※この作品はR-18です。

疲れているマスターを癒すつもりがいつの間にかマスターと肉欲と情愛に爛れた関係になるブーディカさんのお話   作:Tスプーン

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戻ってきた“日常”

 

あの部屋から出たからもブーディカは以前と変わることなく、カルデア食堂で手伝いをしていた。

 

「はい、マスターはB定食だったよね。おかわりが欲しかったらいくらでも作ってあげるからいっぱい食べてね♪」

「うん、ブーディカさんのご飯は美味しいからいくらでも食べれちゃいそうだもん」

「ありがとうマスター。お世辞でも嬉しいよ♪」

 

そう言ってブーディカはマスターの頭を優しく撫でる。

傍から見れば以前と変わらず、ブーディカとマスターの関係は世話好きな親戚のお姉さんと少し歳の離れた弟のような関係のまま、以前と変わらないように見えるだろう。

しかしそれは少なくとも表面上(・・・)だけ。その中身はすっかり変わり果てていた。

 

「ねぇマスター……」

 

B定食が乗ったプレートを受け取ったマスターの手にしっとりと触れたブーディカは彼にしか聞こえないようにヒソヒソと囁く。

 

「よかったらあたしと少し“イキヌキ”しない……?」

「いいよ。じゃあ2時間後、いつものところでね」

「うん。わかった……約束だからね♥️」

 

去っていくマスターの背中を見つめるブーディカ。

彼女が浮かべたその笑みはいつも彼女が他者に向ける母性や慈愛に満ちた微笑みではなく、好きな“男”だけに向ける、情愛に満ちた艶やかな“雌”の顔を浮かべ、以前と変わらないスリムなお腹(・・・・・・・・・・・・)を愛おしそうに撫でる。

 

「───すみませーん、A定食ひとつ!」

「あ、は~い!A定食ね!はいどうぞ、あなたもいっぱい食べるんだよ!」

 

カルデアスタッフに声をかけられたブーディカが振り返った時にはその艶笑は幻のように消え去り、いつもの母性的な微笑みを浮かべていた。

そんないつものように微笑むブーディカの内側では変わらず煮え滾るような燃え上がる深く激しい情念が渦巻いていることを誰にも気づかれることはなかった。

 

 

 

食事を食べ終えたマスターが食堂を出て行ってからもカルデア食堂では多くのスタッフやサーヴァントたちがやってきて多忙を極めた。

アルトリア・ペンドラゴンをはじめとした大食いサーヴァントやさっそく酒盛りを始めた呑兵衛たちを除く大部分のスタッフとサーヴァントたちが食事を終えてようやく一段落つけたブーディカは他のキッチンメンバーと別れ、急いでカルデアの廊下を進んでいく。

 

ブーディカはカルデアスタッフや他のサーヴァントたちとすれ違えば少し談笑しているが、今は時間が惜しいため軽く挨拶をする程度。

途中で何人かのスタッフとサーヴァントとすれ違いながら廊下を歩いていくと次第に人気がなくなり、ついには誰ともすれ違うことがなくなる。

 

「……もう……マス……ぁ♥️」

「……ブーディカはまだ来ないし……だって物足りないでしょ?」

「それはそうですけど……んっ♥️ちゅぅっ♥️」

 

ふと、遠くから声が聞こえてくる。

人がいないため音が響きやすい廊下と言えど会話の内容まではわからないが、聞こえてくる声のひとつは聞き慣れたマスターの声だ。そして、もうひとつは女性で、艷やかで蕩けた甘い蜜のような喘ぎ声をあげている。

 

ブーディカがマスターとの待ち合わせ場所に近づくほど会話が鮮明に聞こえてきて、マスターがいる曲がり角の先からはちゅぱっ♥️ちゅぷっ♥️という熱烈で情熱的で淫らなキス音やじゅぽっ♥️じゅちゅっ♥️と何かをしゃぶる音さえもブーディカの耳に何度も何度も届くようになる。

 

(もしかして……)

 

曲がり角の先で行われていることなどわかりきっている。

ブーディカは曲がり角の前に立つとわざと軽めに足音を鳴らして通路の真ん中に立つ。

 

「……っ!?は、はわわ!?だ、誰かいらっしゃったみたいです!それではマスター、私はこれで───きゃっ!?」

 

ブーディカの目論見通り足音に気がついて焦ったのかマスターと逢い引きしていた女性は通路の真ん中立っていたブーディカにぶつかってしまう。

ぶつかることがわかっていたブーディカは備えていたため倒れなかったが、ブーディカにぶつかった相手の方は尻もちをついてしまっている。

 

「ごめんね紫式部(・・・)さん。怪我してない?」

「え、えっ!?ぶ、ブーディカ様っ!?」

 

ブーディカは自分とぶつかって尻もちをついている相手、紫式部に手を差し出すと、彼女は驚いたような呆然としているような曖昧な表情を浮かべていた。

この表情は“驚いた”よりも、ブーディカに強い引け目を感じている、そんな表情だった。

 

紫式部はつい先日召喚されたばかりのサーヴァントだ。

平安時代を代表する歌人である彼女は時代は違えどマスターの同郷のサーヴァントであり、普段は図書館の管理人もしくは司書を務めている。比較的多くのサーヴァントと交友の機会があるブーディカでも紫式部の姿を見るのはほとんどが図書館か食堂である。

 

(ああ、やっぱり(・・・・)……)

 

ブーディカは呆然と自分を見上げている紫式部の装いに視線を移すと彼女の服装はいつもとは違う。

紫式部が来ているのはいつも身に纏っている黒いドレスではなく、清楚な文学少女を思わせる洋服。どこからどう見ても自分の強みを演出する気合の入った乙女の勝負服、好きな異性とデートするための衣装だ。

彼女の豊満な胸を強調するようなフリル付きのシャツに、腰の細さと足の長さをアピールするコルセット付きのロングスカート。普段はかけていない黒縁のメガネをかけて知的な文学少女のような雰囲気を漂わせながらも、瑞々しい唇にも口紅がしっかり塗ってある。艷やかな黒髪のヘアセットもしっかりしていて、服装以外にもいつもよりも気合が入っているのがわかる。

 

そんな紫式部はまるで激しい運動をしていたかのように息が荒く頬も紅潮して汗ばんでおり、唇からはヨダレと白っぽい液体を垂らし、頬には縮れた毛が張り付いている。そのくびれば簡単に折れてしまいそうな細くて白い首筋にもまるで虫に刺されたように赤くなっている部分が何か所もある。

彼女が着ている気合の入った乙女の勝負服も急いで着替えたように着崩れている。

シャツはボタンがほとんど外れてブーディカに負けず劣らずの爆乳と呼ぶに相応しい豊満な胸がまろび出てしまっており、豊かな乳肉を収めるべき淫靡な刺繍付きの黒いブラジャーからズレ落ちて柔乳を彩る少し大きめの乳輪を顔を覗かせてしまっている。さらにロングスカートの布地にはじんわりと染みが付いており、彼女の足元にはねっとり♥️とした白濁液がこぼれ落ちている。

 

乱れた服装で嗅ぎ慣れた(・・・・・)独特ないやらしい匂いを漂わせる紫式部を見て、ブーディカはニッコリと笑みを浮かべる。

 

「ねぇ、紫式部さん。もしかして───」

「はわわ、あ、いえっ!え、えっと、あの、そ、そのっ!あっ!ぶ、ブーディカ様っ!私は、そのっ!と、図書館っ!そう、早く図書館に戻らねばなりませんのでっ!このお話はまた今度に!そっそれではお先に失礼いたします……!」

「うん。後でいっぱい話そうね」

 

ブーディカが何か言おうとしていることに気がついた紫式部は言い訳のように早口でまくし立て、そのままそそくさと足早に立ち去っていく。

そんな逃げるように駆け出した彼女の後ろ姿を見て理解できないくらい鈍い人間もいないだろう。

 

(ああ、そっか……あの子も(・)そうなんだ。あの子、あたしが来るまでマスターとデートしてたんだ……)

 

ブーディカから逃げるように去っていった紫式部の後ろ姿を見てその心の中に感情がふつふつと湧き出てくる。

傍から見ればマスターはブーディカと逢瀬の約束をしておきながら他の女にうつつを抜かすナンパ男と、紫式部は横からマスターを盗ろうとする泥棒猫だろう。

 

浮気者に、泥棒猫に、もしくはその両方に強く悪感情を抱くものだ。

嫉妬?怒り?もしくはそれは殺意かもしれない。

 

(あぁよかった(・・・・)♪あの子もマスターと仲良くなれたんだ♪)

 

───だが、ブーディカが抱いている感情はそれらとはまったく違う。

それは安堵と歓喜、そして同じ雄を愛する同胞へ向ける祝福の感情だ。

悪感情を抱くどころか、むしろ紫式部がマスターとデートするくらい仲良くなれたことにブーディカは心の底から嬉しく思っている。

だって、サーヴァントならマスターと良好な関係を築くことは自然なことだ。それに多くの雌から好意を抱かせる優秀な雄であるマスターがモテるのは当たり前であり、喜ばしいことなのだから。

 

(ふふ、今度差し入れにお菓子でも持って図書館に行こうかな♪お茶会に誘ってマスターの好きなところを言い合ったりもするのもいいかも♪)

 

まるで悪感情にロックを掛けられているようにブーディカは紫式部にわずかな悪感情を抱かない。それどころかブーディカは自分と同じようにマスターを恋慕している紫式部の恋心に共感しており、紫式部の恋が成就できるように応援するつもりでさえいた。

 

(さてと)

 

「お待たせマスター。あの後またちょっと混んじゃって来るの遅れちゃった。待たせちゃってごめんね」

 

紫式部がやってきた曲がり角のその先にマスターはいた。

見慣れたカルデアの制服はだらしなくはだけて少し鍛えられた逞しい胸板が露わになっていて、ズボンは下から突き破らんと顔を上げるテントを張っている。それにさっきまで激しい運動をしていたように身体が汗ばんでおり、何より彼の唇や頬、首筋には紫式部の唇に塗られていた口紅とまったく同じ色のキスマークがべっとり♥️とつけている。

 

「ああ、別に気にしてないから大丈夫だよブーディカ」

 

ブーディカが来る直前まで紫式部と楽しんでいたことを隠すどころかまるで悪びれることさえしていない堂々とした面持ちでブーディカに笑顔を向けている。

これから女性(ブーディカ)とデートするというのに他の女(紫式部)から付けられたキスマークを拭ったり落とすことなくそのままにしている。

傍から見てもここにいるのは完全に状況証拠が揃い切った役満の浮気者だ。この場で有無を言わさずマスターを罵ったり、その頬を引っ叩いても問題ない。

しかし、そんな浮気者(マスター)を見てもブーディカは毛ほどの嫌悪感を抱くことなく、むしろ自分が約束に遅れてしまったことへの罪悪感を抱いていた。

 

「それにさっきまで香子と一緒にたっぷり暇つぶししてたからね」

「許してくれてありがとマスター♪」

 

マスターが香子───紫式部の本名を呼び捨てにしており、その親しくなっていることから紫式部の恋が実ったことを確信させてブーディカはさらに嬉しさを感じ、遅れた自分を許してくれたマスターの優しさにブーディカの子宮はキュン♥️と強くトキメイてしまう。

 

「さっ“いつもの場所”に行こうか、ブーディカ」

「あっ……♥️う、うんっ♪」

 

無遠慮にブーディカの肩に手を回したマスターはグイッと強引に彼女の身体を抱き寄せる。

乱暴なその仕草と強引さにブーディカの心がまたトキメイてしまう。

そんなブーディカの肩に腕を回すだけでは飽き足らず、肩に回した手をブーディカの胸元に這わせて豊満な胸を乱雑に揉み始める。ブーディカの柔らかい乳肉がマスターの手に合わせてその形を変える。

 

「キャッ……♥️もうっマスターったら♪いきなり女の子のおっぱいを揉んじゃダメだよ?あたしならともかく他の女の子にこんなことしたら嫌われちゃうよ?」

 

完全にセクハラでしかないマスターの行為を彼女は嫌な顔ひとつ見せることなく、むしろ彼女の唇から漏れる声は甘く蕩けており、嬉しさを隠しきれないというように笑顔を向けている。

 

「嫌がる人には絶対にやらないよ。俺がやるのはブーディカみたいに許してくれる人だけだよ」

「こぉらっ♪冗談でも女の子にそんなセクハラ染みたことを言っちゃダメだよ?他の女の子にこんなことしたらダメだからね♪」

 

そんな少し強引なマスターの仕草にブーディカは少しも嫌がる素振りを見せず、むしろ恋人のようにマスターの腕を抱きしめるように腕を絡ませてその豊満な胸を押し付ける。じわり♥️とブーディカの胸から溢れた白く甘い液体によって彼女のベストに染みができる。

 

マスターと腕を絡ませ合い、マスターと肩を寄せて、マスターの横顔を見つめながら歩く。たったそれだけでブーディカの胸は高鳴り、ブーディカの心は温かい幸福感と甘くて熱い情愛に満たされる。

 

広いカルデアの中でも特に人気のない廊下にはスタッフもサーヴァントもおらず、今ここにいるのはブーディカとマスターのふたりだけ。マスターと自分だけ、たったふたりだけで誰もいない廊下をゆっくりと進むだけでブーディカにとって至福の時間であった。

マスターの恋人のように、大好きな彼と歩いているだけでブーディカにとって今までのどの瞬間よりも幸福な時間だ。

 

(はぁ〜……♥️大好きなマスターと出会えて、こうしてデートできて幸せだなぁ♥️人理焼却が起きて良かった♥️♥️)

 

マスターと出会うキッカケとなった人理の危機に感謝さえしていた。それは英霊にあるまじき考えだが、ブーディカにとって英霊の使命や人類史の危機などマスターに比べれば些細なことにまで堕ちていた。

今のブーディカはまるで好きな彼氏との、もしくは愛する夫との逢瀬を心の底から楽しむひとりの乙女のようで、それ以上に匂い立つほど濃密な“女”と“色気”を漂わせているブーディカは幻術を解かれたことで露わになった大きく膨らんだお腹を撫でながらいつもの部屋へと向かっていった。

 

 

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