いじめっ子の命令でいじめられっ子に犯されちゃう女の子 作:ちょっとだけマイナー性癖マン
どれくらいそうしていただろうか。
数秒か、数分か。やがて私の心の中で、天秤がゆっくりと絶望の方へ傾いた。
妊娠の恐怖。それが尊厳も何もかもを上回っていく。
私はなけなしの覚悟を、心の底からかき集めた。
そして、震える手でゆっくりと、目の前のペットボトルに手を伸ばす。
ほとんど無意識のままそれを、自分の口元へとゆっくりと近づけていく。
つん、と鼻を突く生臭い匂い。
さっきまで自分の体の中にあったはずなのに、今はまるで異物でしかない。
口に当て、ボトルを傾ける。
中で、とろり、と白く濁った液体が、口の方へと流れ落ちてくるのが見えて、視覚的な恐怖が全身を駆け巡る。
視界の端に赤い光が映る。
明里のスマートフォンのレンズのすぐ横。
ちか、と小さな赤い光が点滅しているのが見えた。
(……あ)
録画されてる。
今、この瞬間の、私の、全てが。
人間とは思えない所業をしている、私が。
これから行われる、自分自身への凌辱が。
記録されている。
思わず唇をぎゅっと固く閉じてしまう。
その閉じた唇に、ペットボトルの口まで到達した液体が、ぬるり、と触れた。
生温い、感触。
嫌悪感に鳥肌が立つ。
けれど、もう後戻りはできない。
私は意を決して、なんとか唇を開いた。
その隙間に、おぞましい液体が、どろり、と流れ込んでくる。
口の中に広がったのは、生温かい、塩辛い味と、舌にねっとりと絡みつく、不快な粘り気。
そしてさっきとは比べ物にならない、頭の中を直接犯されるような、濃密な匂い。
脳を直接かき混ぜられるような感覚。
「……ぅ、ぇ」
体がそれを全力で拒絶する。
激しい吐き気が、全身を、内側から突き上げてくる。
私はそれを必死に、喉の奥で押しとどめた。
ゆっくりと、絶望的にゆっくりと落ちてくる汚濁を口内に受け止める。
なんとか一口分を口に含む。けれどそこから先へ進めない。
不快な味と匂い、そしてぬるりとした粘度が、私の口内を支配する。
胃が、脳が、全身が、全力で、それを拒絶していた。
飲み込むことが、できない。
口の中に広がるおぞましい味と感触。
私はそれを保持したまま、いや、いや、と小さく頭を振ることしかできなかった。
涙が頬を伝って、顎から、ぽた、ぽた、と滴り落ちる。
その無様で惨めな私の姿を、明里はスマートフォンのレンズ越しに、楽しそうに眺めていた。
そしてくすくすと笑いながら、追い打ちをかけるように言葉を放つ。
「えー、飲まないの?」
「じゃあ、吐き出しちゃえば?」
「別に、いいよ?」
その、悪魔の囁き。
からかうような、軽い声。
嘲笑う、その顔。
それを見た瞬間、聞いた瞬間に、私の頭の中に現実が蘇る。
吐き出す?
そしたら、薬は?
そしたら、私は───?
"妊娠"
その二文字が、脳を灼く。
未来が、終わる。
それだけはだめだ。
それだけは、絶対に許されない。
私は、ぐっと、目に力を込める。
最後の覚悟を決めた。
ごくり、と。
喉が、引き攣るように動いた。
私はその不快な液体を、嚥下した。
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喉を、ぬるり、とした異物が、ゆっくりと通過していく。
それはまるで生き物のように、私の食道をずるずると伝いながら下へと落ちていった。
ごく、ごく、と自分の喉が鳴る音が、やけに大きく頭に響く。
一回、また一回と嚥下するたびに、口の中に残った粘り気のある液体が、胃へと送り込まれていく。
焼けるような不快な熱が、内側からじわじわと広がる。
未だ喉を滑り落ちる感触をそのままに、次の一口を口に含む。
止まれない。止まったら、二度と進めなくなる確信がある。
今の分だって、吐き出さない自信など無い。
自分が何をしているのか、何故こんな目にあっているのか、わからなくなってくる。
ただ無心に、最後は残った白濁を舌で舐め取って、無理矢理喉へと押し込んだ。
その瞬間、思い出したかのように胃が、食道が蠕動を始める。
私の体が、汚物を吐き出させようと、取り込むまいと、必死に拒絶する動きを、全力で抑え込む。
喉を伝う感覚が気持ち悪い。
流れ落ちた後も、ナメクジの這った後のように、食道が精液でコーティングされてるのがわかる。
やがて全ての、健太くんの精液が、私の胃に収まった。
「……ッ、ぅ、ぐ……!」
更にこみ上げてくる、強烈な吐き気。
胃が、その内容物を、全力で拒絶している。
消化してなるものかと、絶叫している。
私だって、今すぐにでも、全てを、外にぶちまけたい。
「……かはっ……げほっ、げほ……!」
嘔吐くのが、止まらない。
生理的な涙が、視界をぐにゃりと歪ませ、止めどなく溢れ出てくる。
私は、喉を手のひらで締め付けるようにして、必死に逆流してくるものを押さえ込んだ。
吐き出しては、だめだ。
吐き出したら、意味が、ない。
その一心で、私は歯を食いしばる。
からん、と。空になったペットボトルが、床に転がり落ちた。
その音を合図にしたかのように、第二波のさらに強烈な吐き気が、私を襲う。
「……んぐ……ぅ、うぇ……ッ!」
もう立ってはいられない。
私はその場に、ずるずると崩れ落ち、床に蹲った。
そして口元を、両手で固く、固く、押さえつける。
指の隙間から、嗚咽と生唾がだらだらと溢れ出た。
その地獄のような私の苦しみを、明里はスマートフォンのカメラ越しに、ただ、見ていた。
いや、見ていただけではない。
「あははっ!」
心底愉快そうに。
お腹を抱えるようにして、彼女は笑っていた。
「うーわ、マジで飲んだよ、こいつ」
その声は、私の耳に、まるで遠い世界の音のように、ぼんやりと響いていた。
何も考えたくない。この地獄の苦しみは、いつになったら治まるのか。
目を閉じる事も忘れ、ただ吐き気に耐え続ける。
閉じ忘れた目から、意味を持たない映像として、脳を通り抜けていく視界には。
心配そうな顔をする健太くんと──
──硬く、真っ直ぐにこちらを狙う、醜悪な肉の塊が写っていた。