気まぐれ投稿です。よければお付き合いください。
呪渦-1
──斎賀の家は呪われている。それは遥か昔より人の上に立ち、人を支配する立場にあり続けたことにより買い重なった怨念の具現化。その血を恥ずかしめんとするかくも壮絶な呪いは、バーチャルなリアリティが世を席巻する現代も尚、続いているのである。
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例えば、容姿端麗・成績優秀・しかも何よりの趣味を共有できる素晴らしい友人から積年の思いを真っ赤な顔でぶちまけられ、付き合うに至ったとする。自分も同じだけの気持ちがあるかはわからないけれど、少なくとも応えたいと思えるくらいには好ましく思っていて、それもつぶさに伝えていたとする。ゲームの中だけでなくリアルでも共にする時間を増やし、身体的接触も少なからずある。なのに一向に"先"に進める気配がないのは何故なのだろうか──。
一世を風靡したクソゲーマーサンラク(受験勉強中)こと陽務楽郎は、自分のことを性に淡白な方だと認識していた。昔から同級生からオナニーの頻度やオカズへの熱意を聞くたびに「俺はこの熱意をゲームに吸われてるんだなぁ」としみじみ思ったりしたものだ。ピザ留学しかり、スペクリしかり、ひん曲がってしまう心当たりがあるだけにティーンエイジャーの癖して自分の性欲が迷子になっているのを痛感する。そんな残念な青年が陽務楽郎だったのだが。
高校三年生を迎える前の麗らかな春の日、晴れて友人斎賀玲と付き合い出してから、楽郎は自分も人並みの欲求を持っていることを深〜く理解することになった。自分にだけ向けられる笑顔、自分にだけ許される距離、自分だけ知る熱、積み重なっていく経験が楽郎をただのクソゲーフリークから人間味のあるクソゲーフリークへと変えてくれた。だから、この先に進んでみたいと極自然に思えたのだ。玲さんもそう思ってくれていると感じていた。勘違いではないと思っていた。斎賀邸、玲さんの部屋でふたりきり。周りは気をつかって人払いがされていて、それはまさに絶好のチャンスだったというのに。
玲さんから突き付けられた答えは、NOだった。
それもただのNOではなく、したいけど、できない、という世にも不思議な返事だった。玲さんはその綺麗な顔を歪め、何よりも悲しそうに、苦しそうに俯きながら口を開き。
想定解から宇宙圏に外れた、とんでもないことを口にした。
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斎賀の家は呪われています。古くから、多くの人を切り捨て、取り立て、使う立場にあった斎賀の家は数多の恨みを買ってきました。それは弱きもの、強きもの、時には女子供を問わず為されました。深い深い恨みの念、それは幾世代も積み重なり、やがてそれが一族に知れる頃には取り返しのつかない規模になっていました。
これは隠し通すべき恥。浅ましく、醜く、そして愚かに変えてしまう呪い。強さを得れば抑えることも可能ですが、私にはそれができなかった。どころか、他の家族より呪いの影響が大きく出てしまっているのです。
嗚呼、つらつらと無駄口を叩いても仕方ありません。有り体に、結論を申し上げます。
私は、淫魔なのです。……どうか血の呪いを抑えられない弱い私を許してください。
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「……ぱーどぅん?」
要するに楽郎×サキュバス玲さんです。