※この作品はR-18です。

シュウマチュ短編集   作:ニドラン

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向こう側からやって来た少年、シュウジ。
たった一つの望みを果たすこともできず、夢の世界に置き去りにされた彼は、全てを失ったと思っていた。

そんな彼が再起できるようにとマチュは、シュウジに寄り添う道を選ぶ。
いつか、彼が再び歩き出せるその時まで‥‥

そんな二人に"世界"が敵に回り…


白い守護者
悪魔から守護者へ ☆


イオマグヌッソ事変。

ジオンの指導者たるザビ家の潰し合い。

それに伴うジオン公国防衛における重要軍事拠点"ア・バオア・クー"の消失。

この大事件は、被害を受けたジオン公国のみならず、反撃の機会を窺っていた地球連邦にすら大規模な変化を促すこととなった。

 

すなわち軍事力の増強である。

 

防衛力が著しく低下したジオン。

千載一遇のチャンスが巡って来た連邦。

この危機を乗り越えるために、この機会をものにするために、相反する思惑をもつ二つの勢力は、全く同じ方針に舵をきった。

そして…その先には、一人のニュータイプと思われる少女の存在があった。

 

アマテ・ユズリハ。

 

イオマグヌッソにおける戦いには、"向こうがわ"と呼ばれる別の宇宙の存在があった。

しかしその存在を知っているものは極僅かに限られており、故にその事変の詳細はジオン公国も連邦も把握してはいなかった。

把握していないからこそ『イオマグヌッソ事変を解決に導いたニュータイプ』に注目が集まるのは必然と言えた。

 

公国・連邦からすれば、アマテ・ユズリハという少女は『ア・バオア・クーを消滅させるほどの兵器を無力化できるほどの能力を持つ』という、喉から手が出るほど欲しい逸材だったのだ。

 

無論、彼女一人で成し遂げられたわけではない。

アマテを実質的に導くこととなったシャリア・ブル率いるソドン。

キシリアに従いながらも、アマテ‥‥マチュとの友情に天秤が傾いたもう一人のニュータイプであるニャアン。

そしてイオマグヌッソ建設における影の黒幕…シャア・アズナブル。

各々思惑はあれど、事変解決のために力を合わせた事実は変わらない。

その縁もあって、アマテを狙う二つの勢力から彼女を守ろうと尽力した。

 

だが、あまりにも数が違いすぎた。

 

一強襲揚陸艦単位くらいしかない戦力では、ジオンと連邦…二つの勢力を抑えきるのは土台不可能であった。

なんとか身を隠していたアマテ・ユズリハであったが、ついに捕まえられる時がきた‥‥そう思われた。

 

「ひとつ。」

 

モビルスーツが爆散する。

 

「ふたつ。」

 

宇宙戦艦が火を噴き墜ちる。

 

「みっつ。」

 

数を数える…その度に、暗黒の宇宙で命がその火花を散らし…消えていく。

ただただ敵を屠ってゆくその姿は、まさしく"白い悪魔"。

 

たった数分で、アマテ・ユズリハに迫る人間たちは、たった一機のモビルスーツによって殲滅された。

 

「シュウ、ジ…。」

 

白いモビルスーツのコクピットで、それを操作する少年の腕の中にアマテ・ユズリハはいた。

少年が消えてしまうのが怖かった。だから、ジオンと連邦に追われる最中も常に一緒だった。

だが逃げきれないと悟った時、アマテ・ユズリハは少年から離れることを決意した…それを告げた時…

 

白い悪魔が再びこの宇宙に現れた。

 

今度はアマテ・ユズリハのほうが少年によって固く…痛いほどに…どこにもいけないように…抱きしめられる番だった。

自分自身を空っぽだと、どうしようもない人間だと卑下していた少年の目に、炎が燃え上がる。

誰よりも自分を愛した少女に、自分を諦めさせた人間たちへの怒りの炎が。

 

暗黒の宇宙に、白き守護者…"ガンダム"が起つ。

少年の怒りを、憎き敵にぶつけるために…!

 

「マチュを傷つけるなら…僕が相手だ!」

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