『
7コスト・木
このモンスターがバトルゾーンに出た時、他の自分のモンスター全てをスピリットゾーンにローにして置く。その後、スピリットゾーンからカードを6枚まで選びこのカードの下に重ねて置く。
このモンスターはバトルゾーンに出たターン、相手に直接攻撃でき、この攻撃はガードされない。
このモンスターの衝撃力はこのモンスターの下に重ねて置かれたカードの枚数×10大きくなる。
自分のターンの終わりに、このモンスターの下に重ねられたカードを3枚選びグレイブに置く。グレイブに3枚置けたなら、このモンスターをハイにする。
このモンスターがバトルに負けた時、自分は20ダメージ受ける。
6000 / 5
「サクラをチリペッパー・ジョーの効果でスピリットゾーンへ。スピリット6個をつぎ込み強化します!そして効果で即、直接攻撃です!65ダメージを受けてもらいますよ!」
「65ぉ!?そんなのアリ!?」
「アリです!ソーイチの初のバトルですから、是非勝たせてあげたかったですが……アツくなっちゃいました!食らってください!」
颯一 RP: 100→40
巨大トウガラシの鮫が炎を纏う巨顎で颯一の腹を抉る。ミララめ、こっそり映像を投影しただろ。凄くびっくりしたんだからな……。と小声で文句を言う颯一は冷や汗を拭った。7コストという重たいモンスターだが、場に出せれば爆発的な火力を誇るチリペッパー・ジョーが直前の有利をぶち壊してしまった。
次のターンに決めきらなければ、颯一は負ける。
「ターンエンドと共に、カードをジョーの下から捨ててハイに。さあ、この不利状況でどうしますか?ソーイチ」
「……そんなの、ひとつに決まってるだろ。
「……へぇ。でも、カクリツ的にはボクを引ける可能性は凄く少ないですよ?宣言しちゃって大丈夫ですか?」
「うん。だってミララ、言ったよね?僕らが会えたのは運命みたいなものだって……それならミララはここで、絶対に来てくれるハズだ。行くよ……ドロー!」
ミララの瞳に、引いたカードを確認して口角が上がる颯一が映る。こくんと唾を飲み込んだミララは、半ば解っている結果をそれでも颯一に問うた。
「ボクは、ソーイチの手札に辿り着いてますか?」
「……勿論。来てくれると思ってたよ、ミララ」
「そうですか……。……ボクの能力は分かってます。だからボクがこれから敗けることも分かる。でもなんででしょう……悔しいのに、その何倍も嬉しいんです」
「僕とミララは相棒だから、じゃない?ミララが僕を勝たせたいと思ってくれてたから、それが叶って嬉しい、とか……。あ、自惚れ過ぎかな?やっぱ今のナシで……」
「……ふふ、自惚れじゃないかもしれませんよ?さ、早くボクを召喚してください。ソーイチの相棒として、必ず勝利に導いてみせますから」
発言を取り消そうとあたふたする颯一を制し、ミララは澄んだ双眸で颯一を正面から見据える。颯一はミララの表情を見て、鼻の下を擦りながら「わかった」と頷いた。
「『真識る聖獣 ミララ』を召喚。効果でミララ自身とチリペッパー・ジョーをローに。カード効果で僕の光のモンスターがローにされたのでミララに10ダメージと、ミララの光以外のモンスターがローにされたので10ダメージだ!」
『真識る聖獣 ミララ』
6コスト・光
【
このモンスターがバトルゾーンにいる限り、カードの効果で自分の光のモンスターがローにされた時、相手に10ダメージ与える。同様にして光以外のモンスターがローにされた時、持ち主に10ダメージ与える。
このモンスターがバトルゾーンに出た時及び各ターンの初めに、お互いのモンスターを1体ずつ選びローにする。
このモンスターがローにされたとき、相手に5ダメージ与える。
自分の『幼聖』『聖獣』とつくモンスターの攻撃にはガードもエマージェンシーを使うこともできない。
3333 / 0
ミララ RP: 50→40→30→25
「ミララがローにされたから追加で5ダメージ……合計25ダメージか。凄いよミララ、めちゃくちゃ強いじゃん!」
「えへへ……こんなに褒められるのなんて何千年ぶりでしょう……嬉しいなぁ」
ミララは朱に染まった頬を前足で隠している。後ろでぶんぶん動いている尻尾には気づいていないようで、暫く放置されることになったが。
「よし、ミララにバクラたちで攻撃だ!」
「2倍の衝撃力……元が低くても、連続で浴びせられると苦しいですね……」
ミララ: RP 25→15→5
「ターンエンド。ミララのターンが始まる瞬間、グロリアをローにして……僕の、勝ちだっ!」
颯一の場のミララのカードが痛いほどに白い光を放つ。それはまっすぐミララを穿き、同時に傍らの0を指すカウンターが崩壊する。投影だとしてもあまりに眩い一撃を受けてなお、ミララは微笑んだ。
ミララ: RP 5→0
「ああ……ボクの能力を初勝利のトドメに使ってもらえるなんて……相棒冥利に尽きます……!」
「ミララがエマージェンシーを握ってそうだなって思ったからね。もしグロリア達の攻撃を止められるマジックだったら、あそこから負けてたからね」
ミララは口をほわぁーっ、と開け、羽もしっぽも耳もパタパタと出来うる限りの速さで動かし、そのまま颯一の腕に勢い良く抱き着いた。
「ソーイチ、君はほんとにチケミスが初めてですか!?そんな事に、始めたての初心者が百人いたとして、そのうち気付ける人が何人いるでしょう!ああ、ボクの相棒は凄いです!!初めてのバトルでデッキを十全に活かせるほど強くて、ルールを直ぐに理解してその中で相手が仕掛けそうな行動を読めるほど賢くて、ボクを尊重してくれる優しさまであって……」
早口で捲し立て、颯一をぎゅーっと抱き締めるミララ。もっとも体格差のせいで、腕にコアラの様にしがみついているだけにしか見えないが。しかし颯一はというと顔から火が出そうになっていた。
「ちょっと!?ミララっ……あ、あっ……む、当たって……わ、わ……!!」
ただでさえ密かに好意を寄せるミララからの唐突なスキンシップで紅潮していたところに、お日様の香りがするふわふわな毛皮の奥の、ふにっと柔らかく、僅かに弾力のある膨らみの感触を感じたのだ。
(こっ、これっておっぱい……だよね!?柔らかくて気持ちい……じゃない!!ミララに言わなきゃダメだ……)
「ソーイチとバトルしただけでこんなにソーイチの良いところが知れたことにびっくりです!それにしてもほんとに嬉しいなぁ……ソーイチみたいな凄い人がボクの相棒になってくれたなんて……ずっと一緒にチケミスしましょうね!ねっ、ソーイチ!!」
「あ、うん、えと、ミララ、さっきから……お、む、えーっと……。……へ?ずっと、一緒……?そ、そっそそそれって……!!あっ、うあっ……!?」
ミララの満面の笑み、しかも前回より距離が近い。ミララに相棒が僕で嬉しいと、ずっと一緒だと言われた。そしてミララの柔らかいおっぱいが腕に当たっている、気持ちいい。あれ、この体勢だと多分ミララのお股も──
「えっ!?ソーイチ、どうしたんですか!?ソーイチ?ソーイチ〜!?」
小学生男子の例に漏れずおっぱいに反応してしまう人種である彼の脳みそはオーバーヒートを起こし、鼻血を量の鼻の穴から垂らしてぱったりと倒れた。結局、ミララは自身の胸が颯一に当たっていたことに気づかなかった。
「……ソーイチ?目が覚めたんですね!?大丈夫ですか!?鼻から血が出てましたけど、痛いところはありませんか!?」
目覚めた颯一の視界の端に、ミララが駆け寄ってくるのがぼんやりと映る。数回瞬きして、クリアになった視界で辺りを見回すと、ゴミ箱に結構な量の丸まったティッシュがこんもりと入っていた。ミララが鼻血を拭き取ってくれたのだろう。
「……うん、もう大丈夫。びっくりさせてごめんね」
泣き跡だろうか、顔の毛皮が乱れているミララに穏やかな声で告げてやると、ミララは深く息をひとつ吐いた。
「良かったぁ……。心配しました……。なかなか起きてこないから大変な病気なんじゃないか、とか……」
「いや、そういうのじゃあないんだけど……どれくらい寝てたんだ?僕」
見れば日付が変わってもう1時間が過ぎようかというところだ。普段の颯一を考えれば、かなりの夜更かしである。
「やばっ、もう寝ないと!」
「ボクも眠くなって来ちゃいました……ソーイチ、ボクはソーイチが心配なので、一緒に寝て良いですか?また血を出しちゃったら、すぐ起きて手当します!」
「えっ……あっ、も、勿論だよ……!でもそれじゃ、ミララが眠れないんじゃ……」
眠たげな眼のミララが放つ、いつもの可愛さとは毛色の違う色香に翻弄されながらも、何とか退路を切り拓く颯一。ここで添い寝なんてしたら不味い、いや本当は凄くしたいけど……という内心の葛藤も、ミララの一言であえなく一蹴された。
「ボクは浅い眠りでも平気なんです。それに、血が垂れた程度なら気付けますよ。ボク、すっごく気配にビンカンなんです!」
「……そっ、そっか……。じゃ、じゃあ……一緒に寝よっか……お、おお、おやすみ……」
「はい、ソーイチ。おやすみなさい!」
こうして床に就いたふたりだったが……
「むにゃむにゃ……あぅ……そーいちぃ……。はげし……バトル……はげし……すぅ……」
「……っ!……っ!」
「えへへ……あそび……ましょ……そー……すぴー……」
「……!?(ミララの寝返りでまたおっぱいが……!?)」
案の定、この夜颯一は一睡も出来なかった。
深夜に執筆していたのですがミララのおっぱいに気を取られて最後の方は何も考えられませんでした。
もふもちケモおっぱい……。
おっぱい。