ナンパをからかっていた男の娘がチャラ男に騙されて酷い目に遭う話 作:ちょっとだけマイナー性癖マン
痛みに慣れてきて、思考が戻って来る。
未だ思考は不明瞭だけど、聞きたくなくとも近くの音は聞こえてくる。
「……いい穴してんじゃん、これ」
隆さんが吐き捨てるように言った。
その、僕をただの物として扱う言葉。
すぐ近くで聞いているはずの翔平さんが、何も言わずに、ただ笑って僕を抱きしめ続けていることに、僕は気づいてしまった。
(違う。何かの間違いだ。だって、翔平さんは、僕の王子様で……。)
信じたい。でもこんな僕を見ても助けてくれない、そんな翔平さんが信じきれなくて……。
「しょっ……ぅへぃっ……さんっ……なんっ……でっ………」
ピストン運動で激しく揺さぶられる肺を無理やり動かし、僕はか細い声で問いかける。
どうして、と。
「頑張れ凛ちゃん」
優しい言葉で応援される。
一体何の応援かわからないが。
(やっぱり翔平さんは優し──)
「隆も喜んでるからさ!」
それもいつもの優しい声だった。だが朦朧ろした意識でも、その言葉が、僕の為の言葉でない事はわかった。
頭が、真っ白になった。
考えるな、と僕の中で恋心が叫ぶ。逃げるんだ、と理性が叫ぶ。
でも、現実はそんな猶予を与えてはくれなかった。
ズン
と鈍い音が、下腹部から聞こえた気がした。
恐る恐る、自分の身体を見下ろす。
そこには、隆さんのペニスの形に、ぽっこりと膨らんだ僕のお腹があった。
「えっ……?」
僕の漏らした声が、合図だったのかもしれない。
一気に、熱いものが下腹部の奥でぶちまけられる。
一度ではない。何度も、何度も、何度も。
その度に、焼けるような熱と激痛が身体中を駆け巡る。
熱なのか、痛みなのか、もう何もわからない。
その感覚が、ようやく脳に届いた瞬間。
僕は、喉が張り裂けんばかりの絶叫を上げ、意識を暗闇に手放した。
目が覚めて、最初に感じたのはお腹の痛みだった。
まるで、小学生の頃に股間にボールをぶつけてしまった時のような、鈍くて重い痛み。
次に感じたのは、お尻の入口の痛み。翔平さんと初めてした後に感じた痛みを、何倍にもしたような、正気のままでは耐え難い痛み。
(そうだ、翔平さん……?)
途切れた意識が、愛しい人の名前を思い出す。
そうだ、今日はお家デートの日だったんじゃないか。
せっかくの日に、寝ている場合じゃない。
キョロキョロと周りを見渡す。居た。翔平さんだ。
その隣にいるのは……確か、友達の隆さん、だっけ?
「凛ちゃん、ありがとう」
「隆もすごく喜んでた。凛ちゃんは、本当に俺の自慢の彼女だよ」
翔平さんが、いつもの優しい笑顔で僕の頭を撫でてくれる。
「よかったです!」
僕は顔を綻ばせる。
「翔平さんのお役に立てましたか……?」
大好きな人の頼みだもの。何でもするのは
翔平さんが頼ってくれるのは、やっぱり嬉しい。
翔平さんの為に僕にもできる事がある、その事実が嬉しかった。
その後は、今日はまだだった翔平さんに、たくさん可愛がってもらった。
友達の隆さんにも、お口でしてあげたら、すごく喜んでくれたみたい。
帰り道、夜の冷たい空気が、火照った身体に心地よかった。
口元には、微かな笑みを浮かべてしまう。
(次は、いつ呼んでくれるかな)
(今度は、もっとたくさん、お友達を紹介してくれるんだよね)
(楽しみだなあ)
そういえば、シャワーを借りた時に不思議な事もあったんだ。
多分、気の所為だとは思うんだけど──
僕の瞳から、光が消えていた。