純愛はかなり強め。わからせは薄め。
「うーーん・・・どうしよ?」
一人きりの部屋で誰に話しかけるわけでもなく、ぽつりと呟く。
オレはベッドの上に広げた二組の服の前で、長針が一周するほどの長い時間ずっと頭を抱え悩み続けていた。
「ここはバシッと男らしさをアピールするべきか・・・」
左側に並んだ服を手に取る。三ヶ月ほど前にオレなりにオシャレに気を遣って買った、紺のズボンとストライプのシャツ。
「でもなぁ・・・こっち着てかないと怒るかもしれないし・・・」
対して右側には、つい十日ほど前にオレの彼女に買わされた、シンプルながらも可愛らしい桜色のワンピース。
「いや、けどなぁ・・・うーーむ」
以前のオレなら決して迷うことはなかった二択。
なぜこんな状況になっているかというと、事の発端は一ヶ月ほど前まで遡る。
――――――――――
あれは謎の高熱にうなされた、翌朝のことだった。
「輝夜~?起きてる?」
「うぅー・・・いま、おきた・・・」
熱で動けなくなっていたオレを心配して、オレの彼女である一華が朝一番にお見舞いに来てくれていた。
薬を飲んで一晩寝たおかげでだいぶ熱は下がったものの、疲れ切った身体はぐったりと重く、とっくに日は上っているのに未だ布団の中から動けずにいた。
「わざわざありがと、一華・・・」
布団越しでもわかる、オレの初めてできた彼女の声。
体調が崩れて弱気になっていたのもあって、安心できる人の気配を感じるだけで胸の奥がじんわりと暖かくなる。
「彼女なんだし、これくらい何ともないけど・・・なんか輝夜の声、すっごい変わってるけど本当に大丈夫?」
「声?あーー、ぅあーーー・・・うわっ」
数時間ぶりに聞いた自分の声は、男の声とは思えないほど高音になっていた。
無意識的に喉に手を添えると、指先に柔らかい布のような物が絡みつく。
「なんだ・・・?」
指に触れた『何か』を確認しようと、重い身体を起こして寝ぼけ眼を擦る。
見慣れた自分の部屋、心配そうに眉をひそめる一華。見覚えのある物の中に、陽の光を受けてキラキラと輝く、長い白銀の髪があった。
「髪の毛・・・だよね?」
銀髪なんて生まれて初めて見た。とはいえ、感動よりも困惑の方が先にきて、全く見覚えのない銀の髪に思わず首をかしげる。
「ちょ、ちょっと待って!それより貴方だれ!?」
一華はオレに向かって指を差して、混乱に満ちた声で叫ぶ。
ダークブロンドの髪の隙間から覗く、溌溂とした栗色の瞳には、珍しく困惑の色が滲んでいた。
「誰って・・・んん?」
誰か後ろにいるのかと背後に振り返ってみても、他に誰かいるわけでもなく壁があるだけ。
正面に向き直ってみても、一華はオレの方を指差したまま微動だにしていない。
「・・・もしかして、オレのこと?」
「他に誰がいるの!?そ、そういえば輝夜は!?」
「輝夜はオレだけど・・・?」
朝っぱらから一体何を言っているんだろうか。謎の銀髪といい、一華の態度といい、今のオレは病み上がりなのだから、こんな質の悪いイタズラはさっさと止めて、病人らしく労わりの言葉がほしい。
「・・・これって輝夜のイタズラ?もー、せっかく可愛い彼女がお見舞いに来てあげたのに」
「イタズラしてるのは一華の方じゃ・・・?」
「え?」
「へっ?」
お互いに間抜けな声を出して硬直する。
これがイタズラじゃないなら、一体他に何があるというのか。
「い、いやいやいや。まさかね・・・」
「一華?そういう思わせぶりなのが一番怖いんですけど?」
「ちょっと待って」
最悪の予感が的中してしまったかのように、一華の顔色がみるみるうちに青くなっていく。
一華は微かに震える手でカバンから手鏡を取り出すと、オレにぶつかりそうな勢いで眼前に押し付けてくる。
「え?いや、これ・・・は?」
小さな手鏡の中に映ったのは、純白の色のない肌と、重力に従って真っすぐ下に落ちる白銀の髪。
ぽかんと間の抜けた表情をした、紅く透き通った瞳の少女と目が合った。
「・・・だれ?このびしょうじょ」
「それは私も知りたいんだけど・・・」
鏡に映る物を理解できず、頬をムニムニと揉んでみたり、試しに長い髪をぐいっと引っ張ってみる。
「いでででっ!?」
「なにしてるの・・・?」
見た目だけじゃない。この瞳と髪は、全て自分の身体の一部らしい。
「ははーーん?なるほどね・・・」
そういうことか。完全に理解した。
一晩熱にうなされたせいで、オレが美少女になった夢を見ているんだ。きっとそうに違いない。Q.E.D.
「そうとわかれば・・・おやすみなさーい」
「わー待って!寝ちゃダメー!?」
夢だとわかれば慌てる必要はない。夢の中で眠る、というのもおかしな話だが、次に目が覚めれば、いつも通りに自分のベッドの上で『奇妙な夢だったな』と思って終わるはず。
「布団を引っ張るな!オレは寝るッ!」
「現実逃避しないで!その前にちょっと確認したいことがあるんだってば!」
必死に引き留めようとする一華を無視して布団を被り、アルマジロのようにまるくなって防御力を一段階上げる。
布団越しにしばらく押し問答を繰り返すも、力ずくで布団を剝ぎ取られてしまった。
「わぁ・・・」
「うぁ・・・」
布団を剝ぎ取られ、サイズの合わないダボダボのパジャマを着た少女の肢体が露わになる。
男だった時はそれなりに筋肉がついていた腕は、少し力を加えれば簡単に折れてしまいそうなほどに細く頼りなく、足も病人のように白い。
胸は僅かに膨らんでおり、一途の望みを賭けてズボンの中に手を突っ込んで股の辺りをまさぐってみるが、そこにあるはずの物はどこにもなかった。
「ない」
「あ、やっぱり一番最初にそこ確認するんだ」
せっかく彼女ができたのに、一度も実戦に赴くことなく消えてなくなったオレのムスコ。
今流れるのは透明な涙だけだった。
「く、ぅ・・・」
「それで、その・・・輝夜、なんだよね?」
「そのはず、なんだけど・・・」
これが夢だと信じたい。ムスコを喪った悲しみは、それほどまでに大きく深いものだった。
「アナタが輝夜なのか確認してもいい?」
「どうぞ・・・」
「じゃあ聞くけど、輝夜が私に告白してくれた時にね?あの時、輝夜思いっきりセリフ噛んで――
「ちょっ!?わーー!わぁーーー!?その話はするなぁ!」
「その反応・・・本当に輝夜なんだ・・・」
この美少女がオレかどうか確認するからって、よりにもよってその話を持ち出す必要なくない!?
つい一ヶ月前のことで、まだ心の傷が癒えていないんだからさぁ!?
「ねっ、輝夜?輝夜のそれって、急性性転換症ってやつじゃないかな?」
「きゅーせー・・・?なにそれ?」
「ええっと、要するに・・・いきなり性別が変わっちゃう病気?のこと」
なるほど。そのきゅーせーナントカ・・・のせいでオレの身体は女になったってことか。
落ち着け。まだ慌てるような時間じゃない。まだ手遅れじゃないはずだ。
「それで?どうすれば元に戻れるの?」
「治療法はまだ見つかってない、って言ってたような・・・」
なるほどね。
「ッスウーーーーーー・・・」
「輝夜・・・?」
「ヤだぁぁああっっ!!!」
いいや限界だッ!慌てるね!
「じゃあオレはもう男に戻れないの!?バカなの?死ぬの?せっかく一華が彼女になって脱童貞できると思ってたのにオレのムスコに出番なし!?初セックスを夢見て胸と股間を膨らませてた日々はなんだったの!?ちょうど先週ゴム買ってきちゃったんだけど!?めっちゃ勇気出して買ったのに!?1枚も開けることなくオレの股間からムスコなくなってるんだけど!?直に触ってみたら毛すら生えてないじゃん!何も!何一つとしてないんだけど!?」
「ええっと・・・毛はなくても、クリトリスくらいならあるんじゃない・・・?」
「イヤミか貴様ッッ」
――――――――――
・・・と言うのが一ヶ月前の出来事である。
それから病院に行ったり、オレの母親と一華が結託して女物の下着を着せられたり、逆に男物の下着を捨てられたり・・・
オレが女の子になってから、涙なしには語れない日々の連続だった。
「はぁ・・・」
思い出しただけで気が滅入ってきた。頭をブンブンと左右に振って無理やり思考を切り替え、目の前の問題に集中する。
ベッドの上に広げられた、男物と女の子の服。
ただ出かけるだけならこんなにも悩んだりしない。だが、これから行くのは一華の家なのだ。
そう、初めてのお家デートである。
それもただのお家デートではない。一華が言うには、家に親はいないとのこと。
デートの約束をした時に、それとなく『そういうこと』に興味があるのかと聞いてみれば、「女の子だって性欲はある」と返ってきた。
彼女の家でデート、二人きりの空間、そして性的同意。
リーチどころか、もはや役満である。
つまり、今日こそがオレの人生最大の山場と言っても過言ではない。
そんな大事な決戦に赴くとなれば、それ相応の恰好をしなければならない。だからこうして気合を入れてお家デートに着て行く服を選んでいるというわけだ。
「うーーん・・・やっぱり、ちゃんと女の子っぽい恰好じゃないと怒るかな?」
ちらりと桜色のワンピースに目をやる。
シンプルなデザインながら男物にはないヒラヒラ感が盛り込まれていて、如何にも『女の子』と言った雰囲気。
「いや、ここはやっぱり彼氏として行くべきだよな」
例え女の子の身体になろうとも、オレは一華の彼氏であることには変わりない。
オレは彼氏として、彼女である一華の家に行く。ようやくその決心がついた。
「よし。それじゃぁ・・・」
決意を新たに部屋着と脱ぎ捨て、意気揚々と男物のシャツに袖を通す。
大体一ヶ月ぶりだが、やはり男物の服はよく馴染む!
「・・・手が出ない」
いくら必死に袖をまくっても、布のトンネルから手が出てこない。
やっとの思いで袖口から手を出しても、少し動いただけでまた袖の中に戻ってしまう。
「はぁ・・・・・・」
男物の服はハンガーにかけて、家を出た。
――――――――――
『ピンポーン』
意を決してゆっくりとインターホンを押す。
「すぅ・・・はぁ・・・」
微かに震える指先を深呼吸で落ち着ける。
初めて彼女の家に行くからといって、少し緊張しすぎなような気もするが、これから起きることを考えれば多少緊張してしまうのも当然のはず。
「ほあああぁぁぁ・・・!」
つい卑猥な妄想をしてしまって、人様の家の玄関で一人悶える。
何も事情を知らない人が見たら、然るべき所に通報されるかギリギリのラインの奇行だが、幸いなことに周りに人の気配はない。
脳裏をよぎるピンク色の妄想をかき消すように、熱くなった顔をパタパタと扇ぐ。
(うぐぐ・・・どうにも落ち着かない・・・オレの恰好、どこかおかしくないよね?)
急に色々不安になってきて、意味もなく前髪を撫でつけ、皺を伸ばすようにワンピースの端をぺシペシ叩く。
(忘れ物・・・してない、はずだけど)
こっちの方が可愛い、と理不尽な理由で使わされている手提げカバンの中をちらりと確認する。
スマホに財布、手土産として用意したネットで話題の小洒落たスイーツの箱・・・そしてカバンの底に隠してあるコンドームと、今は亡きムスコの代わりを務める薄ピンクのディルド。
ちなみにこのディルド、オレが男だった時と同じくらいのサイズだったりする。
通販で買った物なので、本物よりも一回り大きいかもしれないが通販なので仕方ない。だって通販だから。
「・・・よし」
「何がよしなの?」
「みぎゃあああぁぁ!?」
忘れ物がないことを確認してカバンから視線を上げると、顔がぶつかりそうなほど近くに一華の顔があった。
一華の家のインターホンを押したのはオレなのだが、想定外の接近に驚いて弾かれたように後ろに飛び退く。
「ぼーっとしてたけど大丈夫?」
「ぜ、ぜんぜんへーき・・・」
ぎこちなく笑顔を浮かべて何とか取り繕うも、内心は一華にカバンの中を見られていないか気が気でなかった。
あくまで今日はお家デートなのであって、決してえっちしに来たわけじゃない。早い話、がっついていると思われたくない。
(こ、コンドームとか見られてないよね?何も言ってこないってことは、気づいてないって信じていいんだよね?)
「どうしたの輝夜?家、入らないの?」
「エ、ア、イエ・・・入ります」
「うわ・・・それってダジャレ?」
「違う」
謂れのない視線を向けられ、反射的にツッコミを入れた。
緊張で口が上手く回らなかっただけで、ダジャレを言ったつもりは毛頭ない。
冷静にツッコミしたおかげか、はたまたいつもと変わらない一華の顔を見たおかげか、固くなっていた肩の力が少し抜けたような気がする。
「と、とりあえず、おじゃましまーす・・・」
「はーい、いらっしゃい」
「それで・・・その、一華のご両親はどちらに?」
「家に誰もいないし、親も遅くまで帰ってこないから・・・二人っきりでゆっくりできるよ」
(YES!YES!YES!YES!YES!)
彼女に言ってほしいセリフTOP5(個人の感想です)に入る『彼女の家で二人っきり』を生で聞けたことで緊張が一気に吹き飛び、一華に引かれないように荒ぶる感情を抑えてそっと目を伏せ、心の中で涙を流しながらガッツポーズを作る。
あとはイイ感じのムードにして、そこはかとなくベッドにお誘いすれば、オレの勝ちだッ!
「・・・うん?」
「どうかした?」
ふと思ったのだが、えっちに誘えるような『いい感じのムード』とやらはどうやって作ればいいのか。
保健体育の教科書には何も書いていなかったし、愛読している同人誌の場合二ページめくれば前戯に入っているので、そこに至るまでの道筋が全くわからない。
せっかくここまで来たのに、何の成果も得られませんでした、なんてことになったらオレは一人枕を濡らすだろう。何かアクションを起こすべきだとは思うものの、もしその行動が裏目に出てしまったら、それこそ目も当てられない。
考えれば考えるほど思考がループして、頭の中が雁字搦めになっていく。
「・・・・・・」
「あ、そうそう。前から見たかった映画借りてあるんだけど、一緒に見ない?」
「う、ウッス!」
次の一手を出し悩んでいたオレにとって、まさに渡りに船の提案。二つ返事で承諾し、大人しく一華の後ろに付いていく。
なるほど。いきなりベッドに行くのではなく、まずは恋愛映画とかを一緒に鑑賞して『そういう雰囲気』に持っていくということか。
「あ、そのっ!お土産?で、スイーツ持ってきたから。先に渡しとく・・・!」
「これ気になってたとこのだー!ありがと、輝夜!」
スイーツの入った箱を一華に渡すと、花が咲いたようにぱぁっと満面の笑みを浮かべる。
よし、楽しく会話できたな。悩み抜いて選んだ手土産は、どうやら一華のお気に召す物だったようだ。
「これ冷蔵庫に入れて、ついでに飲み物取ってくるから、輝夜はリビングで待ってて」
そう言い残して一華はダイニングキッチンに消えていく。
「ゆっくりして」と言われた以上、ずっと立ちっぱなしでいるのもよくない気がして、とりあえずリビングにあるソファの端っこにちょこんと腰かけてみた。
ソファに座ってはみたものの、彼女の家に来るのは初めてのことなのでどうにもソワソワして落ち着かない。
ちなみに、一華は何度もオレの家に出入りしている。その主な理由は、女の子初心者のオレのお世話役だ。
そのおかげですっかりオレの親とも仲良くなっており、既に一華はオレの親公認の彼女のポジションを勝ち取っていたりする。
そんな一華も、初めてオレの家に来た時はこんな気持ちだったのかな、なんて妄想の世界に逃げ込むこと数分。
「くぅ・・・いたたまれない」
「輝夜ー、おまたせ」
「みぴゃあぁ!?」
ソファの隅のモジモジとしていると突然背後から名前を呼ばれ、驚きのあまり口から心臓が飛び出しそうな勢いで飛び上がる。
「もー、びっくりしすぎだよ」
余程オレの挙動が面白かったのか、飲み物を持ったままカラカラと笑う一華。
なんだか急に恥ずかしくなってきて、さっきのミスを取り消すように口を開く。
「そりゃあ誰だっていきなり背後から声かけられたらびっくりするし!」
「はいはい。あ、飲み物オレンジジュースでよかった?あとポップコーンもあるよ」
「ぐ、むぐぅ・・・ありがと」
軽く流されたのを不服に思いつつ、一華からオレンジジュースが入ったグラスとポップコーンが盛られたお皿を受け取る。
皿の中にはチョコとキャラメルが入り混じったポップコーンが詰まっており、一華はしょっぱいお菓子よりも甘い物の方が好きなのかな、と心の隅に書き留めておく。
「それじゃあ、再生するね」
「んっ・・・」
当然のようにオレの真横に座った一華に内心ドキドキしながら、映画会社のロゴが映るテレビを無言で見つめた。
――――――――――
「はーー、面白かったねー」
「や、そうだけどさぁ・・・」
「あれ?なんか反応微妙そう?」
映画は文句なしに面白かった。
だからこそ最後まで楽しく見れたし、途中で気まずくなることなく二人きりの時間を満喫できた。けれど・・・
「まさか、ゴッリゴリのアクション映画だとは思わないじゃん・・・」
彼女との初めてのお家デートで、まさか百二十分間ずっと銃とおっさんが織りなすド派手なアクションを見る羽目になるとは微塵も想定していなかった。
「実は輝夜ってああいうの苦手だった?」
「いや、普通に面白かったよ!?手に汗握るアクションシーンに、個性的な登場人物!ビルの屋上で敵に追いつめられて消防用ホースでバンジーするシーンなんか手に汗握ったよ!?でも・・・でもさぁ!初めて入った彼女の家で、ニ時間もおっさんの顔見ることある!?」
銃と知恵を駆使して様々な困難を切り抜けるおっさんに一喜一憂していたが、このドキドキはオレの求めていたドキドキとは真逆のものだった。
「じゃあ聞くけど。輝夜ってロマンス映画とか好きなタイプ?」
「い、いや、全然・・・」
「だったら、ちゃんと二人で楽しめる映画の方がよくない?」
「うぅむ・・・」
反論の余地がない。確かにハードボイルドなおっさんのおかげで二人楽しく過ごせたのは事実で、映画にも何の罪はない。
けれど、恋人らしい雰囲気と言うには些か血と硝煙が多すぎた。
「だったら、私も一つ言いたい事があるんだけど」
「うん?」
「ずっと輝夜に距離取られてるような気がするんだよね」
「それはっ、だって・・・」
胸の中にある感情を上手く言葉に変換できず、口の中でもごもごと舌が絡まる。
一華の近くにいるのが嫌なわけじゃない。むしろ好きだからこそ、どのくらいの距離を保てばいいのかわからなくなってしまうだけで。
「嫌じゃないなら・・・もっと近くにきて」
「ひゃっ!?」
遠慮がちに腰に手が添えられ、ぐいっと一華の方へ身体が引き寄せられる。
一華の柔らかい身体が密着して、触れたところからお互いの体温がじんわりと伝わって混ざり合う。
「輝夜はこういうスキンシップ・・・嫌い?」
「オレは嫌い、じゃ・・・ないけど」
「・・・」
「・・・」
ここだけ時間が止まったように双方ぴくりとも動かず、耳が痛くなりそうなほどの静寂が部屋を支配する。
それでも心臓だけはドクンドクンとうるさいくらいに脈打ち、全身が茹るように熱を持つ。
(うぅぅ・・・ドキドキしてる音、聞かれてないよな・・・?)
「・・・すんすん」
一華は徐にオレの頭上に顔を埋めると、そのまま数回鼻を鳴らして髪の匂いを吸い込んだ。
「ちょっ!?ばか!やめろ!匂い嗅ぐなぁ!?」
沸騰したように顔が熱くなり、慌てて一華から距離を取ろうとするも、しっかりと腰に手を回されているせいで離れることができない。
少女になった今のオレと一華では少し身長差があり、こうして二人並んで座っていると、少し身体を寄せるだけで簡単に頭の匂いを嗅がれてしまう。
「何で?甘くてふわふわしてていい匂いだよ?」
「か、感想とか求めてない!それに外歩いてきたから、絶対汗くさいし・・・」
「私はそんなの気にしないけど」
そう言いながら、どこかねっとりとした手つきで太ももに指を這わせる一華。
くすぐるようなその動きは、いつもの甘酸っぱい愛情ではなく、じっとりと爛れるような淫靡な雰囲気を纏っていた。
「だ、だだだ、ダメダメダメっ!今はダメだから!」
「なら、いつならいいの?」
「そういうのは、その・・・せめてお風呂入ってからにしてほしい、っていうか・・・」
匂いを嗅ぐにしろ、『そういうこと』をするにしろ、汗で汚れた身体を触れられたくない。
恋人として当然のこと言っているはずなのに、なぜかだんだん恥ずかしくなってきて徐々に言葉尻がしぼんでいく。
「ねぇ、輝夜・・・お風呂なんて後にしよ?私は全然気にしないから」
一華はそう甘く囁いて、さらに身体を密着させてくる。
強引に身体を寄せてきたせいで、危うくソファに押し倒されそうになるが、踏ん張って何とか耐える。
もしソファに押し倒されてしまえば、そのまま主導権を一華に握られ、男として超えてはいけない一線を越えてしまう予感がしたからだ。
「だ、だからっ!ダメって言ってるだろぉ!」
「あうっ!?」
一華の頭にぷにっとした拳骨を落として無理やり止めさせる。少女の攻撃なんて大して痛くないはずなのに、一華は律儀に頭を押さえて呻き声を上げた。
「お、お風呂入ってからって言ってるじゃん!ハジメテの思い出が汗臭いとか、オレは絶対嫌だから!」
「・・・・・・それならお風呂入ってくる?」
不服そうに口をとがらせながらも一華は元居た場所に座り直し、いつもの雰囲気に戻る。
けろりとしている一華とは対照的に、オレの心臓はまたドキドキと荒ぶっていて、まともに一華の顔を見れない。
「えっ、あ・・・それじゃあ、お風呂借りる・・・そ、そういう一華はお風呂入んなくていいの?」
「私は大丈夫。朝のうちにお風呂入ったから」
一人だけお風呂入った上で、あんなことを言っていたのか。
確かに朝にお風呂に入って、冷房の効いた家でオレが来るのを待っていれば汗はかかないし、大して身体は汚れずに済むだろう。
だがそれは一華の話で、オレはそうじゃない。つまるところ、割とキレそう。
「んーー・・・よく考えたら、逆にこっちの方がいいのかも?」
「何か言った、一華?」
「んふふ、何でもないよ何でも。あ、お風呂だよね。案内してあげるから着いてきて」
「う、うん」
どこか怪しい笑みを浮かべた一華を警戒しながら一緒にソファを立つ。
あのまま流れに身を任せていれば彼女とえ、えっち・・・できたのはわかっているが、それだと一方的にヤられるだけで、オレは童貞が卒業できなかったと思う。
こんな見た目でもオレだって一人の男。男に生まれたからには、童貞という肩書から早く卒業したいと願う。
「あ、それとお風呂あがったら、そのまま私の部屋に来て。輝夜と一緒に見たい物があるんだよね」
「見たい物?」
「それは見てのお楽しみ」
先に一華の部屋の場所を案内してから、脱衣所に連れてこられた。
『お風呂上がったら、真っ直ぐ私の部屋に来れるでしょ?』ということだろうが、おかげでこれからすることを意識してしまって、どうにも全身がムズムズする。
「じゃあ、部屋で待ってるから。あ、髪はテキトーに洗っちゃダメだからね」
「一華ってさ・・・髪フェチなの?」
「だってせっかく綺麗な髪なのに、輝夜は雑に洗うんだもん。女子として見逃せないんだってば」
恋人が髪フェチじゃなくて少し安心したが、どうにも耳が痛い。
そもそも、世の女性は美容を気にしすぎなのではないだろうか。お風呂なんて身体の汚れを落とせれば何でもいいと思うのだが。
「・・・いつまで見てるの」
「女同士なんだから、別にいいでしょ?」
「よくない」
一華はオレのことを、可愛い女の子と思っている節がある。
オレは『可愛い女の子』ではなく『一華の彼氏』なのだということを、いい加減に理解らせる必要があるのかもしれない。
「ちぇっ、それじゃあちゃんと髪洗ってね」
「わかったから!」
一華を脱衣所から追い出し、一人になったのをしっかりと確認してから、桜色のワンピースに手をかける。
出来心で脱いだワンピースに鼻を寄せて、軽く匂いを嗅いだ。嗅ぎなれた柔軟剤の中に、ほんの少し汗に匂いがする。これを嬉々として嗅いでいた一華は、やっぱり匂いフェチの可能性が高い。
本人も無自覚の性癖をどうしようかと思案しながら下着に脱ごうとした時、ふと洗面所の鏡が目に入った。
銀色に煌めく髪を携えた、一点の曇りのない陶器のような白い肌の少女。
長い髪から覗く深紅の瞳は、若干十歳の少女とは思えない妖艶な雰囲気を帯びていた。
「・・・美少女だよなぁ」
自画自賛のつもりはないけれど、鏡の中のアルビノ少女は現実離れした美しさだと思う。
もっと都会の方に行けばスカウトされることもあるだろうし、もしこんな美少女に告白されれば誰だってイチコロだろう。
こうして眺める分には楽しいが、一番の問題はこのアルビノ少女はオレ自身だということ。
この見た目のせいで嫌でも人目を引き付けるし、外国人に間違われて英語で話しかけられたことだってあった。
美少女になったメリットよりも、デメリットの方が多い。それが正直なオレの感想だった。
「・・・はぁ」
ため息をついた拍子に、悠長に鏡とにらめっこしている場合じゃないことを思い出した。
今はとにかくお風呂に入って汗を流そう。
手早く下着を脱ぎ捨て、ようやく熱いシャワーを浴びる。
のんびりする余裕はない。早速ボディソープを拝借して小さな身体に泡を纏わせる。
男だった時と比べて体の面積が小さくなったおかげで、使うボディソープの量が減った。
それはこの身体になって手に入れた数少ないメリットの一つだ。
脇や鼠径部、特に股間は念入りに時間をかけてしっかり洗う。
「輝夜ー、バスタオルここ置いておくねー」
「ありがとーー」
お風呂場の扉一枚隔てて、一華の声が聞こえる。
言われてみれば、お風呂を出た後のことを何も考えてなかった。全身びしょびしょのまま歩き回るわけにもいかない。
一華の匂いフェチの件は一旦横に置いておいて、用意してくれたバスタオルは有難く使わせてもらおう。
「さて・・・と」
そんなことを考えているうちに身体を洗い終え、次はシャンプーのボトルに手を伸ばす。
身体は小さくなって洗うのが楽になったが、髪は男だった時の数倍の長さになっているせいで、髪を洗うだけでも一苦労。
以前、髪を切ろうかと一華に相談したことがあったが、かなりブチ切れられた。それはもう激おこぷんぷん丸だった。
本当に髪を短く切ろうものなら、そのまま縁も切られそうなくらいにブチ切れてた。オレの髪なのに。
烈火のごとく説教する一華を思い出しながら、泡まみれになった頭をシャワーでしっかりと流す。
自分の身体を一嗅ぎして汗の匂いがしないことを確認してから脱衣所に戻って、すぐそばに置いてあったふかふかのバスタオルに包まって水気を拭き取る。
「すんすん・・・一華の匂いする」
ふかふかのバスタオルに顔を埋めれば、一華の匂い・・・本当は柔軟剤の匂いなのだろうが、ふんわりと優しい匂いがした。
「い、いやいやいや!オレは匂いフェチじゃないし!?」
雑念を振り切るようにガシガシと髪を拭いて、一人で言い訳する。
これ以上ヘンなことを考えないうちにさっさと脱衣所を出た方がよさそうだ。
そう思って着てきたワンピースに手を伸ばしたところで、異変に気がついた。
「服がない・・・?」
間違いなくここに置いておいたはず。だがそこにワンピースは影も形もなく、その代わりに黒い布が一枚残されていた。
「・・・ごくり」
何となく嫌な予感がするが、確認してみないことには始まらない。
ごくりと唾を飲みこんで、黒い布を摘まみ上げた。
「・・・」
後ろの壁が透けて見えるほど薄い布地。肌を隠すどころか、むしろ素肌を飾ること目的にしたフリル。
どうやらこの黒い布の塊は、一般的にベビードールという名称の布切れらしい。
「・・・い、ち、かァーーー!!」
やりやがったあの野郎!バスタオルは建前で、本命はこっちかッ!!
オレがお風呂入ってる隙に服も下着も全部隠して、無理やりハレンチな服着せるつもりなんだ!エロ同人みたいに!!エロ同人みたいに!!!
「くッ!だが、オレは決して負けない!」
確かに、オレの手元にあるのはこのベビードールだけ。
だが残念だったな一華ァ!貴様は一つミスを犯しているッッ!!!てめーの敗因はそれだぜッ!!!!
――――――――――
『コンコンコン』
脱衣所を出た足で一華の部屋に向かい、ドキドキとうるさい心臓を必死に宥めながら強張った手で扉を叩く。
「入っていいよー」
「し、しつれいしまーす・・・」
ソワソワと落ち着かないけれど、ここまで来てしまったらもう後には引き返せない。
男らしく覚悟を決めて、彼女の部屋に一歩踏み込んだ。
「いらっしゃー・・・なにそれ?」
「なにってそりゃ・・・ふんどしだけど?」
オレが身につけているのは漢の戦装束、ジャパニーズFUN・DOSI。
ベビードールなどという軟弱な物を着るくらいなら、バスタオルを結んで作った即席のふんどしの方が百倍マシである。
一つ欠点があるとすれば、胸が丸出しということ。
だが、冷静に考えてみてほしい。
プールや海水浴場に行けばみんな水着を着る。そこで胸を隠す男がいるだろうか。答えは否ッ!
真の漢ならば、乳首の一つや二つ・・・いや、四つくらい余裕で見せつける器量が、オレにはあるッ!!
「はあぁぁ・・・私、ちゃんと着替え用意してあげたと思うんだけど」
「オレは男だぞ?あんなフリフリ着られるか!」
「えぇーーー・・・それ可愛くないから嫌」
頬を膨らませて文句を垂れる一華。そんな一華も可愛いと思うけれど、そんな彼女には悪いがこれだけはどうしても譲れない。
断固としてあんなものは着ないと、胸を張って堂々と宣言する。
「はあぁ・・・着てるところ、見たかったなぁ」
三段アイスが通りすがりのズボンに食べられてしまったかのような悲壮感たっぷりの表情でぼそりと呟く。
「どういうのが輝夜に似合うか、いっぱい悩んで、頑張って選んだのに・・・」
いくら一華が勝手に用意した物とはいえ、そんな露骨に落ち込まれると、なぜかオレが悪いことをしたような気分になってくる。
物はどうであれ、一応恋人から貰った服である以上、あまり邪険に扱うのもよくなかったかもしれない。
「うぐぐ・・・あ、あとでちょっとだけなら、着てあげても・・・」
「ほんとに!?輝夜ありがとう!大好き!」
「う、ん・・・」
・・・まんまと一華の思い通りになった気がする。
「じゃあ、ほら。いつまでもそんなところ立ってないで、一緒にこっち座ろ」
「・・・ハイ」
一華はぽすぽすとベッドを叩いて、横に座るよう促してくる。
これ以上反抗してもいいことはなさそうなので、素直にベッドに腰を下ろした。
「身体・・・すっごいガチガチになっちゃってる。緊張してるの?」
「普通に緊張するでしょ、だって・・・」
それに一華は可愛い部屋着なのに対してオレは褌一丁。何よりこれからすることを考えれば、緊張しない方がおかしい。あまり童貞を無礼るなよ。
「・・・そういう一華はなんか余裕そうだけど」
「そんなことないよ?私だってドキドキしてるけど・・・でもやっぱり、それ以上に嬉しいから」
照れくさそうに笑う一華につられて顔がかぁっと熱くなり、胸の奥がきゅんっと高鳴る。
「ねぇ、輝夜・・・キス、していい?」
「・・・うん」
「んっ・・・・・・ちゅっ」
オレの頬にそっと手を添えられ、突き出した唇に柔らかい感触が触れる。
温かくて、柔らかくて、ほんのり甘いキスの味。
「んっ、はむっ、んっ、んちゅ」
唇を重ねる度に、触れ合ったところが熱を帯びてどんどん体温が上がっていく。
男だった時からこうすることを望んでいたはずなのに、いざキスをしていると胸の奥にざわざわとした感情が広がる。
「んっ・・・んんっ!」
「輝夜・・・?」
ざわざわとした感情に突き動かされるまま、一華との間に手を差し込み、ぐいっと一華の身体を突き放してしまった。
「あっ、いや・・・ごめん、一華・・・」
どんな顔をしたらいいのかわからなくて、視線を逸らしたまま一華に謝る。
さっき自分でしたことなのに、なんであんなことをしてしまったのか、自分でも信じられなかった。
「もしかして・・・本当は私とキスするの嫌だった?」
「ちがっ、そういうことじゃ・・・」
一華の表情に影が差したのを見て、背筋がゾワッと冷たくなる。
こんな風に恋人から拒絶されれば、誰だって傷つくに決まっている。今更そのことに気づいて、オレにその権利がないとわかっているのに泣きたくなってしまう。
「オレが嫌だったわけじゃなくて・・・一華はその、嫌じゃないの?」
「私が嫌って、何のこと?」
「だから・・・女の子とこういうことするの」
オレが女の子になってから、ずっと考えていた。
「そりゃあ中身はオレだけど、身体だけ見れば女の子同士じゃん?やっぱりその・・・女同士でそういうことするのはキモチワルイ、とか思ったりするのかなーって・・・」
後ろめたいような気持ちになって、伏し目がちに言葉を濁してしまう。
(なに言ってるんだろ、オレ・・・)
本当はこんなこと聞くつもりじゃなかった。
急にこんなこと言ったって、一華を困らせるだけだってわかってる。わかっているのに。
「いや、別に、その・・・ね?いくら付き合ってるからって、絶対にエッチなことしないといけないってわけじゃないと思うし!だから、えっと・・・」
時間が止まったかのような冷たい静寂が怖くなって、声が途切れないように口が勝手に動いて言い訳を並べていく。
「はぁ~~・・・あのね、輝夜?」
急に頭痛が痛み出したかのように一華は頭を押さえて、大袈裟に溜め息を吐いた。
「女の子になっちゃってから大変なことがいっぱいあったんだろうし、そういう風に悩むのも当然のことだと思う」
「う、うん・・・」
「だからね、この際はっきり言わせてもらうけど。私は輝夜が男だから付き合ったんじゃなくて、輝夜のことが好きだから付き合ったの。確かに私だって、輝夜が女の子になっちゃった時はすごく驚いたけど、それでも私なりに、輝夜のことを愛してるつもりだよ」
「あ、あぅぅぅ・・・」
唐突な告白紛いのセリフに、のぼせたように顔が真っ赤になって何の意味もない唸り声が漏れ出る。
そんな態度が一華の琴線に触れたのか、強引にオレの顔を両手で挟んで逃げられないようにして、真剣な表情で真っすぐ見つめてくる。
「輝夜が好き。かっこいい男の人とか可愛い女の人じゃなくて、私が好きな人は輝夜だけだよ。輝夜のことが好きだからずっと一緒に居たいし、輝夜のことを愛してるからえっちなことだってしたい」
「んうぅ・・・お、オレだって、一華のこと・・・しゅ、すき、でしゅ・・・」
「輝夜が女の子になっちゃっても、私の恋人でいてください」
「は、はひぃ・・・こちらこそ、よろしくおねがいしますぅ・・・」
真っすぐ向き合って、恥ずかしげもなくきっぱりと言い切る一華。
そんなかっこいい一華とは反対に、全身が熱く火照って風邪でもひいたみたいに頭がクラクラしてくる。
(そんなこと言われたら、一生一華の恋人になるしかないじゃんっ・・・)
「ねぇ輝夜・・・目、閉じて」
オレの顔を両手で掴んだまま、一華は唇を寄せてくる。
意識しなくても自然と目が閉じて、一華の気持ちを受け入れる。
「んっ・・・ちゅぅ」
一華の柔らかい唇がオレの唇に重なる。
それだけで心の隅にあったわだかまりが解けて、胸の一番深いところがポカポカと温かくなる。
「ちゅっ、ちゅぷ・・・んんっ、ちゅっ」
「あむっ、んはぁっ、ちゅぅ・・・んっ、ちゅっ」
キスをする度にあふれ出てくる幸福感で頭の中がジンジンと痺れ、意識がじんわりと蕩けていく。
胸の奥にあるこの暖かい気持ちを一華に伝えたくなって、オレの方からも唇を押し付け、お互いの体温を交換する。
(一華ありがと・・・オレも好き、大好き)
「んむっ・・・んんーっ、ちゅぷ、んちゅっ」
ずっとキスをしているうちに息が苦しくなってきて、一旦唇を離そうとしても両手でしっかり顔を固定されて逃げられない。
そうしているうちにだんだん頭がぼーっとしてきて、身体の力がゆっくり抜けていく。
「ちゅぅ・・・んっ、んむっ」
「んっ、ちゅっ・・・ぷはぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
「けほっけほっ・・・はぁーーっ、はぁーーっ」
意識が途切れ途切れになってきたところで、一華の唇が離れていく。
朦朧とした意識の中で、少しずつ冷えていく唇に名残惜しさを感じながら大きく肩で息をする。
「はぁっ・・・輝夜、大丈夫?」
「キスで、はぁっ、はぁっ・・・おぼれちゃうかと、おもった・・・」
「私もちょっとやりすぎちゃった自覚はあるよ。・・・でも輝夜が悪いんだよ?こんなに輝夜のことが好きなのに、私のことを信じてくれなかったんだから」
「それは・・・ごめん」
オレの身体が女の子になってから色んなことがあって、色んなことが変わった。
そうやってオレにとって大事な物も変わってしまうことが怖かった。
でも、そうじゃなかった。一華がくれた温もりも、オレの気持ちも、今も変わらずここにある。
それどころか、一華に対するこの気持ちは前よりずっと強くなったと、今なら胸を張って断言できる。
「その・・・ありがと」
「ううん、いいよ。輝夜がそこまで悩んでたのに私も気づいてあげられなかったし・・・だから」
「一華・・・?」
勿体ぶるように途中で言葉を止めた瞬間、一華の雰囲気が変化する。
じっとりとしていて、どこか甘い。蛇のようにじっとりと絡みついてくる淫靡な気配に思わず唾を飲み込んだ。
「だから・・・もう輝夜がそんな風に考えなくていいように、私がどれだけ輝夜のことが大好きか、これからしっかり身体に教えてあげるね」
一瞬の浮遊感の後に、ぽすん、と何かがベッドに落ちる。
白い天井が眼前に広がり、オレに向かってサラリと一華の髪が垂れ下がる。
その光景を見て、オレがベッドに押し倒されたのだとようやく理解した。
「んっ・・・はっ、はぁっ・・・」
一華の顔を見ているだけで全身が燃えるように熱くなって呼吸が荒くなる。
「輝夜、可愛い」
一華の手が優しくオレの頬を撫でて、顔にかかった前髪をそっと払いのける。
その優しい手つきとは裏腹に、肉食獣のような鋭い眼光で品定めするようにオレの身体を見下ろしていた。
「ねぇ、輝夜・・・いいよね?」
ベッドを軋ませながら一華が身を乗り出し、寝転がるオレを抱きしめるように上から覆い被さる。
少し身じろぎするだけで肌と肌が触れてしまう距離。
この一線を越えてしまったらもう戻れないと、本能が警笛を鳴らしていた。
「ちょっ・・・ちょっとストーーップ!!!」
「・・・今度はなに?」
場の雰囲気に流されそうになったが、寸でのところで何とか踏みとどまり、大声を上げて無理やり流れを断ち切る。
「これ違う!なんでオレが押し倒されてるの!?」
「なんでって言われても・・・そういう流れじゃないの?」
「オレが攻める方!こんなナリでも、オレは一華の彼氏なんだし!」
「・・・輝夜は私にされるの、嫌?」
「べっ、べつに嫌ってわけじゃないけど・・・男のプライド的に、抱かれるより抱きたいの!」
妙な流れになりそうになったが、男・・・だったオレが攻める役をするべきだ。
女の子の体になって、オレよりも一華の方が身長が高くなろうが、一華の彼氏はオレだ。攻める役は彼氏のオレ以外ありえない。
「オレが攻めるから、一華は横になって!」
「えぇーー・・・せっかくいいところだったのに」
「関係ない!オレが上じゃないとヤだ!」
「やだって・・・えぇーー?」
一華には悪いが、ここだけはどうしても譲れない。そのためなら土下座でも何でもする。
それで済むなら安いもんだ。土下座の一回くらい・・・
「だから!絶対にッ!オレが攻めるッ!」
「もう・・・しょうがないなぁ」
一華は渋々といった様子で部屋着のシャツを脱ぐと、下着姿になってころんとベッドに寝転がる。
入れ替わるようにオレは身体を起こし、まな板の上の鯉よろしくベッドに寝転がった一華を見下ろした。
(これ、オレが一華の下着脱がせる感じだよね・・・?)
褌一丁だったオレとは違い、一華は明らかに勝負下着だとわかるレースがふんだんにあしらわれた、大人っぽい下着を身につけている。
一華は自分で部屋着を脱いだが、下着は脱がなかった。
つまりこれは、オレが一華の下着を脱がせる、ということだと思う。
けれど女性の下着に免疫がないうえ、色気がある下着をマジマジと見たことすらない。今のオレにはたった一枚の布きれが難攻不落の要塞のように思えて、どこに手をかければいいのか見当もつかない。
ひとまず攻略の糸口を探すため、下着をくまなく観察してみる。
「えへっ、えへへへ・・・」
「ねぇ、輝夜・・・あんまり言いたくないんだけど、女の子がしちゃいけない顔になってるよ・・・」
呆れたようなジト目の一華と視線がぶつかる。
一華の視線が冷たくなる前に一度目を閉じて頭の中をリセットし、たるんだ顔面をペチペチと叩いて気合を入れ直す。
「えーーっと、それじゃあ・・・脱がさせてもらっても・・・?」
「・・・まぁ、うん。いいよ」
下着という不可侵の聖域に踏み込んでいく背徳感を噛みしめながら、そぉーーーっと一華のブラに指をかける。
「・・・・・・」
爆弾解除さながらの慎重さで静かにホックを外してブラジャーを取り払った。
オレとは比べ物にならない大きさのおっぱいが、柔らかそうにふゆんと揺れる。その中心にはくすみのない綺麗な色の乳首がついていて、まるで引力でも働いているかのように視線が吸い寄せられ、目を離すことができない。
「・・・ごくり」
「恥ずかしいから、そんなにじっと見ないで」
「ご、ごめん」
慌てて視線を外し、一呼吸おいてからパンツに手を伸ばす。
横腹の方から肌を傷つけないようにそっと指先を滑り込ませてパンツの端を摘まみ、ゆっくりと下へ引っ張る。
「っ・・・・・・」
途中で引っかかることなく、するすると腰からパンツが抜けていく。
あっという間に足から抜けて、一華は一糸纏わぬ姿でベッドに横たわる。ついに長年の夢だった恋人とベッドインを果たしたのだと実感が湧いてきて、思わず心の中で神に感謝した。
一華の下着は丁寧に畳んでベッドの隅に並べて、生まれたままの姿になった恋人の身体をまじまじと眺める。
張りのある形のいい胸に、女性特有の滑らかなラインを描く腰回り。
柔らかくムチッと弾力のあるお尻と、本人は少し気にしていた健康的な肉付きの太もも。
そして太ももの付け根の辺りに、オレとは少し形が違う女性器があった。
流石に一華も恥ずかしいのか、僅かに耳が朱に染まり、胸と股間の辺りに手を添えてモジモジと身体を揺らす。
そんな欲情的な姿を見せられて、心の陰茎が苛立ち「ヤっちゃいなよ!こんな恋人なんか!」と胸の中のオオカミが叫ぶ。
「じ、じゃぁ・・・そのっ、触るからね?」
一華は一度頷いて、オレが動くのをじっと待つ。
(ホントのホントにヤっちゃっていいんだよね?一華だって『そういうこと』をするつもりで部屋に入れてくれたはず・・・だよね?とりあえず、そういうことだと仮定して、ここは一旦落ち着いて、少しずつ進めれば・・・いや待て、少しずつってナニをどうすればいいんだ?爪は切った、お風呂もさっき入った。下準備はいいとして、あれ?コンドームはいつ装備したらいいんだっけ?そういえばオレのカバンもといディルドはどこ?というかディルドならコンドームいらなかったんじゃないの?)
「・・・輝夜?」
「ヤります!ヤらせてください!」
数秒フリーズしていたオレを不安そうに見つめる一華。
ただでさえ一度えっちの流れをぶった切っているのに、これ以上モタモタしていたら本当に終わる可能性もある。
ここまで来たらもう後には引けない。すぐに覚悟を完了して、武者震いする指先を一華のお、おま、おまんこっ、に添える。
「ほわぁ・・・!」
「なんで触ってる方の輝夜が、そんな反応してるの・・・?」
自分の胸を揉んでも楽しくないのと一緒で、自分の股間を触っても特に感動はない。
逆に恋人の大事なところに触れているのだという事実だけで、目頭が熱くなる。
(いや感動してる場合じゃない。今はそれより、一華を気持ちよくさせないと)
恥丘の指を添えて、割れ目を横に開く。
くぱぁとピンク色の粘膜が露出し、女性の生命の神秘とも言える膣口がヒクヒクと蠢く。
「お、思ったより恥ずかしいね、これ・・・」
一華が上擦った声でそう言った瞬間、あまりの破壊力に思わず仰け反りそうになったのを何とか堪えて、ひとまず目の前の光景を脳内フォルダに保存する。
もしオレのムスコが健在なら、今頃痛いくらいに勃起していただろう。
観察もそこそこに、性欲に突き動かされるまま熟れた果実のような膣口に指を宛がい、ゆっくり埋めていく。
指先にしっとりとした肉壁が触れる。一華の秘所は想像していたよりも抵抗があり、思うように指が挿入っていかず、焦りばかりが募っていく。
「その・・・一旦止めて」
「えっ」
一華の口から飛び出した言葉に、身体が石になったように硬直する。
オレにとって一華は初めてできた彼女で、えっちするのも今日が初めて。
圧倒的に経験が足りていないのは自覚しているが、自分も気づかないうちに何か一華の機嫌を損ねるようなことをしてしまったのだろうか。
「ここら辺はプライバシーだから、あんまり聞きたくないんだけど・・・」
「・・・・・・?」
一華は何かを迷うような素振りをしながら、おずおずと口を開く。
「輝夜は、その・・・、女の子になってからオナニーしたことない、よね?」
「お、おなぁっ!?」
自慰行為、マスターベーション、セルフプレジャーなど様々な呼び名があるが、それが意味するものは一つだけ。
性交ではなく、自分の手や器具などを用いて自らの性器を刺激し、性的快感を得る行為である。(Wikipedia参照)
ちなみに、オナニーはドイツ語らしい。
「だって、触り方が全然慣れてない感じだったし、女の子になってからオナニーしたことないんじゃないかなー、って思ったんだけど・・・」
「うぅ・・・それは」
「・・・シたことないでしょ?」
「だってぇ・・・触っても、あんまり気持ちよくなかったしぃ・・・」
男の数倍気持ちいいと言われる、女の快感に興味がなかったわけじゃない。
それこそ、家で一人の時に何度かオナニーに挑戦してみたことだってある。
AVや同人誌などを真似てオナニーしてみたが、中々性的快感を得ることができず、時には数十分も根気よく刺激し続けたこともあったが、結局気持ちよく感じることはなかった。
「やっぱり。そうだと思ったんだよね」
「うぅぅ・・・」
「いきなりアソコを触るんじゃなくて、他のところを刺激してもう少し濡れてきてからじゃないと気持ちよくならないんだよ?」
「はい・・・」
「輝夜は女の子初心者だし、こればっかりはしょうがないって思ってるから!だから捨てられた子猫みたいな顔しないでってばー!」
「うぅ、でもぉ・・・」
こんなことなら簡単に諦めず、もっとオナニーしておけばよかった、と後悔ばかりが頭をよぎる。
初えっちで彼女に『気持ちよくない』と言われてしまったら、死ぬまでずっと今回の失敗を引きずって生きていくことになる。
一華に悪気がないのは重々承知しているが、これは男の沽券にかかわる問題なのだ。
「も、もう一回チャレンジしていいから!それで元気出してってばー!」
「・・・い、いいの?」
「もう・・・私だって恥ずかしいんだから、こんなこと何度も言わせないでよ」
めのまえが、まっくらに、なった・・・と絶望しかけたところに一筋の光が差した。
オレは一度失敗したというのに、もう一度チャンスを与えてくださると仰ったのだ。
この時確かに、一華の背後に神々しい後光を見た。
「ありがとうございます・・・ありがとうございます」
「・・・大袈裟だってば」
聖母のような一華に向き直り、再度彼女の性器と対峙する。
一華は『いきなり触ったりせず、他のところを刺激してから』と言っていた。
確かに言われてみれば、AVでもいきなり挿入したりせず、まずは胸を弄ったりキスをしていたような気もする。
(具体的にナニをすれば・・・?)
性器以外を触るにしても、闇雲に全身撫でまわしても効果は薄いだろう。
顔や胸、太ももにお尻。パッと見ただけでも愛撫できそうな部位は多くあるが、感じ方は人それぞれ。相手が一華の場合、果たしてどこから攻めるべきなのか・・・
「・・・・・」
熟考の末、ひとまず胸を触ってみることにした。
胸もれっきとした性感帯の一つであり、前戯でも定番の部位。
・・・それと前々から一華の柔らかそうな胸を思いっきり触ってみたかった。
一華のおっぱいを下からそっと手を添えて、壊れ物を扱うように優しく丁寧に揉む。
「んっ・・・」
少女の小さな手のひらから溢れるほどに大きく膨らんだ胸は、少し指を動かすだけでモチモチと肌が吸い付いてくる。
オレのブラを買わされた時に聞いたのだが、一華の胸は平均よりも少し大きいらしい。自慢げに言われたのでよく覚えている。
「すごい・・・やわらかい・・・」
マシュマロよりモチモチとしていて、プリンよりも柔らかい。
オレの薄い胸なんて比べ物にならない、極上のおっぱい。こうして胸を揉んでいると、女性としての格の違いを実感する。
「ど、どう・・・?」
おっぱいを揉みつつ、一華の反応を窺う。
特に痛がっている様子はないが、本当にこれで合っているのか自信がない。
「まぁ大体そんな感じかな?あとは、もうちょっと揉み方を変えてみたりしてみて」
「はい」
―――五分後―――
「んんーー・・・なんというか、気持ちいい所があるから、そこを触るっていうか・・・」
「はい」
―――さらに五分後―――
「おっぱいはもういいから、太ももの内側とか、股間の辺りを触ってみて」
「はい・・・」
―――十分後―――
「何と言うかこう、自分がどうしたら気持ちいいか考えて、マッサージするみたいに・・・」
「はい・・・・・・」
―――さらに十分後―――
「・・・・・・」
「・・・・・・」
おかしい。オレはこんなに必死にシてるのに。
「あんまり言いたくないんだけど・・・」
「じゃあ言わないで」
「何と言うか・・・微妙にヘタだよね」
「 あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙っ゙っ゙!!!!」
嘘だッ!
初エッチの時に、彼女に言われたくないセリフTOP3に入るヤツ!
大抵の男は心折れるって!心と一緒にボッキリ中折れするってェ!
「うぅ・・・しくしく、しくしくしく・・・」
「えーーっと・・・泣かないで?誰にだって、初めてはあるし・・・」
あんなこと言われたら、もう心折れちゃって、そもそも勃つモノもなくってェ・・・
「それに、ちょっとは気持ちよかったよ?」
「・・・・・・ほんとぉ?」
「嘘じゃないってば。だから、ね・・・」
ゆっくりと起き上がった一華がベッドの隅で項垂れる俺を見下ろす。
その瞳には哀れみや同情ではなく、ギラギラと加虐的な光が煌めいていた。
「輝夜が頑張ってくれたからご褒美に、どうすれば女の子が気持ちよくなれるか、教えてあげるね」
「ゑ?ちょわ!?」
一華はオレの両肩を掴むと、勢いよく突き飛ばした。
不意を突かれたせいで、抵抗する間もなくポスンッ!と再びベッドの上へ押し倒される。
何が起きたかわからず一瞬ポカンと呆けた隙に一華が上に覆い被さって、あっという間に逃げ道を塞がれてしまう。
「い、いきなりなにす・・・んむぅっ!?」
文句を言おうと口を開くも、強引にキスされて言葉を遮られる。
「んっ・・・!んちゅ、ちゅぅ・・・」
以前デートでしたような唇を啄むようなキスではなく、感情のままに相手を求める官能的なキス。
唇が触れ合う度にジリジリと焦がれるような感覚が広がって、身体の奥がじんわりと痺れていく。
「ちゅっ、ちゅ・・・んむぉ!?」
(舌が入ってきてる!?)
キスで緩んだ唇の隙間から、一華の舌がぬるりと口内に侵入する。
戸惑うオレを無視して一華の舌が唇を濡らし、オレの舌を絡め捕って唾液を流し込んでくる。
「れぇー・・・れろ、ちゅぱ・・・れろ」
一方的に激しく口内を蹂躙され、甘い快感の痺れが脳の奥まで浸食し、思考をピンクに塗りつぶす。
こんな風に押し倒されるなんて男のプライドが許さないのに、胸を満たす感覚が心地よくてずるずると流されていく。
「れろれろ、ちゅぅ、じゅぷっ・・・ちゅぱっ・・・はぁっ、はぁっ」
「ぷはぁっ・・・はぁーーっ・・・はぁーーーっ」
時間の感覚さえ曖昧になるほど長い時間唇を重ねて、酸欠で意識が途切れ途切れになってきたところで、やっと一華の唇が離れた。
一華から逃げようにも、息を吸うのに精いっぱいで抵抗する力は残っていなかった。
酸欠でなった重くなった身体はベッドに沈み、上手く焦点が合わない瞳でぼーっと一華を見つめる。
(キス・・・すごくきもちよかった)
オレを見つめ返す栗色の瞳と、発情して朱に染まった頬。銀色の橋がかかる唇からは熱い吐息が漏れる。
さっきまであの唇にキスされていたと思うと、胸の奥がキュンッと疼いてもどかしい気分になる。
「輝夜可愛い。大好きだよ」
「ぅあぁ・・・」
今まで『可愛い』なんて言われても嬉しくなかったのに、一華の口から言われると胸の奥がじんわりと温かくなって、身体の力が抜けてしまう。
「それじゃあ・・・触るからね」
一華の手のひらが、起伏の乏しい胴体の上をゆっくりと滑っていく。
肌を滑る指先が僅かに膨らんだ胸に辿り着くと、そのままフニフニと優しく揉んでいく。
「っ・・・ぁ、っ・・・」
胸全体を両手で包み込むように揉まれ、刺激に慣れてくると今度は指の腹で乳首を軽く押し潰して、こねるようにクニクニと転がす。
くすぐったいような感覚の中に時たまピリッと妙な刺激を感じて、口の間から艶っぽい吐息が漏れる。
「ん、くっ・・・はぁっ・・・」
「声、我慢しなくていいよ」
「そんなことっ、んっ・・・言ったってぇ」
生理的反応を消すことができないように、自分の意思とは関係なく吐息交じりのくぐもった声が漏れるのを止められない。
「力を抜いて、気持ちいいのを受け入れて」
「ぅ・・・んあぁっ!?」
優しく胸を揉んでいた手が、いきなり乳首を抓んでキュッと捻り上げる。
想定外の鋭い刺激に、悲鳴のような高い声を上げてしまう。
「これくらいなら痛くはないよね?」
「でも、なんか・・・ひゃぅ!?」
乳首をギュッと強く抓り上げられ、目尻にじわりと涙が滲む。
乱暴にされてほんの少し痛かったのに、その悲鳴はどこか艶めかしく、抓られた乳首は痛みとは別のピリピリと痺れるような感覚があった。
「ほら・・・おっぱいに意識を集中して」
乳首を抓んだままキュッキュッとリズミカルに引っ張られ、さらに強い刺激が乳首を襲う。
また乳首を抓られると身構えれば、乳輪の周りをくるくるとなぞられ、くすぐったい感覚に身を捩ると、右の乳首を指先で転がされて、左の乳首はギュウゥッと抓り上げられる。
刺激に慣れないようにランダムに動きを変えながら、絶えず乳首を弄られ続け、一華の指に合わせてピクンピクンと身体が反応する。
「んんっ・・・あっ・・・?」
ピリピリとした感覚が身体の中に蓄積し、いよいよ声が抑えられなくなってきたところで、不意に一華の手が止まり胸から離れる。
手の下から出てきた乳首は、散々弄られたおかげで天井に向かってぷっくりと膨らみ、小さいながらも充血している様は、まさに発情した女性のそれだった。
(オレの胸・・・女の子のおっぱいになっちゃった・・・)
胸から離れた一華の手が身体の表面をなぞりながら下半身の方へと進んでいく。
さわさわとみぞおちを撫でて、へその上をなぞるように通過し、下腹部の辺りで動きが止まった。
「ここ、何があるかわかる?」
一華はそう言って、腹筋がなくなりプニプニになった少女のお腹を、指先でトントンと軽く叩く。
へそと股間のちょうど真ん中の辺り。その一点をピンポイントで叩いていた。
「な、なにって、んっ、言われても・・・」
「じゃあ、ヒント出してあげる。ここには女の子にとって、一番大事なものがあるの」
「ぁっ・・・」
その一言で答えを察して、はっと息を飲む。
一華はニコリと妖しい笑みを浮かべ、耳元に唇を寄せてそっと囁いた。
「ここにはね・・・好きな人とえっちして、赤ちゃんを育てるための子宮があるんだよ」
ドクンッと心臓が跳ねる。
今のオレは頼りがいのある男じゃなくて、一華がいないと生きていけない一人の女の子でしかない。
これから女の子として抱かれるのだと本能で理解してしまって、身体の奥がジンジンと甘く痺れていく。
「ふふっ、輝夜のこと気持ちよくしてあげるから、全部私に委ねて」
お腹の上から子宮を一撫でして、さらに下へと手が滑っていく。
腰に巻いていたバスタオルはいつの間にか解かれていて、ついに股間を触られると身構えるも、一華は股間に触れず、股間を通り過ぎて内ももで手が止まった。
「ぇ・・・?」
てっきり股間に触れられると思っていたのに、一華が触れたのは内もも。
正直言って、肩透かしをくらった気分だった。
そんなオレの気持ちなど全く気づいていない様子で、一華はゆっくりと内ももを撫で始める。時間をかけて上下にさするだけで、それ以上のことはしてこない。
「んっ・・・ふ、うぅ・・・」
お腹と内ももをさわさわと撫でられているだけなのに、身体の奥からジクジクとした熱が湧き出してくる。
くすぐったくて、もどかしい、身体を内側から焦がすような熱い疼き。今まで感じた事のない感覚に戸惑って、動けなくなってしまう。
そうしている間にも内ももを撫でる手が徐々に付け根の方に這い上がってきて、割れ目との距離が短くなるほど息が乱れてモジモジと身体が左右に揺れる。
「んぁっ・・・な、なんで・・・?」
あとほんの数センチで割れ目に触れる、そのギリギリのところで一華の手が止まり、何事もなかったかのように下へ戻っていく。
今度こそ割れ目を触られると思ったのに、また何もしなかった。
それなのに割れ目はぐずぐずと爛れるような熱を持ち、焦燥感に似た感覚が下腹部を中心に広がっていく。
「ふっ・・・んっ、ふぅ・・」
寄せては返す波のように、一華は執拗に内ももを撫で続ける。
無意識のうちにくねくねと腰が揺れるようになって、苦しくなるほどジクジクと股間が疼く。
数分も経つ頃には、下腹部に渦巻く焼き付くような熱のことしか考えられなくなっていた。
「んっ、はぁぁ・・・アソコあつ、い・・・っ」
「どんな風に熱いの?」
「なんかっ・・・お腹のおく、ムズムズして、んっ・・・はぁっ」
熱に浮かされた頭では深く考えることができず、感じた感覚をそっくりそのまま声に出す。
「ね、せっかくだから『アソコ』じゃなくて、ちゃんと『おまんこ』って言ってみて」
「ぁ、ぅ・・・お、おまんこ・・・あつくてっ・・・つら、いぃ」
自分が何を言っているのか曖昧なまま、一華の言う通りに言葉を発する。
何かとんでもないことを言っているような気もするが、羞恥心を感じる間もなく身体の疼きで思考を上書きされ、満足そうに微笑む一華を顔を見ているうちに、細かいことはどうでもよくなっていた。
「これだけやれば大丈夫かな?それじゃあ、そろそろ・・・」
「ど、どういう・・・ふぁっ!?」
前触れもなく一華の手がオレのおまんこに触れる。
その瞬間ピリッと痺れるような感覚が背筋を走り、自分の声とは思えないほど甘くとろけた声が零れた。
一華はおまんこ全体を覆うように手を添え、軽く圧迫しながらおまんこの表面をマッサージするようにゆっくりと手を振動させる。
「どう?おまんこ気持ちいい?」
「そんなの、んっ、ふぅっ・・・わかん、ない」
一華の手を動く度に身体の奥にゾクゾクとした感覚があるものの、気持ちいいかと聞かれるとよくわからない。
以前自分で触った時と違って痛くない、そんな感想でしか出てこない。
「じゃあ、これならどう?」
「あっ・・・」
一華は自分の指を咥えて唾液を纏わせ、十分に濡れた指でぴったりと閉じた縦筋をくぱぁと開くと、外気に晒されたピンク色の粘膜に指を添えて、少し力を込めて割れ目を上下に擦る。
「んっ・・・くっ、んんぁっ」
「声我慢しない方が気持ちよくなれるよ」
割れ目を開いて直接性器に触れたことで刺激をよりダイレクトに感じ取れるようになり、ゾクゾクとした感覚が強くはっきりとしたものになる。
「これっ、なんかやばっ・・・やばぃっ」
ほんの少し刺激が強くなっただけなのに、股間から感じるゾクゾクとした感覚が水飴のように甘くねっとりとした、未知の感覚に変化する。
甘くて重い感覚は消えることなく身体の中に溜まり、底なし沼のように思考をじわじわと飲み込んでいく。
(こんなの知らないっ!?オレのからだ、どうなってっ・・・!?)
自分の身体が内側から作り変えられてしまうような感覚に、不安になって一華の腕をぎゅっと掴む。
一華はその手を振り払うことなく、震えるオレの口にそっと唇を重ねた。
「んっ、ちゅっ・・・大丈夫だよ。怖かったらそのまま掴まってていいから」
「あっ、んぁっ、いちかぁっ・・・おまんこっ、ヘンになってっ」
「やっぱり男だった時と感じ方が違うのかな?」
「ち、ちょっとまっ・・・んんっ!」
言い終わる前に、一華は再び唇を押し付けてくる。
唇をついばみ、丁寧に味わうような甘くて安心するキス。舌を入れる深く激しいキスではないが、それでも十分すぎるくらいに気持ちいい。
「ちゅっ、ちゅ・・・んっ、ちゅぅ」
「ちゅぷっ、かぐや・・・ちゅっ、輝夜、好きだよ。ちゅぅっ」
キスをしている間も割れ目に添えられた手は止まることはなく、絶えず刺激を送り込んでくる。
唇を重ねるごとに身体の奥が燃えるように熱くなり、時折ビクッと腰が震えて、一華の腕を掴む力が強くなる。
「んんっ・・・ぷはぁ!い、いちかぁっ!くるっ!なんかきてるっ!」
キスをしている間に、下腹部に溜まっていた甘く重たい感覚が徐々に暴走し始める。
自分の身体なのにどんどん抑えが効かなくなってきて、気を抜いた瞬間に爆発しそうになっていた。
「うん、いいよ。キスしてあげるから、そのままイって」
逃げ道を塞ぐようにキスされて、それに合わせて手の動きも早くなり、頭の中でピンク色の火花がパチパチと弾ける。
同時におまんこの奥の方から熱いものが湧き上がってきて、どうにか堪えようと身体をぎゅっと強張せてもどうにもならず、すぐに限界に達して一際強い感覚が全身に迸った。
「んっ!んんんんっ~~~!!」
一華と唇を重ね合わせたまま腰がビクッ!と勢いよく跳ね、激しい衝撃が全身を貫いて頭の中が白く塗り潰される。
十秒以上もの間そんな状態が続いて、少し身体が落ち着いてきたところで一華がゆっくり唇を離した。
「んあっ・・・はぁっ・・・いひ、いちかぁ」
「どう?初めての女の子の絶頂。気持ちよかった?」
刹那的な強い快感で射精して、すぐに醒めてしまう男の絶頂とは全く違う感覚。
触れたところから甘く切ない感覚が少しずつ全身に溜まっていって、それが限界まで溜まると快感がぶわっと勢いよく噴き出し、頭の中が白く弾けてイってしまう。
イった後もふわふわとした絶頂の余韻に包まれ、とろりと淡い快感が溢れ続ける。
「こ、これ・・・やばい・・・かも」
一回イって、絶頂の余韻もなくなってきたのに、まだ身体の奥、おまんこが熱を持っている。
女の身体は男と違って際限なくイくことができるとは聞いていたが、まさか自分の身体で実感することになるとは思わなかった。
(こんなのを何度も味わったら・・・クセになっちゃうかも)
初めての女の絶頂は、危機感を感じるのに十分すぎる経験だった。慣れていないイき方をして疲弊した身体は、ぐったりとベッドに沈み込む。
自分で思っているよりも今日のお家デートに緊張して疲れていたのかもしれない。最終的に一華に主導権を取られてしまったが、初体験が失敗に終わらなかっただけ良しとしよう。
「今日は一華が責める役だったけど・・・次はオレが一華のこと気持ちよくするから・・・!」
「そっか、ありがと。・・・なら今日は、私の好きにさせてもらうね」
「んぇ?それって、どういう・・・ふあぁっ!?」
気を抜いていたタイミングで鮮烈な快感が背筋を突き抜け、突然の刺激に情けない嬌声を上げて慌てふためきながら自分の股間に目をやった。
オレのおまんこは未だ一華に占領されていて、その指先はちょうど男性器があった辺りを弄んでいた。
「まさか、これで終わりなわけないよね?それじゃあ次は・・・女の子の一番敏感なところ、触ってあげる」
「まっ、やめっ・・・んやぁっ!?」
一華の指が一点に狙いを定め、そこをピンポイントで責め始める。
「ここがクリトリス。女の子が一番気持ちいいところだよ」
「んあぁっ!?」
一華が弄っているのは快感を感じることに特化した部位、クリトリスだった。
慣れた手付きで、皮を被った小さなクリトリスをクニクニと優しく揉まれる。
「んぐっ!ぁん!それっ、こえ、がまんできなぁっ!?」
皮の上から優しく揉まれているだけなのに、クリトリスを中心にドロリと焼けるような快感が湧き上がってくる。
今までとは比べ物にならない強い快感が勢いよく脳天に叩きつけられ、喘ぎ声が勝手に口を突いて出る。
「輝夜の感じてる声、いっぱい聞かせて」
「んっ、やぁっ!きくなぁっ、んんぅ!?こえっ、きかないでぇっ!」
一方的に感じている姿を見られるだけでも十分恥ずかしいのに、こんな情けない喘ぎ声を一華に聞かれていると思うと、泣きたくなるほどの羞恥心に襲われる。
「だーめ。いくら輝夜の頼みでも、それだけは聞いてあげない」
そう言うと、一華の細くしなやかな指がクリトリスを守っていた皮を剥いてしまう。
無防備に晒されたクリトリスは『男だった時はもっと大きかった』と訴えるように、ぴくんぴくんと小さく震えてその存在を主張する。
さっき一度イったせいか、クリトリスはぷっくりと赤く膨らんでおり、一華に弄ばれるのを待ち望んでいるようにも見えた。
「輝夜のクリ、ちっちゃくて可愛い」
「そ・・・そんなことっ、なぁ゛っ!!?」
今はもうないオレのムスコを小さいと馬鹿にされた気がして、咄嗟に反論しようと口を開くも、出てきたのは切羽詰まった喘ぎ声だった。
人差し指から薬指の三本の指をくっつけた指の束が、剝きだしになったクリトリスの表面を削るように素早く左右に動く。
「これっ゙!これっ、クリやばっ、んあぁ゙っ!?」
束ねた指の凹凸がクリトリスを優しくポコポコと弾いて、一往復ごとに腰が砕けそうなほどの快感を生み出し続ける。
クリトリスだけじゃなく、神経を直接削るような強すぎる快感。何とか止めさせようと手を伸ばすも、軽くあしらわれた挙句、両手を一纏めに押さえつけられてしまう。
「輝夜のクリ、子供サイズなのに敏感なんだ。すっごく気持ちよさそうな顔になってるよ」
「あっ!?ゔぅっ!わざわざ・・・ひぅっ!いうな゙ぁ!」
オレが女の子の身体になってすぐの頃、一人でオナニーを試した時にクリトリスを触ってみたことはあったが、少し触るだけでクリトリスが痛くなって快感なんて微塵も感じなかった。
なのに、今はクリトリスを激しく責められて痛みを感じるどころか、身体が壊れそうな快感ばかりがとめどなく溢れ出し、頭の中を『気持ちいい』で上書きしていく。
「んぐっ!?んぁっ!あっ、うぐぅっ、んんんっ!」
おまんこの奥から溢れて出てきた愛液を指に絡ませ、ぬちゅぬちゅと淫靡な水音を響かせる。
愛液で滑りがよくなった分クリトリスを擦る速度も上がって、喘ぎ声を抑えることがさらに難しくなる。
「やっ、やばっ、い゙っ!?んんっ、ぐぅっ、ん゙あぁぁ!」
愛液でヌルヌルになったクリトリスを責められ、おまんこから愛液が溢れる。
おまんこから溢れ出た愛液を掬い取って、敏感になったクリトリスに垂らしてまた責められる。
快感による負のループに陥ったクリトリスは、愛液を塗り込まれる度に感度が上がって、おまんこ全体が溶けてしまいそうなほど真っ赤に熟れていく。
愛液まみれになったおまんこは自分の愛液が媚薬になったように錯覚して、さらに深い快感の渦へ落ちていく。
「あぅっ!もっ、むり゙ぃっ!げんかいっ!もゔげんかっ・・・いぃっ!」
ドロリと重い快感の塊は溶けることなく身体の中に残り続け、赤く上気した身体はビクビクと震えて限界が近いことを訴える。
それなのに責める手は勢いを増して、さらにクリトリスを追い込んでいく。壊れそうな快感を無理やり流し込まれた身体は、オレの意思とは関係なく絶頂の準備を始めていた。
「んぁっ!ほんとに、ん゙んっ!?はぁっ、イ゙っちゃうからぁっ!」
「うん、いいよ。輝夜の可愛いイキ顔、私に見せて」
指の間にクリトリスを挟んでぐいっと押し潰された瞬間、風船が割れるように勢いよく快感の塊が弾けた。
「っっ~~~~~~!!」
快感が弾けた衝撃でパチパチと頭の中がスパークし、身体を大きく仰け反らせながら声にならない嬌声を上げて絶頂する。
「はぁーーっ、んぁっ・・・はぁーーっ、はぁーーっ・・・」
一度大きく腰が跳ねた後もガクガクと細かい痙攣が続いて、荒い呼吸のまま焦点の合わない目で虚空を見つめる。
身体は重く沈んでいくような感覚がするのに、意識はふわふわと宙に浮き上がるような、女の身体でしか味わえない絶頂の幸福感に浸る。
「ねぇ、これ見て。輝夜のえっちな汁で、指ベトベトになっちゃった」
魔の前にずいっと一華の手が差し出される。透明で粘り気のある液体でコーティングされた一華の指は、妖しく光を反射していた。
「だ、だって、んっ・・・しょうがない・・・じゃん」
かぁっと熱くなった顔が見られないように一華から視線を逸らして、もにょもにょと言葉を濁す。
一華はそんなオレの態度が気に入らなかったのか、わざとらしく指を擦り合わせてクチュクチュと卑猥な音を奏でて聞かせてくる。
「ほーら、ベトベトのビチャビチャだよ?」
「・・・うるさい」
覆い被さったまま動こうとしない一華の下から這い出て、絶頂直後の気だるい身体を気合で起こし、ニヤニヤと意地悪ばかり言う恋人を精一杯の不機嫌顔で睨みつける。
「い、いいから!早くその指キレイにしてっ!」
「しょうがないなぁ・・・んーー、じゃあ・・・あむ」
一華は一瞬何かを考える素振りをして、何を血迷ったのか、オレの愛液で汚れた指を躊躇なく口の中に突っ込んだ。
「ちょっ!?な、なにやってんの!?汚いからダメだって!」
「輝夜に汚いところなんてないよ?」
「いやっ、でも・・・!」
流石にちょっとキモいと思ったけれど、それでも心のどこかで喜んでしまっている自分もいて、どうにも次の言葉が出てこない。
「輝夜の気持ちいいお汁、えっちで美味しいよ」
唇についた愛液をぺろりと舐め取り、熱っぽい視線を送ってくる一華。じっとりと絡みついてくるような熱にあてられ、またへその辺りがきゅんっと疼いて切なげな吐息が漏れる。
「次は、二人で一緒に気持ちよくなろ?」
おまんこの疼きを見透かしたような動きで、ゆっくりお腹の上を撫でられ、沸騰するように顔がかぁっと熱くなる。
「っ・・・」
口を動かす余裕もなく、真っ赤になった顔を静かに縦に振った。
それを見つめていた一華は艶やかな笑みを浮かべて、ベッドを軋ませながら距離を詰めてくる。
一華は広げた足の間にするりと身体を滑り込ませると、後ろに手を突いて腰をぐいっとオレの方へ突き出した。
「・・・あっ」
突き出された一華の割れ目は、じんわりと濡れて淫靡に光を反射していた。
(一華も興奮してるんだ・・・)
今まで何回も『好き』と言葉をもらっていたけれど、こうして直接オレを求めてきてくれることが何よりも嬉しくて、胸が苦しくなるほどドキドキと高鳴り、へにゃりと頬が緩んでしまう。
「んっ・・・」
こっちからも腰を突き出して、オレのおまんこを一華のおまんこに押し付ける。
クチュリと水音を立てて互いの愛液が混ざり合い、押し付けたおまんこから熱く火照った感触が伝わってくる。
「輝夜のおまんこ、んっ・・・すっごいトロトロになってるよ」
「んぁっ・・・いちか、だって」
押し付け合ったおまんこがどんどん熱くなり、二人分の愛液が混ざり合ってドロドロにふやけていく。
こうしておまんこをくっつけているでも身体の疼きが強くなって、我慢できずにへこへこと腰が揺れてしまう。
「いちかっ、いちかぁっ!」
「輝夜・・・っ、好き。好きだよ」
「うんっ、オレも!オレも好きっ!」
どちらともなく片手を相手の方に向け、何があっても離れないように指と指を絡ませてぎゅっと手を繋ぐ。
手のひらを圧迫する温かくて力強く感触が、最愛の人と一緒にいるということをより強く実感させてくれる。
「んっ、んっ・・・んぁっ、あっ、ん・・・」
腰を揺らしておまんこを擦り付け合って、じんわりと柔らかい快感を二人で分かち合う。
頬を赤らめ色っぽい吐息を漏らす一華を見ているだけで心臓がドキドキと脈打ち、子宮の辺りがジクジクと熱を持つ。
「あっ、あんっ、はぁっ、はぁっ、んんっ」
「んっ・・・あっ」
二人の荒い息遣いとクチュクチュと愛液が混ざり合う音が部屋に木霊する。
時たま一華のクリトリスがオレのクリトリスにクニュリとぶつかって一際強い快感が背筋を走り、押し付けた腰がビクッ!と震える。
最初はぎこちなかった腰の動きも、おまんこを擦り合わせているうちにだんだんコツを掴んできて、一華も一緒に気持ちよくなれるよう、オレの方からも積極的におまんこを押し当てて一生懸命腰を振る。
「あんっ、あっ!んんっ・・・んあぁっ!」
「んっ、ぁっ・・・あんっ」
腰使いが滑らかになるにつれて淫靡な水音も大きくなり、身体の奥に少しずつ快感が溜まっていく。
グチュグチュと淫靡な水音を立てて何回も重なり合う股間は、おまんこ同士でキスしてるようで、そう自覚した瞬間にさらに身体が熱くなり、おまんこがきゅんきゅんと疼く。
「あっ、んあぁっ!いちかぁっ・・・!」
「んんっ、輝夜も、一緒にもっと気持ちよくなろっ」
ガバっと抱き着くように覆い被さってきた一華に勢いよく押し倒され、空いていたもう片方の手もぎゅっと握られて逃げられなくなる。
いわゆる正常位のような体勢になり、押し倒されて動きが鈍くなったオレの分まで、一華の方から腰を揺らして快感を高めていく。
(これっ・・・さっきよりもクリトリスが当たって・・・!)
一華の重さを一身に受け止めるおまんこは隙間なくぴったりと密着し、皮を剝かれぷっくりと膨らんだクリトリスは一華のクリトリスにさらに強く押し潰され、頭が真っ白になりそうなほどの快感を生み出してビクビクと全身が震える。
「輝夜、んっ、キスも・・・ちゅぅ」
「んむっ、あっ!んっ、ちゅっ」
有無を言わさず唇を塞がれ、貪るように激しくキスを重ねて唾液を交換する。一華の唾液は甘くて、喉を鳴らして飲み込むと頭の中がピリピリと心地よく痺れる。
それにキスできるくらい近づいたせいで、一華の柔らかい胸がオレの胸の上に乗り、身体の動きに合わせてムニムニと形を変えながら乳首を押し付け合う。
(おまんこだけじゃなくて、キスも胸も、全部気持ちいいっ!)
愛液にまみれたおまんこも、押し潰されるクリトリスも、擦れ合う乳首も、キスでトロトロになった唇も、絡ませた指先でさえも気持ちいい。
「んぁっ!ちゅっ、ちゅぷっ、んんんっ!」
火傷しそうなほど身体が熱く火照って、目の前がチカチカと点滅して、唇の隙間から喘ぎ声を漏らす。
全身で一華を感じられるこの瞬間が何より幸せで、なぜだか泣きたくなってしまう。
この幸せな時間が永遠に続いてほしいと願うのに、視界の端がチカチカと点滅し始めて今にもイきそうになっていた。
「んんっ、ぷはっ!いっ、いちかっ、あんっ!オレ、もっ・・・もぅ、げんかっ、いっ!」
「うん、いいよ・・・私もそろそろ、んぁっ、イきそう、だから・・・二人で一緒にっ、んんっ!イこっ!」
胸が張り裂けそうなほどの好きの気持ちと、溶岩のようにグツグツと煮えたぎった快感が身体の中で混ざり合い、思考をドロドロに溶かしていく。
「あっ、あっ、あっ、いちかぁっ!イくっ、イっちゃう!」
「んんっ!いいよっ、一緒に、ぁっ、一緒にイこっ!」
絶頂が近づくほどおまんこを擦り付ける動きが激しくなり、重なり合ったおまんこはグチュグチュと重い水音を奏で、溢れ出した愛液が太ももまで飛び散る。
「もうっ、だめ!んぁっ!イくっ!イっちゃう!」
「私もっ!もうっ、イくっ!」
目の前がチカチカと点滅して、限界ギリギリまで快感を貯め込んだ身体はガクガクと震え続ける。
目前に迫る絶頂を一華と共有できるように、繋いだ両手を力の限りぎゅうぅっと握りしめた。
「んああぁぁぁっっ!!!」
「イっ・・・くぅっ!」
腰をぐいっと押し付けたのをきっかけに、身体の中に溜まっていた快感の塊が一気に破裂し、全身がビクンッ!と大きく跳ねて、脳が蕩けそうなほど甘く幸せな絶頂を迎える。
しばらく絶頂感が続いて快感の余韻でカクンカクンと腰が揺れ、愛液でドロドロにふやけたおまんこはヒクヒクと幸せそうに痙攣を繰り返している。
「んんんっ・・・んああぁぁ・・・」
「んっ、はぁっ・・・輝夜、大丈夫?」
「んぁっ・・・はぁっ、はぁっ、だ、いじょうぶ・・・」
五感全てを塗り潰すような強烈な絶頂感は、未だに身体の中でパチパチと弾けていて、ぐったりと脱力した身体はまだ動かせそうにない。
そんなオレを心配そうに見つめる一華を安心させようと、快感に震える身体に鞭を打って精一杯の笑顔を返す。
「輝夜・・・」
「んっ・・・」
一華がぽつりとオレの名前を呟き、そっと顔を近づけてくる。
すぐに一華の意図を察して、ゆっくり目を閉じて一華が来てくれるのを待つ。
「んっ、ちゅっ・・・」
疲れた身体を労わるように、優しく唇を重ねる。
さっきまで一華の身体に触れるだけであんなにドキドキしていたのに、今は軽くキスするだけで胸がポカポカと温かくなっていくのを感じる。
「ちゅっ・・・ん、ちゅっ・・・」
「んっ、ちゅぷっ、いひかぁ・・・すきぃ」
一華はオレの背中に手を回して優しく身体を引き寄せ、胸の谷間に頭を押し込める。
「んっ・・・」
目を閉じて身を委ねると、柔らかい胸の奥からトクントクンと脈打つ心臓の音が聞こえてくる。
一定のリズムで鼓動する心臓の音は子守歌のように心地よく、ほどよく温かい一華の体温も相まってどんどん意識が深く沈み込んでいく。
(いち、か・・・)
抗い難い眠気に誘われ、一華の匂いに全身を包み込まれながらゆっくりと意識を手放した。
――――――――――
「すぅーー、すぅーー・・・むにゃむにゃ」
「あーもう、可愛いなぁ。つんつん」
「んっ、ぁーー・・・?」
せっかく気持ちよく眠っていたのに、何かがぷにぷにと頬をつついて邪魔してくる。
寝返りを打ってもしつこくつついてくる感触に嫌気が差してきて、重たい瞼を持ち上げてイタズラしてくる人物を確認する。
「あれぇ、いちか・・・?なんでオレの部屋にいるのぉ?」
「なんでって・・・輝夜、そんなに寝起き悪かったっけ?」
「んんーー・・・?」
一華の言っていることがよくわからない。何か大切なことを忘れているような気がして、寝転がったまま辺りを見回してみる。
(知らない天井だ・・・あぁ、そっか。一華の部屋に来て、それから・・・)
少しずつ記憶を辿っていくうちに、だんだん思い出してきた。
たしかオレは、一華とお家デートして、映画見て、お風呂入って、そして・・・えっちした。
「っ!??!?!?」
記憶の糸が繋がった瞬間、一気に恥ずかしさがこみ上げてきて、ボンっと爆発したように顔が熱くなる。
真っ赤になった顔を見られたくなくて、掛け布団を頭から被って一華の視線から隠れる。
勢いよく一華のベッドに潜り込んだせいで、一際濃い一華の匂いがふわりと鼻孔をくすぐり、その匂いのおかげでさっきの情事をより鮮明に思い出してしまい、余計に頭がクラクラしてくる。
「って、あれ・・・?ぎゃああああぁぁぁ!!!」
「どうしたの?」
「ふ、ふくっ!オレ何も着てないんだけど!?」
布団の中にあったオレの身体には、服はおろか、パンツの一枚も着ていなかった。
「まあ、あんなことシた後だし。・・・あ、でも安心して。輝夜が風邪引かないように、軽く身体拭いておいたよ」
「どこに安心する要素が!?」
力強く答える一華に、若干ヒステリーになりながらツッコミをいれる。
えっちした後すぐに寝落ちしてしまったオレの体調を心配して、善意でやってくれたのだろうが、好きな人にグチャドロになった事後の裸と、無防備な寝顔を見られたのが何よりも恥ずかしかった。
(そもそも、身体拭かれたタイミングで起きろよ、オレぇ!)
「一回エッチしたんだから、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。まー、そういうところが可愛いんだけど」
「うぐぐ・・・」
布団から顔を半分だけ出して、ニマニマと笑う一華を睨みつける。
そうしたところでさっきの失態が消えるわけじゃないとわかっていても、どうしても睨まずにはいられなかった。
「・・・じゃあ、一華はなんで服着てるの?不公平じゃない?」
「私は輝夜が寝てる間に、お風呂入ってきたから」
「なっ、ズルい!お風呂入るなら、その時起こしてくれればよかったじゃん!」
「それって・・・輝夜も一緒にお風呂入りたかったの?」
「そ、そういうことじゃなくて!」
「一緒にお風呂に入りたくない」と言えば嘘になる。けれど、オレが今言いたいのはそういうことじゃない。
ベタベタになっていたオレの身体を拭くくらいの気遣いができるなら、なんで寝落ちしたオレを起こすくらいの簡単なことができなかったのか。
「んー・・・とりあえず、輝夜もお風呂入る?」
「そりゃあ、オレだってお風呂入りたいけど・・・」
「けど?」
一華が軽く身体を拭いてくれてはいるものの、全体的に身体がベタベタしている気がする。
お風呂を貸してくれると言うならありがたく使わせてもらうが、その前に一つ問題がある。
「何も着てないから、布団から出れないんだって!」
「家には私しかいないから、誰かに見られたりしないよ?」
「流石に人様の家で全裸徘徊できるほど図太くない!なんか露出狂みたいじゃん!」
「私の部屋に来た時は、おっぱい丸出しだったのに?」
「おっ、おおお、男が胸隠す方が変だし・・・」
「あんなに可愛くあんあんって喘いでたのに、いまさら男って言い張るのはちょっと無理がない?」
「ぐっ、むぐぐぐ・・・」
身体は女の子になっても、心は男のまま・・・だとオレは信じている。
例え、彼女との初めてのえっちで主導権を握られ、女の子みたいに嬌声を上げてイかされたとしても、オレの精神は男のままなのだ。
「トロ顔であんあんって喘いでる輝夜、ずっと眺めてたいくらいすっごい可愛かったよ」
「あっ、あれは違うっ!あれは・・・え、演技!そう、演技だから!」
「・・・はい?」
「いやぁ、ね?初エッチで微妙なムードになっちゃったらお互い気まずいと思うし、何より一華がノリノリだったからそれにノってあげたみたいなとこも若干無きにしも非ずって感じで、つまりどういうことかって言うとオレが空気を読んで感じてるフリをしてあげたってわけ。まぁ?全然気持ちよくなかったことはなくもなかったけど、あんなにオーバーに喘ぐほどってわけでもない気がするような雰囲気もするし。何と言うか彼氏として?彼女に花を持たせてあげた?みたいな感じであって、決してオレが女の子みたいに喘いでたわけではないってこと。おかげで最後までいい雰囲気だったじゃん。あ、先に言っておくけど別に一華の手マンが下手だったわけじゃないから。そこだけは心配しなくていいと思うよ?オレが男だったからこんなだっただけで、まあ相手が悪かったってやつ?みたい・・・・・・な?」
「ふぅーーーん、へぇーー・・・」
「あ、いや・・・だから、その・・・ね?」
オレを見下ろす一華の表情が、どんどん冷たいものに変わっていく。
養豚場のブタでも見るかのように冷たい、残酷な目。『可哀そうに。まだ自分の立場をわかっていないんだ』といった雰囲気。
(な、なんかヤバげな気配が・・・でも、もう後には引けないし・・・)
冷や汗が背筋を伝い、思わずゴクリと唾を飲み込む。いや、悠長に唾を飲んどる場合か。
ゆらり、ゆらり、と不気味に身体を揺らしながら、ゆっくり一華が近づいてくる。今の一華には何でもやりそうな・・・『スゴ味』がある。
「とっ、ととと、とりあえず、お風呂の方、お借りさせてもらいますね・・・」
『全裸のまま家中の歩きたくない』などという矮小な悩みなどに構っている暇はない。
怒れる獣を刺激しないように静かに布団から這い出て、人畜無害を装っていそいそと部屋を出ていこうとするも、すぐに一華の手がオレの肩を鷲掴みにして力ずくで引き留められる。
「私ね・・・輝夜に結構無理させちゃったかなって、結構反省してたんだ・・・なのに、輝夜はそういうこと言っちゃうんだ?」
「いや、だって、それはぁ・・・」
一華の手がギリギリと肩に食い込んでくる。
とても痛い。でもそれ以上に、怖くて振り向けない。
「輝夜のことちょっと甘やかしすぎてたかも。こんな風になっちゃったのは私のせいだし、ちゃんと責任取って・・・輝夜が可愛い女の子だってこと、しっかり身体にわからせてあげる」
「な、なにをするだ・・・むぎゃ!?」
肩を掴んでいた手が強引に身体を引っ張って、勢いよくベッドの上に叩きつけられる。
突然のことに混乱しているうちにオレの両手が掴まれ、頭の上で一纏めにされて押さえつけられてしまった。
「い、一華・・・?」
「謝っても、もう遅いから」
「ちょっ、一旦落ち着いて・・・んむっ!?」
何の前触れもなく強引に唇を奪われ、唇の間から侵入してきた一華の舌がヌチュヌチュと淫靡な水音を立てて口内を犯す。
お互いに愛し合うようなキスとはまるで違う、相手の都合などお構いなしに自分勝手に唇を貪る、暴力的なキス。力任せにレイプするようなキスなのに、下腹部がきゅんと疼いて心臓はバクバクと壊れたように鼓動していた。
「んぷっ、れろれぇ・・・ぷはっ、じゅるっ、んっ、ちゅぅ」
暴力的に口内を犯され、脅すように舌を絡め捕られ、無理やり唾液を流し込まれ、絶え間なくキスの快感を送り込まれ続ける。
(これ、やばっ・・・あたま、ふわふわする・・・・)
息継ぎをする間もなくずっとキスをされているせいで、頭がぼーっとしてきて、すっかり脱力した身体は時折思い出したかのようにビクッと弱々しく跳ねる。
このままキスで溺れ死んでしまいそうな予感がして、何とか一華の手を振りほどこうとするもびくともせず、逃げようとしたことを戒めるようにさらに激しく唇を嬲られる。
「ちゅっ、ちゅぷ、んはっ・・んれぇ、れろ」
「んっ、んんーー!ぷはっ!・・・はぁーーっ、はぁーーっ」
一分以上唇を塞がれ、意識が途切れ途切れになってきたところでやっと唇を解放された。
「んっ、はぁっ・・・も、もぅ、いいれしょ・・・て、はなしてぇ」
肩で息をしながら、涙で潤んだ瞳で一華を見つめ返す。
ひとまずキスは止まったが、腕は未だベッドに押さえつけらていて、一華が腕を解放しない限り身体を起こすことすら叶わない。
「まだ始まったばっかりだよ?それに、これくらいで許してあげるわけないから」
片手でオレの腕を押さえつけたまま、反対の手が下腹部へと伸びる。
何の抵抗も出来ないまま呆気なくクリトリスの皮を剝かれ、外気に晒された陰核を一華は我が物顔で弄り始める。
「そんな、いきな・・・あっ!?」
前戯もムードもなくいきなり愛撫されたにもかかわらず、クリトリスは敏感に快感を感じ取って割れ目はじわりと湿り気を帯びていく。
「さっきのが演技なら、クリを弄られたくらいでイったりしないよね?」
「そっ、れはぁ・・・んんっ!?いぅ、イくわけ・・・ない、だろっ!」
「・・・やっぱりそうだよね。輝夜は頑固だし、可愛い女の子だってそう簡単に認めるわけないもんね」
無表情でつまらなそうに頷くと、クリトリスを抓む指から一切の手加減がなくなる。
「んあっ!それっ、あっあぁ!つよっ、つよすぎっ!?」
クリトリスの形が変わるほどグニグニと捏ね回し、快感を圧縮するようにぎゅうぅっと容赦なく押し潰す。
刺激に慣れないよう常に弄り方を変えながら、絶頂に向けて効率的に責め立ててくる。
「こんなのじゃイかないんでしょ?ほーら、我慢我慢」
(そう言われたって!そんな激しくされたら・・・!)
「うっ、んぅっ・・・あん!んんっ、あっ!」
身体の奥から湧き上がってくる快感を押し殺そうとぎゅっと目を瞑るも、男だった時とは比べ物にならないクリトリスの快感を制御することはできない。
目を閉じたせいで却ってクリトリスに意識が向いてしまい、腰全体を焦がすような鮮烈な快感をよりはっきりと感じ取り、頭の中がクリトリスの快感でいっぱいになる。
「あぐっ、だめ!イくっ!もうイっちゃう!」
あっという間に絶頂まで追いやられ、身体は勝手に絶頂を迎えようとしてガクガクと腰が震え始める。
「はい、ストップ」
「んぁっ!はぁっ・・・んんっ、はぁっ・・・」
押し寄せていた快感が限界に達する直前、突然一華の手が止まった。
荒くなった息を何とか落ち着かせながら、イく手前まで溜まった快感を少しずつ冷ましていく。
あとほんの数秒刺激されていたらイかされていたというのに、一華は全く気にしていないように見えた。
何を考えているかわからず少し不気味ではあるが、とにかく一華の手淫を耐えきった。
「輝夜、今イきそうだったでしょ?」
「ちがっ・・・イくふりしたら、止めるかなって思っただけだし・・・」
「だから、もう演技しなくていいってば。だって輝夜は、私のクリ責めなんかじゃイかないんでしょ?」
「そっ、そうだけど?こんなの何時間されてもヘーキだし・・・」
売り言葉に買い言葉で、つい反射的に言い返してしまった。
『しまった』と思った時にはもう遅く、一華は呆れの色が滲んだため息を一つ溢した。
「へーー、なら、再開するね」
一華は棒読みで相槌を返すと、なんの前触れもなくクリトリス責めを再開する。
「んあっ!?な、なんでぇっ!んぅっ!」
「なんでって、別にいいでしょ?早漏クリじゃないなら、いくらやっても大丈夫だよね」
「いい、なんてっ!あっ、んぐっ!いって・・・なぁっ!?」
細くてしなやかな指が好き勝手にクリトリスを弄り回す。
おまんこの奥から零れてきた愛液を指で掬い取ってクリトリスに満遍なく塗り込み、快感を覚えて間もない陰核を執拗に磨き上げていく。
「んっ!・・・んあっ!うっ、あぁっ!」
クリトリスから送り込まれてくる快感が頭の中を埋め尽くし、視界の端がパチパチと点滅を繰り返す。
全身をぎゅっと強張らせて必死に我慢しようとしても、一度イきそうになった身体はさっきよりも敏感に快感を感じ取って、頭の中を白く塗りつぶすような激しい絶頂が近づいてくる。
(やばいっ、今度こそホントにイくっ・・・!)
「腰、ビクビクしてきたね」
「あぅっ、ひっ、んぐっ!イっっ・・・!」
「・・・ストップ」
「んっ、あぐっ!・・・うぅ、はぁっ、はぁっ・・・」
『また』絶頂の一歩手前でクリトリスを弄る手がピタリと止まり、何事もなかったかのように離れていく。
今にも零れ出しそうな快感に侵された身体は壊れたオモチャのようにガクガクと震えて、大きく肩で喘ぎ声を漏らすオレの姿を一華は満足げに見つめる。
(もしかして・・・わざとイかないようにしてる?)
オレよりも女の子としての経験が長い一華が、一度ならまだしも、二度もイかせ損ねるとは思えない。
もしそうなら、一華の目的はオレを『イかせる』ことではなく『イかせない』ことなのでは・・・
「もう落ち着いたよね。それじゃあ再開しよっか」
「もぅ、んあっ!?もう、やめっ、あぁっ!」
止まっていた手が再度クリトリスを抓んで、しつこくグニグニと捏ね回す。
神経を直接犯すようなクリトリスの快感ですぐに頭の中がいっぱいになり、何も考えられなくなる。
「まだ始まったばっかりなんだから。もうちょっと頑張って」
「あっ、んあぁ!んんっ・・・ぁんっ!」
ベッドの上で腕を押さえつけられて身動きが取れず、嫌と言うほど快感を流し込まれ、考えることすら縛られる。
オレに許されているのは一華の手の中で身を捩って、一華を楽しませるための嬌声をあげることだけだった。
「クリ気持ちいいねー。ほら、イっていいよ」
「あうっ、んっ!んっ!んっ!んんんんぁっ!」
(イく!イくイくイくっ!)
「ストップ」
「ひぐぅっ!う、ぁ・・・はぁっ・・・」
あと一回クリトリスを抓むだけで絶頂できるのに、ギリギリのところで責める手がピタリと止まり、クリトリスだけがピクピクと震える。
「声抑えれば、そのままイかせてもらえると思った?輝夜がイきそうになってるの、バレバレだってば」
「んっ、はぁっ・・・そ、そんなこと・・・」
「まだまだいっぱい寸止めしてあげるから、負けないようにちゃーんと我慢してね」
「う、うそ・・・」
――――――――――
「はーい、ストップ」
「ゔうううぅぅぅっっ!!」
むわぁっと淫臭が立ち込める部屋に、少女の辛そうな声が響く。
「あーーぁ、またイけなかったね」
愛液にまみれてぷっくりと赤く腫れたクリトリスは、磨き上げられた宝石のようにテラテラと光を反射していた。
何度も絶頂直前まで責めれ、毎回ギリギリのところで寸止めされる。寸止めされる度に時間の感覚が曖昧になって、もう何回寸止めされたのかはわからなくなっていた。
「ふっ、あぐっ・・・はぁっ、はぁっ・・・」
「わっ、お尻の方まで愛液垂れてきてる・・・えっろ」
一度絶頂を意識しまえば、必死に唇を噛んで堪えていても、身体の奥から湧き上がってくる快感は抑えきれず、最後にはイくことだけしか考えられなくなる。
逆にどれだけクリトリスに意識を集中させても、イく寸前で刺激が止まりもどかしい快感の余韻だけが残される。
決してイけない快感で宙ぶらりんになっている間に、絶頂の気配はゆっくりと消えてなくなっていき、完全に消え失せる直前に一華の手がクリトリスを弄り始める。
「輝夜ってば、すぐイっちゃいそうになるから、加減するのも大変だよ」
「もぅ、むり・・・むりぃ・・・」
「いっぱい寸止めしたもんね。私もちょっと疲れちゃったし、そろそろ休憩にしよっか」
「んぇ・・・?あっ・・・」
そう言うと一華の指は下半身から離れ、呆気なくクリトリスが解放される。
ずっと焦らされてきたのに、急にその場に取り残されたクリトリスは腰の動きに合わせてピクンピクンと寂しそうに震えている。
「どう?寸止めされるのキツいよね?特に輝夜みたいな、えっちな女の子は耐えられないでしょ?」
「やだぁ・・・おれはっ、えっちなおんにゃのこじゃ、ないぃ・・・」
「そんな可愛いトロ顔で言っても、説得力ないよ?」
一華は獲物をいたぶる肉食獣のようにニタニタと笑いながら、愛液でぐっしょり濡れた指でへその少し下の辺りを撫でまわす。
たったそれだけのことなのに、おまんこの奥が焦げるように熱を持ち、下半身がグズグズに爛れていく。
「もう可愛い女の子だって認めちゃお?そうすれば楽になれるよ」
「うっ、くぅ・・・ふーーっ、ふーーっ」
(まけないっ・・・おれは、いちかのかれし・・・っ)
子どもを諭すように優しい声色で、じっと瞳を見つめてくる一華。
反対に『一華の思い通りにならない』と精一杯気持ちを込めて、キッと睨み返した。
「くっ、ふぅ・・・みとめるっ、わけ、ない・・・んんっ」
「ふ--ん、あくまで男だって言い張るつもりなんだ。・・・あ、そうだ。このままじゃ輝夜が可哀そうだし、チャンスをあげる」
「チャンス・・・?」
へその辺りを撫でていた指が再び割れ目の方へ移動していく。またクリトリスを弄ばれると思ってぎゅっと目を瞑るが、待ち構えていた刺激はやってこない。
恐る恐る目を開けるとクリトリスの真上、だいたい五センチほど離れたところで一華の指が静止していた。
「一分だけ私の指を貸してあげるから、好きに『使って』いいよ」
「な、にを・・・」
「だからね、私が休憩してる間は、絶対にここから指を動かさないから、だから輝夜はその間好きにシていいってこと」
何かよくない気配はするが、快感でのぼせきった頭ではどうにも意図が読み取れない。
含みのある笑顔から察するに何か企んでいるのは明確なのだが、性感帯を触られるわけでもなく、オレに何かデメリットがあるようには思えない。
「それじゃあ、今から一分ね」
一華は壁に掛けてある時計をチラリと一瞥して、そう宣言する。
とにかく一分。一華の責めが止まっている今のうちに、少しでも火照った身体を落ち着けることに集中する。
「ふぅーー・・・ふぅーー・・・ん、ぅぅ・・・」
「・・・何もしなくていいの?」
「だ、だって・・・んっ、はぁぁ」
「別に何もしなくてもいいけど、輝夜はツラくないの?・・・それに、これはただのオナニーなんだし」
「男の人だってオナニーするでしょ?」と一華は言葉を付け加える。
さも当然のように言うものだから、それが普通のことなのか、突拍子もないことを言われているのか、のぼせた頭では判断がつかない。
「私の指でオナニーするだけなんだから、何も問題ないよね?」
一人でえっちなことをして、気持ちいいところをいっぱい弄って、そして最後は・・・思いっきりイける。
「ずっと寸止めされてたんだもん、オナニーして気持ちよくなりたいよね?」
「んっ・・・はっ、はっ、はっ・・・」
(そう・・・これはオナニー・・・オナニーだから、だいじょうぶ・・・)
そう思うと急に気が楽になった。
オナニーなら一人でできるし、オナニーだったらオアズケされない。オナニーするのは何も問題ない。
「ふーーっ、ふーーっ・・・」
下半身に広がるジクジクとした熱に突き動かされて腰を浮かせて、ピンと勃ったクリトリスを一華の指に押し付ける。
「・・・んぁっ!」
散々焦らされて感度が限界まで上がったクリトリスは、軽く触れただけで背筋にゾクッと快感が走った。
「んっ・・・んくっ」
依然として腕を押さえつけられているせいでお腹に力を入れて腰を浮かせるしか一華の指にクリトリスを押し付ける方法がないのだが、これが思ったよりも難しく、中々気持ちよくなれない。
「くっ、ふぅ・・・んんっ」
(あぁもう、イライラする!もっとはげしくしたいのに!)
たまにクリトリスが擦れてピリッと快感を感じるが、それも一瞬だけ。
喉が渇いて仕方ない時に数滴だけ水を飲まされるような焦燥感に駆られ、苛立ちばかりが募る。
「ふっ、ふっ・・・んぁ、んくっ」
一華の指に向かって腰を浮かせ、上手くクリトリスに当たるよう調整しながら、へこっへこっと空中で腰を振り続ける。
「んっ・・・あんっ!」
腰を揺らして気持ちよくなれる動きを試行錯誤していると、偶然にも一華の指がクリトリスに引っかかり、甘く弾けるような快感がビリビリと腰の奥に響く。
(いまの・・・もういっかい)
一度掴んだ感覚を忘れないうちに、さっきの動きを思い出しながらもう一度腰を振る。
「んっ・・・あっ!んっ!」
一華の指をおまんこを押し付けて腰を左右に揺らすと、小さく腫れたクリトリスが指に引っかかり、そのまま腰を振りぬけば、引っかかっていたクリトリスがピンっと弾かれたように跳ねる。
直接クリトリスを抓んで捏ね回すほどの快感ではないものの、徐々に快感を感じ取れるようになって、甘くとろけるような熱が下腹部に溜まっていく。
「んあっ、んんっ、あっ」
(おなにー、おなにーきもちいいっ!)
髪が肌に張り付くことも気にせずに、気持ちよくなることだけ考えて無我夢中に腰を振り続ける。
クリトリスが弾かれる度に快感が溢れそうになって、腰がビクビクと震える。その腰の震えすらも快感の一部になって、少しずつ絶頂へと上り詰めていく。
「あっ、あっ・・・んんっ、んぁぁっ」
「オナニー、気持ちいいねー」
身体の奥から噴きあがってくる快感は今にも爆発してしまいそうなのに、さらに自分を追い込むように腰の動きが速くなっていく。
心の余裕が少しずつ削ぎ落されるような感覚に、目尻にじわりと涙が滲む。
「・・・くっ!イく!イっっ、くぅっ!」
「はーい、時間切れでーす」
一華が口を開いた瞬間、クリトリスを擦り付けていた指がパッと消え失せた。
擦り付ける物がなくなっても腰の動きは止まらず、何もないベッドの上でガクガクガクッ!と狂ったように痙攣する。
「ゔゔううぅっ!!」
少女の口から発せられていると思えない、低く唸るような声が喉の奥から絞り出される。
惨めで悲しいような、それでいて腹が立つような、ぐちゃぐちゃに混ざり合った感情が胸の奥から溢れ出して、涙と一緒にボロボロと零れ落ちていく。
「あっ、ぐぅ・・・ひっ、ぐすっ」
(やだやだぁ・・・イきたい、イきたいだけなのにっ・・・)
一度溢れてしまえばもう止めることはできず、見た目通りの十歳の女の子のように頬を濡らして嗚咽を漏らす。
「あーやばい、泣き顔も可愛いすぎだってば。・・・でもちょっとやりすぎちゃったよね。ごめんね」
一華はずっとベッドに押さえつけていた腕を離し、優しく丁寧に頭を撫でてくる。
散々一華にいじめられたのに、どうしてもその手を払いのける気にはなれず、自由になった両手で目元を覆い、勝手に溢れてくる涙を力任せにゴシゴシと拭う。
「キモチイイのもうヤだぁっ!ひぐっ・・・もう女の子でいいから、ちゃんとイかせてよぉ!」
自分でも何を言っているのかわからない。理性のタガが外れてしまったのか、胸に渦巻く感情がそっくりそのまま口を突いて出る。
「っ・・・女の子でいいの?」
「女の子でいいから゙ぁ!オレのクリ゙っ!ぐすっ、クリチンポ、イかせてよぉっ!」
「うーーん、おちんちんって言うより、クリちゃんって感じかなぁ?・・・それに」
目元を擦るオレの手がそっと退かされ、妖しく光るを一華の瞳と視線がぶつかった。
「それに女の子なら、女の子らしく可愛くおねだりしないと。ね?」
「っ・・・あ、ぅ」
心の隅に追いやられたちっぽけな男のプライドなんかじゃ、下腹部の疼きを鎮めることも、一華の望みに応えることもできない。
「お、オレの・・・」
それなら・・・いっそ。
「オレ・・・わ、わたしっ、の・・・クリちゃん、い、いっぱいイかせて、くださいっ・・・」
取り返しのつかないことを言っているとわかっているのに、背筋がゾクゾクして、どうしようもないほど興奮している。
「うん、いいよ。輝夜ちゃんが満足するまで、いっぱいイかせてあげるね」
慈愛と性欲が入り混じった蠱惑的な表情で囁く一華は、どんな時よりも魅力的に映った。
「んっ・・・ふあぁっ!?」
突然クリトリスを襲った快感で一気に現実に引き戻される。
一華から視線を外して自分の下半身へ目を向けると、一華の指が赤く腫れたクリトリスを指先でゆっくり転がしていた。
「今度こそ最後までやってあげる。だから何も心配しないで気持ちよくなっていいよ」
じっくりと快感を引き出すようにクリトリスの周りを指でクルクルと円を描きながら、性感帯を刺激する。
クリトリスはトロトロと溶けるような甘美な快感に浸り、無意識に媚びるような嬌声を上げる。
「あっ!んっ、ふっ・・・んんぁ!いち、いちかぁっ」
「私も輝夜が大好きだよ。ちゅっ、ちゅぷ・・・れろ」
磁石のように自然と引き寄せられた一華の唇が、快感で緩んだ唇を塞ぐ。
感触を確かめ合うように舌を絡ませ、発情で甘くなった唾液を交換する。
「ちゅるっ、んれぇー・・・ちゅぷ、んくっ」
一華の唾液が喉を伝って身体の中に落ちていく感覚が麻薬のような幸福感を生み出し、脳が甘く痺れていく。
(キスきもちいいっ・・・すきっ、だいすきっ!)
少しでも一華とくっ付きたくて、もっと一華と一つになりたくて、口内を犯す一華の舌に、必死に舌を絡ませる。
「ちゅっ、じゅる、ちゅぷ、んっんっ、ちゅぅ・・・」
優しく弄られているクリトリスは一華の指の中で切なそうにビクビクと跳ねて、何度も寸止めされて敏感になった身体は、弱い刺激でも簡単に絶頂に近づいていく。
「んっ、いひ、かっ・・・ちゅぅ、いちかぁ!んちゅっ、ちゅぱっ」
じわりと涙が目尻に溜まって、張り裂けてしまいそうなくらいの『好き』の気持ちで胸がいっぱいになる。
この気持ちが少しでも伝わるように、一華の背中に手を回して力いっぱい抱きしめる。
(イくっ!もうほんとにイっちゃう!)
今にも絶頂してしまいそうなのに、クリトリスを責める指は止まらない。
口の中を犯す舌が深く入ってくるのと同時に、クリトリスをくにゅぅっと優しく押し潰され、全身に待ち望んでいた快感の電流が走った。
「んんんんんーーっ!!」
クリトリスが押し潰されたのがトドメになって、くぐもった声を響かせながら全身をビクビクと痙攣させて絶頂する。
久しぶりの絶頂は、ずっとイけなかった分気持ち良くて、まさに天に昇るような感覚だった。
「んっ、んーーっ・・・ぷはっ、はぁーーっ・・・」
「はぁっ、はぁっ・・・上手にイけたね。気持ちよかった?」
「ん、くっ・・・んはぁっ、はぁっ」
「あ、まだイってる。可愛い」
銀色の橋を伸ばしながら唇を離して、艶めかしい笑みを浮かべて焦点の合わない瞳を覗き込んでくる。
絶頂と同時に刺激は止んだはずなのに、快感の余韻だけで身体の中でパチパチと火花が弾けて緩やかにイき続ける。
(これやばい・・・イったのに、ずっとあたまふわふわしてる)
男だった時とはまるで違う、甘くてふわふわとした快感の余韻。
ふわふわと夢心地の中、心地いい気だるさと全身を満たす幸福感に包まれながら、優しく一華に抱きしめられる。
「・・・そろそろ落ち着いた?」
「うん・・・」
「でも、まだイき足りないよね?次はコレ使ってみよう?」
「ふぇ・・・?」
ぺちっと音を立てて下腹部に柔らかい何かが叩きつけられる。
一華の指とも違う無機質な感触の正体は、半透明なピンク色で大きくそり立ったおちんちん・・・を模したディルドだった。
「え、あっ・・・な、なんで、一華が・・・」
「私がシャワー浴びて出てきた時に、輝夜のカバンからはみ出してるの見つけちゃって。・・・コレ、いつ使うつもりだったの?」
「そ、れは・・・お家デートで、二人きりだし・・・その、えっちするかもって・・・」
「なるほどねぇ・・・輝夜って、こういうエッチなオモチャ好きだったりする?」
「だ、だって・・・その、わたしのおちんちんなくなっちゃったから、代わりの物がいるって思って・・・」
一から十までディルドの説明をさせられたせいで、夕日に照らされたように顔が真っ赤に染まり、まともに一華の方を向けない。
それなのに一華はニヤニヤと笑みを浮かべ、無言で言葉の続きを促してくる。わたしが恥ずかしがる姿を見て楽しんでいるのは明白だった。
「ねっ、せっかくだし、輝夜のおまんこに挿入れてもいいよね」
「だ、だめっ・・・それはだめっ」
「なんで?」
「そんなおっきいの、絶対挿入らないから・・・」
下腹部に載せられたディルドの先端はへその辺りまで達している。
男だった時に股間から生えていたソレは、どう見ても未成熟な少女の身体に収まるサイズではなかった。
「ふぅーーん、それじゃあ輝夜は、自分の膣内に挿れられないような物を、私には挿れようとしてたんだ?」
「そ、それは・・・ううぅ」
大袈裟に肩を落として大きくため息を吐く一華。
罪悪感に胸を締め付けられて、つい首を縦に振ってしまいそうになるが、バキバキと音が聞こえてきそうなほど大きく反り返ったディルドをわたしの膣内に挿入されると思うと、身がすくんで動けなくなる。
「これ以上反論がないなら、挿れちゃってもいいよね?」
追いつめるような口調と一緒にディルドでぺちぺちとお腹の上から子宮を叩かれ、お腹を圧迫されたことで割れ目からとろりと愛液が垂れる。
「んっ・・・む、むりなの、ほんとにだめだから・・・」
オレの声が聞こえていないのか一華はディルドをしっかりと握り込むとドロドロに濡れた割れ目に擦り付け、ヌチュヌチュと水音を鳴らしながらディルド全体に愛液を馴染ませていく。
五回ほど往復してしっかりと愛液でコーティングされたのを確認すると、ヒクヒクと蠢くおまんこの入口にディルドの先端を宛がった。
「先っちょだけ、ほんとに先っちょだけだから。頑張って挿れてみよ?」
「やっ、ぁ・・・まって・・・」
ディルドを掴む手にぐっと力が入って、ぴったりと閉じた割れ目をこじ開けようとする。
今まで感じたことのない本能的な恐怖が込み上がってきて、一華の腕をぎゅっと掴んで引き留めた。
「な、なんでもするから・・・なんでもするからまってっ!」
咄嗟にそう叫ぶとわたしの気持ちが一華に届いたのか、ディルドをねじ込もうとする動きが止まった。
「本当に・・・何でもしてくれるの?」
「う、うんっ!わたしにできることなら、何でもしてあげるから!だから・・・」
「例えばどんなことしてくれるの?」
「え・・・っと、それは・・・」
せっかく掴んだチャンスを無駄にしないよう、慌てて一華が喜びそうなことを想像して口を開く。
「きっ、キス・・・とか好きなだけしていいし、可愛い服とかもいっぱい着るし、ほかにも・・・」
「他にも?」
「一華にいっぱい教えてもらったから、今ならちゃんと一華を気持ちよくしてあげられるよ?・・・だ、だからね、おまんこ止めて?」
必死に口角を上げて、にへらと笑顔を作る。
それを見た一華も、にっこりと微笑んで優しく頭を撫でくれる。
「わかった。輝夜がそこまで言うなら・・・」
一華はそこで言葉を区切り、ゆっくりと息を吸い込んだ。
「輝夜のこと、いっぱい気持ちよくしてあげるから、えっちな声で鳴いて可愛くメス堕ちしてね」
「へ・・・・・・?な、なんで・・・んぎゅっ!?」
突然身体を内側から押し潰すような強い圧迫感に襲われ、訳も分からず目を白黒させる。
一華の顔から自分の股間に視線を移すと、ピンク色のディルドが割れ目に突きたてられていて、亀頭の部分は始めからそこに存在しなかったように、膣内に消えて見えなくなっていた。
「ぐぅ、くはっ・・・ぁ、やだっ!ぬいっ、ぬいて・・・!」
まだディルドの半分も挿入っていないのに、強烈な異物感に内臓を圧迫されているような感じがして、上手く息が吸えず口がパクパクと開閉を繰り返す。
「抜いてほしいの?でも輝夜のおまんこは、ぎゅ~ってしがみついて全然抜けないよ?」
一華がディルドから手を離しても、股間から突き出たディルドは身体の震えに合わせてブルンと揺れるだけで、一向に抜け落ちる気配はない。
お腹に力を入れて押し出そうにも、息を整えるので精一杯。一華もそれをわかっているのか、わたしが落ち着くのをじっと静かに待っている。
「あっ、ふうぅ・・・もっ、むり・・・もう、はいらないから」
「かなり濡れてたからいけると思ったけど、やっぱり全部は挿入らないかぁ」
「いちっ、いちか、おね、がい・・・もういぃ・・・でしょ」
涙声で訴えると流石の一華も諦めたらしく、おまんこに突き刺さっているディルドの根本を握り直してゆっくりと引き抜く。
挿入された時と違ってゆっくり時間をかけて引き抜かれているせいで、カリ首が膣壁をゾリゾリと削りながら抜けていく感覚をはっきりと感じ取る羽目になる。
「言っておくけど、まだ止めないからね?」
「んぎぃっ!?」
やっとおまんこを解放してもらえる、と胸を撫で下ろした瞬間一華の手が止まり、抜けかかっていたディルドは逆再生するように肉ヒダを掻き分けて膣内に戻っていく。
「ふっ、ぐ、ぅ・・・」
「力抜いてー・・・そうそう。ゆっくり動かしていくからね」
ディルドの先端がじっくりとおまんこを慣らすように、浅いところをずちゅり・・・とたっぷり時間をかけながら行き来して、作り物のカリ首でキツく閉じた膣内を抉りながら、グジュグジュに熟れたおまんこを丁寧に解していく。
「んぐっ、くっ・・・あぐッ!?」
「あ、やっぱり輝夜もここ気持ちいいんだ。私と同じだね」
おまんこのお腹側、入口近くにある僅かに膨らんだところをディルドの亀頭でグニッと抉った瞬間、神経に直接犯すような強い快感がおまんこで弾け、反射的にガクンと身体が仰け反って恋人に聞かせられないような可愛さの欠片もない喘ぎ声が口を突いて出る。
「んぐっ!あ゙ッ!?やっ、ヤだッ!」
「そんなに喘いでるのに、何が嫌なの?」
「あっ、ひぐぅっ!?こんな゛こえっ!きかなっ、ぁぐっ!?きかないでっ!」
「私に喘ぎ声聞かれるの恥ずかしいんだ?もうすっかり女の子だね」
お腹側の一点を軽く圧迫されるだけで腰の奥から脳天まで一気に快感が突き抜け、濁音混じりの嬌声が喉を震わせる。
『聞かないで』と言っているのに、一華はキスできる距離までゆっくり顔を寄せてくる。
「はしたなく喘いでる輝夜ちゃんも、すごく可愛いよ」
「ひゃぅ!んあ゙ぁっ!」
耳をくすぐるように「可愛い」と囁かれると、耳まで性感帯になってしまったかのようにゾクリと身体が震えて、おまんこがきゅぅぅっと収縮してディルドの形がはっきりわかるくらいに締めつける。
一華の台詞と身体の反応で、自分でも気づかなかった『わたしの本音』が胸の奥から浮かび上がってくる。
(そっか・・・わたし、一華に可愛いって言ってほしいんだ)
そう自覚した瞬間、おまんこがキュンと疼いて頭の中がふわりとピンク色に染まり、おまんこがきゅうきゅうとディルドを締め付けて快感をおねだりする。
「輝夜ちゃんの可愛い喘ぎ声、私にいっぱい聞かせて」
「おぐっ!あっ、んあ゙っ!あッ、んうぅ!?」
ぎゅうぎゅうとおまんこが収縮しているのに、ディルドは膣内から溢れ続ける愛液を潤滑油にして、何度も浅いところにある気持ちいいスポットを重点的に突き上げる。
昨日まで指の一本すら挿入らなかったおまんこは、グチュグチュと水音を立てながらしっかりとディルドにしゃぶりつき、おまんこを中心に腰全体が溶けてなくなりそうなほどのドロリと熱い快感を生み出していく。
「あっ!あぐっ、んあぁっ!だ、だめっ!だめだめだめぇ!なんかクるっ!?やばいのキてるからぁっ!」
「んっ、ちゅっ・・・見ててあげるから、そのままイっていいよ」
絶頂とは別の『何か』が、おまんこの辺りから一気にせり上がってくる。
ぎゅっと目を閉じて堪えようとしても、カリ首が愛液をこそぎ取り、おまんこを執拗に突かれる度にビクビクと身体が震え、一直線に絶頂へ押し上げられていく。
「イ゙っ、ぐうぅぅっっ!!?!」
膨らんだ風船が割れるように一段と重い快感の塊が破裂し、悲鳴のような嬌声を上げて大きく身体を仰け反らせながら激しく絶頂する。
イく時に下腹部に力を込めたせいか、絶頂の爆発と同時に股間から透明な液体がプシャァッ!と勢いよく吹き出し、びっしょりと太ももを濡らす。
「んあぁぁぁっ!?」
「わっ、潮吹きまでしちゃったね。そんなにおまんこ気持ちよかったんだ?」
潮を出し切るように腰がカクカクと上下に跳ねて、やがて糸が切れたように大きな染みができたベッドにぐったりと沈み込んで動かなくなった。
「あっ、はぁっ・・・んぁ、あ・・・」
(一華におまんこ突かれて・・・潮吹きしちゃった)
絶頂から降りてこないポヤポヤと夢心地の頭で、他人事のようにぼーっと自分の股間を見つめる。
男の射精にどことなく近い感覚だが、女の子の身体になってからまともにオナニーしなかったわたしにとって、初めて経験することだった。
「潮吹きもできたことだし、最後まで挿入してみよっか」
「ぁ、ち、ちょっとまっ・・・あぐっ!?」
一華はディルドの根本をしっかりと握り直すと、絶頂直後のおまんこに容赦なくディルドを突きたてていく。
「うっ・・・ふ、ぐぅ」
「力を抜いて、ゆっくり息を吐いて・・・そうそう、いい感じだよ」
じわりと額に脂汗が滲むのを感じながら、一華に言われるがまま強張る身体を抑えて、ゆっくり息を吐き出す。
お腹に強い圧迫感はあるものの、絶頂を迎えて脱力していたおかげか少しずつディルドを飲み込んでいく。
「ひっ、ふうぅ・・・ぉ、ごっ!?」
肉壁をこじ開けながら進んでいたディルドがついにおまんこの一番奥に到達し、身体の内側から子宮をぐいっと押し上げる。
限界ギリギリまで異物を飲み込んだ下腹部は僅かに膨らんでいて、お腹の上にディルドのシルエットが薄く浮かび上がっていた。
「くっ、はっ・・・はーーっ、はーーっ」
まるでディルドで肺が押し潰されたように息が吸えなくなり、陸に打ち上げられた魚のように口がパクパクと開閉を繰り返す。
あまりの苦しさにじわりと涙が滲んでくるが、必死に一華の腕にしがみ付いて下腹部を苛むディルドの圧に耐える。
「ちゃんと奥まで挿入れられて偉いよ。よく頑張ったね、よしよし」
「んっ・・・」
一華はわたしの頭にそっと手を乗せると、小さな子供をあやすように優しく頭を撫でてくる。
(一華の手、あったかい・・・)
一華の手からじんわりと体温が伝わって、優しい熱がゆっくりと全身に広がり、乱れていた呼吸が徐々に落ち着きを取り戻す。
数分もすればすっかり呼吸は落ち着いて、まだ若干お腹は苦しいものの、挿入した時と比べてだいぶ楽になった。
「どう?落ち着いた?」
「んっ、はぅ・・・まだちょっと苦しい、かも。もう少しこのままで・・・」
「そっか。ならおまんこ慣れるまで、こっち触ってあげるね」
「えっ?・・・ひゃぁ!?」
一華はディルドから手を離すと、天井に向かってピンと勃った乳首を指先で抓み、指遊びでもするかのようにクニクニと弄ぶ。
乳首の刺激に身体がピクリと反応して、素っ頓狂な悲鳴を上げてしまう。
「な、なんでちくびっ、んぁっ」
「んーー、クリだと刺激が強すぎるかなって。それに乳首が触ってもらえなくて寂しそうだったから?」
そう言っている間も、焦らすように乳首をゆっくり転がされる。
乳輪をなぞるように指が滑り、くすぐったいような、もどかしい感覚が胸全体に広がって唇の間から艶っぽい吐息が漏れる。
「だったら、んんっ・・・キスでいいじゃん」
「輝夜ちゃんはキスの方が好きなんだ?」
「だって、んっ、ぁ・・・一華と深く繋がってる感じがするんだもん・・・」
普段なら絶対に言わない甘えた台詞。わたし自身、恥ずかしいことを言っている自覚もあって、つい視線を逸らしてしまう。
「・・・」
「一華・・・?」
わたしの声を聞いた途端、停止ボタンでも押されたかのように一華はピタリと静止する。
心配になって顔を覗き込もうとした瞬間、いきなり両方の乳首をぎゅぅぅっと抓り上げられた。
「ひぅっ!?つねっちゃ、やあぁっ!」
「ごめんね。でも、いきなりそんな可愛いこと言っちゃう輝夜ちゃんが悪いんだよ?」
「わたし、んぁっ、わたしがわるいの・・・?」
そうだよ、と適当に相槌を返す一華。横暴だと抗議したいのに、乳首を抓られた時に少し気持ちよかったせいで強く言い返すことができない。
ひとまず一華を睨みつけて、不機嫌アピールはしっかりしておく。
「ちゃんとキスしてあげるから、そんな怒らないで?」
「・・・んっ」
一華は困ったように眉尻を下げて笑うと、そっと顔を寄せて唇を重ねる。
唇の感触を確かめるように何度もキスを繰り返しているうちに、一華の唇がだんだん下の方へ移動し、首筋や鎖骨にキスの雨を降らせていく。
「ん・・・はぁっ、んぁっ・・・いちかぁ」
「ちゅっ、んっ、あむ・・・ちゅううぅぅっ」
「いぅっ!?」
気の向くままわたしの身体にキスしていた一華は不意に首筋に狙いを定めると、肌に唇を押し付け、大きな音を立てて強く吸い付く。
突然痛強く首筋に吸い付かれ、身体をビクつかせながらしばらく悶えていると、やっと一華は顔を上げて満足そうに微笑んだ。
一華の唇で薄っすら濡れた首筋には、虫に刺されたような赤い痕がはっきり残っていた。
「キスマつけちゃった。似合ってるよ、すっごく可愛い」
ヒリつく首筋にそっと手を添える。陶器のように白く繊細な首筋に刻まれた赤い痕は、わたしの身体は一華の物だと、身体に刻み込まれたようだった。
「こっちもいっぱい可愛がってあげる」
そう言って一華はキスを再開するが、一華の唇が触れたのはわたしの唇でも首筋でもなかった。
「ひゃぅ!?やだっ、ちくびなめないでっ!」
ピンと勃った桜色の乳首を口に含み、飴玉でも舐めるようにチロチロと舌を這わせる。
慌てて一華を引き剥がそうと力を込めるもまるで敵わず、一華の温かくぬめった舌で乳首を舐め上げられると、弱火で炙られるようなもどかしい快感が胸全体に広がり、身体の力が抜けてしまう。
「ちゅぅ、ちゅぷっ・・・ちゅっ、ちゅうぅぅぅっ」
「ふあぁぁっ!?だめっ!すうのだめっ!ふぁぁっ、おっぱいでないからぁっ!」
乳輪が見えなくなるほどしっかり咥え込むと、一華は口をすぼめてちゅうちゅうと赤ちゃんのように乳首を吸い上げる。
胸の膨らみはささやかな物で、えっちしたのも今日が初めて。そんなわたしの胸からおっぱいなんて出るはずもないのに、一華はわたしの乳首をしとどに濡らし、味わうように唾液を飲み込む。
「だめって、んっ!いってるのにぃ・・・っ!」
胸の先に吸い付いて舌先で乳首を転がし、時には優しく甘嚙みして、わたしのおっぱいから快感という蜜を吸い出そうと躍起になっている。
快感を覚えて間もない少女の身体は敏感に刺激に反応し、甘く切ない快感に吐息を漏らして誘うように身を捩る。
わたしの反応に気を良くした一華は反対側も胸に手を伸ばし、乳輪を焦らすように爪先でなぞって不規則にカリッと乳首を引っ掻いて弄ぶ。
おっぱいを吸われる快感と、乳首を引っ搔かれる快感が混ざり合い、酷く甘い被虐的な快感となって身体を犯す。
「んっ、はぁっ・・・んあぁっ」
唾液を纏った舌が硬く尖った乳首をゾリゾリと舐め上げ、十分にふやけたところで軽く歯を立てる。
同時に反対の乳首も抓り上げられ、僅かに開いた口の隙間から短い喘ぎ声を漏らしてピクンッと胸が揺れる。
乳首を舐る舌の動きはだんだんと激しさを増して、コップに水滴を一滴ずつ落とすようにゾワゾワとした快感が少しずつ身体の中に溜まっていく。
気がついた時には並々と注がれた快感の雫が今にも零れ落ちそうになっていた。
「あっ・・・んあぁぁぁっ・・・」
蓄積していた快感がゆっくり溢れ出して、じわぁっと緩やかに絶頂する。
目の前がチカチカするような身を焦がす絶頂とはまるで違う、身体の奥がポカポカするような温かくて優しい絶頂。
ほんの少し乱れた呼吸を整えながら、わたあめのようにふわりと甘い快感の余韻をゆっくり味わう。
(わたし・・・一華におっぱい吸われて、イっちゃった・・・)
いくら身体が敏感になっているとは言え、まさか胸だけで絶頂してしまうなんて。
一華の愛撫が上手いのか、それともわたしが感じやすいだけなのか。わたしとしては前者の方がいい。
それだけわたしで興奮して、わたしの身体を求めてくれた、ということならわたしも嬉しいから。
こんなことは恥ずかしくて口にできないけれど、何となくでもいいから一華にも伝わってほしいな、なんて思ってしまう。いつからわたしはこんなに我儘になってしまったのか。
「んっ、ちゅぱっ・・・いま甘イキしたでしょ?輝夜ちゃんはキスだけじゃなくて、おっぱい吸われるのも大好きなんだ?」
唾液でベトベトになった乳首を解放して、確信を持った口ぶりでニヤニヤと顔を覗き込んでくる一華。
一華にそんな気がなくても『私より気持ちいいことの方が好きなんでしょ?』と言われた気がして、ついムッとして口を開く。
「ちっ、ちがうし!・・・わたしが好きなのは一華だけ、だもん・・・」
「っ・・・ふーーん、そっかぁ。私も輝夜ちゃんのこと大好きだよ」
ゆらりと加虐心が燃え上がった瞳に射抜かれ、肌がゾクリと粟立つ。
「じゃあ今度は、身体が壊れちゃいそうなくらい、めちゃくちゃにイかせてあげるね」
胸の絶頂で意識が逸れていた股間に一華の手が忍び寄り、割れ目に挿入ったディルドの感触を確かめるようにしっかりと握り込んだ。
「ぁ・・・んあ゙っ!?」
ディルドを掴まれた微弱な振動も感じ取って、わたしの口から濁った喘ぎ声が飛び出る。
無理やり奥まで挿入されたディルドは苦しいだけだったのに、さっきのわたしの声には甘く爛れるような嬌声が混じっていた。
「んぉぉぉっ・・・」
ずっと膣内に埋まっていたディルドをゆっくりと引き抜かれる。
神経を直接やすりにかけるようにカリ首がゾリゾリと膣壁を削りながら抜けていき、取り繕う余裕もないほどの暴力的な快感が一気に押し寄せ、身体が独りでに仰け反る。
「ゔっ、んあぁ・・・ふぎゅッ!?」
おまんこからディルドが抜けるギリギリのところで止まったかと思えば、ズチュリッ!と勢いよくおまんこの奥を突き上げる。身体を押し潰されたような喘ぎ声が上がり、今までと比べ物にならない快感に頭の中でチカチカと火花が散る。
「んっ、んぁ゙っ!?おっ、おっ、んおぉっ!?」
一回突かれただけでも軽くイってしまいそうなのに、ジュプジュプ、グチュグチュと愛液を泡立たせながら何度もおまんこをかき回す。
おまんこの奥からとめどなく溢れる愛液がディルドの挿入を助けて、ディルドの先端がグニッと子宮口を抉れば、淫臭が立ち込める部屋に獣のような嬌声が響く。
「んあぁ゙っ!わたしの゙おまんこっ゙!あぐっ!?だめになっちゃうから゙ぁ!」
「いいよ。輝夜ちゃんのおまんこがだめになっちゃっても、私が責任持ってお世話してあげる」
わたしの都合などお構いなしに、一華はディルドを握る手にさらに力を込める。
おまんこがめくそうなほどの速さで何度も性感帯を押し潰され、反射的にディルドぎゅぅぅっと締め付ける。気絶しそうなほど重く濃い快感は、未成熟な少女の身体を一瞬で絶頂へと追いやる。
「イ゙っ゙っ゙っっっ!!!??!」
襲い来る快感に十秒も耐えられず、ガクン!と腰を天井へ突き出して潮を吹き上げ、身体がバラバラになりそうな絶頂に全身をガクガクと痙攣させる。
「イぐぅ!!イくイくイくッ゙!もぅイ゙ってる゙ってばぁ!!?」
「イった後もグチュグチュされるの、きもちいいねー」
「んぎぃッ!?ごれだめっ!!こんなの゙ッぉ、こんな゙のしら゙ない゙っ!?」
絶頂しているのは火を見るよりも明らかなのに、一華はおまんこを責める手を緩めようとしない。
絶頂直後のグジュグジュにふやけた肉壁を削るように、ディルドが何度も抽挿を繰り返し、奥を突かれる度にぴゅっぴゅっと短く潮を吹いて、ディルドを握る一華の手をぐっしょりと濡らす。
「んんぁ゙!イぐっ!?イ゙ってるのに゙っ!まだイ゙くぅ゙っ!?!?」
ビクビクと痙攣しっぱなしのおまんこを突き上げられ、神経を直接犯すような快感が脳に焼き付く。
休む間もなくイかされ続けているおまんこから潮と愛液が流れ落ち、シーツの染みと喘ぎ声が大きくなっていく。
「イぎゅッ!ごめっ!?ごめんな゙さいッ!おま゙んこッ、ぉ゙っ!?ゆ゙るじでっ!!」
暴力的な快感で頭がでおかしくなりそうな予感がして、何とかおまんこを守ろうと、自分でもよくわからない謝罪の言葉を並べて必死に懇願する。
「別に怒ってるわけじゃないよ?輝夜ちゃんを気持ちよくしてあげたいだけなんだから」
子供をあやすような優しい声とは裏腹に、ディルドは拷問じみた動きでわたしの大事なおまんこを抉っていく。
次々と際限なく押し寄せてくる快感が怖くなって、密かに自慢にしていた銀色の髪がぐしゃぐしゃに乱れるのも構わずに、勢いよく頭を左右に振り回す。
「もぉ゙むりッ゙!!んぁ゙っ!だめッ、な゙の゙!!おま゙ん゙こっ゙、むり゙ぃぃぃ、ィ゙ッ!?」
どれだけ身体をビクビクと痙攣させても、涙と嬌声でぐちゃぐちゃになった声で叫んでも、全て押し潰すような絶頂からは逃れることができず、トラウマになりそうなほどの暴力的な快感が身体の中で暴れ回る。
(こわれるっ!ほんとにこわされちゃうっ!)
まだ最初の絶頂から抜け出せていないのに、今度こそ本当に壊れてしまいそうな重い絶頂の気配がすぐそこまで迫ってきている。
絶頂から逃げ出そうにも、ビクンビクンと壊れたように跳ねまわる身体は言うことを聞かず、ぎゅっとシーツを握る手は縫い付けられたように動かない。
「ほらイっていいよ。輝夜ちゃんがイき壊れるところ、私がちゃんと見ててあげるから」
何の覚悟もできていないのに、理性もプライドも全て磨り潰してしまうような、一度味わってしまえば決して後戻りできない絶頂が、すぐそこまで迫っていた。
「イ゙ぐぅ゙ぅ゙ぅ゙っ゙っっ!!!!!」
がむしゃらに跳ねる腰ごと押し潰すようにズチュッ!とおまんこが刺し貫かれた瞬間、全身の筋肉が千切れそうなほど収縮し、天井に向かって思いっきり腰を突き出して絶頂を迎える。
ガクガクと震えていた身体は一瞬で快感の許容量をオーバーして、わたしの中で何かプツリと千切れる音がした。
(あっ―――)
突然身体が空に浮いたかのようにふっと軽くなり、頭の中が白く染まって何も考えられなくなる。
身体の感覚がなくなって、まるで空をふわふわと漂っているような、心地いい浮遊感に包まれる。
「ん゙あ゙あ゙あ゙あ゙あぁぁぁぁっ゙っ!??!?」
脳を直接殴られたような快感の濁流で一気に現実に引き戻され、おまんこはディルドを引き千切るようにギチギチと締め付けて、全身が気が狂いそうなほどの快感に犯される。
「おっ、ん゙おおぉぉ・・・」
絶頂しているのにイく。イっている最中なのにまた絶頂する。
電気を流されているかのようにビクビク、ガクガクと身体の痙攣が止まらず、処理しきれなかった快感が暴走して二重、三重にも絶頂を重ねていく。
身体はもう完全に屈服しているのに絶頂が終わらない。『もう無理、助けて』と一華に助けを求めようとしても、快感で呂律の回らなくなった口は濁った喘ぎ声を漏らすだけだった。
「う・・・ぁっ・・・」
ディルドが挿入ったままのおまんこがヒクヒクと蠢いて、白く濁った愛液がドロリとお尻の方に垂れる。
一頻り絶頂した身体は突然糸が切れたようにベッドに沈み込み、わたしの体液でグチョグチョになったシーツの上でビクンビクンと弱々しく跳ねる。
イき狂う自分の身体を他人事のようにぼっーと眺めていると、だんだん意識が溶けて瞼が重くなってきた。
一華が何か言っているような気がするけれど、水の中にいるみたいに声がぼやけて上手く聞き取れない。意識を繋ぎとめるのもだんだん億劫になってきて、全身を包む疲労感に誘われるまま、ゆっくりと瞼を閉じた。
――――――――――
「んっ・・・ふぁぁ」
水の中から浮かび上がるように自然と目が覚めた。
起きて一番に目に入ったのは、気持ちよさそうに眠る一華の寝顔。
幸せそうに寝息を立てる姿は完全に油断しきっていて、初めて見る彼女の寝顔につい口元が緩んでしまう。
「あーー・・・結構寝たはずなのに、身体おっも・・・」
どうやらお互いを抱きしめるように寝ていたらしく、寝返りが打てなかったせいか身体のあちこちが凝り固まって鈍い痛みを感じる。特に酷いのは腰の辺りだ。
(一華が起きたら、軽くお説教だな)
腰の不調は十中八九、一華のせいだろうし、文句を言う権利くらいはあるだろう。
そう思うと幸せそうに寝ている一華がなんだから小憎らしく思えてきて、ムクムクと膨らんだイタズラ心に突き動かされるまま、指先を一華の唇に近づける。
「い、一華のせいだから・・・」
ごくりと唾を飲み込み、穏やかな寝息を立てる一華の唇をツンと優しくつつく。
一華の唇はぷっくりと柔らかくて、ずっと触っていたくなるような魅力があった。
「んんっ・・・ん、むっ」
「・・・っ!」
寝ぼけていたのか、それとも無意識の行動なのかはわからないが、一華はゆっくりと口を開いて唇をつついていた指をぱくっと咥えてしまった。
(えっ!?なにこれかわいい!)
赤ちゃんみたいに指を咥えて、甘えるようにちゅぱちゅぱと吸い付いてくる。
その姿に胸がキュンキュンと高鳴り、身悶えるような激情に襲われる。
甘やかしたくなるような、それでいて守護ってあげたくなるような得も言われぬ感情。
もしかして、これが父性というヤツか。
「ちゅぷっ・・・ん、んんっ・・・」
しばらく指を吸わせていると、口を動かして眠りが浅くなったのか、一華の目が薄っすらと開く。
指を咥えさせていたのがバレると何かと面倒な予感がして、慌てて一華の口から指を引き抜き、何事もなかったかのように笑顔を顔に張り付ける。
「んぁ・・・おはよぉー、かぐやちゃぁん・・・」
「お、おはよ・・・」
起きたばかりでまだポヤポヤと夢見心地のようで、さっきのことに勘づく様子はない。
もし何か言われても『寝ぼけてるから』と言っておけば問題ないだろう。
「あー・・・あの後、私も寝ちゃったのかぁ」
「起きたならほら、いい加減お風呂行きたいんだけど」
「んーー・・・もうちょっとだけ」
「ちょっ、やめっ・・・!」
一華はへにゃりと眠たそうに笑って、さっきまで寝ていたとは思えないほど強く抱き着かれる。
お互いに何も着ていない状態で強く抱き着かれれば、一華の胸の柔らかさ・・・その中心にあるポッチまで、はっきりと感じ取れるわけで。
「照れてるのー?」
「うっさい・・・」
童貞を卒業し損ねたとは言え、既に一度身体を重ねた一華に裸で抱き着かれたくらいで照れるわけがない。
ただ、寝起きの一華のスキンシップの激しさに驚いているだけで、決して、絶対に照れているわけじゃない。
「・・・輝夜ちゃんはさー」
「な、なに・・・?」
「私が寝てる時、何かヘンなことしなかった?」
「えゅっ!?ナニもしてないですけど!?」
予想外の指摘声が裏返る。ちょっと唇を突いただけで、ヘンなことは何もしていない。
・・・『ヘンなこと』の定義によるが。
「んーー?怪しいなぁー?大人しく白状しろぉー!」
「ぴゃぁぁあ!?」
何かしたと確信した様子で、一華はさらに胸を押し付けて尋問してくる。
疚しいことは何もしていないはずなのに、どんどん劣勢になっていくような気がして顔が強張ってしまう。
「お、オレは悪くねぇっ!」
「『オレは』ってどういうこと?」
「あっ・・・」
『オレは』何もしていない。ただ一華の唇を突いていたら指を咥えられただけで、最初に指を咥えたのは一華の方。
こんな拙い言い訳が、すっかり覚醒している一華に通用するとはとても思えない。
「なんで『わたし』じゃなくて『オレ』に戻ってるの?」
「あ、そっちか・・・」
「余罪は後でしっかり追求するとして。ねぇ、どうして『オレ』なの?」
一華は無言で言葉の続きを促しているが、その鋭い目つきは蛇のように絡みついてきて、冗談を言って誤魔化せる雰囲気ではなかった。
「だ、だってぇ・・」
「だって?」
『わたし』と言っていた時のことを思い出し、顔がかぁっと熱くなる。
あの時は本当にどうかしていた。素面だったら絶対に言うはずのない恥ずかしい台詞に、男のプライドに両手で中指を立てるような言動の数々。
あんなことをしてしまったのに、『わたし』なんていえるはずがなかった。
「だ、だって・・・普段から『わたし』なんて言うの、なんかその、恥ずかしいし・・・そういうのはこう・・・え、えっちする時だけで・・・」
羞恥心が喉に詰まり、もごもごと言葉が濁り言葉尻も次第に弱くなる。
最後の方に至っては、自分でも聞き取れないほどか細くなっていた。
「っ~~~!あーもう可愛いすぎなんだけど!輝夜ちゃんは私を一体どうしたいわけ!?」
「へっ?・・・んむぅっ!?」
一華は辛抱溜まらんと言った様子で無理やりオレの頭を引き寄せ、男の夢と無限の母性で構成されたたわわなおっぱいにねじ込まれる。
顔面いっぱいに感じるおっぱいの感触はエクスタシー。
「っ!・・・っ、ッ!?!?」
動くに動けず、そもそも動く必要なんてどこにもないことを思い出して、一華胸に抱かれたまま大人しく頭を撫でられる。
「よしよし、輝夜ちゃんは可愛いねー。そんなに可愛いと食べたくなっちゃうなー」
「・・・もう十分食べたでしょ」
「そうだけど。でも可愛いんだもん」
まるで話が通じない一華に呆れつつ、ほっと息を吐く。
胸に抱き寄せられた時は流石にびっくりしたが、こうして胸に顔を埋めて一華の心臓の音を聞いていると、不思議と興奮よりも安心感が勝る。
「んっ・・・」
壊れ物を扱うように一華の背中に手を回して、ぐっと力を込めて抱き返す。
お互いに身体が少しベタついているけれど、不思議と不快に思わなかった。
トクントクンと一定のリズムを刻む心臓の鼓動と、触れ合った肌からじんわりと伝わってくる温もりが愛おしくて、時間を忘れて一華を抱き合う。
「えへへ、輝夜ちゃんの身体、あったかい」
「それを言うなら一華だって・・・」
「・・・ねぇ輝夜ちゃん、ちょっとお願いがあるんだけど」
「なに?匂い嗅ぐ以外ならいいけど」
「・・・・・・」
図星だったか。やはりオレの恋人は重度の匂いフェチらしい。
マニアックな部位の匂いに固執しないだけマシな方なのかもしれないが。
・・・そんなにオレの匂いを嗅ぎたいなら、バレないように黙って嗅げばいいのに。
「・・・」
「・・・」
「一華はさ・・・」
「うん?」
胸の奥から聞こえてくる鼓動が少し早くなった気がして、一華の胸から顔を上げて質問をぶつける。
「裸で抱き合ってるわけだけど、実はムラムラしたりしてないよね?」
その瞬間、一華の身体がビクッと強張ったのを全身で感じ取った。
「・・・実は結構やばいかも」
「ちょっ!?今すぐ離れろばかぁ!」
「まだ我慢できるから!もうちょっと!もうちょっとだけ!」
「えぇい!こんなところに居られるか!オレは家に帰らせてもらう!」
タコのように絡みつく一華を引き剥がし、這うようにベッドの上から脱出して物理的に距離を取る。
初めてのことの連続で疲弊しているのに、ここから三回戦目に突入しようものなら、今度こそ身体が壊れかねない。それだけは何としても回避しなければ。
「て、ていうかっ!身体ベタベタするから、いい加減にお風呂に入りたいんですけど!」
「・・・一緒に入っていい?」
「っ・・・だ、ダメに決まってるだろ!」
誰が好き好んで腹をすかせた猛獣と、狭い密室に籠りたがるのか。
目先の欲に流されて自殺行為を選ぶほど、オレは愚かじゃない。
「お風呂は、次回ね!次回!」
そう言い残して、部屋から飛び出る。
一華に背を向けて真っ赤に茹で上がった顔を隠すも、たぶん見られている。
「次ならいいってこと・・・?」
背後から一華の呟き声が聞こえるも、無視して脱衣所に逃げ込んだ。
一人になった途端一気に気が抜けて、へなへなと崩れるようにしゃがみ込む。
(これからもずっと一緒なんだから・・・焦る必要もないよね?)
思い返せば、今日は怒涛の一日だった。
今日初めて一華の家に入ったし、一華とえっちしたのだって今日が初めて。
でもそれ以上に嬉しかったのは、女の子になったオレを受け入れてくれたこと。
見た目だけじゃない。オレが女の子になってからはそれまで当たり前だと思っていた生活、周囲の態度すらも呆気なく変わってしまった。
だけど一華はオレが女か男なんて関係なく、オレ自身を好きだと言ってありのままのオレを愛してくれた。
一華と身体を重ねたことで、オレたちの関係が少し変化するだろうけど、今は怖いと思わない。
例え性別が変わったとしても、一華と一緒ならこの先どんなことでも乗り越えていけると信じられる。
「好きになってくれて、ありがと・・・」
一人きりの脱衣所で少女の声が静かに木霊する。
わたしは今日、もう一度恋に落ちた。