現役ファッションモデルが公衆トイレの個室でエロ下着脱糞ライブ配信する話。 作:鬼金目なむか
帰宅前のより道。この後の予定を思って、ヒールが歩道を打つ音が小気味よく響く。
向かうのは駅前の人通りを外れた、小さな公園。
昼間は家族連れの笑い声が聞こえるその場所に、夜はひっそりとした静寂が訪れる。
公園の治安、公衆トイレの場所、音の響き方、照明の角度──すべては、チェック済み。
薄暗いが、街頭や周辺の住居の窓明かりのおかげで、不安はない。
大小の滑り台に、フェンスで囲まれた砂場、ジャングルジム。
いたって普通の公園だったが、その敷地を前に脚が止まる。
夜の静けさがうるさい。急き立てるように鼓動が早まる。撮影に入る前よりもずっと。
ミカは、胸を反らして深呼吸する。ゆるめのシルエットのシャツが豊かなバストを支点にピンと張る。中に着込んだあの「衣装」が身体に食い込み、禁忌を犯す後ろめたい興奮が、下腹のあたりでズクズクと蠢いた。
ふっ、と呼気をひとつ吐き、ミカは恋人が待つ愛の巣へ向かうように頬を上気させながら──公衆トイレへ向かった。
◆
公園の木々の隙間から、夜の風がタイトスカートの裾を揺らし、極めて無防備なその中身をくすぐる。
ミカの足取りはどこか軽やかで、抑えきれない興奮がその背筋をピンと伸ばしていた。
誰もいない公園の片隅。古びた公衆トイレに辿りつく。
レンガ調の外観。女性用マークの入り口をくぐると、消臭剤の科学臭が鼻孔に届いた。
一番奥の個室に入ると、今どき珍しい和式便器が白色光を照り返す。
和式便器は、スカートや下着を降ろして足を広げてしゃがみこまなくてはいけない不便から、普段は利用しない。だが、そんな過去の遺物ともいえる白磁の上こそが、今夜の格好の舞台だった。
個室の扉を閉め、カチリと鍵をかける。
誰にも邪魔されない場所。わずかな緊張と、昂るような解放感。
ミカはバッグをドアフックに吊るすと、準備に取りかかる。
まず、スマホを取出し、フレキシブル式の保持アームで便器前面の水洗レバー付近に固定する。
インカメラをオンにすると、ミカは和式便器に跨がり用を足すときのようにしゃがみ込み、自分の上半身が画面に収まることを確認する。とくに目元と胸元にピントが合うよう微調整。
次に取り出したのはスマホとBluetooth接続可能な小型カメラ。手のひら包めるサイズのそれを、小さな三点スタンドを使い便器後部、床スレスレに固定した。
スマホ側で無線接続してやると、小型カメラの映像がミカの臀部を大きく映す。
しゃがみ姿勢でテンションがかかったタイトスカートは、張りのあるヒップの形を浮かび上がらせている。
「ふふ……画角も、露光もばっちり。さて…………」
機材の準備ができた。ミカの鼓動がトクトクと駆け出す。
これから彼女は「生配信」をする。匿名で顔も隠して。開放された自分をファンに見せつける。
外も中も磨きぬいた身体やモデルとしての立ち振る舞いは、そのままミカのアイデンティティであり誇りだ。だからこそ、どこまでの恥辱にその輝きが耐えられるか、確かめずにいられない。
好奇心や探究心なんて立派なものじゃない。ただの変態性癖であると、ミカは自覚している。
カメラのセッティングを終えたミカは、立ち上がると、目をつむる。
アーク灯がジジジと囀る。公園の樹木が葉を鳴らす。感覚が鋭敏になっている。
水カビの臭い、ヒールに押し込まれた爪先の圧迫感、唇の湿り気、ピアスの重み──そういったものを感じ、「私という人間が生きて今ここにいる」というリアルに意識を向ける。
それから、ふぅ……と、ひと呼吸。
これからモデルとしての自分を脱ぎ捨てる。その儀式のように。
これから汚れる人間がどんな人間であるか確かめるように。
まずはシャツのボタンを上から外してゆく。鎖骨が浮いた華奢なデコルテが電灯の青白い光に艶を返す。
しかしその下はふっくらと隆起していて、仕事にはむしろ邪魔なボリュームが谷間を作る。
体型を維持するためにトレーニングは欠かさないようにしているが、隙のないスタイルを持つミカの唯一自由にならない部分。学生のころからどんどん実って、締まった肉体からアンバランスに突出する柔らかな肉の塊。
さらにボタンを外し、全容を見せたのは、ほとんど裸の乳房だった。
着込んできた極小ランジェリーのトップは、乳輪がギリギリ隠れる程度の心許ない三角の白い布。
撮影のときと違い補正の締め付けから解放された豊乳は、ミカの呼吸にあわせてふよふよとスライムのように震える。バストトップを支点に肩と脇の下に向かって伸びるストラップが青白く照らされた脂肪に食い込み、ストイックな彼女には似つかわしくないだらしない陰影を生む。
スマホのインカメラの映像をチェック。
シャツの締め付けから解き放たれた大ぶりな柔肉は、あまりにも頼りない紐と布によって下品に歪む。スマホの映像はミカの整った顔立ちとその下に揺れるいびつな双丘を映していた。
「……はは、仕事じゃ絶対ありえない形してる」
愛撫するように下側からたぷたぷと揺らす。他人事のように淫靡な肉を弄ぶ愉悦に、スマホ画面に映る顔がぺろりと唇を舐める。
続いて、ミカはタイトスカートの留め具を外すと、すとん──と脱ぎ去った。
引き締まった健康的な脚線が露わになる。
たるみの無い太もも、それでいて筋張った凹凸も無いモデルの脚。ガードルで留めた白いストッキングに覆われたそれは、公衆トイレの照明が照らすにはもったいないほどのプロフェッショナルな造形美。
そして美脚の付け根にも、頼りない白い布が貼り付いていた。
腰骨あたりで結んだストラップが真っ直ぐ股間に伸びて交わる場所──そこにある極小の布が、マネキンのようにつるんと整えられたヴァギナをかろうじて包みこんでいる。
クロッチ加工もない薄手のそれは、女の穴こそ隠しているものの割れ目の形がくっきり浮き上がっていた。わずかに入った縦皺。その少し上、布のたわみのようにも見える突起。
布のフィットを直そうとして指先でそのたわみにそっと触れる。それが本当にただのたわみか、中身があるのか確かめるように。
「んっ……ゔ♡」
不意に鼻から息が漏れる。甘いしびれがビリッ──と広がる。
──ふふっ、もうこんなに……♡
口の中で蕩けた笑いを転がす。ミカは長い指をさらに這わせる。滑らかな手の甲に血管が浮かぶ。
割れ目の部分はすっかり水気を吸っている。
──にち。
押して、離すと昂ぶりを音で返してくる。
「ぁふ……♡」
狭い個室の空気だけ揺らす程度に抑えた声には、しかし押し込めた分だけ熱が乗る。
靴にストッキング、それを支えるガーター、そして純白の紐と大事な部分に貼り付いたわずかな布。
ほぼ全裸となったミカは、再び用を足すときのようなしゃがみ姿勢を取ると、水洗レバーに固定したスマホを確認する。
前方から見下ろす画角のカメラには、ミカの顔と乳房が大写しになり、股間までは見えない。確認するのは、もうひとつのカメラ映像。
スマホを操作し、便器の真後ろ、床すれすれに設置したカメラの映像を確認する。
そこには和式便器にまたがるミカの、芸術的な曲線を描くヒップが映されていた。
シミひとつなく、十代のようにぷりんっと張りのある自慢のお尻。腰の両サイドから中心にかけて縦断する白いストラップが、それをモデルの商売道具ではなく見る者の劣情を催す淫靡な肉塊として彩っていた。
バックカメラが映すのはそれだけではない。最も肝心な部分。ストラップが交わるところ。そこには、
──布がなかった。
フロントを隠す小さな布は、鼠径部で切れており、ミカのその肛門を一切隠すことなく、むしろ四角く囲んで強調していた。
「はぁ♡ エッロぉ…………」
熱い吐息を吐くと、肛門も同意するようにひくっと蠢く。
今夜、これから、これを見せる。その先も……
ミカは鏡もない個室の中で、バッグの中からコンパクトを取り出して自分の顔を確認した。
メイクはモデル撮影のまま。濃すぎず、でも十分に映えるように整えられている。
顔バレ防止のためマスクを口元にかけ、長い髪をざっとかき上げて、ゴムで一つに結ぶ。念のため、アイシャドウと眉尻を少し濃く塗り直す。雑誌と同じアイメイクだと、万が一もある。
コンパクトを仕舞うと、いよいよだ。
鼓動はずっと早鐘を打っている。股間の布は既に決壊寸前までとろみを吸っていた。
配信用アプリを起動し、チャンネル設定を確認。
前後に設置したカメラ映像のプレビューも確認する。
知り合いに絶対見せられない自分の姿がそこに映っているのを見ると、背筋にゾクリとした快感が走った。つうと汗が背筋を伝って、尻肉の間に流れ込むとすぼまりを潤して準備を整えた。
小さな効果音とともに、配信がスタートする。
まだ声は発さず。
ただ、画面の中で静かに呼吸を整えるミカの姿が、二つの視点から全世界へと流れ出した。
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エロかったしストーリーも良かった!
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ストーリーはともかく、エロかった。
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ストーリーは良かったが、エロくなかった。