽっこりと膨らんでしまっている…

とろけた笑顔で、アリスは精気を完全に抜かれて白目を剥き、廃人のようにガクガクと痙攣する先生の胸にすり寄る。

そして、愛おしそうに、うっとりとその頬に自分の頬を擦り付けた。

 

 

「ふふっ♡涙まで流して可愛すぎて魅力999です♡れぇ〜♡ちゅる♡…うまっ♡これで先生は、完全にアリスのものですね♡」

 

 

「あ゛ぁ゛〜〜♡は ッ゛……♡♡は゛ぁっ……♡あ゛、ぁぁ……っ♡♡」

 

 

すべてを出し尽くしても快楽の余韻がまだ抜け切らないのか、だらしなく汚い喘ぎ声を漏らし続ける先生。

しかし、その薄れゆく意識の淵で、先生は最後の力を振り絞り、血の滲むような思いで口を開いた。

 

 

「ア、リス……私の、負けだ……私はもう、どうなってもいい……だから、お願い…」

 

 

「……ん? なんですか、先生?」

 

 

「ケイ……ケイだけでも……解放してやってくれ……っ!彼女は、関係ない……っ!」

 

 

かすれた声で、恋人の命乞いをする先生。

それを聞いたケイは、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら首を横に振る。

 

 

「だめっ、先生……! 私のことなんかいいから、先生だけでも逃げて……っ!」

 

 

二人の美しくも悲しい愛の絆。

しかし、それを目にしたアリスの口角と赤い瞳が、三日月の形に釣り上がる。

 

 

「……ケイだけを解放? ふふっ、先生は何もわかってないんですね」

 

 

「え……?」

 

 

アリスはゆっくりと立ち上がり、冷たい床に座り込むケイの前に立った。

 

 

「アリス、王女の権能でケイのステータスを見た時、見つけちゃったんです」

 

 

「……やめ、やめてアリスっ! 言わないで……っ!」

 

 

ケイが顔を青ざめさせ、自らの下腹部を両手で庇うように覆い隠す。

 

 

「ケイのデータの中に、先生との交尾で作られた『新しい命(データバグ)』がインストールされているのを」

 

 

「な……っ!?」

 

 

先生の心臓が、ドクンと嫌な音を立てて跳ねた。

 

 

「……ケイ、先生にも内緒にして、一人でこっそり赤ちゃんを作っていたんですね?ずるいです」

 

 

「ケイ……本当なのか……? 君のお腹に、私の……?」

 

 

「先生……っ、ごめんなさい……私……っ」

 

 

驚愕する先生を見下ろし、アリスはにっこりと笑って、究極の選択肢(ルートぶんき)を提示した。

 

 

「さあ、先生。選んでください」

 

 

「ケイの子供を見捨てて、ケイの素体だけを初期化(スクラップ)して解放するか。それとも……ケイの子供ごと、一生アリスの『奴隷従者』として消費される地獄のコンティニューを選ぶか」

 

 

「どっちがいいですか、先生?♡」

 

 

血のように赤いヘイローを明滅させるアリスの顔には、一片の曇りもない無邪気な笑みが浮かんでいた。しかし、その内側に渦巻くのは、愛する者をどこまでも追い詰め、逃げ道を全て塞いだ上で自らの手中に収めようとする、底知れぬ独占欲と狂気だ。

 

 

「あ……ぅっ……」

 

 

先生の口から、絶望のうめき声が漏れる。

視線の先では、ケイが自らの下腹部を両手で庇いながら、ボロボロと涙を流している。

機械である彼女に奇跡のように宿った、先生と彼女の愛の結晶。それを「バグデータ」と呼び捨てにし、消去するかどうかを先生に選ばせるというのだ。

 

 

「先生……っ! だめ、私のことなんか、この子なんか見捨てて……っ! 先生だけでも、逃げて……っ! このままじゃ、先生がアリスに殺されちゃうっ……!」

 

 

ケイが床にすがりつきながら、必死に訴えかける。

だが、先生にそんなことができるはずがなかった。ケイを見捨てることも、彼女のお腹に宿った小さな命を犠牲にすることも、教師として、そして一人の男として、絶対に選べるはずがない。

 

 

「……アリス」

 

 

かすれきった声で、先生はアリスを見上げた。

快楽耐性をゼロにされ、幾度もの強制的な絶頂によって脳の髄まで快楽に書き換えられた身体は、アリスの匂いを嗅ぐだけでビクビクと小刻みに震え、無意識の内に彼女の肌を求めてしまっている。

 

 

「私は……ケイも、そのお腹の子供も、見捨てられない……だから」

 

 

「だから?♡」

 

 

「ゎ…私が、君の……アリスの言うことを何でも聞く……奴隷に…なります…。性処理にでも…恋人にでも好きに使って…ください。だ…だから、二人には手を出さないで……っ」

 

 

土下座をするように這いつくばり、先生は屈辱の涙を流しながら懇願した。

それは、アリスの完全なる勝利を意味していた。

 

 

「やっぱり先生は優しいですね!勇者の予想通りの選択(ハッピーエンド)です!」

 

 

アリスは歓喜に顔を歪ませ、先生の顔を両手で包み込むと、その唇に深く、甘く、粘着質なキスを落とした。

 

 

「んちゅっ……♡ ぢゅぽっ……♡ れろ、れろれろぉっ……♡♡ んふっ♡」

 

 

催眠媚薬成分がたっぷり含まれた唾液が、再び先生の口内へと流し込まれる。

反抗する気力すら奪われた先生は、蕩けた顔でアリスの舌を受け入れ、ちゅぱちゅぱと音を立ててそれを吸い上げてしまう。

 

 

「ぷはっ……♡ ふふっ、でも先生、条件が少し違いますよ? アリスは『ケイの子供ごと、奴隷従者として消費される』って言いましたよね? つまり……」

 

 

アリスは赤い瞳を細め、ケイの方へと視線を向けた。

 

 

「先生だけじゃなくて、ケイも『アリスのメイド』として、これからずーっとアリスのお世話をしてもらうんです。もちろん、先生とアリスの性処理(きもちいいこと)のサポートを一生続けていただきます♡末長くよろしくお願いしますね♡」

 

 

「いいですよね、ケイ? 大好きな先生の命と、お腹の中の邪魔者(バグデータ)も助けてもらえるんですから♡ アリスの言うこと、何でも聞いてくれますよね?♡」

 

 

絶対的な強者(プレイヤー)としての宣告。

ケイは絶望に顔を青ざめさせながらも、先生の命と、お腹の子供を守るため、ゆっくりと、しかし確実に首を縦に振るしかなかった。

 

 

「……はい。アリス……王女。全てはあなたの、仰る通りに……」

 

 

「えへへっ♡さあ、これにてチュートリアルは完全終了です!これからは、みんなで、あま〜いエンドレス・ラブコメの始まりですね……♡」

 

 

アリスの狂気的な笑い声が、廃墟の空間を包み込んだ。

それが、一組の恋人(カップル)が尊厳を失い、王女の所有物(アイテム)へと堕ちた、記念すべき日の記録(セーブデータ)だった。

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

「あははっ! 先生、そこは右です! 右に隠し宝箱(アイテム)あります!」

 

 

「あーっ! もう、先生ったらまた同じ罠に引っかかってる! 貸して、私がクリアしてあげるから!」

 

 

放課後のミレニアムサイエンススクール、ゲーム開発部の部室。

モニターから流れる軽快な8ビットの電子音と、モモイやミドリの無邪気な笑い声が、平和な空間を満たしていた。

ほんの数日前、この場所で、あるいは「シャーレ」の執務室で、血も凍るような愛憎劇と狂気の略奪が行われていたなど、誰も信じないだろう。

モモイとミドリの目には、今日もいつもと変わらない、平和で楽しい「ゲーム開発部の日常」が映っているはずだった。

 

 

「ご、ごめんごめん。ちょっと操作が難しくてね……」

 

 

コントローラーを握る先生は、引きつったような愛想笑いを浮かべながら、必死に平常心を装っていた。

額からはじっとりと脂汗が滲み、コントローラーを握る指先は、誰にも気づかれないように微かに、しかし確実に震えている。

 

 

「先生? 大丈夫ですか? なんだか顔色が悪いみたいですけど……」

 

 

「ひゃっ!? あ、ああ、大丈夫だよミドリ。ちょっと、寝不足なだけだから……っ」

 

 

ミドリが心配そうに覗き込んでくるが、先生は慌てて顔を背けた。

なぜなら今、先生の『膝の上』には、ちょこんと可愛らしく座り込んでいる少女──天童アリスがいるからだ。

アリスは、先生の首に背中を預けながら、手元の携帯型ゲーム機に夢中になっているように見える。

しかし、彼女が操作しているのは、ゲームのキャラクターではない。

先生のズボンの中、さらにその奥。

脆弱な男の急所である『尿道』の奥深くに、アリスの端末と完全に同期された、極小の電磁バイブレータープラグが深々と挿入されていた。

 

ぶぶぶっ♡にゅぷぷぷ♡♡♡ぬ゙っぬ゙っ♡

 

アリスが手元のボタンを一つ押すたびに、プラグが凶悪な振動音を立てて尿道粘膜を直接削り、前立腺を内側から容赦なく打突する。

 

 

「んんっ……! ぐ、くぅっ……!」

 

 

「ふふっ♡ 先生、このボス、すっごく手強いですね。もっと連続攻撃(コンボ)を叩き込まないと、倒せませんよ?♡」

 

 

アリスは、ミドリたちにはゲームの話をしているように装いながら、先生にだけ聞こえる甘い声で囁き、端末の『振動レベル』を一段階引き上げた。

 

 

にちゅにちゅ♡♡♡ぶぶぶぶぶぶぅぅ…♡

 

「ん゛ぎぃッッ!? ぁ、あ゛ッ……♡♡」

 

 

「えっ? 先生、今変な声出さなかった?」

 

 

モモイが不思議そうに振り返る。

先生はビクンッ!と腰を跳ねさせ、コントローラーを取り落としそうになりながらも、必死に歯を食いしばって首を横に振った。

 

 

「な、なんでもないっ! 敵の攻撃を食らって、思わず声が出ちゃっただけだよ、ははは……っ」

 

 

「もー、先生ったらゲーム下手すぎ! ほら、私が手本見せてあげるから貸して!」

 

 

「あ、ああ……お願い、するよ……っ」

 

 

冷や汗でぐっしょりと濡れた顔を手で覆いながら、先生は地獄のような快楽に耐えていた。

尿道の奥で暴れ狂う振動は、魔法耐性をゼロにされた先生の脳髄を直接揺らし、今すぐにでも獣のように床を転げ回って喘ぎ声を上げたい衝動に駆り立てる。

そんな先生の耳元で、アリスが背中越しにそっとすり寄り、悪魔の囁きを落とした。

 

 

「先生ぇ……♡ おちんちんの奥、すっごくビクビク脈打ってますよ?♡ みんなの前で、おしっこみたいにお精子(アイテム)おもらししちゃいそうですか?♡」

 

 

「あ゛っ……♡ やめ……アリス、お願いだ……みんなが、見て……っ♡」

 

 

先生が涙目で懇願した、その時だった。

 

 

「……先生は、少しお疲れのようですね。アリス、先生を医務室へお連れしなさい」

 

 

部室の隅にいたケイが、無機質で感情のない声で告げた。

その瞳には、かつてのような鋭い理知の光はなく、深い絶望と諦観に淀んでいる。

 

 

「あ、はい! ケイの言う通りですね! 先生、保健室への回復クエストに出発です!」

 

 

「あ、待ってよアリス! 私も一緒に行く……」

 

 

「だーめーでーす! ここは勇者と先生(マスコット)の二人用イベントですから! モモイとミドリは、そこでセーブデータの管理をしていてください!」

 

 

アリスはモモイの制止を明るい笑顔で遮ると、先生の腕を強引に引き、有無を言わさず部室の外へと連れ出した。

扉が閉まる直前、先生が最後に見たのは、静かに洗浄液(なみだ)をこぼすケイの姿だった。

 

 

「はぁっ……はぁっ……あ、アリス……っ♡もう、限界だ……プラグ、抜いてくれ……っ♡」

 

 

部室から遠く離れた、旧校舎の使われていない空き教室。

誰も来ないその閉鎖空間に入り、鍵をかけた瞬間、先生は床に膝から崩れ落ちた。

 

 

「ふふっ♡ 先生、お疲れ様です。……回復イベントの前に、まずは邪魔な装備(アイテム)、ぜーんぶパージしてくださいね♡」

 

 

アリスの声から、先程までの明るい「勇者」のトーンが消え去る。

冷酷で、嗜虐的で、そして底知れぬ独占欲に満ちた「王女」の絶対的な命令。

先生は抵抗する素振りすら見せず、震える手で自らのワイシャツのボタンを外し、ネクタイを解き、ズボンと下着を床へと脱ぎ捨てた。

 

 

「……はい、よくできました♡」

 

 

全裸になり、冷たい床の上で恥辱に身を震わせる先生。

その下腹部、僅かに筋肉のついた恥骨のすぐ上の肌には、黒々とした『バーコード』のタトゥーが深く刻み込まれていた。

アリスが自らの端末をかざし、そのバーコードをスキャンする。

 

 

『ピピッ』

 

 

無機質な電子音と共に、アリスの端末の画面、そして空中に展開されたホログラムウィンドウに、鮮赤色の文字が浮かび上がった。

 

 

『【登録名】:王女勇者(アリス)様専用の性奴隷です♡』

 

『【ステータス】:調教済♡ 快楽耐性ゼロ♡』

 

『【現在のクエスト】:アリス様のお世継ぎ(セーブデータ)を作るためにがんばってます♡』

 

「あ、ぁぁっ……♡」

 

 

自らの尊厳を完全に否定するその文字列を見せつけられ、先生は恥辱と、それに相反する被虐的な快感に脳を焼かれ、甘い吐息を漏らした。

アリスの所有物であるという絶対的な証明。

それが、今の先生にとっての唯一の存在意義となっていた。

 

 

「あはっ♡ 先生、自分のステータス画面を見て、またおちんちんが硬くなっちゃいましたね♡クエストのためにナノマシンでおちんちん長くなった分、前よりも敏感になってしまいましたけど♡」

 

 

アリスの視線が、先生の股間へと注がれる。

そこには、先程まで部室で先生を苛み続けていたピンク色のケーブルが、尿道口からだらしなく垂れ下がっていた。

 

 

「それじゃあ、ご褒美に……出力最大(ハードモード)にしてあげますね♡」

 

 

「えっ……? ま、待って、アリス、それはっ──!」

 

 

ブギュゥゥゥゥゥンッッッ!!!!!

 

「ん゛ぎぃ゛ ッッッ!!!?!??♡♡♡ ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!♡♡♡」

 

 

アリスが端末のゲージを最大までスワイプした瞬間、尿道の奥に突き刺さったプラグが、狂ったような速度で回転と振動を始めた。

粘膜が焼け焦げるような錯覚と、前立腺をドリルで抉られるような規格外の快楽。

先生は白目を剥き、よだれを撒き散らしながら床をのたうち回った。

 

 

「あははははっ!♡ 先生、すごいっ、お魚みたいにビチビチ跳ねてますぅっ!♡ おちんちんの先から、我慢汁がいっぱい吹き出してますよぉっ!♡」

 

 

「あ゛ッ♡ ぁあ゛ッ♡ アリスぅっ、ゆるしっ、ゆるしてぇっ♡ 脳みそ、脳みそとけちゃうぅっ♡♡ プラグ、やめてぇっ♡♡」

 

 

「振動を止めてほしければ……何をすればいいか、調教済みの先生なら、もちろん分かりますよね?♡」

 

 

アリスは冷たい床に座り込み、自らの黒い下着の股布を横にずらした。

そこからは、すでに発情しきってテカテカと光る、蜜の滴る極上の秘裂が露わになっている。

それを見た瞬間。

先生の身体は、完全に自立神経を無視して動き出した。

みっともなくゆっくり、とガニ股に股を開く。

そして、尿道にプラグを突き刺したまま、勃起しきった男根をブラブラと揺らしながら、自らの腰を前後に激しく振り始めたのだ。

 

 

「あ、あぁっ……♡お、お嫁さんの、アリスにぃ……種付けしたくてっ♡子宮に、子種をぶちまけたくて、タマタマうずうずしてますぅっ……♡♡だから、おねがいっ、おねがいしますぅっ♡プラグ抜いて種付させてくださいぃっ♡♡」

 

 

「ふふっ♡すっごく下品で、とっても可愛い勇者専用の踊り子ジョブも似合ってますよっ♡」

 

 

アリスは満足げに手を叩き、端末の操作で尿道プラグの振動をピタリと止めた。

 

 

「でも、先生。……忘れないでくださいね。先生がこうやってアリスに媚びを売って、精子を搾り取られなきゃいけない『本当の理由』を」

 

 

アリスの赤い瞳が、スッと細められ、氷のような冷たさを帯びた。

その言葉に、先生の胸の奥が、ギリリと締め付けられる。

忘れるはずがない。

あの敗北の日、アリスが提示した、もう一つの残酷な条件。

アリスの温情によって、ケイと、ケイのお腹に宿った子供の「命」自体は奪われなかった。

しかし、ケイの子宮は、王女アリスの絶対的な権能(プロトコル)による干渉を受け、完全に『機能停止状態(フリーズ)』にされているのだ。

細胞分裂すら止まり、時間が凍りついたお腹の中で、ケイの子供は産まれることも、育つことも許されず、ただ暗闇の中で停滞し続けている。

 

 

『ケイのバグデータ(子供)の進行(ロード)を再開する条件はたった一つです』

 

 

あの日、アリスは絶対的な勝者の笑顔で告げた。

 

 

『先生が、アリスのお腹の中にも種を仕込むこと。アリスを妊娠させることができたら、ケイの子宮のフリーズも解除してあげます』

 

 

アリスに媚びを売り、彼女の快楽の道具として生きることを、産まれる前から義務付けられた、ケイの可哀想な命。

その小さな命を救うためには、先生はアリスの性欲が溜まる度にこうして必死で交尾をせがみ、彼女の胎内に己の全てを注ぎ込み続けるしかなかった。

 

 

「……わかってる。わかっているよ、アリス……っ」

 

 

先生は、自らの恥辱と罪悪感を噛み殺し、さらに腰を深く落としてアリスの足元へとすり寄った。

 

 

「だから……っ、私を使って。アリス様のお腹が、私の子でいっぱいになるまで……何度でも、何時間でも、犯してください……っ♡」

 

 

「あはっ♡ 先生、すごくいい顔です♡ それじゃあ……お待ちかねの、本番交尾(メインクエスト)を開始しましょうっ!♡アリスとの幸せな結婚生活(ぼうけん)はこれからですよっ!♡」

 

 

 




ケイちゃんのヤンデレはもう飽きた
これからはヤンデレアリスちゃんに先生を寝取られるケイちゃんの時代なんだよゲスヤロー

嫉妬で反転したアリスちゃんのイメージイラスト↓
https://www.pixiv.net/artworks/147400792

次に見たいのを選ばせてやる いけーっ

  • 雛鳥組のおもちゃにされる先生
  • 海で水着ルミの夜ご飯にされる先生
  • 性欲の溜まったリオ会長と性処理する先生
  • 擬似科学部の催眠で顧問兼旦那様になる先生
  • 万魔殿のおもちゃにされるヒナの恋人先生
  • スバルと一緒にアリウスで性教育する話
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