※この作品はR-18です。

女勇者が魔王を倒したらドスケベ本性が現れた〜異種姦行脚日誌   作:ぶらっくさゆ

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第12話:最も深き迷宮の奥で、聖女は触手に弄ばされる(★)

「我が護衛はここ迄だ。

ここから先は魔王様の領域、入ることはかなわぬ」

 

深い海底の共鳴のようなアズールの声が響く、遠くに島の輪郭が見えてきたのだ。

その声音には威厳がありながらも、どこか淡い情感が滲んでいる。

巨躯がわずかに身を沈め、触腕が水面を撫でるように引いていくと、海はすぐにその存在を呑み込み、波紋だけが残された。

 

海は、闇そのものに溶け込んでいた。

波ひとつ立たず、風もなく、ただ湿った塩の匂いだけが夜気の中に漂っている。

アズールの巨体が水面を割り、触腕がわずかに揺らめいたとき――静寂は、わずかに震えた。

 

「……一つ、聞かねばならぬ」

 

触腕の奥で、蒼白い単眼がゆっくりとミーシャを見据える。

その眼差しには、支配者としての迫力と、ほんのわずかに混じる「確認」という色があった。

 

「──魔王様は……生きているのだな?」

 

海が、息を止めた。

周囲に並ぶ魚人たちの鰓が、ぴたりと動きを止める。

ミーシャは視線を受け止めるように静かに微笑み、頷いた。

 

「ええ、生きています。

正確には滅びたのは単なる現身でした。

あなたの主は、まだこの孤島の奥で……息づいておられます」

 

その一言は、静寂を切り裂く刃のように、海を貫いた。

魚人たちがざわめく。

深い鰓音が波に染み込み、押し殺した歓声のように水面を震わせた。

アズールの単眼が、僅かに細められる、彼女の赴く意図――真の魔王すら癒しに赴く――を悟ったのだ。

 

「……そうか。ではまた会おう」

 

低く、胸郭を震わせるような声音が夜の海を撫でた。

巨体がゆっくりと身を翻す。

海の深みに沈み込む直前、アズールが一瞬だけ、言い淀んだ。

 

「……ええと……その……」

 

巨大な触腕が、ぎこちなく揺れる。

支配者らしからぬ、奇妙な沈黙が夜に生まれた。

 

「……先ほどの交わり……一度きりで済ませてしまったのは……悪かった」

 

言葉はあくまで威厳ある声なのに、わずかに焦りが混じっている。

触腕の一部が、まるで視線を逸らすように水面を掻いた。

 

「こんど会った時には……も、もっと……その……っ」

 

王が言葉を詰まらせる。

その様子に、護衛として控えていた魚人の一人が、思わず小さく喉を鳴らした。

それは咳払いではなく――アズールの言葉がツボに刺さった、あまりにも人間くさい声だった。

 

「……っ!」

 

横目でにらまれ、魚人は慌てて背筋を伸ばす。

だが鰓の辺りがわずかに震えている。

笑いを堪えている証拠だった。

 

ミーシャはくすりと笑った。

その笑みは海面に淡く映り、波紋のように広がっていく。

 

「ええ。次にお会いする時は……もっと素敵な時間にいたしましょう」

 

その答えに、アズールの単眼がわずかに光を増した。

触腕が再び闇の海へと沈んでいき、その巨体も、やがて深淵に呑まれて姿を消した。

 

波は再び静まり返り、夜が戻る。

残されたのは、ひとり、海の上に立つミーシャの姿だけ。

月光が裾を照らし、鏡のような海面に道を描いていた。

 

「……ここからは、私の役目ですね」

 

囁きとともに、彼女は闇の孤島へ向けて歩き出す。

足元に波紋も残さず、まるで夜そのものを踏んでいくように――

 

◆

 

島に上陸して中心へと進むと、海霧の奥から巨大な影が浮かび上がる。

円環状に広がる断崖の中央に、ぽっかりと口を開けた巨大な穴――それは深淵への門だった。

周囲を囲うのは、崩れかけた石造りの回廊と、かつては荘厳であっただろう尖塔の残骸。

古代の意匠が刻まれた柱には、潮と風に削られながらも、不思議な文様がかすかに残っている。

 

霧と夜気に覆われた遺跡は、息を潜めた生き物のようにただ沈黙していた。

風が吹くたび、石壁の隙間から低い笛のような音が鳴り、どこからともなく湿った空気が吹き上がる。

深淵の底からは、見えない何かがじっとこちらを窺っているような、濃密な圧が漂っていた。

 

穴の縁に近づくと、足元の石畳が湿っているのに気づく。

水ではない。黒い、ぬるりとした膜のようなものが染み込んでいて、踏むたびにぐち、と小さな音を立てた。

下を覗き込むと、底は見えない。

星明かりすら届かず、光が飲み込まれるように消えていく。

 

ミーシャは裾を整え、静かに息を整える。

やがて、彼女は一歩、深淵の縁を越える。

霧が静かに揺れ、音のない闇がその身を包み込んでいった。

 

ミーシャは深淵の縁を越え、暗い通路の中へと足を踏み入れた。

途端に、外の夜気とはまったく異なる湿った冷気が肌を撫でる。

空気は淀んでいるはずなのに、まるで息をしているかのようにかすかに脈動していた。

 

壁は黒曜石に似た滑らかな石で形づくられ、うっすらと青白い光が脈のように走っている。

照明らしきものはない。

だが、闇の中を進むたびに、壁の光が彼女の歩調と呼応するように点滅し、まるで遺跡そのものが侵入者の存在を感じ取っているようだった。

 

足元の床は、薄い水膜に覆われている。

踏むたびにしとりと冷たい音が響き、石と水の匂いが肺の奥を満たしていく。

上空は高く、天井は闇に溶けて見えない。

どこか遠くで、滴る水の音がこつり、と一定の間隔で響いていた。

 

しばらく進むと、通路は広い石のホールへと開けた。

円形の大広間。

中央には深い紋様を刻んだ石盤があり、床一面には幾何学的な魔術陣が刻まれている。

長い時の流れで摩耗しているはずなのに、その線は不気味なほどくっきりと輝きを帯びていた。

 

四方の壁には柱が等間隔に並び、それぞれに見知らぬ神代文字のような文様が浮かんでいる。

触れずとも肌がひりつくような圧を放ち、わずかに足を踏み出すたび、空気が重く沈む。

 

ミーシャはそっと振り返る。

背後の通路は、先ほどまでの闇と異なり、まるで水面のようにゆらりと歪んでいた。

一歩でも戻れば、その先に戻れる保証はないと直感で悟る。

 

彼女は一歩、広間へと踏み込んだ。

床に刻まれた魔術陣がじわりと光を増す。

その光は穏やかな明かりではなく、まるで古代の機構が起動したことを告げる信号のようだった。

 

◆

 

「……っ」

 

かすかな震動が足元を這い上がってくる。

空気が、まるで何千年も閉ざされていた扉を開いたときのように、低く唸った。

 

その瞬間だった。

 

背後の通路が、まるで液体が固まるように音もなく閉ざされる。

壁が波打つように形を変え、つい先ほどまで開いていた出入口は黒い石の一枚壁と化した。

わずかに残された水滴が、通路の名残を示すかのようにぽたり、と床に落ちて消える。

 

「ふふ……魔王さま。あなたも私に会いたいと? 相思相愛ですね」

 

 

同時に――

大広間全体に、石と石が擦れ合うような重低音が響き渡った。

 

ミーシャが顔を見渡すと、壁の闇がずるりと動いた。

そこには、巨大な岩の板が、石の支柱から切り離され、ゆっくりと狭まりだしてきた。

わずかに風が渦を巻き、床の砂埃が吹き上がる。

 

壁が押し潰しにくる。

部屋全体を巨大な石棺のように変え、内部を何もかも平らに圧し潰す仕掛けだ。

床に刻まれた魔術陣は、まるでそれを喜ぶかのように光を強め、円の中心に向かって収束していく。

 

冷たい風が頬を撫でる。

左右の壁の距離はじりじりと狭まり、空気が圧縮されるような感覚が広間全体を満たしていく。

 

「あぁ……少々古典的ですが、熱烈な歓迎嬉しいです」

 

メイド服のスカートの裾をぎゅっと握りしめる。

指の関節が白くなるほど強く。

その手は微かに震えている―――悦びで。

 

ほどなくして、最初の衝撃が来た。

まず変化があったのは胸部だ。

メイド服の布地が肋骨の凹凸を歪ませながら引き伸ばされ始めた。

ミーシャの小ぶりな乳房が平たく潰され、生地越しに乳頭が潰れた形状がくっきりと浮かび上がる。

 

「ひぃっ!? あぁっ……! いいですわぁ……こんなに……!?」

 

背中側の壁が肩甲骨を押し込み始めると同時に、対向する壁は腹腔へ猛然と殺到した。

 

「おごぉっ!!」

 

太く鈍い呻きが漏れる。

腹部が猛烈な勢いで凹むと同時に布地が破け、小ぶりな胸元の素肌が露わになった。

茶色い乳首が圧力で左へ引き歪み、小ぶりな乳房全体がぺしゃんこになる。

 

「あ゛あ゛あ゛……ッ!?」

 

声帯が圧迫され濁った声が喉から絞り出される。

 

壁の力が上がり激しい衝突音を伴いながら圧力が加わる。

メイド服の下半身部分の布地が裂け始める。

露わになった股間部からは大量の透明な液体が噴出し始めた。

 

「う゛ぐぅっ……!! しゅごっ……い゛ぃいぃいいっ!!!」

 

内臓が潰れる嫌な音が体内で連続する。

まず胃袋が圧壊し内容物が食道を逆流しかけた。

それを舌の上で必死に堪えるミーシャの口の端から粘り気のある涎が糸を引く。

 

「ん゛お゛お゛お゛っ……!! だめぇっ……うんち……漏れちゃい……ますっ……!」

 

同時に腸管が押し合いへし合い暴れ出し尻穴が大きく開き切った。

そこからもどろりとした腸液混じりの糞便が滲み出す。

 

下半身の圧迫はさらに凄まじい。

太ももが完全に平たく圧着され肉が潰れて骨盤がひしゃげた瞬間。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーッ!! これですぅ!! この痛みぃいっ!!」

 

ミーシャは全身を貫く凄絶な快感に絶叫した。

膣と子宮が最大限収縮し陰毛が絡まり合った秘所から濃厚な愛液が噴水のように迸る。

 

そして決定的な破砕音が遺跡内部に響き渡った。

脊柱が砕けたのだ。

 

「お゛……っ……お゛……ごっ……!?」

 

ミーシャの頭蓋が圧迫によりにひび割れ、眼球が裏返りかけた。

脳幹が潰れる音が響く刹那――壁が完全に閉じ、石の隙間から赤黒い肉片が溢れ出した。

 

◆

 

壁が再びゆっくりと開く。

その間にあったのはもはや人間だった痕跡もない薄っぺらい肉の絨毯だった。

クラシカルメイド服は、原型を留めぬほど引き裂かれ布切れが肉に貼り付いている。

 

小ぶりだった乳房は平たく潰され赤い肉塊と化し、乳首と思しき肉の突起が潰れ曲がっていた。

 

腰骨から下は完全に圧着されており、茶色い陰毛がべったりと貼り付き薄汚れた肉のシートを形成している。

股間部の筋肉や血管は無残に断面を見せつけ、腸の破れた部分から黄土色の汚物が溢れ出している。

 

平たい腹部からは潰れた臓器が肉の隙間から溢れ出し、地面に薄く広がっていた。

特に消化器官は悲惨な状態で胆嚢や胃袋から胆汁と胃液が混ざった黄色い液体を撒き散らし悪臭を放っている。

 

顔面は潰れ眼球が飛び出し、鼻腔と口腔から血泡が溢れ出ていた。

頭蓋は煎餅状態と化し、中に入っていた脳は形を成さずクリーム状になって、割れた頭蓋骨の隙間から流れ落ちている。

その凄惨な肉の残骸の中央で……潰れた顔面の口元に当たる部分がかすかに動く。

 

「……ん……とても……素敵でした……」

 

潰れた口から絞り出される悦びの声。

壁による極限の圧迫は、ミーシャにとっては究極のオーガニズムだった。

そのミーシャの感想が、再生の合図となった。

 

まず胸の辺りから薄いピンク色の肉がぷるりと膨れ上がり始める。

乳房が再生し始めると同時に裂けた股間部の肉が盛り上がり始め陰毛が新たに生え始めた。

茶色い陰毛が肉の隙間から一本一本立ち上がり薄汚れた肉のシートを覆い尽くしていく。

 

内臓の断面からは、臓器が形成され始めていた。

赤黒い新しい腸管が形成され排泄物を吸収しながら新たな腸へと変容していく、過程で茶色い汚物が再び腸内へ取り込まれていくのが見える。

胃袋も新しく膨らみ始め中から古い胃液が押し出される。

 

「ふ……ふっ……」

 

陰唇がぷっくりと膨らみ始め小陰唇が形成されると同時に新たな膣組織が形成され始めそれが閉じていく。

その表面を茶色い陰毛が覆っていった。

さらに膣口からは新たに分泌された愛液が滴り始めていた。

子宮も再構築され始め子宮頚部が再生し膣と接合していく、卵巣も新たに形成され始めた。

 

「……っ……膨らみながら再生する感覚……これはこれで」

 

顔面の肉が盛り上がり始める。

眼球が皮膚から押し出されながら新しい皮膚が形成される。

鼻梁が再形成されると同時に潰れた歯茎から新しく歯が生えてきた。

口腔内の組織も新しく再生され舌が再形成されると同時に血泡が消え去った。

 

すべての再生が完了すると、ミーシャは潰された痕跡のない完璧な姿で立ち尽くしていた。

血と肉片に塗れた布きれを纏った全裸の姿だが、その表情は恍惚と満足感に満ちている。

額にまだ乾かない血の跡を光らせながら、彼女は微笑んだ。

 

「あら? ……身支度をしませんと」

 

破れ、濡れ、鉄臭さを吸い込んでいたミーシャのメイド服は、その言葉と共に彼女が軽く指先を払うと同時に淡い白光に包まれる。

光は衣服を伝い、血液や汚れを音もなく蒸発させていく。

わずか数秒のうちに、裾も袖も洗いたてのような艶を取り戻し、真新しい布地のように輝きを放った。

 

「この先が楽しみです」

 

唇にかすかな笑みを浮かべると、彼女は一歩踏み出す。

背後にあった仕掛けは、すでに沈黙していた。

 

◆

 

通路を進む途中、何度も「何か」が襲いかかってきた。

槍が飛び、炎が燃え、石壁が牙を剥く。

それだけではない。

形容の及ばぬ何かが、彼女の肉体を貫き、引き裂き、焼き焦がしていった。

 

骨の軋む音も、皮膚が裂ける痛みも、彼女の歩みを止めることはない。

ただ歩き続ける。

踏みしめる足音だけが、石造りの空間に乾いた音を落としていく。

 

まるでその痛みさえ、あらかじめ予定されていた通過儀礼であるかのように。

彼女にとって苦難は障害ではなく、道に刻まれた紋様の一部にすぎなかった。

むしろ、かすかに唇の端が上がっている――楽しんでいるようにすら見えた。

 

やがて最後の石門をくぐると、世界が音を立てて切り替わる。

ひんやりとした石床は霧散し、湿った土の感触が足裏を包んだ。

冷気は生暖かい湿気へと変わり、肺の奥まで土と腐葉の匂いが染み込む。

迷宮の内部とは思えぬ、重く、生きた空気だった。

 

視界の先に広がっていたのは――森。

天井など存在せず、頭上には常闇が覆い、空気そのものが黒い靄に満たされている。

木々は異形だった。幹はねじれ、根は地中ではなく空へと突き出し、蛇の群れのように絡み合い、脈動している。

枝先には心臓にも似た緑の花が咲き、規則正しい拍動とともに森の空気が震える。

そのたびに地面は呼吸するように膨らみ、森全体が生き物のように蠢いた。

 

だが、最も異様だったのは……森の中央にそびえる「それ」だった。

 

一本の、あまりに巨大な樹木。

幹は木とは思えぬほど歪み、まるで巨大な人間の腕を何本も束ねたような形状をしている。

節のような部分は関節めいて隆起し、枝は四方八方へと蛇のようにのたうち、夜空を掻きむしるかのように伸びていた。

 

枝先には、不気味な緑色の花が無数に咲いている。

だがそれは咲いているのではなく、脈打っていた。

花弁が静かに開閉を繰り返し、心臓のように規則的な拍動を響かせている。

そのたびに森の空気がわずかに震え、地面が息を吸い込むように膨らんだ。

 

そして――根元。

 

そこから生えているのは、もはや根ではなかった。

無数の触手が地を覆い尽くしている。

表面は濡れた粘膜に覆われ、月光も届かぬ闇の中でぬらぬらと光り、蛇のように地面を這い回る。

先端は吸盤状に膨らみ、脈動するたびに微かに「ひゅう」と湿った音を立てる。

 

さらにその妖樹の後方は、空間が音もなく裂けていた。

黒と蒼の風が吹き上がる亀裂。

世界と世界の狭間がむき出しになり、その裂け目の向こうに“それ”は在った。

 

漆黒と蒼をまとう城。

尖塔は星を突き刺すように天へ伸び、外壁は黒鉄と青い脈動が絡み合っている。

建造物というよりも、空間そのものがねじれ、城の形を取ったかのようだった。

近づくほどに現実の輪郭が揺らぎ、目に映る塔の数も角度も変わっていく。

観察する者の認識に応じて姿を変える、知性すら感じさせる異形。

 

正門にあたる場所には扉などなく、深淵の闇そのものがぽっかりと口を開けていた。

縁に刻まれた見知らぬ文字が、心臓の鼓動のように青白く明滅している。

冷たいはずの風が、血の匂いを含んだぬるい熱を帯びて頬を撫でた。

まるで城そのものが、侵入者の体温を嗅ぎ取っているかのようだった。

 

塔は空を裂き、橋は蜘蛛の巣のように絡み合い、靄は地平と夜空の境界を塗りつぶす。

その靄の中で、ぼんやりと人の顔に似た幻影が生まれては消えた。

森の異様さでさえ、この城の存在感の前では前座にすぎない。

 

最上部に屹立する王の塔が、すべての中心だった。

蒼と黒が渦巻く空の中、その尖塔だけが揺らがず、まるで世界の針のように空間を貫いている。

塔の頂には蒼い光が灯り、それは炎ではなく魔力そのものの輝き。

夜の底で脈打つ心臓のように、世界を震わせていた。

 

◆

 

ミーシャは微かに頬を染めた。

 

「ああ……素敵です。グラディウスさまの居にふさわしい城です。

そして最後の守護者。森の主様と言ったところでしょうか? とても美しい」

 

彼女が一歩踏み出した瞬間――触手群が蠢いた。

地面を這う影のように素早く動き出し、先陣の三本が鞭のように空を切って飛来する。

 

「っあぁん!」

 

鋭い打撃音が森に響く。

触手の一本がミーシャの左脇腹を薙ぎ払い、メイド服が裂け、鮮血が飛び散った。

同時に別の触手が右足首を強烈に打ち据え、肉が潰れる鈍い音が響く。

 

「ひぅ……ん! もっと……お構いなくっ!」

 

ミーシャは嬌声を漏らしながらも笑みを浮かべた。

触手たちが狂喜したかのように蠢く。

太い触手が彼女の細い両腕を巻き取り、ぐいっと高々と持ち上げる。

地面から足が離れ、爪先だけがかろうじてぶら下がっている状態だ。

さらに別の細い触手群が彼女の胴体に絡みつき始めた。

 

「ひゃあっ……!?」

 

ミーシャが身をよじる。触手の吸盤が彼女の肌に吸い付き、ねちゃりとした感触が背筋を走る。

 

「そんな……乱暴にお召し上がりにならずとも……ふふっ」

 

吸盤が強く吸いつき、点々と内出血痕を刻んでいく。

首筋にも触手が巻きつき、ゆっくりと絞め上げていく。ミーシャの呼吸が詰まる。

 

「ぅぐ……っ…そう……です……苦しいのが……イイのです……」

 

顔を紅潮させ、瞳孔がわずかに開く。

 

◆

 

触手は容赦なく締め上げを強めていった。

まずは胴体をきつく絞る。

メイド服の生地が悲鳴を上げるほどに圧迫され、ミーシャのくびれた腰が歪む。

小ぶりな乳房が横から圧され変形し、布越しに乳首が硬く尖るのが見て取れた。

 

「くはっ……あああっ……! 乳首……が潰れる……感覚……最高!!」

 

彼女は歓喜の涙さえ流していた。

 

さらに二本の触手が彼女の太ももとふくらはぎに巻きつき、外側へと引き裂くような方向に力を加える。

筋肉が過伸展され、膝関節からミシリと危険な音が鳴った。

 

「ひぎぃっ! んお゛ぉ……関節……ミシミシ……いぃ……もっと……もっとですっ!」

 

別の細い触手が彼女のスカートを乱暴にたくし上げる。

陰毛が露わになり、恥部が冷たい外気に晒された。

そこへ複数の先端が殺到する。

一本は敏感なクリトリスを包皮ごと吸盤で吸い上げ、もう一本は陰唇の割れ目を押し開くように潜り込もうとする。

 

「あっあっ! そこは……さすがに……まだ……慣らして……ああん!」

 

ミーシャの形だけの抗議も虚しく、太い触手が強引に膣内へ侵入してきた。

無理やり押し拡げられる衝撃に彼女の身体が痙攣する。

 

「い゛っ……ぐぅ……っ! きつ……すぎ……っ! でも……これも……好きで……お゛ぉっ!」

 

触手は彼女の内部で蠕動し、内部粘膜を擦り上げる。

同時に肛門へも細い触手が侵入を試みており、括約筋が抵抗するも次第に深く侵入していく。

 

「ひぐっ……前も後ろも……埋められて……わたし……もう……満たされて……っ!」

 

触手が激しくピストン運動を開始した。

ミーシャの下半身が揺さぶられ、結合部からは白濁した愛液が溢れ出す。

 

その刺激により、彼女の口元には愉悦の笑みが浮かんでいた。

樹木の本体からも甘ったるい樹液が滴り落ち、彼女の全身をぬめらせていた。

 

樹木の最上部にある巨大な花弁が開き始めた。

そこには無数の細かい触手が蠢いており、まさに彼女を完全に食らう準備をしているようだった。

ミーシャはそれを見上げながら、恍惚とした表情で呟いた。

 

「ええ……もちろんです……私は……あなたのための……ディナー……っ…ん゛ああぁあっ!」

 

彼女の意識が激しい快楽と苦痛の波に飲み込まれていく中で、さらなる陵辱が始まろうとしていた――。

 

◆

 

巨大花弁の中から伸びた無数の細い触手群が、ミーシャの股間に集中していった。

すでに太い幹のような触手が無遠慮に貫いているその場所へ、さらに多くの触手が集まり始める。

 

「お゛ぉっ!? も……う…いっぱ……い…なのに……!」

 

膣口が限界まで広がっていたにもかかわらず、新たに侵入しようとする触手たちは構うことなく肉壁を押し分け進んだ。

一本一本が独立して動き、狭い空間内で絡み合いながら奥へと突き進んでいく。

 

「ひぐぅっ! 膣壁が……ひき……裂ける……っ! お……なか……いっぱい……に…なって……いきます……!」

 

ミーシャの腹部がぽっこりと膨らみ始めている。

大量の触手が内部で蠢く度に皮膚が波打ち、時折血管が青く浮き上がる。

子宮口まで達した触手の一本が、その固く閉ざされた入り口をこじ開けようと先端を押し当てていた。

 

「そこは……っ! 子宮まで……なんて……っ!」

 

抵抗するように収縮する子宮口だが、何本もの触手が執拗に攻め立てる。

ついにミシミシと音を立ててほころびはじめたその隙間に、小さな種を抱えた触手が滑り込んだ。

 

直径5ミリほどの黒褐色の楕円形の種。

表面には微細な棘が生えており、それが潤んだ子宮口の粘膜を傷つけながら通過する。

 

「う゛あ゛っ! 種……が…通ります……っ! 痛……気持ち……いい……!」

 

種を運ぶ触手はさらに奥へと進み、ついに子宮腔内に到達した。

周囲を他の触手たちが支えるように囲み、胎児のように丸まった姿勢で種を固定する。

 

「はぁ……っ…ここ……私の……大切な場所……そこに……埋めていただけるなんて……んっ!」

 

ミーシャが恍惚の表情で自らの膨らんだ腹部をそっと撫でようとした瞬間――触手群が凶暴な動きを見せ始めた。

これまで彼女を支えていた太い触手群が突然収縮し始めたのだ。

 

まずは両腕を拘束していた触手が猛烈な勢いで締め上げる。

ミシッという乾いた音と共に肩関節が砕け、続いて二の腕の骨が折れる。

 

「ん゛お゛ぉっ! 関節が……潰れる……音……素敵っ……!」

 

左腕が完全に分離する直前、別の触手が肘関節を狙って鋭い鉤爪を伸ばす。

肌を突き破り骨を掴んだ鉤爪が一気に引き抜くと、肘から先が宙を舞った。

断面からは神経や血管が垂れ下がり、指先がピクピクと痙攣している。

 

右腕も同様の運命を辿る。

今度は触手の先端が小型の斧のような形状に変化し、肩口に食い込む。

鋸状の刃が肉を削ぎ骨を断つ生々しい音が響き渡る。

ミーシャの右腕が血溜まりに落下し、その切断面からはまだ脈動する赤黒い心筋の切れ端が見えた。

 

「ああ……両腕が……なくなりました……」

 

脚部への攻撃も容赦ない。まず左足首を巻き取っていた触手が急激に捻じれる。

関節が逆方向に曲がる鈍い音と共に靭帯が千切れ、骨が砕ける。

ミーシャの左足首から下がおかしな角度で垂れ下がる。

 

「お゛っ!? 足が……変な方向に……っ!」

 

別の触手が左太腿に絡みつき、そのまま胴体から引き剥がしにかかる。

皮膚が裂け筋肉が剥離していく感触にミーシャの腰が跳ね上がる。

 

肉塊がズルズルと引きずり出され、大腿骨が露わになる。

骨盤から剥離した筋肉組織がダラリと垂れ下がる光景はまさに地獄絵図だ。

右脚も同様に脹脛から切断され、切断面からは白い腱と黄色い脂肪層が覗く。

 

「手足……全部なくなってしまいました……この状態恥ずかしくて、とっても良い気持ちです」

 

四肢を失ったミーシャの体が地面に投げ出されるが、すぐさま胴体だけとなった彼女の腰に触手が絡みつき、再び空中に吊り上げる。

そして、その芋虫状態のエルフに、一本の触手が首に巻き付いてきた。

 

「あぁ……最後は……首でしょうか……? お願いします……首もがれるの、一番好きなんです……」

 

喉笛を締め上げる触手が急速に力を増す。

軟骨が砕け気管が潰れ、頚椎が一本ずつ折れていく嫌な音が木々に響く。

ミーシャの首が完全に胴体から分離し、頭部だけが血塗れで床に転がった。

 

「ん゛お゛ぉ……最高……で……」

 

切断された頭部の口から最後の言葉が漏れる。

深い森の中心で肉塊が蠢く。

かつてミーシャだったものが六つの断片に分けられていた。

両腕の断面からは血管が垂れ下がり、両脚は筋肉が剥き出しになり、胴体は内臓が露出し、頭部は瞳孔が開き舌を突き出している。

そのどれもが未だ微かに痙攣するなか、最後の仕上げとばかりに触手が絡んでいった。

 

◆

 

解体作業が終わった触手は、吸収作業に移りだす。

 

触手群が、吸収しやすいように分けられたミーシャの個々の断片を取り囲む。

先端が丸く膨らんだ触手がまず左腕の断面に覆い被さる。

粘液に包まれた先端が肉の断片を飲み込み始めたのだった。

 

ジュゥゥという焦げるような音と共に、脂肪と筋肉が溶解していく。

左腕は徐々に触手の中に吸収され、骨髄から滲み出る栄養を樹木が貪れ、右手も同様に別の触手に覆われ、指の骨一本ずつが砕かれて吸収されいった。

 

両脚はより大きな肉塊として触手に巻き取られていた。

大腿骨が砕かれ、太もも、くるぶし、足先、それらの筋肉繊維が一本ずつ引き千切られ、切断面からは脂肪や骨髄が溶け出し、触手の粘液と混ざって床に滴る。

 

胴体部分は最も念入りに解体された。

肋骨が一本ずつ折られ、肺腑が潰される。

消化器官は細切れにされ、腸管が触手の隙間から垂れ下がる。

肝臓や腎臓といった臓器は丁寧に摘出され、その質感を確かめるように揉みしだかれていった。

 

最後に残った頭部も触手に包まれる。

舌が引き抜かれ耳が千切られ、頭蓋骨が割られ脳髄が掻き出される。

神経線維が一本ずつ切断される快感に、ミーシャの肉片が最後まで反応する。

 

触手は全ての断片を完璧に吸収した。

地面には血痕と骨片しか残されていない。

ミーシャの肉は完全に消滅したかに見えた――

 

いや、違う。

何かが蠢いている。

凄惨な景色の中央で、触手に掲げられわずかに脈動する桃色の塊が残されていた。

それは種を埋め込まれた子宮と、それに付随する卵巣だった。

 

触手はミーシャの肉体から還元した栄養を子宮に注入していく、それと同時に子宮内部の種が発芽し、卵管を通じて卵巣へと根を伸ばす。

 

鋭い根が卵管を穿ち、卵巣内部に侵入する。

数千個の卵細胞が貪欲に吸収され、代わりに樹木の遺伝子が注入されていく。

子宮壁が内側から膨張し、肉質が変質する。

 

根は子宮頸管を突破し膣腔へ伸び、地面に突き刺さる。

吸収したミーシャの体を栄養源とし、樹木は猛烈な速度で成長した。

子宮底部から新たな幹が形成され、触手を這い上り元の大樹と接合する。

二つの生命体が融合する瞬間、凄まじい共鳴音が森に響き渡った。

 

融合部では細胞レベルでの同化が進行していた。

ミーシャの子宮壁と樹木の幹が融合し、新しい表皮が再生する。

血管と樹液導管が繋がり、神経と樹皮の繊維が同調する。

 

完全融合に達した時、子宮から伸びた新しい幹が天を貫く様にそびえ立った。

その樹皮には微かにミーシャの肌の温もりが残っていた。

 

◆

 

ミーシャの体を構成していた数十個の白骨――鎖骨の欠片、大腿骨の断端、腰椎のかけらは静寂の中、ただの無機物と化していた。

 

――化していたはずだった。

 

最初に動きを見せたのは仙骨の破片だった。

微かに振動し始めると同時に、周囲の骨片がゆっくりと床を滑り出す。

彼らは互いを求め合い、規則正しい幾何学模様を描くように集結していく。

 

ミーシャの骨が組み上がった瞬間から内臓系の復活が始まった。

 

左右対称に浮遊していた腎臓の原形質塊が互いに接近し、蜘蛛の糸のような尿管が紡ぎ出される。

これを導管に、膀胱が下方で膨らみ始めた。

 

肝臓は巨大な肉塊として出現し、再生途中で内部に仕込まれた触手の種が蠢き、胆嚢の出口を刺激する。

膵臓の再生とほぼ同時進行で消化管が形成される。

十二指腸が踊るようにグルリと巻き、小腸が花咲くように広がった。

大腸と腸間膜に吊るされて蛇行すると、その末端の肛門括約筋が収縮を練習し始める。

 

仙骨に抱かれた子宮と卵巣の肉塊から、まず卵管が蔓のように伸び、左右の卵巣を捕らえて引き寄せた。

子宮体部が膨張を始めると同時に子宮頸管が下方へ伸び、その先端で膣口が形作られていく。

 

恥丘では脂肪組織が盛り上がり始めると同時に陰毛の発生が始まった。

一本の剛毛が皮膚を突き破ると、それを合図に千本以上の陰毛が一斉に生え出し、瞬く間に元の密林へと戻った

大陰唇がぷっくりと膨らみ小陰唇が花弁を開く瞬間、内部の粘膜が過剰分泌した粘液でヌメり光った。

 

内臓系が粗方定位置につくと、筋肉組織が一気に爆発した。

 

大腿四頭筋が大腿骨に纏わりつき太腿を形成すると同時に、腹直筋が腹腔を押さえつけくびれを作り出す。

腹斜筋が腰を捻るように収縮し、背部では脊柱起立筋が背筋をまっすぐに整列させた。

 

胸郭に再生した肋間筋が上下運動を練習すると同時に乳腺が再膨張し、小ぶりな乳房が復活。

乳首が桜色に尖る様は、再生というより創造の芸術だった。

 

頭蓋骨が額から後頭部へ向かって閉じていき、硬膜が張り巡らされる。

脳幹が形成されると、延髄から自律神経系への信号送信が始まる。

 

エルフ特有に耳がすらりと生え、鼻も真っすぐに形成される。

頬の肉が盛り上がり、その中心部は、やわらかい唇が艶やかに笑みを浮かべていた。

最後に瞼がゆっくりと開き、切れ長の瞳が焦点を結ぶ。

 

完璧に修復された肌が月光に輝き、茶色い長髪が風もないのに揺れる。

再生したばかりの肉体から立ち上る甘い芳香が木々に満ちた。

 

「ああ……とても……良かったです……」

 

◆

 

森を包んでいた異様な圧は、いつの間にか完全に消え失せていた。

 

あれほど咆哮するように枝を打ち鳴らし、地を覆っていた巨樹は、今は静まり返り、森そのものの心臓のようにただそこに在るだけだった。

 

幹は深く裂け、触手のような根は地に伏し、その中心からは、淡い緑の光が規則正しく脈打っている。

花弁はゆるやかに開き、まるで息をしているように吐息めいた靄を吐き出していた。

 

その光は怯えでも怒りでもない。

──服従と忠誠の証。

 

もはや単なる樹木ではない。

幹の一部は確かにミーシャの肌の質感を持ち、枝には彼女の髪の毛が絡みついている。

 

突然、樹木の中心から一本の若い枝が伸びてきてミーシャの頬を撫でた。

その優しい仕草に彼女の目が細まる。

 

「あら? 挨拶ですか?」

 

まるで会話を理解しているかのように枝が揺れる。

ミーシャはクスリと笑い声を漏らした。

 

「もしかして……結果的に私の子供になりました? この融合によって……」

 

樹木全体が同意するように微かに脈動した。

ミーシャの切れ長の目が淫らに輝く。

 

「つまりこれからは親子プレイができますね……でもそれは今度のお楽しみにいたしましょう」

 

少々別れを惜しみながら、立ち上がるミーシャ。

魔力で再生したメイド服のスカートが、風もないのに翻る。

その足取りは軽やかだった。融合した樹木は彼女を見送るように枝葉を揺らす。

 

「ではまた会いましょう……私の可愛い子供……そして新たなパートナーさま……」

 

巨樹の幹が、低く、ゆっくりと鳴る。

それは言葉を持たぬ存在の誓いだった。

森の主が、彼女の眷属として頭を垂れる音。

 

ミーシャが一歩、深淵の裂け目へ向かうと、触手の束が静かにうねり、まるで道を示すように左右へと分かれる。

黒い靄のなか、彼女の歩みだけが音を立てて進む。

 

森の奥にそびえる深淵の城は、先ほどと何ひとつ変わっていないはずなのに、今はまるで──彼女を待ち受ける舞台のように見えた。

 

◆

 

深淵の裂け目を渡る風は、冷たく、深く、底がなかった。

まるでどこまでも落ちていくような、次元の狭間の風。

だがミーシャはその足取りを一切乱さない。

黒い靄を踏みしめ、まっすぐに城門へと向かう。

 

正門──巨大なアーチ状の闇は、侵入者を拒むように閉ざされている……ように“見えた”。

 

だが、彼女が歩み寄ると、門の縁に刻まれた魔術文字が淡く脈動し、静かな音と共に靄が左右に割れた。

まるで城そのものが、彼女の到来を認識したかのように。

 

ミーシャが振り返ると、巨樹の触手が静かに揺れた。

それはまるで忠臣が主の背を押すような仕草だった。

 

夜の闇と深淵の境界を越える。

空気はさらに冷たく、深く、圧倒的に澄んでいた。

背後の森が彼女の領地となり、目の前には、この世ならざる王の城が待ち受ける。

 

ミーシャは唇に小さな笑みを浮かべ、足取りひとつ乱すことなく──その門の中へと消えていった。

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